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平成27年08月20日


平成27年08月20日「1位「エモーション」・新規10頭」 ~2015-8月国内種雄牛評価~
表には8月4日評価成績が公表された精液供給可能な国内種雄牛76頭のうち、NTPトップ30の種雄牛を示している。今評価から新NTPが採用され、順位の動きが注目された。
そんな状況で、NTPトップ40には、新規選抜牛が10頭登場した。
1位・「エモーション」
トップを飾ったのは、新規の『エモーション』。「スーパー」と「バクスター」の交配で誕生。娘牛には乳量も当然であるが体型にも期待が持てる。特に長命性に不可欠な肢蹄と乳器改良に優れ、肢蹄はやや直飛で蹄の角度が大きい。乳器では、前付着は強く、後乳房の付着も高く幅広い。乳房底面も極めて高く、長期に渡り乳房の形状を維持できる。産子難産率6%の安産タイプのうえ、娘牛受胎率42%と非常に高い。長命連産効果は全国第1位、肢蹄2位、体細胞スコア2位、疾病繁殖成分5位、乳代効果7位、乳量10位。
2位・「SP」
2位には、13年8月新規選抜され4位→11位→8位→5位、そして今回2位までランクを上げてきた『SP』。「バクスター」と「オーマン」の交配。母系は世界的にも有名な「サウスウインド・ケイ」の血筋を引き、雌牛NTPでも上位に数頭選抜されるブランディファミリーから生産された種雄牛。娘牛は、中程度のサイズで尻の角度良く坐骨幅に富み、蹄の角度も大きい。前乳房の付着は強く、懸垂も強い。産乳成分は全国第1位、乳脂量も第1位、乳脂率4位、無脂乳固形分率7位、乳蛋白質量3位、蛋白質率9位、乳代効果10位、長命連産効果8位。
3位・「ユップ」
3位にも新規の「ユップ」が食込んだ。「プラネット」と「ショッテル」との交配。母系は1H9527「マッセイ」を産出した「マンフレッド・ヤツダ」。乳蛋白質量は全国第1位、産乳成分2位、乳量6位、無脂乳固形分量4位、乳代効果5位。
4位・「ギャラクシー」
4位には前々回2位で新規選抜され、前回も4位であった『ギャラクシー』。父は生産能力と乳器の優れた「プラネット」、母は世界を代表する「コスモポリタン」。鋭角性に富み産子難易率6%の安産タイプ。乳量は全国第1位、乳代効果も第1位と断トツの乳量改良を誇るうえに、無脂乳固形分量第1位、乳脂量2位、乳蛋白質量4位と乳成分量にも期待が持てる。
5位・「レガリア」
5位には前回2位の『レガリア』。13年8月10位で新規選抜され、その後13位→11位→2位そして今回5位となった。「バクスター」と「ゴールドウィン」との交配。母系は8代連続エクセレントを獲得しているサタディファミリー。娘牛は乳用牛強健性に極めて富み、尻の角度は斜尻傾向。乳器の前後の付着は強く幅があり、乳房底面も極めて高い。乳器5位、決定得点8位、乳脂量10位、長命連産効果9位。
前回1位の『オーソン』は今回6位で、3連覇達成を逃した。多くのショウカウを輩出している「ゴールドウィン」と異父兄弟の「ページワイアー」と「シャーキー」の交配で誕生。母系は、米国TPIで2回連続1位に輝いたオメガファミリー。無脂乳固形分率5位、乳蛋白質率6位、決定得点3位、体貌と骨格4位、乳用強健性5位、乳器10位。
トップ40には新規選抜牛が10頭登場
新規牛では、12位『ルピナス』は、長命性と高体型に秀でた「マンオーマン」と「ゴールドウィン」との交配。高レベルの体型改良効果を示し、肢蹄4位、疾病繁殖成分2位、長命連産効果3位。14位『マウイヒーロー』は、「マセラティ」と「バッカイ」の交配で誕生。体型改良に優れ、特に乳器では前付着が強く、後乳房の付着も高く幅広い。乳用強健性8位。22位『ファルサー』は、「マンオーマン」×「エアレイド」。乳器2位、肢蹄3位、決定得点5位と体型改良に優れ、乳成分も乳蛋白質率8位、無脂乳固形分率10位。23位『クラリネット』は、「アレキサンダー」×「ゴールドウィン」。娘牛は鋭角性に富み強い乳房懸垂と高い後乳房を備え、乳脂量5位、乳脂率9位。24位『ジープ』は、高能力体型の「ジーブズ」×「ルー」。祖母は元LPIのトップで、リザーブカナディアンの「ロータミー」。高い乳脂量・率と体型改良効果で、乳脂量4位、乳脂率5位、乳器8位。26位『ルーレット』は「スーパー」×「FBI」。ジプシーグランドファミリーで、乳器第7位、無脂乳固形分量9位、長命連産効果7位。28位『エレベーション』は、「マンオーマン」×「ボルトン」。機能的な体型改良効果で乳器6位、決定得点10位、乳成分はオールプラスで無脂乳固形分率3位、乳蛋白質率4位、疾病繁殖成分は6位。40位『マカロン』は、父「モンブラン」ゆずりの優れた乳器改良度、安定した能力と高い乳代効果。乳量は全国9位であった。



平成27年08月20日「新NTP採用」 ~「泌乳持続性」と「空胎日数」追加~
平成27年4月に公表された新たな家畜改良増殖目標では、①泌乳期間中の乳量変化の小さい泌乳持続性が高い乳用牛への改良を進めることや、②繁殖性の向上を図ることが生産向上のために重要であるとされている。そこで「泌乳持続性」と、必要以上の空胎期間の延長を避けるために「空胎日数」の2つを疾病繁殖成分に加えた新たなNTP(総合指数)を開発し、2015-8月評価から採用された。
新NTPの特徴
  1. 疾病繁殖成分に泌乳持続性を追加
    • 泌乳期間中の乳量の変化の小さい泌乳持続性が、高い乳用牛へ改良することにより、飼料利用性が向上し、飼養管理が比較的容易となる乳用牛を作出することが可能となり、併せて生涯生産性の向上に寄与する効果が期待される
  2. 疾病繁殖成分に空体日数を追加
    • 近年繁殖性の改善が課題となっているが、疾病繁殖成分に空胎日数を新たに加えることにより、繁殖性の向上が期待できる。
  3. 産乳成分の重みはなるべく現状を維持
    • 泌乳持続性と空胎日数を新たな項目として加えることにより、産乳成分と耐久成分の重みを調整する必要がある。
    • そこで、産乳成分の重みは従来より僅かに2%減とし、泌乳能力の改良量を維持した。
  4. 乳成分率の負の改良傾向と緩和
    • 現在は乳成分率の改良が負の傾向にあるため、乳脂量の重みを従来より若干大きくすることで現在の乳成分率を維持し、負の改良傾向を緩和するようにした。
  5. 肢蹄の改良量を確保
    • 耐久性成分の重みは6%小さくなっているが、肢蹄の重みを大きくすることで肢蹄の改良量を確保した。それにともない、乳房成分の重みが8%小さくなっているが、繁殖性などを考慮することで生産寿命の改良が維持される。
  6. 総合指数の絶対値が小さくなる
    • 新しいNTPでは、2015-2月評価時点の供給可能種雄牛76頭の総合指数の平均値で292ポイント程度下がるが、個体の遺伝的能力が小さくなるわけではない。
種雄牛の序列変化
2015-2月評価における精液供給可能種雄牛76頭における旧NTP順位と新NTP順位における総合指数順位の変化をみると、上位40位から外れる種雄牛は3頭のみで、大きく順位が変動するわけではなかった。
【(独)家畜改良センターHPより抜粋】

平成27年08月20日「出品委員現地打合会開催」 ~第14回全日本ホル共進会~
日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)は、去る8月10日(月曜日)、10月23日開幕と間近に迫る「第14回全日本ホルスタイン共進会」の出品委員打合せ会を開催した。
当日は全共会場と同じ安平町の「北海道ホルスタイン家畜市場・同共進会場」に各都道府県出品委員70名が集まり、日本ホル協事務局から、都道府県出品頭数や出品委員名簿などの「総務関係」、会場配置図や係留場などの「業務関係」、出品牛の測定審査日程や審査の流れ等の「審査関係」、出品牛の写真撮影や出品者記念写真等の「広報関係」について説明があった。
その後、北海道実行委員会から各施設の配置予定図や交通アクセス、出品者の生活関係等について説明があった。
一通りの説明の後、開催期間中出品牛を繋留する場所、審査会場等を見学した。参加した出品委員は、次回来場する本番に備え、代表牛を繋留する場所を確認して計測したり、デモで設営された有料牛床の確認など短い時間の中、忙しく活動していた。最後には主催者並びに実行委員会に対し質疑応答が行われ、活発な意見等が出されるなど、2ヵ月後の本番に備え、準備万端整えていた。

平成27年08月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県平成27年7月証明分F偏差値~