「身に余る最高の栄誉であり、家族とともに喜びました。この名誉を糧として、今日からまた初心に帰って一歩ずつ、土づくり、草づくり、牛づくり、人づくりに努力していきたい」と天皇杯受賞の気持ちを語った。
柴田牧場は、経営主の輝男さん（55）と誠子さん夫妻、祖母フサノさん、母スミさん、婿の睦（あつし）さんと二女の瑞穂さん夫婦、そして２人の孫、柚（ゆず）ちゃん、椛（もみじ）ちゃんの８人家族。皆が明るく元気で、一緒に仕事ができる幸せを実感させる仲良し大家族だ。
現在、柴田牧場はホルスタイン経産牛70頭（うち搾乳50頭）、未経産20頭を飼養している。
酪農の歴史は、昭和40年に父親が稲作との複合経営に取り組んだことに始まる。当時から30頭搾乳の多頭飼育を実践した。輝男さんは２代目､４７年に21歳で就農した。

牛群の泌乳能力向上と乳質改善を図るため、昭和50年から牛群検定を実施し、データの裏づけに基づく選抜淘汰を実践するとともに、県内酪農家のリーダーとして１９０戸ある酪農家の全戸検定加入を推進している。
経産牛の３０５日平均能力は、乳量約８６００㌔、乳脂率４・57％、ＳＮＦ率８・95％、乳蛋白質率３・49％で、特に乳成分率が高い。
ここ数年、平均能力が増加していることについて「今までは高体型種雄牛に偏った交配をしてきたが、最近は検定済種雄牛を交配しています。その結果、初～２産の若い牛が能力を発揮しています。牛群の平均産次数は４・７産で、経産牛の半数が６産以上。分娩間隔が４１０日とやや長くなっているのは、分娩後の授精を急がずに、特に高齢牛では体力を回復させてからじっくり種付けしているため」と。