2018年07月20日号「日本ホル協特集号」
4面
酪農家戸数・乳牛頭数減少に危機感
後継牛確保と長命連産性向上図る
-日本ホル協第68回総会-
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一般社団法人日本ホルスタイン登録協会(前田勉会長)の第68回通常総会が、6月15日、東京都中野区の中野サンプラザで開催され、報告事項として平成29年度事業概況並びに決算報告、平成30年度事業計画並びに収支予算、公益目的支出計画実施状況について確認され、任期満了に伴う役員改選などの議案すべてが原案通り可決承認された。
会長挨拶
議事に先立ち、前田会長が開会挨拶を行い、会員並びに登録委員など酪農関係者をはじめ、日頃からご指導、ご支援をいただいている関係団体・機関、そして社員各位の多数の出席を賜り、盛会に開催できることに対し謝辞を述べた。
はじめに、6月初旬に九州をはじめ西日本の広い地域を襲った台風7号並びに記録的な豪雨により各地で土砂崩れや河川の氾濫、道路寸断など人命に係る大きな被害があり、被害に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げ、1日も早い復旧対策が進められるよう祈念申し上げた。
次に、酪農をめぐる情勢について「昨年の酪農業界は、子牛販売価格の好況と飼料価格の比較的安定供給に支えられ、経営面では比較的順調な1年であったが、国内の酪農家戸数や乳用牛頭数は引き続き減少傾向をたどり、その影響は乳牛資源の価格高騰に拍車をかけ、特に都府県酪農家では後継牛不足と将来への危機感を強めている。
こうした状況の下、乳用後継牛確保のための性選別精液利用の普及率は年々高まっていて、最近では全国の乳用子牛生産頭数の半数以上を雌子牛が占めるまでになっており、当協会の血統登録においても性選別精液利用による登録割合は年々高くなり、昨年度の血統登録申込頭数は全国で20万7000頭を数え、前年を約6800頭上回る大幅な伸びを示した。会員並びに登録委員の皆様には改めてお礼を申し上げたい。
当協会では本年度も、より多くの乳用後継牛の確保と併せて、経産牛の平均寿命や在籍年数を延ばすべく、長命連産性向上のための対策を強化していく。これには、本会事業である牛群審査による体型データ収集と受検農家への情報提供の強化を図るとともに、前年度に引き続き、(公財)全国競馬・畜産振興会からの助成を受けて[乳用牛DNA情報による長命連産性向上事業]を実施して、育成牛の体各部位測定、歩様等の肢蹄形質調査、歩様記録を持つ経産牛のSNP検査等から、長命連産性向上との遺伝的な関係を調査し、標準発育値の作成や肢蹄指数等の開発に努めます。」と述べた。
また、「2020年に初のブロック開催となる第15回全日本ホルスタイン共進会九州・沖縄ブロック大会もあと2年3か月に迫っており、現在、実行委員会の絶大なるご協力と連携の下で、本格的な準備に入ってきたところです。また、参加都道府県出品割当頭数については本年11月に最終決定し、出品牛の選定準備へのご協力をお願いする運びとなります。
来たる九州・沖縄全共が今後の全共開催の範となり、国産種雄牛の利用拡大と酪農生産意欲の向上、全国酪農家・関係者の親睦と絆がより深まることと、一般消費者に対する酪農理解醸成活動、九州・沖縄各県の特徴を生かした牛乳・乳製品や農畜産品の消費宣伝の場になることを期待し、当協会もその成功に向けて全力で準備を進めて参りますので、会員をはじめ、酪農関係各位の特段のご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」と述べた。血統登録 109.5%増
平成29年度事業実績では、会員数が都府県5572名、全国1万2122名で前年度から363名減少した。一方、血統登録申込は、全国20万7114頭の前年度対比103.4%の増加で都府県では前年度対比109.5%と大幅に増加した。
審査成績証明申込は都府県で9733頭(前年度対比103.0%)、全国では2万6076頭(同100.3%)と増加を示している。検定成績証明申込が都府県で4341件(同100.9%)、全国では7万4444件(同99.0%)であった。また、SNP検査はLD一般の申込で都府県678件、全国では3554件(同142.2%)となった。29年度決算
平成29年度収支決算では、登録事業からなる実施事業会計、ホルスタイン会館賃貸事業のその他会計、そして法人会計を合わせた経常収益額は表より13億631万517円、同じく経常費用額は12億3669万3585円で、税引き後の正味財産増減額は6961万2932円の黒字となる旨上程され、原案通り可決承認された。
30年度事業計画
平成30年度収支予算については、血統登録申込が都府県で4万1910頭(前年度比103.0%)、全国でも20万410頭(同102.4%)、とし、経常収益は12億8268万7千円を見込む。
昨年の酪農業界は、和牛受精卵やF1等の子牛販売価格の好況、飼料価格の比較的安定供給等に支えられ、経営面では比較的順調な1年であったが、国内の酪農家戸数や乳用牛頭数はなお減少傾向を呈し、昨年度は北海道を除くほとんどの都府県で生乳生産量が前年を下回った。乳用牛頭数の減少は乳牛資源の価格高騰につながり、特に都府県酪農家における後継牛不足に拍車をかけている。
こうした状況下、乳用後継牛確保のための性選別精液利用の普及率は年々高まっており、最近では、全国の乳用子牛生産頭数の半数以上を雌子牛が占めるまでになった。
当協会では、より多くの乳用後継牛を登録に結びつけるため、安価で申込書不要の自動登録を推進し、強い近親交配の回避や遺伝病発現の防止、遺伝的能力評価計算の基礎ともなる正しい血縁の構築と情報提供を引き続き行っていく。
また、前年度に引き続き、(公財)全国競馬・畜産振興会からの助成を受けて「乳用牛DNA情報による長命連産性向上事業」を実施し、育成牛の体各部位測定データの収集、歩様等の肢蹄関係データの収集、歩様データを持つ経産牛のSNPデータを収集して、長命連産性向上との遺伝的関係を調査するとともに、標準発育値や肢蹄指数等の開発に努める。日本ホル協70周年記念式典開催
当協会創立70周年の記念式典を9月5日に中野サンプラザで開催する。また、2020年に、初のブロック全共として宮崎県都城市で開催する第15回全日本ホルスタイン共進会九州・沖縄ブロック大会に向けて、実行委員会との連携を密にして本格的な準備を進める。
血統登録では、自動登録を主体に一層の推進を図るとともに、正確な登録を実施するために現場における出生子牛とその母牛の確認の徹底を図るほか、登録申請牛への親子判定抜取調査やSNP検査等における血縁チェックと血統疑義牛への親子判定調査の徹底を図る。会長再任
総会では任期満了に伴う役員改選があり、引き続き開催された理事会では会長、副会長、専務理事の選任が行われ再任された。
- 会長
前田 勉氏(長野県) - 副会長
山口哲朗氏(北海道)
清末健一氏(大分県) - 専務理事
栗田 純氏(学識経験者) - 理事
小椋茂敏氏(北海道)
山口秀雄氏(岩手県)
安齋利勝氏(福島県)
臼井 勉氏(栃木県)
石原俊明氏(群馬県)
長井竜也氏(富山県)
鈴木康弘氏(愛知県)
栗山勝行氏(兵庫県)
川本正一郎氏(鳥取県)
長恒泰治氏(岡山県)
三瀬寿登氏(愛媛県)
松島喜一氏(熊本県) - 監事
千葉準一氏(青森県)
髙橋秀行氏(千葉県)
壹岐定憲氏(宮崎県)
第68回日本ホルスタイン登録協会通常総会
(6月15日中野サンプラザにて)来賓祝辞
日本ホルスタイン登録協会の第68回通常総会に来賓として臨席され、祝辞を述べられた方々とその概要は次のとおり。
「畜産クラウドの構築 農水省をあげて支援
第15回全共を 牛作りの理解醸成の場に」
農林水産省生産局 畜産部畜産振興課 春名竜也課長補佐家畜改良増殖法に基づき乳用牛の要であるホルスタインの審査・登録を担い、70年の長きにわたって不良形質の淘汰、有用なホルスタインの選抜に大きな役割を果たしてくれていることに農林水産省を代表して厚くお礼申し上げる。
ご承知の通り我が国、生乳生産基盤の強化は喫緊の課題となっている。効率的な家畜の改良増殖を進めるとともに、性選別技術あるいは衛生管理、暑熱対策など適切な飼養管理などの普及定着を図っていきたい。また、関係機関の協力を得て畜産クラウドというデータベースの構築を検討しており、新しい取り組みを含めまして乳用牛の能力を最大限に発揮させる農林水産省をあげて支援したい。
除籍産次が短くなっている中で丈夫で長持ちで健康な乳用牛作りというものが不可欠であり、正しい体型の牛の重要性を広めていただければと心からお願い申し上げる。再来年に宮崎県で開催予定されている全共がまさにそういう理解醸成にうってつけの場であると考えている。皆様のご尽力に感謝するとともに実りのあるイベントになるよう農林水産省としても精一杯応援させていただきたい。皆様が乳用牛の改良の先駆者として我が国の酪農に一層貢献されることをお願い申し上げる。「『日本のホルスタイン』 継続的な取り組みに期待」
一般社団法人家畜改良事業団 守部公博専務理事当団は色々な仕事をさせて頂いておりますが、基本的に日本ホルスタイン登録協会との連携があり、この点につきまして日頃からの皆様方の取り組みについて厚くお礼申し上げる。酪農情勢につきましては、国内的には雌子牛の価格高騰が特に都府県酪農を直撃しており、家族経営を中心に酪農から離脱されている方が続いていることは残念である。29年度の登録件数は全国で20万件を超えていたということで、その中でも都府県の伸びが著しいと聞いている。血統登録は乳牛改良の基本で、最も欠かすことのできない取り組みであり、これが広まっていくということは当然ながら改良集団、改良の基になるところが拡大するということであり先の我が国の乳牛改良を考えるうえではかけがえのない財産であると思っている。
最近出た雌子牛の生産予測によると、昨年度から雌子牛の出生頭数が増えており、今年度もまたそれを上回るペースで生産が見込めそうだ。背景にはメスの性比、これが前回よりも8%ぐらい上回っている。また、国の方で打ち出されたクラスター事業、これが27年度に本格稼働し、これらの成果が出始めている。当然ながら、皆様方の取り組みの賜物であると敬意を表する次第である。
本年は日本ホルスタイン登録協会の70周年、節目の年であり、この70周年も社団法人としての歴史であるが、その前身組織を探ってみると優に100年を超える登録の歴史が日本にある。ヨーロッパでもだいたい1890年前後から登録を行っており、日本は決してそれに引けを取らない歴史を積み重ねてきている。そしてその登録を背景にした後代検定や牛群検定も半世紀に近い歴史、そして諸外国に引けを取らないしっかりした成果実績、これを残して今日に至っている。各国改良事業を実施しており、我が国日本もまた然りである。各国改良に力を入れるのにはそれぞれ理由がある。日本の例で言いますと、日本ホルスタイン登録協会の名前に入っている「日本ホルスタイン」、これを作るために改良事業を展開している。そういう中で皆様方の今後の継続的な取り組みに大いに期待している。「生産減少に歯止めを 生産基盤の強化が課題」
一般社団法人全国酪農協会 馬瀬口弘志会長(三国貢常務理事代読)本年度も重点事業として①血統登録は自動登録の推進を図り、牛群審査をはじめとした各種登録・証明の推進、②ゲノミック評価とSNP検査の普及に努め、遺伝的改良の推進を図る、③体型審査の普及と長命連産性に関連した事業の展開―などを推進していくと聞いている。
特に近年、乳用牛のゲノミック評価については、主要国で急速に普及・進展しているが、貴協会はその普及推進に努めていることに対して心より敬意を表するものである。
最近の酪農をめぐる情勢については、本年度より改正畜安法が施行されるなど、大きな節目を迎いる。生乳生産基盤の強化が近年の課題となっているが、中でも依然として生産減少に歯止めがかからない都府県の酪農対策が今年度は強く求められている。
農政活動においては、貴協会を含めた酪農の友好団体が酪政連に結集して、政府・国会に様々な要請活動を展開してきたが、平成31年度の酪農政策に関しても、酪政連においては①後継牛確保対策②自給飼料対策③家畜排せつ物処理施設等対策④新規就農対策⑤経営安定対策について、現在、要請活動を展開中である。
直近の酪農経営は、副産物価格の値上がり等があり、経営は回復してきているといるが、将来を見据えますと、基本は生乳生産できちんと再生産ができ、なおかつ将来に向けた投資が可能となる余剰が持てることが重要なことでる。
貴協会と本会とは、機関紙「全酪新報」を会報としてご活用いただくとともに、「ホルスタイン牛の広場」として毎月、全国に改良の成果等を発信している。本会の酪農未来塾や視察研修事業などの運営にも御指導をいただいております。今後ともより一層の提携強化と友好を深めて参りたいと思っている所存である。 - 会長
5面
新役員7名が就任
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役員の任期満了に伴う役員改選を行い、理事16名、監事3名の役員候補者が原案通り可決承認された。任期は2年間。
総会後、開催された理事会において、役員による三役の互選が行われ、会長には前田勉氏(長野県)、副会長には山口哲朗氏(北海道)、清末健一氏(大分県)、専務理事には栗田純氏(学識経験者)がそれぞれ再選された。
また、藤岡俊策氏(岩手県)、柴野立太氏(石川県)、三浦幹雄氏(鳥取県)、岡村隆生氏(高知県)、草場哲治氏(福岡県)の5名が理事を、朝倉実行氏(茨城県)、松島喜一氏(熊本県)の2名が監事を退任し、新たに山口秀雄氏(岩手県)、長井竜也氏(富山県)、川本正一郎氏(鳥取県)、三瀬寿登氏(愛媛県)、松島喜一氏(熊本県)が理事に、髙橋秀行氏(千葉県)、壹岐定憲氏(宮崎県)が監事に選ばれた。
登録推進に尽力 -登録委員57名を表彰-
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日本ホル協は、登録委員に対する表彰要領に基づき、各県支部・承認団体から推薦のあった24府県57名の登録委員の方々を表彰した。
登録委員は、酪農組合などの技術職員で、日本ホル協が委嘱し、酪農家に最も身近な立場で登録申込書の作成や改良指導などに日頃から活動されており、登録推進には不可欠な存在である。常々のご尽力に対して心から感謝の意を表する次第である。
29年度の表彰登録委員は次のとおり(敬称略)で、後日感謝状と記念品が贈られる。
(青森県)柴崎里美
(岩手県)佐々木一樹、千葉智裕、岩脇秀身、永村愛華、佐藤翼
(宮城県)佐々木司幸、高橋清治
(福島県)三横孝弘、熊田広幸
(茨城県)小泉由紀子
(群馬県)宮崎智裕、青木裕治、福田真由美、海沢勝利、角田豊司
(千葉県)川名清和、水野好幸、冨山洋、高梨義教
(長野県)星野瑛代、有賀靖浩、山下秋広、伊藤大器
(岐阜県)長瀬和仁、林慎一郎、廣瀬太一
(静岡県)岩田宏三、吉岡武志、水落麻友
(京都府)堀江隼人
(兵庫県)道満文貴、籾山京子
(奈良県)東文香
(鳥取県)今吉正登
(岡山県)奥山康恵、森中友美
(香川県)濱中大介
(高知県)尾﨑郁馬
(福岡県)小河武洋
(長崎県)野田武雄
(熊本県)後藤彩月、黒田公浩、田野真弘、福田一美、矢川貴之
(大分県)田北良
(宮崎県)黒木信宏、谷山健一郎、黒肱亨平
(鹿児島県)米田秀一、泊秀一、藤田周平、菅田力生
全共開始準備、本格スタート -第15回全共まであと834日-
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第15回全日本ホルスタイン共進会九州・沖縄ブロック大会(第15回全共)まであと2年3か月、834日となり、先般の第2回実行委員会総会の決議を経て、全共開催準備が本格的にスタートした。全共準備の進捗状況と出品対策の要点をまとめた。
本年度中に基本計画策定
第15回全共実行委員会(事務局は宮崎県経済農協連内)は5月16日、宮崎市内で第2回実行委員会総会を開催し、基本構想や大会全体の収支予算、今後の準備スケジュール等を決めた。
基本構想では、本大会では共進会開催と併せて一般消費者に対する酪農理解醸成のイベントを充実するとして、実行委員会は今後、会場施設や出展・協賛催事、防疫、交通輸送、広報等の具体的な内容を詰めていき、本年度内に基本計画を策定する。本年10月には大会公式ホームページを開設して各種情報や会場案内等を提供していく。酪農理解醸成の充実図る
第15回全共は2020年10月31日~11月2日の3日間、宮崎県都城市の都城地域家畜市場で開催される。10月31日は開会式と比較審査、11月1日は比較審査と最高位・名誉賞決定審査、2日は上位入賞牛パレードと閉会・褒賞式が行われる。
一方、催事関係では、酪農資材器具展・技術交流会は全共会場に隣接する宮崎県家畜商協家畜市場及び会場周辺で開催する。高校生対象の行事も検討中。酪農理解醸成活動は家畜防疫の関係から近隣の別会場で開催し、九州各県の「食」と「物産」ブースや牛乳・乳製品の消費拡大イベントを計画している。また、九州各県では全共までの2年間に、各県内の共進会や酪農関係行事と併催して消費拡大イベントを実施予定している。さらに、全共開催の1年前には全共の本会場となる都城地域家畜市場で九州連合ホルスタイン共進会が開催されることも決まっている。出品はホル250頭 ジャージー20頭
全共出品対策について、日本ホル協では本年11月の出品割当頭数決定に向けて、各都道府県支部・承認団体を通じて出品割当希望頭数をとりまとめ、最終調整の段階に入っている。
出品頭数は、ホルスタイン250頭(一般枠170頭、高校特別枠20頭、後代検定娘牛枠60頭)とジャージー20頭の合計270頭で、出品区分はホルスタイン12部(未経産4部、経産8部)とジャージー2部(経産)の計14部。このうち、第1、2、5部は後検娘牛の部、第3、4、6~12部は一般の部で、後検娘牛は一般の部にも出品できる(重複出品はできない)。高等学校からの出品奨励枠として、一般枠で出品しない高校は1校1頭を一般又は後検娘牛の部の該当する月齢の部に出品することができる。未経産は自県産 6月以上飼養
出品牛は国内産の血統登録雌牛で、第1~4部出品牛(未経産)は、①自県産で出品者が20年9月末日(基準日)まで引き続き6か月以上所有・飼養していること、②第1~2部は後検娘牛の部、③検定の条件があり、母牛が日ホの検定成績証明を取得又は申請中であること、④未経産で生後19か月以上(第4部)の出品牛は妊娠確実であること、④公共牧場での飼養期間は自家飼養期間に含めない(経産も同じ)等、が条件。
未経産出品対策 既に始まっている
左表で「生年月日の範囲」を見ると、第1~4部の未経産牛は今日現在まだ生まれていないが、これらの生年月日から仮に在胎日数を280日として授精年月日を逆算すると、第1部に出品するためには、本年10月26日から12月25日の間に授精し受胎したもの、第2部出品牛は本年8月26日から10月25日の間に、第3部出品牛は本年5月26日から8月25日の間に、第4部出品牛は本年2月25日から5月25日の間に授精し受胎したものが出品の対象になる。
このように、未経産牛の出品対策は既に始まっている(実際には、在胎日数の長短によって受胎確認月日は変動する点を留意されたい)。経産牛は国内産 1年以上飼養
経産牛では、①ホルスタイン経産牛(第5~12部)は、出品者が基準日まで引き続き1年以上所有・飼養していること、②ジャージー(第13~14部)は、出品者が基準日まで引き続き6か月以上所有・飼養していること、③検定条件は、経産牛で4歳未満のものは、本牛が検定成績証明を取得又は申込中であること(2歳級は申込中でよい)、4歳以上は、検定成績証明を取得していることが条件。
出品申込締切は2020年9月24日
第15回全共の会期は、第1期(2020年4月1日~9月23日)と第2期(同9月24日~11月2日)となっており、①第1期では、各都道府県団体は既に割り当てられた出品頭数の概ね3倍の範囲内で出品牛を審査選定し、②その中から各都道府県出品割当頭数の範囲内で出品牛を選定し、2020年9月24日(木)までに出品申込を行う。この日が全共出品申込みの最終締切日となる。
公正な出品と監視員の設置
出品者は全共で定められた出品マナーを守らなければならない。すなわち、医療的整形や薬剤等の使用、皮下への異物挿入、パウダー等による外貌輪郭の改変、不自然な乳房形状の調整や乳頭形状・方向の修正、色素等での不自然な色彩変更、乳房へのオイル、ジェル、艶出し等の使用、過度の給水等による腹部の膨張、背線や尾根部へのつけ毛・植毛、背線・尾根部の毛の長さが3センチを超えるもの、等の行為を禁止する。これらの不正行為が行われないよう監視員を置いて事前確認を行い、過剰な準備を施している場合には直ちに行為の停止又は異物等の排除、獣医師の診断書等の提出を求める。また、その行為が悪質と判断した場合には共進会への出品を拒否する。
審査成績優秀牛群 -平成29年度-
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日本ホル協では、審査頭数によって10~29頭、30~49頭、50頭以上の3クラスに分け、それぞれ平均体型偏差値の上位10牛群計30農家を表彰した。
表彰にあたり50頭以上クラスを除き、受検率70%以上が表彰条件となっている。
審査頭数10~29頭クラスでは27戸が対象となり、その中で長崎県立島原農業高等学校(長崎県)が審査頭数14頭(受検率73.6%)、平均得点88.3点、平均体型偏差値171.6で第1位を獲得した。トップテンのうち高校5校が上位にランクインする結果となった。
審査頭数30~49頭クラスでは18戸が対象となり、その中で古川さん(佐賀県)が、審査頭数41頭(受検率85.4%)、平均得点87.4点、平均体型偏差値164.9であった。古川豪樹さんはこの部門では平成24年度から6年連続してトップ獲得となった。
審査頭数50頭以上クラスでは34戸が対象となり、その中で松島太一さん(熊本県)が審査頭数50頭(受験率73.5%)、平均得点86.0点、平均体型偏差値151.5で第1位に輝いた。
以上、平成29年度の審査成績優秀牛群表彰農家を紹介したが、表彰者個々の改良意欲の高さと、日々の管理技術の向上に取り組む姿勢に敬意を表するとともに、今後のさらなる発展に期待したい。
検定成績優秀牛群 -矢内孝久さん(群馬県)トップに輝く–
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日本ホル協では、表彰要領に基づき毎年度検定成績優秀牛群を表彰している。平成29年度のとりまとめでは、矢内孝久さん(群馬県)の牛群が牛群検定加入頭数22頭のうち99件証明から平均乳脂肪量(F)偏差値206.2でトップに輝いた。
2位は昨年度トップの五味英介さん(長野県)が、55件証明のF偏差値195.8と昨年度を上回る成績を収めている。3位は佐野茂樹さん(岩手県)が21件証明のF偏差値181.9と続いた。
今後の行事 -日本ホル協-
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◇地区別登録委員研修会・夏期登録事務担当者会議
◎東北地区=7月23・24日=宮城県
◎関東地区=8月8日=東京都、日ホ会議室(事務担当者会議のみ)
◎中部・北陸地区=7月19・20日=石川県
◎近畿地区=7月26・27日=和歌山県
◎中国・四国地区=7月30・31日=徳島県
◎九州地区=7月12・13日=沖縄県
◇第15全共実行委員会
◎実務者会議=7月及び9月予定=宮崎市内
◎幹事会=10月予定=宮崎市内
◇日ホ創立70周年記念式典=9月5日東京都、中野サンプラザ
◇世界ホルスタインフリージアン連盟体型審査ワークショップ=9月10~12日英国
◇平成30年度支部・承認団体登録事務取扱者研修会=9月6・7日=日ホ会議室
◇中央審査研究会=9月19~21日=北海道江別市、酪農学園大学
人事異動 -日本ホル協-
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(6月15日付け)
◇池田泰男 全共対策室室長兼務(事業部長)
◇國行将敏 全共対策室次長兼務(事業部次長)
6面
血統登録10%の伸び 24年度水準まで回復
-29年度都府県の各種申込状況から-
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平成29年度における都府県別各申込状況を表1にまた平成20年度から直近10年間の各種申込件数の推移を表2および図1に示しました。都府県の血統登録数は4万6113頭で、対前年比109.5%と上昇に転じました。頭数的には、消費税が8%に増税される前と同じくらいの水準にようやく戻ってきたことになります。過去、増税前に駆け込みの申し込みで登録頭数が大きく上昇したものの、翌年にはその反動で大きく減らしています。登録頭数は、このまま回復傾向が続くのか、それとも来年10月の消費税増税によって再び乱高下を繰り返すことになるのか注視していく必要があります。
会員・移動証明は減少
他方、会員数は前年比98.7%と減少傾向に歯止めがかからずにいます。特に都府県では廃業が相次ぎ、危機的な状況が続いています。それでも県によっては増加に転じたところもあります。これはひとえに登録窓口団体のご尽力によるものと深謝する次第です。
移動証明は、自動登録の普及拡大に伴い減少傾向が続いています。自動登録農家は移動証明申込みが不要となるため、自動登録実施農家が増えるほど移動証明の申込みは減少していきます。それでも前年比98.9%と、ほぼ横ばいに推移しており、自動登録以外の農家において積極的な移動があったことを物語っています。
ここで表1に都府県の自動登録実施状況を示しました。都府県で1922戸が自動登録を実施しています。昨年7月からの1年間で自動登録を開始した農家は109戸ありました。中でも、岩手県、千葉県、福岡県、熊本県は2桁の増加となっています。既に会員の自動登録農家が9割に達している、福井県、鳥取県、岡山県、山口県など、各県支部・承認団体のご尽力により自動登録への切り替えが進んでいます。県によっては自動登録への切り替えが難しいところもあるかもしれません。そのような場合は、当協会へご相談いただきたく思います。新規EX牛262頭
審査成績は9732件で、平成22年度より微増の傾向が続いています。平成29年度は新たに誕生したEX(エクセレント)牛は262頭。昨年新しく制定されたEX―E制度により、分娩更新して審査を受検し、複数回EXに評価された2E以上の牛は79頭誕生しました。新たに誕生したEX牛は熊本県、岩手県、千葉県、群馬県が多く、複数回EXに更新された牛は岩手県、群馬県、栃木県、福岡県が多かったです。
検定成績証明は4493件で、微増から横ばいの傾向ではありますが、地区・県による差が著しく、証明件数の少ない地域での普及・推進が望まれます。近く、自動継続によって検定成績証明書を取得している農家を対象に、新たな取り組みやサービスの向上を行う予定です。高い泌乳記録を持った牛や、EX―E制度で審査優秀牛と認定された牛など、頑張ってくれた愛牛の記録を証明書という形で残して、日頃の酪農経営のモチベーションアップにつなげていただくようお願いいたします。酪農経営の安定的発展には遺伝的改良
我が国の酪農を継続・発展させていくためには、飼養管理の改善に加え、個体能力の基礎である遺伝的能力を向上させることが極めて重要です。遺伝的能力の高い牛をつくるには、母牛の遺伝的能力を知るところから始まり、その能力に応じた種雄牛を交配する事が大切です。母牛の遺伝的能力を知るためには、少し経費は掛かりますが、血統登録を行い、牛群検定に参加し、体型審査を受けることが必要です。遺伝的改良は飼養管理を改善することとは違い、次世代に期待するので少し時間はかかりますが、確実に酪農経営の改善に役立ちます。また個体毎の能力向上は重要ですが、牛群全体の生涯生産性の向上を図ることの方が、酪農経営では何より大事なことです。次代を効率よく生産し、これを繰り返すことで、より選抜を進める。酪農経営の安定的発展は、遺伝的改良とセットなのです。
普及推進に貢献 -宮崎経済連など表彰-
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日本ホル協では毎年度、会員拡大や血統登録の推進、自動登録の普及や審査の普及推進に貢献している各都府県支部・承認団体を表彰している。29年度の表彰団体は次のとおり。
◇会員拡大推進団体
【優秀賞】
宮崎県経済農業協同組合連合会
【優良賞】
鹿児島県酪農業協同組合、熊本県酪農業協同組合連合会
【努力賞】
全国農業協同組合連合会青森県本部、福島県酪農業協同組合、岩手県支部、大山乳業農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合◇自動登録普及推進団体
①増加指数によるもの
【殊勲賞】
(公社)群馬県畜産協会
【敢闘賞】
香川県農業協同組合、ふくおか県酪農業協同組合
【努力賞】
全国農業協同組合連合会青森県本部、新潟県酪農業協同組合連合会、静岡県ホルスタイン協会、島根県農業協同組合、山梨県家畜改良協会②普及指数によるもの
【殊勲賞】
大山乳業農業協同組合
【敢闘賞】
大阪畜産農業協同組合、鹿児島県酪農業協同組合
【努力賞】
おかやま酪農業協同組合、秋田県支部、愛知県酪農農業協同組合、(一社)福井県畜産協会、(公社)山口県畜産振興協会◇会員拡大推進団体
【殊勲賞】
全国農業協同組合連合会青森県本部
【敢闘賞】
(公社)群馬県畜産協会、熊本県酪農業協同組合連合会
【努力賞】
広島県酪農業協同組合、おかやま酪農業協同組合、兵庫県酪農農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合、静岡県ホルスタイン協会◇審査普及推進団体
①増減率によるもの
【優秀賞】
熊本県酪農業協同組合連合会
【優良賞】
酪農とちぎ農業協同組合、千葉県酪農農業協同組合連合会
【努力賞】
おかやま酪農業協同組合、全国農業協同組合連合会 長野県本部、福島県酪農業協同組合、宮城県ホルスタイン協会、兵庫県酪農農業協同組合②審査頭数によるもの
【優秀賞】
熊本県酪農業協同組合連合会
【優良賞】
岩手県支部、(公社)群馬県畜産協会
【努力賞】
酪農とちぎ農業協同組合、ふくおか県酪農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合、千葉県酪農農業協同組合連合会、大山乳業農業協同組合
4部門で日本新記録 長野県 五味英介さん・静岡県 石川和博さん
-平成29年度都府県年型別 検定優秀牛-
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29年度都府県での検定成績優秀牛として、表に延べ32頭をまとめた。昨年度は日本記録4つ(表中、名号前の○印)と都府県記録8つ(*印)が更新され、多くの優れた成績が記録された。
乳脂量で日本記録
日本記録を更新したのは、五味英介さん(長野県)所有の「エリツクフアーム コーイ スーパーサイアー メイベリン」で、2年型305日乳脂量で807㌔、365日乳脂量でも949㌔を記録し、2部門で乳脂量日本記録を塗り替えた。
石川和博さん(静岡県)所有の「オークフイールド スタンリー エレガンス」が、祖母「スカイチーフ エレガンス」の記録を破り、3年半型305日乳脂量で1072㌔、365日乳脂量でも1199㌔を記録し、2部門で乳脂量日本記録を塗り替えた。
都府県記録を更新したのは、(独)家畜改良センター(福島県)所有の「RE ルーシナ ハイドン プレンモール」で、2年半型365日乳量で1万8686㌔を記録した。また、矢内孝久さん(群馬県)所有牛の「テイーユー レデイスマナー ジヤンパー ET」は、3年型305日乳量で1万8954㌔を記録した。続いて、吉原直樹さん(岡山県)所有の「グランデイール スーパー ピノ チヤント ET」が、成年型305日乳量で2万459㌔、365日乳量でも2万3624㌔と2部門で乳量都府県記録を更新した。改良センターが11部門独占
優秀牛の所有者に目を向けると、(独)家畜改良センター所有牛が11部門、次いで、矢内孝久さんの所有牛が6部門でトップとなる優秀な成績を収めている。
7面
審査得点93点獲得 -30年度前期は3頭誕生-
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平成30年度前期審査において高得点93点と評価された牛が3頭誕生したので紹介したい。
山形県・深瀬牧場
1頭目は4月の審査で山形県東置賜郡高畠町の深瀬幸二牧場の「ビツクジン マツトソン リン(5産、父牛:マツトソン)」が、93-3Eに評価された。
本牛は平成27年11月(6歳、3産)の体審で90点、前回の平成28年11月(7歳、4産)で91点を獲得し、今回山形県で3頭目の93点に格付けされるとともに、過去に全国B&Wショウで活躍した、インペリアル ボーレツト ゴールド(父:チヤールズ)に次ぐ、深瀬牧場2頭目の93点の誕生となった。各部の配点は、体貌と骨格92点、肢蹄89点、乳用強健性94点、乳器94点。
本牛は体高160㎝と大柄な牛であるが、各部への移行が滑らかで、姿勢は優美で頸は薄く長く、肋腹の開張に富み、肢勢は正しく、乳房においても容積形状に優れ、前乳房の付着は強く、後乳房の高さと幅もすばらしく、乳房底面においても高いものであった。
また、彼女は能力も非凡なものを見せ、5産の途中経過を含め検定日数1371日の乳量は、5万5765㌔と今期も順調に泌乳を継続している。なお、本牛は新潟県長岡市の栗林牧場より譲り受けたものである。「ビツクジン マツトソン リン」
(父:マツトソン)平21.10.23生
山形県 深瀬 幸二さん所有 (平30.05月撮影)静岡県・大美伊豆牧場
一方、5月の静岡県では伊豆の国市の大美伊豆牧場(高橋康明・実徳さん)の「ハイブリツジ フアースト カツト パラダイス(6産、父:フアイナル カツト)」が、93-3Eに評価された。
本牛は過去、5歳10月5産で91点、6歳10月で92点を獲得しており、この間長期不受胎と牛舎の火災等があって受検できなかったが、今回10歳10月6産目で93点の快挙となった。
母はハイブリツジ レジエンド オブ パラダイス ET(85点、父:タイタニツク)、祖母はブルマザーとして有名なレデイスマナー ギヤルズ パラダイス ET(87点、父:コンビンサー、北海道更別村の天野洋一さん繁殖所有)。このギヤルズパラダイスの受精卵が移植され、母牛が生産されたもの。
本牛は去る本年4月に開催された第9回全日本BWショウの高能力牛部門に出品され、見事首席に輝いている。各部の配点は、体貌と骨格93点、肢蹄92点、乳用強健性94点、乳器92点。
体型的特徴は、体高160㎝と大柄な牛であるが、正確なフレームを持ち、体長があり、姿勢は優美で頸は薄く長く、肋腹の開張に富み、乳房においては特に前乳房の付着が強く、後乳房は高さと幅が抜群であった。
また、泌乳能力も優れており、3産以降の305日検定乳量は1万5千㌔以上を記録している。
なお、同牧場では過去にハイブリツジ ダンテー ビー レイダー(自家産)が94点、ローヤル レーンジヤー バリアント(別海町・浅野修さん繁殖)が93点を得ている。「ハイブリツジ フアースト カット パラダイス」
(父:フアイナル カツト)平19.06.21生
静岡県 大美伊豆牧場所有 (平30.04月撮影)愛知県・ウイス牧場
さらに、5月の愛知県では豊田市のウイス牧場(杉浦祐幸・孝さん)の「HEF デイーエス ブバルデイア ET(6産、父: ダーハム) 」が、93―3Eに評価された。
本牛は過去、4歳5月3産で90点、5歳5月4産で92点を獲得しており、今回7歳0月で6産を分娩し、93点の快挙となった。
愛知県の杉浦さんといえば毎年秋の北海道ゴールデンセールでトップセールを競うことで有名な方で、本牛も平成24年の同セールで別海町のハイエストファームから出品され杉浦さんが落札したもの。この年は複数頭落札されたとのことで、本牛はそれほどでもないとの話であるが、同牧場では著名な血統の牛が各地から集められ、長年にわたって活躍している。
本牛の特徴としては、まず繁殖が良いこと。年1産を確実に繰り返しており、しかも雌腹で6産で5頭の娘牛を得ている。このたびの審査でも娘の1頭が90点と評価された。さらに、305日の乳量では初産が9216㌔で、2産目以降は1万㌔を突破し順調。各部の配点は、体貌と骨格92点、肢蹄91点、乳用強健性94点、乳器94点。
体型的特徴は、極めて正確なフレームを持ち、体長があり、姿勢は優美で頸は薄く長く、肋腹の開張に富み、乳房においては特に前乳房の付着が強く、後乳房は高さと幅が抜群であった。
同牧場では過去にエンドレス ロジツク スーパー レデイ(洞爺湖町・杉上義弘さん繁殖)が93点を得ており2頭目となった。
写真提供:デーリィマン社「HEF デイーエス ブバルデイア ET」
(父:ダーハム)平22.12.26生
愛知県 農事組合法人 ウイス牧場所有 (平30.03月撮影)
検定成績優秀牛 -都府県、平成30年6月証明分F偏差値-
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生涯乳量 -平成30年6月-
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30年6月に都府県で検定成績証明されたものの中から、下表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛18頭を示した。今回は上位2頭が総乳量(M)10万㌔を突破した。
生涯乳量トップは長田重信さん(茨城県)所有の「ローズフアーム ストーム ビツク フラワー」(平17.11.19生)の検定回数10回で検定日数3368日、M12万4802㌔、総乳脂量(F)4562㌔、平均乳脂率(F%)3.7%、総乳蛋白質量(P)4137㌔であった。今回の記録は、全産次の検定成績証明を一括申請したことによるもので、茨城県内歴代1位となる素晴らしい記録となった。また、審査得点90点を獲得しており泌乳能力並びに体型に秀でた牛である。
2位は、新海益二郎さん(長野県)所有の「スピリツト ダーネツト ダンボー」(平19.11.29生)の検定回数9回で検定日数2668日、M10万2766㌔、F3434㌔、F%3.3%、P3677㌔であった。今回の記録は、9産目の検定成績証明を申請したことによるもので、長野県内歴代11位となる素晴らしい記録となった。
また、9位松島太一さん(熊本県)、10位鈴木篤さん(埼玉県)、11位小林篤史さん(栃木県)、18位京都府立農芸高等学校(京都府)所有牛は、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。
新人紹介
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総務部 経理課 主任
児玉裕志この度、4月1日付けで採用され、総務部経理課に配属となりました児玉裕志と申します。よく名前を読み間違えられることが多いのですが、「こだまひろゆき」と読みます。出身地は米どころ新潟県でたくさんの美味しいものに囲まれた食の宝庫で育ちました。そのためか、美味しいものを見つける食べ歩きが趣味です(体のことも考え、最近は少し節制しておりますが…)。
学生時代は会計全般を学び、前職では病院での労務・経理関係の業務に携わっておりました。当協会で、今までの経験がある程度活かせられるとは思いますが、また一から初心に戻った気持ちで日々学んで参りたいと思っております。また、私にとって酪農業界は全く未知の分野ですので、学ぶ心を忘れず貪欲に勉強し、知識を習得したいと思っております。
最後になりましたが、総務部経理課の業務は、当協会に関わる皆様のフォローをさせて頂くものだと思っております。皆様が日々、スムーズにご活躍出来ますよう、私もいち早く「縁の下の力持ち」となる努力をして参りたいと思っておりますので、どうぞご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。事業部 登録課 係長
塩野雅一6月1日付けで採用され、事業部登録課配属になりました塩野雅一(しおのまさかず)と申します。
出身は、日本酪農発祥の地である千葉県、なかでも魚と醤油で有名な銚子市です。前職の千葉県酪農農業協同組合連合会に約14年勤務し、乳牛改良に関わる業務としては改良同志会事務局を担当しておりました。身長が約190センチ、体重は3ケタと大柄なので、共進会で見たデカイのか?と、ピンとこられている方もいらっしゃるかも知れませんが、そのデカイので間違いないです。
この度、縁あって審査委員候補として入会し、現在は当協会の根幹である血統登録等の業務に携わっております。血統登録や検定証明等を学べば学ぶほど、皆様の財産である愛牛の血統を登録・証明する責任の重さ、そして血統登録と同様に体格得点や検定成績証明等の記録の全てが後世に残されていく大切なものであるということを肌で感じております。
職員としての責任・自覚を持ち、皆様に一人前の審査委員として認めて頂けるよう牛を見る目を養い知識や経験を積み重ねてまいりたいと思いますので、審査で伺った際にはどうぞ宜しくお願い致します。事業部 証書課
鎌塚倫成この度、6月1日付けで採用され、事業部証書課に配属となりました鎌塚倫成(かまつかともなり)と申します。
私は非農家出身だったのですが高校で畜産の素晴らしさや大切さを感じ、卒業後は千葉県立農業大学校に入学し、乳牛をはじめとした家畜の飼養方法や畜産経営などについて実学などを通して学ぶことができました。
その後、畜産をより学術的に深めたいと考え、茨城大学農学部に編入学後、動物保健衛生学研究室で動物の腸内環境と微生物についてDNAなどを用いて研究を行っておりました。
現在は当協会の基本である血統登録や移動証明の業務を担当しています。その証明業務が滞りなく行えるのは、酪農家の皆様をはじめ、支部承認団体の皆様など多くの方々のご協力あってこそだと感じております。
また、血統を正しく登録することが、酪農家の皆様の財産である愛牛や経営の安定と発展に微力ながら貢献できるうれしさと重大さを感じ、これからも当協会の一員として自覚と責任を持って精進していく所存です。
勉強中の身ではありますが、お会いした際にはご指導のほど、よろしくお願い致します。
中央審査研究会参加者募集中
-9月19~21日・北海道「酪農学園大学」で開催-
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日本ホル協は、審査業務に従事する登録協会の支部・承認団体、行政機関のほか審査技術の向上を目指す指導者・技術者を対象として、中央審査研究会を開催する。(全共開催年は実施しない)
研修内容は、審査標準研修の後、模範審査に始まり8頭の牛を使って、班毎に日本ホル協審査委員と研究。その後、研修成果を確認するため、4頭1組2セット、計8頭の牛について22の線形主要形質と13の線形調査形質の評価、4大区分の得率、決定得点の答案を提出し、結果を審査委員とともに研修する。
日時:9月19日(水)13時~21日(金)12時
場所:北海道江別市文京緑町 「酪農学園大学」
会費:1万円
申込締切:8月17日(金)