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平成25年02月20日


平成25年02月20日25年度重点事業報告」 ~東西2地区で開催日本ホル協社員会議~
日本ホル協は、東日本と西日本の2地区で平成24年度社員会議を開催し、今年度の中間事業概況と25年度重点事業などの報告・承認を得た。昨年の12月末までの都府県登録申込みは前年対比98.8%に留まった。昨年以上の実績を出せるよう年度末に向けて一層の推進と、自動登録への積極的な参加をお願いした。
25年度重点事業では、従来の事業推進に加えゲノミックにも注視するとともに、平成27年度開催予定の第14回全日本ホルスタイン共進会の準備、一般社団法人の移行への準備等を報告した。併せて、昨年11月にカナダのトロントで開催された世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)会議での総会の模様や、シンポジウムでのゲノミックの話題を中心に事務局から「WHFF会議」と題した報告を行った。
総会前の唯一意見交換の場
この会議は、当協会会員酪農家の中から選出された社員を対象に、登録事業の概況や次年度の実施計画を伝達するとともに、広く会員の意見要望を聞いて登録の普及拡大や会員相互の連携強化を図るものであるとともに、今後の事業運営に役立てていく大事な会議である。
東日本は2月1日、東京都内の中野サンプラザで43名、西日本は1月25日に岡山市のメルパルク岡山で38名の社員と関係者が出席して催された。
東日本は北良治会長、西日本は三浦幹雄副会長から、総会前の唯一の意見交換の場なので、忌憚のない意見をお願いし、酪農経営の根幹となる登録や体型審査の理解と推進、今後の全共開催に係る報告、社員の選出について意見を聞きたい旨の挨拶があった。
24年度の中間事業概況では、昨年12月末までの登録等申込状況について報告があり、会員が5,340名で前年同期比97.9%、血統登録は北海道が11万8,416頭で同102%と若干の増加。一方、都府県は2万9,814頭で同98.8%と減少となったが、全国でみると101.3%の微増であった。現在の都府県の自動登録普及率46.1%を高め、更なる登録推進をお願いした。都府県の移動は同110.2%増加。今年夏の原乳確保に向けての初産導入が要因と思われる。
一般社団法人移行の準備
25年度の主な重点事業骨子案では、
  1. 血統登録や体型審査をはじめ各種登録・証明の普及拡大に努める。
  2. ゲノミックの改良関係技術について最新情報の収集に努め、国の「多様な畜産・酪農推進事業」のSNP検査収集分析事業には積極的に参画する。
  3. WHFFの評議委員会に参加し、加盟各国との情報の交換・収集に努める。
  4. 国が実施する「家畜改良推進事業」の体型調査に協力する。
  5. 総合選抜指数の見直しのための分析・検討を行う。
  6. (独)家畜改良センターが行う乳用牛の遺伝評価に必要な血縁ファイルを作成し提供する。
  7. ホームページの充実に努め、WHFFと連携を保ち、共通の課題に協力する。
  8. 登録委員研修会を開催する。
  9. 中央審査研究会を開催する。
  10. 全酪新報に記事を掲載する。
  11. 第14回全日本ホルスタイン共進会の平成27年開催に向け準備を進める。
  12. 公益法人制度改革では、一般社団法人への移行(申請期限は平成25年11月30日)に向けて社員選挙など諸般の準備を進める。
以上の報告があった。
自動登録の名号をインターネットで受付
登録振興対策では、
  1. 現在46.1%の自動登録をさらに推進するとともに、今年1月より母牛が無登録でも事故照会せずに登録できるように改めた。
  2. インターネットで出生報告を行っている自動登録農家を対象として、FAXで受け付けている希望名号などを、出生報告のときに入力できるサービスを今年の夏を目途に開始する。
  3. 新たな遺伝病であるブラキスパイナが昨年12月から検査申込が出来るようになり、証明書・HPなどに掲載を開始した。
以上の説明がされた。
また、その他、事業関係では、国の本予算の家畜改良推進事業に係る体型調査は、予算成立後に施行となるため、審査の開始が遅れることや、雌牛SNP検査の考え方、中国の口蹄疫発生の説明があった。
ゲノミックの最先端情報を紹介
社員会議に併せて、毎年講師を招き講演を行っていたが、今年は「第13回世界ホルスタインフリージアン会議概要」について栗田事務局長から報告が行われた。
報告では、総会前に1日半かけて行われたシンポジウムの18の話題を紹介。特にゲノミックについては、フランス、オーストラリア、カナダ、ドイツ、アメリカ、オランダ6か国の情報を、詳しく内容を分り易く解説した。各国のゲノミック情報の最先端の話題とあって、タイムリーで興味深い内容となった(詳細は1月20日特集号に掲載)。次回のWHFF世界会議は2016年、アルゼンチンで開催される。

平成25年02月20日「長命連産の証し」 ~生涯乳量全国トップ40~
日本ホル協では、検定成績証明された累計記録について、生涯検定選奨および生涯乳量・乳脂量高記録牛の公表を毎年行っている。今回は平成24年12月末現在の全国における生涯乳量高記録牛をとりまとめた。
別表には、生涯乳量全国トップ40と都府県上位牛を示した。
都府県過去最高5頭登場
生涯乳量のトップは、17年に記録更新した杉浦尚さん(北海道帯広市)所有の「アマンダ」号(体型得点93点)で検定8回、生涯乳量21万5,218㌔、乳脂量7,946㌔、3.7%を記録。1日あたり平均乳量も優に50㌔を超える高能力ぶりを発揮し、国内で唯一、生涯乳量20万㌔を突破している。生涯乳脂量も全国2位に輝き、産子から3頭の後代検定候補種雄牛(うち1頭が選抜)や、多くの優秀な雌牛を輩出している。
2位は橋田和幸さん(北海道恵庭市)所有の「テルスター」号で、総乳量18万6,748㌔を記録。なお、本牛の検定16回は生涯記録牛の中では最多回数である。
3位には村崎喜一さん(北海道大樹町)所有の「アンナ」号の17万7,241㌔。4位には久保田明さん(北海道幕別町)所有の「アイバンホー」号の17万2,698㌔。5位には遠藤潤一さん(北海道天塩町)所有の「リード」号で総乳量16万8,351㌔であった。
6位には都府県1位の田中泰彦さん(鳥取県鳥取市)所有の「エレン」号が16万6,278㌔。総乳脂量8,978㌔は平成8年以来17年間にわたって日本一の座を堅持している。
また、都府県牛では、昨年の9月20日号で掲載の都府県生涯乳量記事(7~8月)で1位を獲得した吉田豪秀さん(長崎県雲仙市)所有の「ノブ」号が、全国歴代22位に入る好成績であった。本牛は、検定11回、総乳量14万8,534㌔であった。26位に登場した糟谷英文さん(千葉県鴨川市)所有の「フレ―ランド」号が検定12回、総乳量14万7,291㌔、28位の(有)アカツキ牧場(愛知県半田市)所有の「トング」号が検定11回、総乳量14万5,990㌔、35位となった眞嶋大輔さん(栃木県塩原市)所有の「マーシャル」号が検定9回、総乳量14万2,417㌔。北海道の強豪が上位を占める全国トップ40傑に都府県牛は、前年次の4頭から1頭増え、5頭が登場した。
生涯乳量の上位牛で24年次に記録更新(表中、名号の前に*印)したのは5頭で、10位の久保隆幸さん(北海道湧別町)所有の「リンディ」号が検定12回、総乳量15万7,244㌔、13位鈴木進さん(北海道芽室町)所有の「ルドルフ」号が、検定7回、総乳量15万5,544㌔、20位熊谷直信さん(北海道上士幌町)所有の「スコーピオー」号が、検定11回、総乳量14万9,747㌔、32位の(農)Jリード(北海道豊頃町)所有「ポーラ」号が検定11回、総乳量14万3,831㌔を記録した。これらの記録更新により、トップ40の全ての牛が総乳量14万キロ突破牛となった。
表の下方には、都府県牛での生涯乳量上位牛を列記した。この中で昨年記録更新したのは、101位の外谷辰也さん(岩手県久慈市)所有の「ジュラー」号が、検定8回、総乳量13万448㌔、116位の前原和明さん(宮崎県えびの市)所有の「メイリン」号が検定8回、総乳量12万8,848㌔と好成績を達成した。


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平成25年02月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成25年1月証明分F偏差値~