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機関誌

機関誌内容一覧

平成23年05月20日


平成23年05月20日「第1回企画委員会開催」~第14回全共開催に向け~
3月11日マグニチュード9.0と、世界でも類の無い大型地震と大津波被害とともに、先の見えない東京電力原発事故。日本中を混乱させた東日本大震災の影響を考え、4月13日開催の日ホ協理事会において、第13回全日本ホルスタイン共進会の中止が決定された。
4年後の平成27年開催を目指す
昨年11月29日開催の日ホ協理事会・意見交換の場で、継続を前提に今後の全共開催の考え方を三役と事務局が中心となり取りまとめることが決定された。それを受け、今年1月11日に、日ホ協正副会長・事務局合同会議が開催され、「基本的な考え方」がまとめられ、以降、社員等関係者の意見を聴いた結果を踏まえて「基本的な方向と今後の進め方(案)」を整理した。
そのひとつに、全国を「北海道」、「東北・関東」、「北陸・中部・近畿」、「中国・四国」、「九州」の5ブロックに分け、各代表者による「全共企画委員会(仮称)」を立ち上げることになっていた。
先般の理事会での第13回全共中止決定の際、次回の開催時期と場所の早期決定を望む意見が多かった。それを受け、第1回企画委員会が5月19日に開催され、次の内容が話し合われた。
  1. 既に整理されている「基本的な方向と今後の進め方(案)」の内容確認。
  2. 開催時期は、なるべく早くとの要望はあるが、平成24年には全国和牛能力共進会、25年中部日本並びに関東地区共進会、26年全国B&Wショウなど他の共進会等の開催予定があることから、平成27年(2015年)開催を目指す。
  3. 開催地は引き続き検討する、などが決定された。

企画委員は、北海道地区:角倉了一理事(北海道)、東北・関東地区:臼井勉理事(栃木)、中部北陸・近畿地区:杉浦弘泰副会長(愛知)、中国・四国地区:三浦幹雄理事(鳥取)、九州地区:石山宗行監事(宮崎)の5名。

平成23年05月20日「認定ジャジマン集合!」~群馬・北軽井沢のショウ会場で~
集合写真全国ホルスタイン改良協議会(松島喜一会長)は、5月14日、群馬県吾妻郡長野原町「北軽井沢ふれあい広場」において、地元改良同志会等の協力により「第36回北軽井沢スプリングショウ」に併せて認定ジャジマン研修会を開催した。
3月11日突然襲った地震と大津波とともに東京電力原発事故をもたらした東日本大震災は、発生から2ヶ月を経過した現在でも、酪農業界にも大打撃を与え続けている。そんな厳しい情況ではあるが、昭和63年から昨年度までに認定されたジャジマン73名のうち、被災地の宮城県や栃木県をはじめ九州・熊本県までの熱心なジャジマン10名が集まった。
研修会は、アルタジャパンの細野淳氏がショウジャジ並びに研修会パネラーを務め、個体出品10部門のうち未経産の2部、経産の1部、計3部門の出品牛を供試牛として序列の付け方と審査講評技術を研修した。審査風景この研修会は平成7年岩手県で開催されて以来しばらく開かれていなかったが、平成21年静岡県で第2回、今回が第3回となる。今後も定期的に開催し、共進会の審査が出来る実務者を数多く輩出する計画となっている。
認定ジャジマンになるには、牛の見方並びにショウジャジの基本的なことを習得することを目的としたジャジングスクールに参加し、初回は一般講習を受け、2回目以降から候補として講習を受ける。候補で連続2回のジャジ成績が90点以上の方を「認定ジャジ」として協議会が認定している。ジャジングスクールは毎年、会場を移しながら開催し、23年度の時期は未定であるが静岡県で開催する予定。 今回参加された方は
半澤善幸・植木靖・真下豊・青木裕治・佐々木良一・本城裕史・影山羊二・山室稔・門脇賢治・松島喜一(敬称略)

平成23年05月20日「2011年のWHFF評議会に参加して」 ~【後編】専務理事藤村忠彦~
広大な敷地面積と低コスト経営・改良にも意欲的
今回の会議の主題となったのは、ホルスタインの育種及び協会に対するゲノミックの影響と、将来的な利活用についてでした。前号(4月20日号)で各専門委員会において検討されたことや今後についての概要を報告しました。
今月号では、評議会で訪問した酪農家を紹介します。
酪農家訪問
別飼いのエリートカウ(LASORIANITA)今回の評議会では、3日目の2月10日、ヴェノスアイレスの酪農家を訪問する機会がありました。ここでは面積規模の違いとそれを要因とする投資の少ない低コスト経営を実感しました。ただし、この低コスト経営は、欧州、豪州勢はごく当たり前のようで、乳量1㎏当り約20ペソ(約42円)のコストも、自国の多くの経営とほぼ同じとのこと。関心は登録協会の本命、どこの遺伝資源が入っているかどうかでした。
LASORIANITA
牧夫とその息子(LASORIANITA)世界的にみると、ゲノム活用の取組は様々で、その中でも考慮すべきことの一つに、ゲノミック評価の拡大により登録料金収入が減少する可能性があり、他の会員サービスでそれを補うことができるかということでした。
多くの協会は、会員に対し専門的で独自の管理手法と相談サービスを提供することによりパートナーとなっています。また、アニマルウェルフェア(動物福祉)は育種において、役割を増大させてきています。体型評価と遺伝的交配計画は、このゲノミックの重要な挑戦に取り組む上で、主要な要素であるとされてきました。
サービスの変更、例えば、従来の後代検定事業が縮小されたときに減少するかもしれない体型審査は、線形審査情報を交配計画と若雌牛の体型指標を証明する際に用いることにより相殺することが可能。そのためには、体型審査の仕組みを再検討する必要があるとともに、登録協会の従来のサービスに付け加え、審査委員は、特定の種雄牛についてではなく、遺伝評価に基づく育種上の助言を提供することが出来ると例示されました。
HOLANDO DE LORENTOR
10頭パーラーで搾乳(HOLANDO DE LORENTOR)この牧場は、1,270㌶(使用可能地1,179㌶うち892㌶は経産牛用、残りは若牛用)の用地に、3搾乳施設(2カ所は交配種群用で1カ所は純粋種用)を持っているとのことで、見学したのは後者でした。その他2カ所に区分して搾乳牛以外の牛群管理を行っているとのことでしたが、あまりに広過ぎて全体像は分かりませんでした。この牧場で見た牛が3牧場のうち一番良いものが揃っているとメンバーの一致した感想でした。
人工授精は、交配種には16から18ヵ月、純粋種には20から22ヵ月に行っていました。飼料については、交配種は粗飼料70%、濃厚飼料30%、純粋種は粗飼料60%、濃厚飼料40%で、粗飼料は放牧草のほか乾草又はコーンのサイレージ、濃厚飼料は農場でコーン粒、大豆粕、ふすま等で生産していました。搾乳牛が放牧されている草地はコーンを刈り取った跡地のような所で、周辺も乾燥し草は良くありませんでした。
ホルスタインの改良には1978年から米国の精液を使用し、受精卵移植も実施していました。
以上の2農場で5時半を過ぎていましたが、急遽、協会の元理事が開発中の施設と牧場の視察が追加され、当該牧場を離れたのは夜9時近くなっていました。
この牧場の資料はなく、前牧場のような概要はないが、施設放牧地とパーラーの他倉庫、大型機械も見られ、前2場より施設機械への投資は多いように見受けられました。パーラー周辺の草地は一番良い状態でした。
終わりに
前に、チーズの国際相場が上がったとき、競争相手としての新しい調達先として候補にアルゼンチンがあがったことを思い出しました。そのときは、種々の理由で、机上だけで終わりました。今回、ほんの一部を見聞きしたに過ぎませんが、現状としてコストは低く、乳牛改良意欲もあり、まさしく地球の裏側と直接の競争はともかく、玉突き的競争の危惧を持ちました。

平成23年05月20日「検定成績優秀牛偏差値上位牛」~都府県23年04月証明分~


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