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機関誌

機関誌内容一覧

2020年03月20日号

4面

登録の状況 自動登録が7割に迫る -日本ホル協事業部-

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     令和元年度(令和2年1月末現在)の都府県の血統登録雌牛申込頭数は、3万8679頭と前年同期と比較して1328頭、率にして3.6%の増加となりました。
     高齢化および後継者不足などによる酪農家戸数の減少や乳用牛頭数の減少など、酪農情勢を取り巻く情勢は変わらず厳しい状況です。現在、国および都道府県の行政及び酪農団体では生産基盤確保のため、性選別精液の利用に対する事業を取り組んでおり、年々性選別精液の普及率は増えています。農林水産省が発表する畜産統計を見ると、乳用未経産牛については平成30年度より1万頭増えています。性選別精液で生産された未経産牛の頭数が増え、それが血統登録の増加に繋がったものと考えられます。また、性選別精液の利用だけではなく、牛群検定事業や新しい育種選抜であるゲノミック評価を活用することにより、遺伝的に優秀な後継牛を生産できることから、年々SNP検査も増えています。性選別精液の利用増加、ゲノミック評価の活用の成果が出てきているのではないでしょうか。

    血統登録3年連続増加

     表1には都府県別の血統登録をはじめ各種申込み頭数並びに会費納入件数を示しました。
     血統登録について、特に群馬県は799頭と都府県の中では一番増加し、次に鳥取県487頭、熊本県318頭と大幅な増となりました。この他にも福岡県268頭、千葉県208頭、静岡県161頭、茨城県158頭、福島県132頭と、計8県が前年度よりも3桁の増加となりました。これは積極的な登録推進をしていただいた結果であり、関係者の皆様には厚くお礼申し上げます。8県の他にも前年度よりも増加した県は14県でした。一方、登録推進時期などの諸事情により、神奈川県298頭、愛知県193頭、鹿児島県158頭、新潟県134頭、山梨県107頭と5県が前年度から大幅な減少となりました。登録推進だけでなく酪農家の廃業等もあるかと思いますが、3月末までの申込み状況を注視したいと思います。
     表2は年次別の血統登録頭数と飼養頭数の推移を示しました。血統登録頭数は性選別精液の利用等により、平成28年度から少しずつ増加してきて、今年次は6年前の平成25年の4万7346頭を超えました。今後も更なる登録頭数の増加に対して、酪農家の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げるとともに、当協会も努力してまいります。

    自動登録が68%超え

     登録申込別でみると、自動登録の申込頭数は2万6348頭で全体の68.1%、前年比2.8ポイント増加しました。年々自動登録に切り替える会員が増えてきていることから、来年度には7割になっていることを期待したいと思います。
     自動登録実施状況ですが、岩手県+10戸、熊本県+10戸、福岡県+8戸と前年度よりも増加しました。しかしながら、17の県44戸において廃業等の理由から自動登録を中止しています。当協会では、これからも自動登録の普及推進に努めてまいります。また、各県において自動登録についての研修会を開催することがありましたら、必要に応じて担当職員を派遣いたしますので、その際には当協会にお問い合わせください。
     なお、今年度の自動登録農家戸数は1967戸(開始87戸・中止44戸)で、前年と比べて43戸増加しました。

    移動証明は減少

     表1の移動証明申込み件数について、現在2千541頭で、前年同期比で225頭の減少となっております。
     自動登録は移動証明をする必要がありません。通常、他農場から牛を導入した際には、移動証明の申込みをして所有者を変更する必要がありますが、自動登録では家畜改良センターに転出・転入報告をすることで所有者名義は移動した農家となり、当協会では登録原簿上の移動を完了させています。当協会では自動登録の推進をしています。自動登録が増えれば移動証明が減ることになりますが、個別登録農家については所有者の変更に伴う移動証明申込みが必要ですので、引き続きご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

    会費は減少

     最後に会費納入件数を表1に示しました。1月末現在で4千904戸の方から会費を納入いただいており、前年と比較すると99戸減となりました。会費の対応方法については、各県対応は違うと思いますので、単に酪農家戸数の減少とは捉えず、3月末まで動向を注視したいと思います。

出生報告と同時に希望名号をネット入力しませんか? -自動登録の現況から-

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     当協会で普及推進している「自動登録」は、各地域担当者のご尽力により会員農家のご理解を頂きながら徐々に実施農家が増えていき、今年度の都府県における自動登録率(血統登録された雌牛のうち自動登録によるものの割合)は68%まで増加する見込みです。

    自動登録は全頭登録

     自動登録は飼養している乳用種雌牛(ジャージー種やブラウンスイス種などを含む)の全頭の血統登録を条件として実施しています。農家からの「出生報告」と「授精報告」をデータの形で当協会が受け取り、それらを元に血統登録証明書を発行するという血統登録のやり方です。
     申込書を記入する必要がないので、申込手続の手間や時間がかからずに血統登録を行うことができます。また登録料金は通常よりも500円ほど割引しています。

    希望名号をつけたい時は?

     農家さんから「自動登録を始める前までは申込書に希望する名号を記入していたけど、申込書が要らない自動登録ではどのように名号をつければ良いか」というご質問を受けることがあります。
     「自動登録実施農家連絡書」という用紙に記入してFAXするなどいくつか方法はありますが、一番お勧めしたいのは、「補足情報報告システム」を利用する方法です。
     このシステムは自動登録農家限定のサービスで、家畜改良センターの「届出Webシステム」から出生報告すると、続けて希望名号を入力できるというものです。当協会ではここで入力された希望名号を命名して血統登録証明書を発行しています。
     特にお勧めしたいのは飼養頭数が多くて希望名号をつけたい自動登録農家の方です。連絡書に手書きで記入してFAXするよりも、このシステムで入力する方が手間はかかりません。現状のシステムでは最大50頭まで一括して入力が可能です。
     上記の入力手順をご覧いただき、ぜひ利用してみてください。

全共を写真で振り返る11

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第15回全共 九州・沖縄ブロック大会まで

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5面

群馬県(有)品川牧場 首位に返り咲く -2019年次都府県登録状況-

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     平成31年1月~令和元年12月に都府県で血統登録された雌牛について、当協会の会員別に登録頭数をとりまとめた。都府県で昨年1年間に血統登録された雌牛は4万7505頭で前年より1694頭と大幅に増加した。また血統登録を行った酪農家戸数は3616戸で前年より233戸減少したが、酪農家1戸あたりの血統登録頭数は前年よりも1.2頭増加し13.1頭となった。
     表1には最近7年間の登録頭数と登録実施農家戸数の推移を示した。酪農家戸数の減少傾向は変わらないが、ここ数年は登録頭数の増加が続いており、血統登録事業の堅調な実施が伺える。
     表2に昨年1年間に70頭以上の血統登録を実施した会員を示した。集計では家族会員などは1つにまとめて、登録頭数の多い会員名で表示した。
     登録頭数の最も多かった会員は、(有)品川牧場(群馬県)で889頭であった。例年首位にあったのが一昨年は5位と一時落ち込んだが、昨年は2位以下に大差をつけて盛り返した。
     2位は(株)みんなの牧場(鳥取県)の472頭。2019年春より自動登録を開始し、2位へと躍り出た。
     3位は昨年と同じく(有)ロマンチツクデーリィファーム(群馬県)の384頭。登録頭数は年々増加傾向にあり、昨年の登録頭数は一昨年より2割以上も増えている。4位小岩井農場(岩手県)383頭、5位中上秀夫さん(岩手県)316頭、6位野村栄一さん(茨城県)284頭、7位(有)PIONEERFARM(茨城県)250頭、8位古川牧場(株)(群馬県)241頭、9位(株)マルニトータルサービス(千葉県)211頭、10位山中誠さん(岡山県)208頭と続き、上位10会員が年間200頭以上を登録した。
     以下、(株)竹信牧場(岡山県)、全農笠間乳肉牛研究所(茨城県)、(独)家畜改良センター(福島県)、(有)アグリファイン(岩手県)、(株)フェリスラテ(福島県)、(株)チェスナットファーム(茨城県)、吉野藤彦(群馬県)、伊藤髙行(栃木県)、雪割牧場(有)(福島県)、(株)クリスタルフラワー(静岡県)、(有)ツバヌキ牧場(鳥取県)、(有)バイオトラスト軽井沢牧場(群馬県)、(有)安曇野牧場(長野県)、(有)阿部牧場(熊本県)、沖之須牧場(株)(静岡県)、(有)幸鷹牧場(熊本県)、(有)西ハルナファーム古賀良牧場(群馬県)、ITOU牧場(株)(愛知県)、(有)KC牧場(群馬県)、(株)こはら(岡山県)、宮沢智浩(茨城県)、(有)小笠原牧場(愛知県)の計32戸が年間100頭以上を登録した。
     今回とりまとめた年間70頭以上の登録を行った62農家の内、8割以上の51農家が自動登録を実施している(表中、*を表示)。
     多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など、メリットが大きい自動登録を今後も活用していただきたい。

「キユートマン」が最多 ~2019年次種雄牛別登録状況~

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     血統登録された雌牛の父牛として、どのような種雄牛が多く利用されているかを調べてみた。
     表1には2019年次に全国で血統登録された雌牛頭数等を示した。その頭数は22万3837頭で、その父牛数は1754頭を数える。地域別では、北海道が種雄牛1281頭で登録娘牛17万6332頭、都府県の種雄牛は1423頭、登録娘牛4万7505頭であった。また、種雄牛1頭当たりの登録娘牛頭数は、全国で128頭、北海道では138頭、都府県では33頭である。
     国内海外の繋留別では、国内種雄牛775頭による登録娘牛10万4299頭で登録全体の47%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は979頭による登録娘牛11万9538頭で登録全体の53%を占め、その割合は昨年とほぼ同値である。図1には、過去8年間の海外種雄牛の利用率の推移を示した。海外種雄牛の利用率は2015年以降増加を続けている。また過去には都府県の方が海外種雄牛の利用率が高かったが、2016年以降は逆転して北海道の利用率が上回っている。
     979頭の海外種雄牛を国別に見ると、アメリカが685頭と最も多く9万3846頭の娘牛が登録され、続いてカナダ176頭から1万5010頭、オランダ39頭から6164頭、その他の国で79頭から4518頭の娘牛が登録されている。
     次に種雄牛当たりの娘牛頭数に目を向けると、全国で5000頭以上の登録娘牛をもつ種雄牛は5頭、3000~4999頭が10頭、1000~2999頭が33頭、100~999頭が216頭、99頭未満が1490頭であり、その上位35頭の種雄牛で登録娘牛全体の50%を占めた。
     県別の国内・海外種雄牛の登録娘牛頭数を表2に示し、海外種雄牛の割合を図2に表した。登録雌牛の父牛のうち海外種雄牛の割合をみると、北海道が53.4%、都府県が52.8%とほぼ同値で、わずかに北海道の平均が高くなっている。県別にみると宮城県、石川県、山梨県、京都府、佐賀県が70%以上、神奈川県が80%と一際高い。反対に福井県、三重県、滋賀県、大阪府、岡山県、沖縄県は30%以下と国産種雄牛の登録雌牛が多かった。地区別にみると、九州地区が平均60%と唯一全国平均を超えている。
     表3には2019年次の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。北海道では昨年23位だったキユートマンが、登録娘牛8339頭でトップとなった。2位は前年2位のエクリプス、3位は前年1位のパリツシユ、4位はジヨージア、5位はコスモポリスの順。
     都府県ではエモーシヨンが登録娘牛2627頭で1位、2位がジヨージアと前年と変わらぬ順位である。3位はアリー、4位パリツシユ、5位キユートマンであった。
     因みに、全国集計では1位キユートマン、2位ジヨージア、3位パリツシユの順となる。

    表1 登録雌牛頭数及び登録階層別種雄牛頭数(2019年1月~12月、北海道・都府県)

    図1 海外種雄牛の利用率の推移

第15回全共実行委員会 第六回全共通信
全共対策室長池田泰男

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     6回目を迎えた今回は、共進会ゾーンに隣接した宮崎県家畜商商業協同組合で開催される「酪農資材器具展・技術交流会ゾーン」についてご紹介します。
     ここでは、酪農経営や酪農生産業を、様々な角度から支える最新の酪農関連資材機器(飼料、肥料、種苗、動物医薬品等)、酪農関連情報、技術資料の展示・配布を行います。
     出展については、広く公募し、最終的には226小間74店舗で展開されます。内容は多種多様で、搾乳ロボットやトラクター等の作業機械をはじめ、飼料、サプリメント、堆肥関係、ゲノムや性選別精液の活用など、最先端の技術や機械について、専門家が分かりやすく解説してくれますので、是非お越しください。
     また、同じ会場のセリ場(牛を競売にかける場所)では、10月30日から11月1日までの3日間、セミナーを開催します。ここでは、酪農の祭典に沿ったテーマとし、多くの若い方々に向けた酪農・畜産に関する話題提供等酪農・畜産に興味をもっていただける内容としています。約1時間のセミナーを1日5題、3日間で15題を予定しています。参加は無料となりますが、会場の入場数に限りがありますので、事前に申し込みを受け付ける予定なので、改めてご案内申し上げます。こちらにも是非ご参加をお願います。
     最後に、先月号でもお知らせしましたが、3月1日から、全共会場となる都城地域家畜市場に事務所を構えました。また、実行委員会のメンバーも益田委員(都城市役所・吉住委員の後任)、谷口委員(女性・経済連)、東口委員(女性・派遣)が加わり、9名体制となりました。

6面

審査頭数9497頭 EX237頭 -令和元年度後期(10月~2月)・都府県-

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     令和元年度の都府県審査日程は、令和2年2月で概ねの日程を終了した。ホルスタイン種の牛群審査は、44都府県で909戸・9388頭を実施し、前年度より58戸・72頭の減少となり、受検戸数・頭数は減少するも、審査受検農家1戸当たりの審査頭数が僅かに増加したことで、概ね通年ベースの審査頭数を実績として確保することができた。他品種では、ジャージー種105頭(32頭減少)、ブラウンスイス種4頭(前年同様)となり、ジャージー種において戸数・頭数ともに減少する結果となった。畜産生産力・生産体制強化対策事業に係る体型調査は、今年度の都府県計画頭数7742頭に対し、44都府県それぞれの審査日程において1087戸・6232頭を実施し、前年度より221戸・1510頭の減少となり、戸数・頭数ともに大幅な減少となったことで、計画頭数に対しても1510頭の未達となった。体型調査と並行して実施した歩様調査では、今年度の都府県計画頭数3126頭に対し、44都府県で334戸・2967頭を実施し、前年度より26戸・192頭の減少となり、計画頭数に対しても157頭の未達となった。
     なお、審査得点90点以上には、ホルスタイン種234頭・ジャージー種3頭がエクセレントと評価され、このうちE表記(複数回EXに評価された)牛は76頭であった。

    新たに搾乳ロボット適合性調査を開始

     畜産クラスター事業が開始されて以降、全国で搾乳ロボットの普及が進む中、それに適合した体型指数の開発を目的として、令和元年10月から新たに搾乳ロボット適合性調査を開始。5ヶ年事業として全国の搾乳ロボット牛舎を中心に初産から3産を対象としてデータ収集を行う。この事業では、ロボットの規格に適合した体型指数を開発するために、これまでの線形形質に加え過去にデータ収集していた寛幅と、新たに乳房の底面高(地面から乳房底面までの距離)の2形質を追加してデータ収集を開始し、43都府県で130戸・1957頭のデータ収集を行った。なお、3ヶ年間にわたりデータ収集を行ったJRL事業による歩様調査については、令和元年度をもって事業終了。ご協力いただいた会員・支部承認団体の皆様方に心よりお礼申し上げたい。

    審査頭数1位は岩手県

     審査頭数を都府県別にみると、岩手県の1158頭が最も多く、次に熊本県が940頭で2位、栃木県が667頭で3位、群馬県が618頭で4位、千葉県が476頭で5位となり前年と同一の順位、6位に福岡県・7位に宮城県と続き、上位5県で全体の41%を占める結果となった。また、後代検定事業の体型調査を最も多く実施したのは、熊本県の689頭であった。次いで岩手県が653頭で2位、以降、群馬県・鹿児島県・栃木県と続いた。一方、歩様調査を最も多くしたのは体型調査同様に熊本県の639頭、次いで群馬県の436頭となり、以降、栃木県・鹿児島県・鳥取県と続いた。
     なお、新たに開始したロボット適合性調査は、普段から当協会の調査事業に協力いただいている後代検定材料娘牛(未分娩)の保留農家を対象として実施。搾乳ロボット牛舎を中心に対象区としてそれ以外の牛舎形態においても協力をお願いした結果、調査頭数が最も多かったのは岩手県の448頭、次いで熊本県が181頭で2位、以降、茨城県・宮崎県・栃木県と続いた。
     牛群審査と各種調査事業の合計では、熊本県が最も多い2268頭で前回に引き続き第1位。以降、2位に岩手県・3位に群馬県・4位に栃木県と続き、これらの県は全て1千頭を超え、5位の鹿児島県が796頭と続いた。

    リコダツチ EX95―5E

     都府県でEXに評価された牛を表に示した。県別では岩手県が62頭でダントツの1位。次いで熊本県42頭、群馬県41頭、栃木県30頭、千葉県19頭と続き、34都府県で234頭、ジャージー種3頭がEX牛として評価された。このうち2E53頭、3E16頭、4E6頭、5E1頭が分娩更新するとともに、その評価を更新した。
     最高得点では、群馬県太田市の遠坂牧場所有の「リコダツチ」が2度目の都府県最高得点95点を獲得し、都府県ではE制度を開始してから最高記録となるEX95‐5Eと評価された(本誌2月20日号で紹介)。
     このほかに、岩手県・田代ノブ子さん、山形県・高橋実氏、茨城県・佐藤俊作氏、栃木県・スペシャルホルスタイン08、群馬県・三蔵法師、愛知県・㈲鈴木牧場、兵庫県・堀部浩二氏、熊本県・本田真人氏、宮崎県・永田一成氏のそれぞれで初EX牛が誕生した。長きにわたり続けてきた改良努力の成果と優れた管理技術に敬意を表したい。

7面

「コスモポリス」3期連続首位 -2020-2月乳用種雄牛評価成績-

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     (独)家畜改良センターは2月18日、乳用種雄牛評価成績2020―2月評価を公表した。
     今回の評価成績では精液供給可能種雄牛は61頭、新規種雄牛は総合指数(NTP)上位40頭に5頭が入った。

    コスモポリスがNTP・産乳成分1位

     今回のNTP1位は3期連続でグリーンハイツ コスモポリス ETであった。コスモポリスは2018―8月評価で2位、2019―2月で1位、前回2019―8月でも1位となっている。
     本牛は産乳成分をはじめ、乳用強健性、乳器、決定得点が高く評価されている。2位には初登場のグリーンエンジエル ラークレスト JC スター ETが評価された。3位は前回2位のレイバー ナイアグラ パリツシユ ETがランクインした。
     産乳成分は前回に続きコスモポリス(NTP1位)が1位であった。2位はSWナイアグラ(同7位)、3位はパリツシユ(同3位)であった。
     耐久性成分1位はプラスバーランド ブランデイ チエダー ET(同37位)であった。チェダーは乳器、決定得点も上位で体型形質の改良にも期待したい。2位は前回7位のパーリス(同6位)、3位は前回2位のスーパー マーレン(同31位)だった。
     疾病繁殖成分はJC スター(同2位)が1位であった。2位は前回3位のパーリスであった。
     長命連産効果は4期連続でモーニングビユー SHTL ソクラテス ETが1位、2位も前回と同じくテイーユー フエイス フアツトボーイであった。

    新規種雄牛は5頭

     今回の公表で新たに選抜された種雄牛は5頭で、その最高位は2位のJCスター(ジエイシー×フエイスブツク)は産乳成分4位、疾病繁殖成分1位であった。5位マエストロ(ストーン×スーダン)は乳代効果1位、乳量・無脂固形分量・乳蛋白質量の全てで1位、耐久性成分5位であった。8位バラード(タンゴ×スーパーステイシヨン)は耐久性成分、疾病繁殖成分、長命連産効果の改良に期待が持てる。17位コールマン、22位カーニバル(共にスノー×スーダン)であった。
     トップ40の中で、父牛別ではスーパーサイアー4頭、エピツク、スーダン、ナイアグラ、ブツケムが3頭であった。

2019年次年型別乳量・乳脂量 杉浦尚さん日本記録更新

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     平成31年1月~令和元年12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
     今回日本記録を更新したのは杉浦尚さん(北海道帯広市)所有牛「YKT テツチエ マーゴ」、4.5年型305日、乳量2万2723㎏であった。この日本記録の更新は10年ぶりで、前回記録を958kgも上回る素晴らしい成績となった(記録更新牛は表の名号の前に*印で表示)。またこの牛は表中、全年型を通じての最高乳量でもあり、その記録は4.5年型365日で乳量2万5357㎏、乳脂量748㎏、乳脂率2.9%であった。
     牧場別では、昨年トップだった鈴木賢さんに続き、同農場の鈴木進さん所有牛が最多の6部門、鈴木牧場全体で見ると計8部門でトップの成績をあげている。

全ブラ令和4年開催へ 全ホ改総会開く

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    令和元年度事業等報告

     全国ホルスタイン改良協議会(岡嶋建一郎会長)は2月21日、家畜改良事業団会議室において第41回通常総会を開き、前年度事業報告並びに収支決算報告、令和2年度事業計画案並びに収支予算案について協議し、すべて原案どおり可決承認された。
     事業報告では、ジャジング・スクールを群馬県で開催するため、地元乳牛改良協会並びに畜産協会の協力のもと準備を進めていたが、令和元年9月に国内で26年ぶりとなるCSF(豚熱)の感染が確認され、その後も感染の範囲が拡大していたことから、家畜防疫・衛生面に配慮して開催中止(自粛)したことが報告された。これにより、メイン行事であるジャジング・スクールを開催しなかったことで、当該年度の収支が大幅に減少したことが報告された。

    ジャジング・スクール 改めて群馬県で開催

     本年度事業計画では、ジャジング・スクールを改めて群馬県で開催することについて協議し、同県ではCSFの感染が確認されていないことに加え、豚への感染リスクが高い地域においては、ワクチン接種を実施することでCSFの発生を予防していることから、昨年開催を見送った群馬県において令和2年5月29日(金)~30日(土)の2日間、令和2年度ジャジング・スクールを開催することを提案し可決承認された。なお、全国的に感染の範囲が拡大しているコロナウイルス感染症については、その動向を注視しつつジャジング・スクールの開催に備えることが極めて重要であると付け加えられた。
     また、会員の拡大推進について、エリートジェネティクス株式会社(細野淳代表取締役)から入会申し込みがあったことを報告し、新たな賛助会員として加入することが可決承認された。加えて、第15回全日本ホルスタイン共進会の開催推進として前回の北海道大会と同様に、ホルスタイン種第1部から第12部までの出品牛で1等賞1席に入賞したものに対し、副賞を贈呈することが報告された。なお、引き続き、セミナー・酪農講演会を開催すること、国内優良遺伝子の有効活用が図れるよう情報発信を行っていくことが報告され、全て提案どおり可決承認された。

    令和4年に第10回全日本B&Wショウ開催へ

     その他、協議会規約第15号に基づく議長の選出・就任について協議が行われ、これまでは協議会長が議長となると規定されていたが、次回からは出席会員から会長が選出した者が議長として就任すること、全日本ブラックアンドホワイトショウについては、前回大会となる第9回を予定より1年遅れた平成30年(2018年)に開催したが、次回第10回は当初の予定から5年後の令和4年(2022年)に開催することが報告された。なお、認定ジャッジマンは、5年に2回のジャジング・スクール参加を認定ジャッジマン規定により義務付けているが、条件を満たせずその資格を失効した者に対する救済措置として、再度ジャッジマン認定を希望する者は、一定の条件を満たした者に限り、再認定することを認定ジャッジマン規定に内規すると報告された。

    酪農講演会

     通常総会の記念講演として、(公社)北海道酪農検定検査協会乳牛検定部電算課長の山口諭氏を講師に招き、「乳用牛のゲノミック評価および牛群検定(後代検定)の現状とその有効活用」と題し、講演が行われた。

今後の行事 -日本ホル協-

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    ◇第16全共第9回検討会
    4月2日、宇都宮市内
    ◇第15全共実務者会議
    4月、宮崎市内
    ◇第15全共幹事会
    5月、宮崎市内
    ◇第15全共総会
    5月22日(予定)、宮崎市内
    ◇令和元年度決算監査会
    5月22日、日ホ会議室
    ◇第299回理事会
    6月5日、日ホ会議室
    ◇第300回理事会
    6月23日、中野サンプラザ
    ◇第301回理事会
    6月23日、
    中野サンプラザ
    ◇第70回通常総会
    6月23日、中野サンプラザ
    ◇第15全共出品委員打合会
    7月2日(予定)、都城地域家畜市場
    ◇地区別登録委員研修会・夏期登録事務担当者会議=7月上旬、8月下旬~9月予定
    ◎東北地区=岩手県
    ◎関東地区=東京都、日ホ会議室(事務担当者会議のみ)
    ◎中部・北陸地区=愛知県
    ◎近畿地区=兵庫県
    ◎中国・四国地区=広島県
    ◎九州地区=佐賀県

    世界会議1年延期

     本年3月23日から6日間、スイス・モントレーで開催予定していた世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)主催の2020年世界ホルスタインフリージアン会議は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため、来年3月23日~28日に開催を1年間延期した。
     WHFFは世界各国のホルタイン及び赤白ホルスタイン種牛の登録団体が加盟し、近年は近交係数の上昇や遺伝的不良形質のコード化、ゲノミック評価等に関連した最近の課題、体型審査基準の国際調和を進める機関であり、世界40か国が加盟し、アジアからは日本とイスラエルが参加している。
    ◇◇◇◇◇◇◇◇
     今後の行事については新型コロナウイルス感染症対策の基本方針に基づき、開催方法の変更や延期の可能性がありますのでご注意ください。

審査日程 令和2年4月~令和2年7月