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機関誌

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平成24年09月20日


平成24年09月20日「審査673頭の大幅増」 ~24年度前期(4~8月)都府県~
24年度前期の都府県における体型審査は、関係各位のご尽力により44都府県で実施することができました。一昨年の口蹄疫、昨年の東日本大震災の影響もあり、審査頭数も減少傾向で推移していましたが、本年度前期は近年にない大幅な増頭で前期を終了しました。
審査頭数1位岩手・2位熊本
はじめに、東日本大震災並びに原発事故から1年半が経過しいたしましたが、今なお、放射能汚染による深刻な影響が続いております。被災地で日夜復興にご尽力されている関係各位に心より敬意を表します。
さて、都府県の牛群審査・体型調査は4月中旬から始まり、7月下旬で前期の日程を終えることができました。集計では44都府県で実施され、牛群審査を受けた戸数は379戸4,111頭、牛群奨励・個体審査は116戸、381頭で、審査合計頭数は4,492頭となり、前年同期比では牛群審査戸数が48戸、審査頭数で673頭と大幅な増加となりました。
また、本年度の後代検定材料娘牛とその同期牛の体型調査については、前年度と同様、事業主体が各都道府県の畜産団体となり、調査頭数も各県ごとの割り当てとなっていますが、1,005戸の牛群検定農家を訪問し、初産泌乳中の後代検定材料娘牛1,823頭と同期牛5,088頭の合計6,911頭の体型データを収集しました。前年同期比では戸数で45戸減、頭数で90頭減のやや落込む傾向となりました。
都府県別にみてみると、審査頭数では岩手県が528頭(123頭増)で最も多く、以下熊本県483頭(189頭増)、群馬県422頭(186頭増)、愛知県261頭、栃木県256頭、千葉県240頭と続きます。
なお、今年大幅な伸びを示した熊本県、群馬県、岩手県に敬意を表するとともに、都府県の酪農家並びに関係者のご尽力に感謝申し上げます。
体型調査頭数は審査と同様の傾向がみられますが、頭数の多い県としては熊本県791頭、岩手県491頭、栃木県466頭、鹿児島県397頭、群馬県382頭、福岡県332頭、愛知県328頭、鳥取県320頭と続いています。
乳牛改良における後代検定事業の成果である検定済種雄牛は、その経済的波及効果は極めて大きいことを踏まえ,今後ともご協力をお願いする次第です。

平成24年09月20日「EX牛過去最多95頭」 ~初EX牛4牧場で誕生~
改良の成果
前期都府県で審査得点90点以上(エクセレント=EX)に評価された雌牛を下表に示しました。
県別では岩手県、群馬県、熊本県が10頭で最も多く、次いで栃木県、岡山県の8頭、福島県、長野県、愛知県、鳥取県の5頭と続き、25都府県で昨年同期より2頭増え過去最多の95頭となりました。
また、種雄牛別には、ゴールドウインの11頭が最も多く、次にダンデイー、ダーハムの8頭、ジョーダン4頭、セプテンバーストーム、チャンピオンの3頭と続き、53頭の種雄牛を数えます。
また、前期のみの審査で、今回5頭のEXを搬出した、岩手県・小岩井牧場(新規90点)、熊本県・松島牧場(新規3頭、更新1頭、同点1頭)の日頃の改良努力に敬意を表します。
さらに、今回は次の方々で初のEXが誕生しました。岡山県・影山洋二さん、宮城県・半沢一良さん、新潟県・広川寛さん、栃木県・大野雅美さんの4名。長年にわたり続けてきた改良の努力がこの成果として現れたもので、今後の活躍を期待します。
EX牛の条件
ホルスタイン雌牛の審査で初めてEXに評価する場合は次の条件を全て満たすことが必要です。
  1. 3産以上で正常分娩している
  2. 305日検定の実乳量が9千㌔以上である
  3. 泌乳中である
  4. けいれん肢がない
  5. 融合乳頭がない

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平成24年09月20日「円滑な推進に向けて」 〜登録委員研修会開催日ホ協〜
6地区で202名出席
去る7月下旬から8月上旬にかけて、日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)(以下「日ホ協」)では、全国を6地区に分け、登録委員を対象に1泊2日(関東は別項目)の研修会を行った。これは、乳牛改良を進める上で登録はその基本をなすものであり、血統登録をはじめとする審査・検定成績証明等の推進にあたっては、酪農家と常に接触し指導や相談にあずかっている登録委員に負うところが極めて大きいと考えられることから、登録委員の方々が今後さらに一層濃密な指導を行えるよう研修と意見交換を行い、事業推進を図ることを目的に毎年開催しているもの。地区により一部日程が異なったが、基本的内容は同様なので、研修会で登録委員の方々が何を学ばれたのか概要をご紹介しよう。
まず、初日は主催者である日ホ協から集中豪雨で被害があった地域へのお見舞いと3年後に北海道で第14回全日本ホルスタイン共進会が行われることで着々と準備が進められているとの挨拶が行われたのち、地元団体長及びご来賓の挨拶が行われ、引き続き「事務研修」に入った。
遺伝子型検査の現状
今回は、(社)家畜改良事業団家畜改良技術研究所遺伝検査部の技術者を講師としてお招きし、「遺伝子型検査の現状と登録への利用」をテーマに講演をお聞きした。講演の概要は同事業団の紹介に始まり、遺伝子型検査の業務内容、検査の流れや親子判定の具体例、2年に一度行われている国際比較試験の説明や、近年のホルスタイン種における遺伝病の詳細を解説された。また、マイクロサテライトDNAを利用した親子判定からSNPを利用した判定へ移行しつつある世界的な趨勢などの報告があった。
興味深い話題としては、親子判定検査が牛、豚にとどまらず、イヌやエビ、カニまで実施。牛肉トレーサビリティ検査、警察に依頼された法科学鑑定も行われていること。さらに近年ヨーロッパ諸国での発症例が増えているブラキスパイナ(仮称「牛短脊椎症」)についても詳しい遺伝様式などが報告された。
各種表彰者等の紹介
「事務研修」では、日ホ協担当者から、平成23年度の登録等申込状況や同表彰登録委員、同表彰支部・承認団体、同審査成績優秀牛群表彰、同検定成績優秀牛・牛群表彰、同日本・都府県記録更新牛表彰の紹介が行われた。特に審査成績優秀牛群審査の表彰では各県の農業高等学校が優秀な成績を修めている例が多いことが紹介された(表彰事例は本年7月20日号で紹介済み)。
近交回避の手立て
一方、登録関係の話題として、日ホ協が全国的に展開している「自動登録」をより一層進めるための方策として、色々な事例紹介が行われた。一例として、自動登録申込みでは予め1年間の授精データを蓄積することと、授精の度にそのデータを家畜改良データバンクに報告することが必要である。日ホ協では、(独)家畜改良センター家畜個体識別部へホルスタイン種の雌牛が生まれたという出生報告と直近の授精データを照らし合わせて、父牛を特定するという作業が行われているが、どのようにしてこの授精データが報告されているかを紹介した。また、近年、世界的な傾向として近交係数の上昇がみられるので、これを如何にして増やさない手だてを講ずるか、具体的には体型審査・調査の際にお配りしている「近交回避リスト」の活用や、日ホ協HPのデータバンクにある「近交回避情報」、新たに開発した「乳用牛群改良交配システム」の活用などについての具体例が示された。
さらに、本年新たに作成した「ホルスタイン登録の手引き」の説明も行われた。
牛の見方を研修
さて、2日目に行われた「審査研修」では、日ホ協の審査委員が実際に乳牛4頭を用いて、乳牛の見方を研修した。現畜を供試牛として使えない地区では、パワーポイントを用いて説明を行った。研修の流れは、まず、審査委員から牛を見るポイントが説明され、実際に1頭を供試牛として模範審査を行い、雌牛を評価する際の審査標準の用い方を研修した。続いて、参加者各人が残りの供試牛についてそれぞれの牛の良し悪しを判定するとともに、得点形質について実際に数字を入れて、審査委員と協議した。また、牛の体各部位を線形的にみる線形審査についても、現畜を前にして解説書と見比べ、審査委員と参加者が討論しながら研修を行った。特に、「体貌と骨格」、「肢蹄」、「乳用強健性」、「乳器」という形質へ各自が得率を入れ、決定得点を算出することで、審査委員との差を実感することができたようであった。(関東地区にあっては各都県でそれぞれ研修会を実施していることから、地区全体では実施せず)
なお、この研修会とほぼ並行して行われた「地区別登録事務担当者会議」では、各都府県支部・承認団体で実務を担当している方々が集まり、第14回全日本ホルスタイン共進会の現況の報告を受けたのち、今後の登録推進対策や登録業務の支障となっている事故解消、体型調査関連事業のあり方などを協議した。

平成24年09月20日「ジャージーフォーラム開催」 〜日本ジャージ登録協会〜
日本ジャージー登録協会(東山佑介会長)が主催する「2012ジャージーフォーラムおかやま」が、9月5〜6日の2日間岡山県真庭市「ひるぜんジャージーランド」と近隣の牧場で開催された。
今回の出席者は、北は北海道から南は熊本県まで全国9都道県から41名の酪農家や関係者が集まった。
蒜山共進会見学
初日は第52回蒜山地区乳牛共進会を見学。ジャージー種37頭、ホルスタイン種31頭が出品され、北海道の瀬能剛氏が審査員を務めた。本場だけあり、2種の総合GCにはジャージー種「キャミオーサルタンローヤルAフタゴ」(朝鍋牧場)が選ばれた。
フォーラム
共進会終了後、「ひるぜんジャージーランド」で始まったフォーラムでは、東山会長から、2年に一度開催の予定が、全共のため延びていた。おかやま酪農協、蒜山酪農協の協力により4年ぶりに開催でき、その事前準備などの労をねぎらった。
次に蒜山酪農協真田善弘組合長から、遠方から集まった参加者全員が地元共進会を参観願ったことに対し感謝の言葉を述べた。
また、県農林水産部中塚陽二郎総括参事から、蒜山の地に昭和29年に草地酪農推進のため、ジャージー牛が導入され、今では全国一の飼養頭数となった。観光客も年間280万余に来ていただき、酪農と観光が共存している旨の挨拶があった。
話題提供
話題提供では、「ジャージー種における近交係数の高まり」「統計資料」について登録協会から説明があった。新たなハプロタイプ遺伝病JH1が昨年アメリカで発見されたこと、登録頭数や父牛別娘牛頭数、検定成績等の報告があった。
蒜山酪の取組み
蒜山酪農協でのジャージー牛の取り組みについて石倉健一部長から紹介があった。現在31戸で1,875頭を飼養。主な事業内容は、牛乳、乳製品の製造、販売や牛の生産関連、特に観光には力を入れ、組合員には高品質な乳質管理を徹底している。
参加者の現況
そして、出席された方々の現況報告があった。主な内容は、
  • 次回全日本共進会にジャージーを出品するため飼養頭数が増えている(北海道)
  • 乳成分が高く、飼養管理スペース、餌は少なく、乳製品の製造効率が高い。また、純粋なジャージーを増やすためにも、登録を行うべき(北海道)
  • フリーストールでは同じ面積でホルより2〜3割多く飼える。和牛の受精卵移植で増収(北海道)
  • 牧場体験も実施(福井)
  • ジャージーのソフトクリームは、札幌の九州物産展でも人気を博した。近々、シンガポールで販売する予定(熊本)
近隣牧場見学
2日目は二若信彦牧場と朝鍋牧場(筒井大悟さん)を訪問した。
二若牧場は築60年という納屋を改造した繋ぎ牛舎で、搾乳牛26頭。長く飼うことを実践し、1年4頭更新を目指す。最近3年間で5頭のEX牛を輩出。
朝鍋牧場は最近建てたフリーバーン牛舎で、搾乳牛74頭。昨日の共進会ではGCに輝いた。
今回のフォーラムは、天候不順の中、地元おかやま酪農協を始め、関係各位のご協力により参加者相互の親睦と情報交換が行われ、熱心な研修の場となった。

平成24年09月20日「ジャージー審査標準改正」 〜5大区分→4大区分へ〜
ジャージー種の効率的体型改良を進めるとともに、酪農家において交配種雄牛選定の参考となる資料提供等を考えると、わが国のジャージー種においてもホルスタイン種にあわせた形で審査標準を改正するとともに、これを機会に線形審査を実施する方向で検討を重ねてきた。去る4月の登録審議会の答申を受け、第56回ジャージー登録協会理事会で承認されたことにより、平成24年度後期審査から新たな審査標準に沿って実施する運びとなった。
雌牛審査標準の主な改正点
  1. 現行の5大区分を「体貌と骨格」、「肢蹄」、「乳用強健性」、「乳器」の4大区分とし、現行の「体積」は減率して「体貌と骨格」に含める。
  2. 「体貌と骨格」の配点を25点とし、繁殖に関連深い尻を重視するとともに各部の骨格構造などを評価する。
  3. 「肢蹄」は生産寿命に関連が深いため、配点を15点から20点に引き上げる。
  4. 「乳用強健性」は現行の「乳用牛の特質」と同様、活力や開張度を重視する。配点を20点から15点に減じたのは繁殖性や生産寿命に関連した尻(体貌と骨格)や肢蹄の改良を優先したためである。
  5. 乳器は最重要形質であり、現行と同様に40点とする。
  6. 線形形質も、高さ、座骨の幅、後乳房の高さの3項目について違いはあるものの、その他の形質はホルスタイン種と同様である。

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平成24年09月20日「お詫び」
本誌8月20日号3面の「ホルスタイン牛の広場」で掲載した「2012-8月国内種雄牛評価」に係る「トップ20並びに新規種雄牛」表の父牛並びに母方祖父母の名号について、別表のとおり訂正がありました。お詫びのうえ訂正します。


平成24年09月20日「生涯乳量」 ~都府県24年7~8月~
24年7~8月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛42頭を示した。今回は上位3頭が総乳量10万㌔を突破した。
1位・吉田豪秀さん(長崎県)所有「ヨシダブラックスターノブ」
そんな好成績の中トップに輝いたのは、吉田豪秀さん(長崎県)所有の「ヨシダブラックスターノブ」(平9.4.5生)。検定回数11回で4,120日、総乳量14万8,534㌔、乳脂量5,246㌔、平均乳脂率3.5%、乳蛋白質量4,291㌔であった。
この記録は、都府県では歴代2位、全国でも歴代20位と、すばらしい大記録となった。これは、このたび全ての産次の検定証明を一括して申し込んだことで、高記録達成となった。また、長崎県では初めて生涯検定乳量10万㌔を突破し、同県内の歴代1位も獲得した。15歳と高齢ではあるが、更なる記録更新を期待したい。
2位・金井真一さん(長野県)所有「ジーエスハリエットカビーET」
2位には、金井真一さん(長野県)所有の「ジーエスハリエットカビーET」(平12.10.14生)の検定回数8回で3,112日、総乳量12万1,001㌔、乳脂量4,267㌔、平均乳脂率3.5%、乳蛋白質量3,985㌔であった。カビー号は、全ての乳期で乳量1万㌔を超えており(最高乳量1万9,575㌔)、今回の成績で自身の持つ長野県内歴代1位の生涯乳量記録をさらに伸ばす好成績となった。また、本牛は審査得点EX(90点以上)を獲得しており、泌乳能力・耐久性・体型いずれにも優れ、バランスのとれた優良雌牛と言えよう。
3位・吉原直樹さん(岡山県)所有「ラッキースーパーテスクスター」
3位には、吉原直樹さん(岡山県)所有の「ラッキースーパーテスクスター」(平13.2.19生)の検定回数8回で3,069日、総乳量10万7,587㌔、乳脂量3,457㌔、平均乳脂率3.2%、乳蛋白質量3,362㌔であった。スター号も岡山県内の歴代1位の記録を持っており、このたびの成績でさらにその記録を伸ばした。
今回表に示した42頭の内、8位の「リバーサイドデュランゴモネ」を始め、福井邦仁さん(愛知県)所有牛が7頭も登場している。平均乳量1万㌔以上の牛が多く非常に泌乳能力の高い牛群であり、これからの活躍が期待される。
乳量だけでなく、体型においてもEXを獲得している優良雌牛も多く、先程紹介した2位のカビー号は90点、14位の新海益二郎さん(長野県)所有の「ラッキーマーシュダーハムビグ」は都府県8頭目の高得点94点、17位の池松和幸さん(福岡県)所有の「アイハッピーラグアップルダーハムエアリーン」は90点、23位の山口貴士さん(兵庫県)所有の「レディスマナーエスカレードET」は都府県26頭目の93点、26位の岩泉篤さん(岩手県)所有の「ロックスプリングRCジェド」は90点とすばらしい成績を残している。

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平成24年09月20日「新規で1位加藤牧場「ジャーディン」号」 ~乳用雌牛評価成績2012-8月~
8月7日に国内雌牛2012-8月遺伝評価値が公表された。別表に牛群検定参加牛のうち総合指数上位牛を示した。
1位「ジャーディン」号
今回は新規に上位ランクインした優良雌牛が多く、中でもいきなり1位に躍り出たのが「ジャーディン」(北海道・加藤智行牧場)。名門「ヒラリー」一族で相変わらずの血統の強さを示し、曾祖母の「ヒラリーディマンド」からの流れ。新規で4位の「ピクシー」は妹、10位の「ストーリー」は姉、6位の「ハーシェル」は祖母、その妹が5位「プレミアム」のほか、12位「セブン」、14位「モリー」など15傑に7頭がランクインするほか、後代検定の候補種雄牛も数多く排出している。
「ジャーディン」の成績は、NTPを唯一6千台に乗せ+6,162、乳量は+3,903。また決定得点、肢蹄、乳器など体型全般も優れた成績を打ち出した。
2位には公表されるごとに順位を確実に上げ、前回まで2期首位を守ってきた「Lフロスティン」(北海道・石橋直牧場)。本牛は国内雌牛評価の上位常連「ジュディ」ファミリーであり、9位の「マドーナ」、13位の「アクア」、前回(5月)8位で今回19位の「バーサ」が同じファミリーである。また、昨年5・8月公表で2期連続1位であった「オング」(平成23.8月廃用)も同族であり、「Lフロスティン」の兄はNTP2位の「ジアンビ」である。NTPは+5,588、乳器は+1.61と好成績を示している。
都府県の1位には、前期から再び首位に返り咲いた宮崎県の前原和明さんの「ジャスミン」が連覇を果たした(全国41位、「ハーシェル」の娘)、
同牧場の「ホワイト」も8位(全国86位「ハーシェル」の妹)と健闘している。
2位には「プラネット」(全国48位)、同じく3位には「アーニット」(全国51位)が入った。両牛ともに(独)家畜改良センターで誕生したもの。
4位(全国52位)には、常連である兵庫県、小谷正子さんの「パラダイス」(全国60位)、5位「フィーニア」(全国72位)、6位「ボネアーセカンド」(全国75位)、7位「パラダイス」(全国80位)、8位「ホワイト」(全国86位)までが全国順位100位以内であり、前回より3頭減ってしまった。

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平成24年09月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成24年8月証明分F偏差値~

平成24年09月20日「第8回全日本B&Wショウ」 ~平成24年11月23日(金)開催~
全国ホルスタイン改良協議会のHPはこちら


平成24年09月20日「全国平均乳量9,225kg、61kg減」 ~平成23年度牛群検定成績速報から~
このほど、家畜改良事業団から平成23年度乳用牛群能力検定成績速報が発表された。昨年から速報媒体が小冊子から事業団ホームページ(HP)で情報を取得する方法に変わり、パソコンがあれば情報を直ぐに誰でも見ることが出来るようになった。
検定牛頭数3年ぶりに微増
さて、表1には牛群検定農家戸数・頭数の推移と23年度の実施概況を示した。これによれば、平成24年3月末現在、全国では251組合、牛群検定農家戸数は9,395戸となり、前年より20組合、312戸減少した。内訳を見ると、北海道で5組合、131戸、都府県で15組合、181戸の減少となった。検定牛頭数は55万6,248頭で3年ぶりに727頭増加を示した。北海道では809頭の増加であったが、都府県は82頭の微減であった。
また、1戸あたりの検定牛頭数は昨年より2頭増加をし、59.2頭となった。北海道では、73.9頭となり2.1頭の増加、都府県は43.5頭となり1.6頭の増加となった。
鳥取県は11年連続検定牛比率1位
次に、23年2月1日付け畜産統計の成畜飼養農家戸数に対する都府県別の検定農家比率を見ると、北海道が68.1%、都府県は34.7%、全国平均では46.3%であり、いずれも前年を若干上回る普及率となった。また、都府県で50%を上回る県は昨年の10県から11県に増えた。11県のうち9県が中国、九州の地域で、東日本は僅かに1都1県であった。1位は鳥取県の74.9%で、続いて宮崎県、鹿児島県、福岡県が70%以上で、新たに山口県と福井県が50%を超えた。残念ながら秋田県は50%を切ってしまった。
検定牛比率50%以上は17都県
また、経産牛頭数に対する検定牛比率では北海道が74.8%、都府県43.6%、全国平均は59.6%で、全国では2ポイントの上昇となった。また、都府県で50%を上回った県は昨年の1都15県から1都16県に増えた。
表2には、検定牛比率が50%以上の高い都府県を示した。普及率が最も高かったのは鳥取県で、93.8%という高い値だった。これで検定牛比率は都府県で12年連続1位となり、前年と比べると検定牛比率が大きく5ポイント上昇した。
このほか、検定牛比率の高い都府県は宮崎県(85.5%)、福岡県(79.8%)、鹿児島県(75.6%)、で、宮崎県は20.3ポイントも上昇した。これは、北海道も抜き全国で2位となった。以下、岡山県、熊本県、沖縄県、岩手県、愛媛県、東京都、福井県までが60%以上で、西日本に高比率の県が集中している。特筆されるのが東京都の4ランクアップと沖縄県の3ランクアップで、沖縄県は2年で8ランクの上昇となった。一方、検定牛比率20%未満は昨年同様1府6県であった。
戸数、頭数ともに増加は1都3県
検定牛普及率から見て増加した場合でも、検定牛頭数の増加ではなく、最近は分母の経産牛頭数が大幅に減ったことによる普及率の増加という現象が散見される。表3は農家戸数と検定牛頭数がともに増えた都府県を示した。その対象となる都府県は昨年より2県増えて1県減ったため差し引き1都3県となった。対象県のうち最も農家戸数が増えた県は、山形県の5戸(増加した検定牛頭数は260頭)で、まだ検定牛普及率20%未満ではあるが、4年前から16戸も増加させている。
また、青森県が2戸増加した。戸数、頭数ともに増えた県においては、関係団体が連携して普及啓蒙を図った成果と思われる。このような時期、経営に直結する牛群検定の勧誘に、酪農家が真摯に受け止めたことで、増加につながったと思われる。特に、山形県ではお試し検定をまず行い、牛群検定のメリットを農家の方が感じとっていただいてから牛群検定に加入しているそうだ。
全国平均乳量は61kg減の9,225kg
表4では牛群検定成績(ホルスタイン種立会、305日、2回搾乳)の最近7年間と5年ごとの推移の実績を示している。23年度の全国平均乳量は9,225㎏で、昨年より61 ㎏減少した。平成14年度に9千㎏を突破してからは大きな増加はなく、最近は9,200㎏台で推移している。都府県平均乳量は9,341㎏(前年より138㎏減)、北海道は9,170㎏(同22㎏減)で、都府県が7年連続で北海道を乳量で上回った。また、全国平均乳脂量も361㎏で昨年より4㎏減少した。
高い海外の普及率
牛群検定事業は酪農家における泌乳能力の向上や飼養管理面、経営面において非常に重要な役割を果たしているが、検定の中止や脱退する農家も少なくない。
北米やEUの酪農先進諸国の牛群検定普及率(表5)をみると、主な国ではオランダが87.6%(経産牛頭数が約147万頭)と最も高い。続いてドイツ83.8%(同約417万頭)、イタリア73.4%(同約183万頭)、カナダ72.4%(同約98万頭)、ニュージーランド64.0%(同約440万頭)、フランス68.0%(同約379万頭)と、高い数値を示している。儲かる酪農のため、そして牛群改良には検定が欠かせないと彼らは認識しているからである。
牛群検定おためし事業の勧め
世界の酪農先進国と言われている国々では7割以上の酪農家が牛群検定に参加している中で、日本は概ね半分が参加している。飼養管理、酪農経営に欠かせない牛群検定における試行農家を今年も家畜改良事業団では募集をしている。この事業は、牛群検定にかかる費用を最大6ヶ月助成し、無料で牛群検定を体験できるものである。まだ参加されていない方はぜひ参加して、牛群検定の良さを体験してほしい。試行農家の8割の方が継続して牛群検定に参加している。※速報値は家畜改良事業団HP初版の数値を利用。

平成24年09月20日「1位「プラネット」・2位「マンオーマン」」 ~2012-8月海外種雄牛評価成績~
家畜改良センターから8月14日、海外種雄牛2012-8月評価が公表された。
1位「プラネット」
今回は、「ブラックスター」の息子「タブー」と「チーフマーク」系の「アメル」との交配で誕生した「プラネット」が首位にたった。NTP+3,886、乳量+2,314と非常に高く、体型においても、決定得点+1.48、乳器+1.56、肢蹄+0.46と、全般の改良に期待が持てる。また、順位も昨年4月新規で1位デビュー、8月2位、12月4位、今年4月2位、そして今回1位に返り咲くなど、上位で安定した成績を残しているとともに、海外でも8月公表ではLPIで1位(3,001)、TPIでも10位(2,178)と、世界で認められている種雄牛。
2位「マンオーマン」
2位には、前回1位であった、「マンオーマン」(「オーマン」×「アーロン」)となった。NTPは+3,599で、産乳成分と乳蛋白質率が高く、体型においても乳器と決定得点の改良に優れている。アメリカではTPI+2,314Gで2位にランクされ、この種雄牛も上位に安定した成績を残している。1位の「プラネット」ともども、日本でも期待される種雄牛。
トップ5に新規種雄牛3頭
3位には、新規種雄牛「オルティマ」(「エンシーノ」×「オーマン」)が食い込んだ。乳量と産乳成分が高く、NTPは+3,591と、2位から僅か8ポイント下回った。体型においても、肢蹄の改良に優れている。
4位にも新規牛「マッセイ」(「エムトト」の息子「マスコール」×「フォーメーション」の息子「ブレット」)が入った。乳量、乳成分、体型がオールプラスでNTPも+3,580。特に乳器の改良に優れ決定得点も高く、体細胞スコアも1.62と好成績である。
5位も新規牛「バハマス」(「ジェファーソン」×「タイタニック」)が入った。産乳成分に優れ、乳量と乳蛋白質量がともに高く、NTPは+3,522。体型面では乳器の改良に期待が持てる。
今回トップ40位には新規が7頭入り、父牛別では前回同様にオーマンの息牛が1番多く9頭、次いでショトルの息牛5頭であった。両牛ともにラグアップルエレベーションの系統。また、母方の父ではBWマーシャルの6頭であった。
NTPにおいて、+3,000超えの種雄牛は、前回の4月発表では11頭であったが、今回は更に3頭増え14頭を数えた。公表の度に頭数が増え、改良速度の速さを痛感する。参考として、国内種雄牛トップの「サンディスター」がNTP+3,496である。

平成24年09月20日「気質・搾乳性スコア変更」 ~平成24年後期体型調査から~
後代検定体型調査では、調査対象雌牛(後代検定対象雌牛とその同期牛)において、酪農家から聞き取りする方法で、気質及び搾乳性の調査を実施していましたが、平成24年後期体型調査からそのスコア区分を3段階から5段階に変更いたしますのでご協力をお願いいたします。
なお、今後の評価データの取り扱いについては、当分の間は、現在の区分に置き換えた方法により評価いたします。