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2021年11月20日号

2011〜2020年度EXまとめ
都府県で進む体型の改良

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     都府県における過去10年間の審査成績、特にエクセレント牛に関してまとめた。
     図1は2011〜2020年度の45都府県での審査頭数および決定得点90点以上(エクセレント:以下EX)牛の割合であるEX率をまとめたものである。棒グラフが審査頭数(体型調査も含む)、折れ線グラフがEX率を表しており、左縦軸が頭数、右縦軸が割合、横軸が年度を示している。図1では同じ牛が複数回審査または体型調査を受けていた場合、受けた回数それぞれを1件として集計している。
     審査頭数については2012年度をピークに一度減少しているが、2016年度から2019年度にかけて順調に増加している。2019年度には2012年度の審査頭数を上回り、過去10年間で最多の審査頭数となった。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染症による審査中止が相次いだことにより、審査頭数が大幅に減少した結果となった。

    EX率2.3%過去10年で倍増

     一方で、EX率は年々増加してきている。2011年度には約0.99%だったものが2019年度には2%を超え倍以上に増加している。なお、EXを獲得するには、ホルスタイン種雌牛では3産以上で正常分娩し泌乳中であること、かつ305日検定の実乳量が9千キロ以上でけいれん肢と融合乳頭がないという高い水準であることが必要になるため、ホルスタイン種の改良がこの10年間で大きく進んでいることが伺える。
     表1は各品種のEXを獲得するための条件をまとめたものである。それぞれの品種で305日乳量等の条件が異なっているため確認していただきたい。また、2020年度のEX率は約2.3%と例年に比べても高い水準となっているが、これは先述のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響で審査を受けることのできる会員が限られてしまい、より体型の改良に意欲的な農家が集中した結果と考えられる。

     表2は過去10年間の都府県ごとの審査頭数、EX牛の頭数とその割合、および都府県内での最高決定得点をまとめている。EX牛頭数の多い上位10県には欄に色がついている。表2および後述の表3では、同一農家に所有されている間に複数回審査または体型調査を受けた牛の場合、その牛の最高決定得点を獲得した年度のデータを採用しており、1頭につき1件として集計している。

    EX牛最多は岩手県2位群馬県、3位熊本県

     EX牛頭数が最も多かった県は岩手県であり、その頭数は236頭、県内のEX率は約1.97%だった。2位は群馬県の231頭で、県内最高決定得点は95点と、岡山県と同率で都府県内での最高点をマークしている。審査頭数は1万3475頭、EX率は1.71%。3位は熊本県の211頭で審査頭数に関しては岩手県の1万1991頭を上回る1万6780頭であり、都府県内1位だった。EX率は1.26%。
     以下、4位は栃木県の183頭、5位は千葉県の109頭、6位は岡山県の106頭、同率7位は茨城県、福岡県の91頭、9位は愛知県の84頭、10位は長野県の79頭となっている。

     表3は2011〜2020年度にそれぞれの都府県内で、最もEX牛を輩出した会員(家族会員も含む)と審査頭数(体型調査も含む)、EX牛の頭数とその割合、および最高決定得点をまとめている。表2と同じくEX牛の頭数が多い上位10会員の欄には色がついている。また、同じ都府県内でEX牛を輩出している数が同数の会員が複数いる場合には列挙している。

    岩手・小岩井農場最多64頭

     最もEX牛を輩出したのは岩手県の小岩井農場の64頭で、審査頭数1303頭、EX率は4.9%、最高決定得点は92点だった。小岩井農場ではこれまでに4頭が92点と評価され、そのうちの2頭は2Eを獲得している。2位は群馬県の長坂仁さんの54頭であり、審査頭数144頭、最高決定得点93点。EX率は37.5%と、昨年最も高かった長崎県の島原農業高校を抑えて最も高い割合となっている。3位は佐賀県の古川豪樹さんの41頭。審査頭数139頭、最高決定得点92点。EX率については29.5%とこちらも高い割合となった。佐賀県でEX牛を輩出しているのは古川さんのみである。4位は熊本県の松島太一さんの31頭となった。審査頭数219頭、EX率は14.2%であった。最高決定得点である91点に評価された牛は6頭おり、そのうちの1頭が3E、2頭が2Eを獲得している。
     以下、5位は静岡県の石川和博さんの30頭、6位は栃木県の植木靖さんの28頭、同率7位は茨城県の弓家直人さんと宮城県の(有)半澤牧場の23頭、同率9位は山梨県の(株)山口牧場、長野県の小林正春さん、岡山県の妹尾優佳さんの22頭だった。

    最高得点95点過去10年で2頭

     都府県での決定得点の最高得点は95点である(全国では96点)。今回とりまとめた過去10年間で95点を獲得したのは岡山県の吉原直樹さん所有のグランデイールスターPTギン(2014年、7歳11か月で獲得)と群馬県の遠坂和仁さん所有のフアインリコダツチ(2017年、7歳8か月で獲得)のわずか2頭である。
     最後になるが日本ホル協が規定する標準体型の図を掲載する。今後も優秀牛に勝るとも劣らない名牛の誕生を期待したい。

    ホルスタイン種雌牛標準体型(昭和54年制定)

    EX牛に配布されるエクセレントシール

社員補欠選挙 当選者

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     山形県、福島県及び岡山県の社員辞任に伴う補欠選挙が10月22日に実施され、無投票で当選者が決定したので公示します。【敬称略】
    ◇第8区(山形県)
    山口長一
    ◇第10区(福島県2)
    佐藤健一
    ◇第41区(岡山県2)
    山本真五

人事異動

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    (11月1日付)
    ◇谷野剛史総務部経理課長(同経理課)

検定成績優秀牛 -都府県令和3年10月証明分F偏差値-

ホルスタイン手帳 予約受付中

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