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機関誌

機関誌内容一覧

2020年10月20日号

コロナの影響“大” 前期審査頭数は大幅に減少

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     令和2年度の都府県における体型審査は、新型コロナウイルス感染症の影響により24都府県が前期審査の中止を余儀なくされたことで、前期審査を予定どおり実施することができたのは例年の半数以下となる21府県に留まることとなった。これまでにも、口蹄疫の発生や東日本大震災の影響により審査頭数が減少することはあったが、新型コロナウイルスの猛威は体型審査にも大きく影響し、今期の審査頭数は過去に例がないほど大幅に減少する結果となった。

    都府県それぞれの実情

     例年4月から開始する都府県の体型審査は、緊急事態宣言期間中の審査を中止したことで、今年度に限り宣言解除後の6月から9月までを前期日程として再開した。審査の実施に際しては、当感染症の発生・拡大状況に伴う各自治体それぞれの要請等が様々であることから、日本ホル協は支部・承認団体を対象に実情調査を実施。この結果、審査の実施が可能と回答があった21府県を対象として、都府県の前期審査を段階的に再開することとした。
     しかしながら、再開した各県内においても感染防止対策を理由とした審査・調査農家の受検控えが散見されたことにより、前期審査は戸数・頭数ともに例年の約半数以下の実績に留まることとなった。

    審査は前年の3割

     このような状況から、前期審査は牛群審査が117戸1347頭、牛群奨励・個体審査は21戸68頭で、審査合計頭数は1415頭。前年同期比では牛群審査戸数が△329戸(29.6%)、審査頭数が△3166頭(30.9%)となった。
     また、後代検定材料娘牛とその同期牛の体型調査は、171戸1539頭で前年同期比では△392戸(30.4%)、調査頭数△1650頭(48.3%)、計画比では20.4%となったことで、審査同様に大幅に減少する結果となった。
     一方、昨年度後期から新たに開始した搾乳ロボット適合性調査事業では、将来のロボット指数開発を目的に、搾乳ロボット牛舎のほか繋ぎ・フリーストール・フリーバーン牛舎において、審査によって収集した体型形質が遺伝評価の可能な初産牛から3産牛を対象として実施。都府県の合計は25戸で287頭であり、牛群審査・体型調査同様に実績が伸びず計画比では15.9%に留まることとなった。
     表1には都府県毎に牛群審査・体型調査・ロボット調査それぞれの実施状況を取りまとめた。前述したとおり、実施県の減少に伴い都府県の審査戸数・頭数の大幅な減少となったが、実施したそれぞれの県に目を向けると、21府県のうち16県が前年同期比を上回る結果であった。コロナ禍において都府県の実情は様々であるが、体型審査を酪農経営の一部と位置付け定期的に受検していること、また、我が国の後代検定事業にご理解・ご協力いただき、例年以上に数多く受検していただいた会員の皆様に改めて感謝申し上げます。

    コロナ禍の審査対応

     都府県の審査実施に際しては審査委員の県をまたいだ移動や現地滞在は避けられない状況にあり、コロナ禍における現状に対しては、十分な配慮が必要なことから、審査委員は原則として在宅勤務を基本とし、日本ホル協会(事務所)への出勤を自粛することで不要不急の外出を減らし、それぞれの居住地区から直接現地入りするなど、感染防止対策と衛生対策(表2のとおり)の徹底に努めるものとした。当たり前のことを日々継続することで当感染症に向き合い、必要な感染防止対策と衛生対策の徹底に努めること、また、引き続き家畜防疫対策の徹底に努めることとしている。

    後期審査に向けて

     10月から開始する後期審査については、前期同様に支部・承認団体を対象に実情調査を行った結果、42都府県から後期審査を予定しているとの回答が得られた。後期審査の実施に際しても、コロナ禍による例年と異なる対応が求められる状況下、都府県それぞれの実情に即した対応を図るとともに、連絡を密にすることで状況を判断し実施するものとしているので、引き続き支部・承認団体並びに会員酪農家の深いご理解・ご協力をお願いしたい。
     また、前期に減少した実績の回復に努めるとともに、特に我が国の乳用牛改良に重要な役割を担う後代検定事業に係る体型調査については、選抜予定種雄牛を優先した娘牛体型データの確保に努めることで事業を安定的に推進していくこと、併せてロボット調査についても将来のロボット指数開発に向けた体型データの収集に努めること等、これら体型審査が継続実施できるよう感染防止対策に配慮することで可能な限り審査の実施に努めるものとしたい。

高得点牛紹介
「ミツキー」93-3E獲得 愛知県(農)ウイス牧場

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     さる9月の愛知県前期牛群審査において、豊田市の農事組合法人ウイス牧場(代表、杉浦祐幸・孝さん)の「ハイロード ルイスデール BS ミツキー ET(平25.4.23生、5産、父:レーガンクレスト S ブラクストン ET) 」が、93点3Eに評価された。
     このミツキー号は過去、4歳6月3産で90点、5歳5月4産で92点を獲得しており、今回6歳10月で5産目を分娩し、93点の快挙となった。
     本牛は、カナダから受精卵で導入された牛で、生産者は北海道上士幌町の小椋淳一さん。祖母は数々の賞歴がある「イーストサイド ルイスデール ゴールド ミッシー ET、EX―95点」。平成26年の北海道ゴールデン・ナショナル・セールで小椋さんが出品し、ウイス牧場に競り落とされた。
     初産83点、2産目87点と秀でた体型を呈しており、3産目で90点を得た後も順調。その年の愛知県ホルスタイン共進会では4歳級の首席、翌年の同共進会では5歳以上の首席で、経産牛の名誉賞に輝いている。
     一方、牛群検定による泌乳成績をみると、初産から305日乳量が9751㌔と平均以上で、2産目以降はそれぞれ305日で1万103㌔、1万1178㌔、1万920㌔と続き、このたびの5産目もまだ195日の途中経過ではあるが8423㌔と堅調な成績を残している。
     先般の体型審査での各部の配点は、体貌と骨格93点、肢蹄90点、乳用強健性94点、乳器93点(9月16日確認審査実施)。特に体型的特徴を挙げるならば、極めて正確なフレームを持ち、体長があり、姿勢は優美で頸は薄く長く、肋腹の開張に富み、乳房においては特に前乳房の付着が強く、後乳房は高さと幅が抜群という点であろう。5産目にして乳房底面が飛節端から7㌢以上も上に位置することから、今後の益々の活躍が期待される。
     ちなみに、ウイス牧場では2年前にも同セール購買牛「HEF ディーエス ブバルディア ET」が6産目で93点を得ている。
     写真はデーリィマン社より提供。

    ハイロード ルイスデール BS ミツキー ET
    第40回愛知県ホルスタイン共進会(5歳4産) 平成30年11月11日撮影

WHFF 2021年世界会議中止

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     令和2年10月1日、世界ホルスタイン・フリージアン連盟(WHFF)の第42回評議員会がWeb会議で開催され、令和3年3月にスイスで開催を予定されていた2021年世界ホルスタイン・フリージアン会議並びに世界審査委員ワークショップの開催中止、現会長の任期を1年延長することなどが決定された。
     なお、次回の世界会議は2024年開催を予定しており、開催地にはイギリスが立候補している。

検定成績優秀牛 -都府県令和02年09月証明分F偏差値-