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機関誌

機関誌内容一覧

平成22年06月20日


平成22年06月20日
「口蹄疫の蔓延懸念」


第13回全共開催自粛~日ホ理事会で決定~
(社)日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)は、平成22年10月8日から11日までの4日間、北海道勇払郡安平町で開催予定の第13回全日本ホルスタイン共進会の自粛を決定した。
4月20日宮崎県都農町・水洗地区で「口蹄疫」が確認され、一ヶ月経過した現在でも拡大の一途をたどり沈静化する兆しが見えない。日ホ協は全共開催についての情勢を見守っていた。
5月19日政府は発生地10㌔圏内全頭の殺処分を前提としたワクチン接種の実施を決めた。これを受け、22日国内で初めてとなる口蹄疫のワクチン接種作業が家畜16万頭に対し開始された。
全共開催にあたり、北海道実行委員会ではイベントを含む開催の準備を着々と進めていた。日ホ協も本年3月18日の理事会では各都道府県別出品頭数が決定され、万全の準備を始めた矢先の凶報であった。
九州地区だけでなく、各都道府県でも警戒・防衛対策がとられ、イベント関係も相次いで中止となり、関係者が集まる会議等も自粛するところが多くなってきている。
このような緊急事態を鑑み、日ホ協は5月28日臨時理事会を開催し、第13回全日本ホルスタイン共進会について次の内容を決定した。①平成22年度中の開催は自粛する
②平成23年度に延期して開催する
③開催予定地である北海道及び北海道実行委員会に平成23年度の開催を要請する5年に一度の国内最大の乳牛祭典が自粛になったことは残念ではあるが、一日も早い沈静化と、来年度の無事開催並びに宮崎県の畜産の復興を期待したい。

平成22年06月20日
「通常総会開催」

~日ジャ登録協・全ジャ酪協~

日本ジャージー登録協会(東山祐介会長)は去る5月20日、東京都中野区・日本ホルスタイン会館において、第62回理事会並びに第54回通常総会を開き、第13回全日本ホルスタイン共進会におけるジャージー部門の出品や審査標準の改正について協議したほか、昨年度の事業報告と収支決算報告、本年度の事業計画案と収支予算案などが承認若しくは可決された。
まず、理事会で協議されたことは次の3点。
①第13回全日本ホルスタイン共進会は来る10月8日から11日までの4日間、北海道安平町で開催予定であり、ジャージー部門は4部(未経産2、経産2)で40頭枠が認められた。しかしながら、宮崎県で猛威をふるっている口蹄疫がいつ沈静化するのかわからないことから、すべては日本ホル協の理事会判断に委ねることになった。 ②米国の登録牛血統疑義に係わる関係牛の取り扱いについては、米国で広く供用されているジャージー種雄牛のゲノミクス研究をしたところ、その母方の遺伝子に赤白ホルスタインのSNPsが含まれていることが2月に判明したというもの。要するに100%ジャージーとして供用されたにもかかわらず、ホルスタイン種の血液が混ざっていたということになる。米国でも大きな反響を呼び、同国ジャージー協会では血統登録制度を改正した模様であるが、わが国でも輸入され娘牛がすでに登録されていたことから、今後の取り扱いを検討した。協議の結果、血統濃度の数字と父方の名号その他が変更になることからすでに発行済みの血統登録証明書を更正することで承認された。 ③審査標準の改正については、ジャージー種の審査業務は日本ホル協の審査委員が行うことから、できるだけ共通の審査区分であった方が望ましいこと、雄牛の遺伝分析や雌牛自体の交配相談のためにも、からだ各部位の特徴を数字で表す線形審査法を採用すべきとの要望があることから協議された。その結果、おおむね原案のとおり関係団体・当局と協議を進めるものの、来年の登録審議会に改正の是非や大区分評点について諮問した上で実施することで了承された。一方、全国のジャージー酪農団体等で組織する全国ジャージー酪農振興協議会(矢木照男委員長)も同日、委員会と総会を開催し、全ての議案を承認もしくは可決した。なお、同協議会が所有し精液を販売した「スイトン」号は全て在庫を整理し、その産子は昨年だけで54頭登録されているので、いずれこれらが分娩した段階で調査を行うことが了承された。なお、参考までにわが国のジャージー飼養戸数及び頭数を表1に、最近6年間の累計で登録頭数の多い上位種雄牛を表2に掲載した。


ジャージー種登録増加~1位神津牧場(群馬)、2位高見沢牧場(長野)~
全国で21年度に血統登録されたジャージー種雌牛は1千49頭で前年よりも166頭増加した。血統登録を行った農家数は254戸で前年よりも11戸増えて酪農家1戸あたりの血統登録数は4・1頭で0・5頭増加した。表1には昨年1年間に血統登録を多く実施した酪農家を示した。集計で親子などは1つにまとめて血統登録の多い所有者名で示した。
登録頭数の最も多かった酪農家は神津牧場(群馬県)で72頭であった。20年度に比べて66頭の大幅な増加であった。2位は(資)高見沢牧場(長野県)で53頭である。3位は土田雄一さん(秋田県)と前年度1位の松川美雄さん(岩手県)の42頭であった。以下、筒井大悟さん(岡山県)、石田守さん(北海道)、美甘正平さん(岡山県)、松本忠司さん(福井県)、(財)中国四国酪農大学校(岡山県)、丸山昭博さん(岡山県)、(株)共進舎牧農園(兵庫県)、西野正起さん(岡山県)が20頭以上を登録した。また、上位20農家で登録全体の半数を占め、ホルスタイン種の登録よりも顕著な傾向であった。都道府県別に見ると1位は岡山県の378頭、2位は北海道の298頭でこの2地域で全体の約6割を占める。3位は81頭で群馬県、以下、長野県、秋田県、岩手県、福井県、兵庫県の順。
ジャ種登雌牛の多い父~北海道「フィースティ」・都府県「ジャシントー」~
血統登録されたジャージー種雌牛の父牛として、どのような種雄牛が多く利用されているかを調べてみた。
平成21年度に全国で血統登録されたジャージー種雌牛は、88頭の種雄牛から1049頭であった。地域別では、北海道が種雄牛46頭で登録娘牛298頭、都府県は71頭の種雄牛から751頭が登録された。
このうち、北海道と都府県で共通する種雄牛は、29頭であり、反対に北海道だけの供用種雄牛は17頭、都府県だけが42頭であった。
また、種雄牛1頭あたりの登録娘牛数は、全国で11・9頭であり、北海道の6・5頭に対して、都府県は10・6頭でホルスタイン種とは逆の傾向であった。
国内海外の繋留別では、国内種雄牛19頭による登録娘牛346頭で登録全体の33%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は69頭による登録娘牛703頭で登録全体の67%を占めている。昨年と比べ国内の割合が8ポイント増加し、これは全国ジャージー酪農振興協議会(矢木照男委員長)が所有し精液を販売したスイトン号の娘牛が54頭登録されたことによって精液の国内シェアの増加に繋がった。
表には21年度の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。
北海道ではフイーステイが、前年の4位から登録娘牛数を伸ばしトップになった。なお、本牛の娘牛は北海道のみで登録されている。2位は前年8位のマニエールイワテ、3位カーンズロツキー、4位イアトーラ、5位スイトンの順。
都府県では1位が前年7位であったジヤシントーが登録娘牛数を3倍近く伸ばし躍進した。フイーステイと同様に本牛も都府県のみの登録。2位サルタン、3位カーンズロツキー、4位スイトン、5位イアトーラの順。前年都府県1位のレーザーは10位と大きく後退した。
因みに、全国集計では1位カーンズロツキー、2位ジヤシントー、3位イアトーラ、以下サルタン、スイトン、マニエールイワテの順。