血統登録とは
なぜ血統登録が重要なの?
牛群改良の根幹をなすのが血統登録です。
酪農経営の安定を図るためには、「生産性の向上による生産コストの低減」が求められています。
これには乳用牛の増頭やエサの多給によって生乳生産量を上げることよりも、遺伝的能力を効率的に発揮させることによって、牛群の能力水準と斉一性を高めていくということが重要です。
遺伝率(親子がどのくらい似るか)
似る部分=遺伝、似ない部分=環境など
現在では種雄牛の後代検定や牛群検定の実施によって、種雄牛や雌牛の遺伝評価値が発表され、そのレベルは年々向上しています。酪農家は、総合指数(NTP)や各形質の遺伝評価値を活用して、より優れた後継牛が期待できるような交配と選抜淘汰を行って、生産性の向上を図ることができるようになります。
牛群改良の第一歩は血統登録から
牛群改良の第一歩は正確な記録をとることから始まります。記録が正確でなければ、いかに優れた交配や選抜淘汰を行ったつもりでも、改良の効果は上がりません。
個体記録の基本となるのが血統登録です。いつ、どこで、どういう父母から生まれたかという血統情報があって始めて、近親交配や遺伝的不良形質の発現を防ぐことができます。また、血統の特徴は泌乳能力や体型面によく現れます。血統の記録を牛群検定や体型審査成績と結び付けることによって、血統の特徴を生かした改良を的確に行うことが可能になります。
すなわち、登録は、酪農家の交配計画に有効に活用されていることは言うまでもありません。
血統登録のメリット
- 血統登録証明書によって父母、祖父母など血統が明確になるとともに、当協会の登録データに永久的に保管される
- 遺伝的に優れた血統をより確実に残すことができる
- 血統濃度によって血統の純粋性の度合いが明示される
- 強度の近親交配を回避できる
- BLADやCVMなど遺伝的不良形質の発現を未然に防ぐことができる
- 能力、体型等の付加情報によって個体販売が有利になる