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機関誌

機関誌内容一覧

平成28年08月20日


平成28年08月20日
「授精、出生、個体確認の徹底をお願い」

~正しい血統登録を行うために~

-日本ホル協登録委員研修会-
去る7月21日から8月5日にかけて、日本ホル協(前田勉会長)では、都府県を6地区に分け、登録委員を対象にした1泊2日(関東は別項目)の研修会を行った。この研修会は、日ごろ酪農現場の第一線で活躍している登録委員を対象として毎年夏期に開催しており、今年度は東北地区(山形県)、中部・北陸地区(長野県)、近畿地区(滋賀県)、中国・四国地区(山口県)、九州地区(長崎県)の5地区で209名が参加して開催された。今年は登録の原点に返り「正しい血統登録を行うために」と題して研修会が開催された。

研修会の開催にあたり、日本ホル協の前田勉会長から、まず日頃より登録推進にご協力いただいている登録委員に対して感謝の意を述べるとともに、今年4月に発生した熊本地震での被災酪農家・関係者に対するお見舞いと、全酪連、全国酪農協会、日本酪政連との4団体で「災害対策酪農団体協議会」を設立し、2,760万円余の義援金を熊本県酪連、大分県酪農協、九州生乳販連に贈呈した。また、各都道府県の乳牛改良同志会から全国ホル改良協議会に届けられた約250万円の義援金を熊本県乳牛改良同志会に贈呈したことの報告とお礼を述べた。全国の生乳生産量は3年ぶりに前年を上回ったものの、酪農家戸数や乳牛飼養頭数は依然として減少傾向にあり、初任牛価格の高騰、TPP対応など今後も厳しい状況が予測されるが、泌乳持続性や長命連産性などに重点を置いた改良を当協会としても自動登録の拡大、SNP検査やゲノミック評価値の活用、牛群審査等によって推進していく。また、2020年に九州・宮崎県で開催する第15回全共では、初のブロック開催として全力を尽くして取り組んでいきたいとした。
SNP検査で血縁矛盾判明
平成25年度からスタートしたSNP検査で、血統登録牛の親子関係に血縁矛盾の可能性が見られたことから、日ホ協では現在、血縁矛盾牛について、該当牛の生産に関わる授精関係調査と、再度本牛と母牛から毛根採取をお願いし、従来の親子判定を実施して、正しい血統の確認を行っている。
乳用牛の登録事業は、申込者である酪農家会員と登録協会の相互の信頼関係の下、登録申込書類等によって調査確認の上で登録証明を行っており、主要国の乳用牛登録事業でも同様の取扱いとしている。すなわち、誤った血統を登録しないためには、会員各位が正しい血統に基づいて登録申込みを行っていただくことが最も重要で大切なこととなる。
今回の登録委員研修会では、現場で登録や改良指導に携わっている登録委員に対して、改めて「正しい血統登録を行うために」と題して、授精記録や出生、親子等の確認を徹底し、正しい血統に基づいた血統登録申込みについて指導していただくようお願いした。
また、ゲノミック評価値では遺伝の基本的なことから、SNP検査、そしてゲノミック情報の紙ベースとWebベースを紹介した。
WHFF概要
去る3月28日から7日間、アルゼンチンで開催されたWHFF(世界ホルスタインフリージアン連盟)の世界会議について概況報告が行われた。特に遺伝形質のコードの決定が3種類された。
①PO(ポールド)は優性ホモとヘテロの場合に無角となる優先遺伝で、POC=無角の因子をヘテロで持つ(無角)、などの3桁で表示。
②VR(バリアントレッド)は赤白斑の因子を持つが通常の赤白斑因子とは違うもので、赤白斑が優先遺伝する。VRC=レッドの因子をヘテロで持つ(赤白斑)、などの3桁で表示。
③CD(コレステロール欠損症[仮称])は、生後、体内にコレステロールを取り込めず、半年以内で死に至る。CDC=CDの因子をヘテロで持つ(発症しない)などの3桁で表示。
牛の見方研修
2日目に行われた「審査研修」では、日本ホル協の審査委員が実際に乳牛3頭を用いて、乳牛の見方を研修した。現畜を供試牛として使えない地区では、パワーポイントを用いて説明を行った。
登録事務担当者会議
牛の見方の研修と並行して行われた、地区別登録事務担当者会議では、各都府県支部・承認団体で実務を担当している方々が集まり、SNPにおける血縁矛盾牛の取扱い、血統登録で事故照会が未解決の場合のリスト配布、遺伝子型による抜取検査の実施、追い移植した場合はフリーマーチン検査を実施、個体識別出生報告の「補足情報報告システム」のスマートフォンやタブレットで利用、体型調査の申込みは作成しない、地方ターミナルの回線移行等についての説明がなされた。最後に各都府県の現況と課題・要望等を聞き2日間の研修を終了した。
来年度は、東北地区は青森県、中部・北陸地区は富山県、近畿地区は京都府、中国・四国地区は岡山県、九州地区は福岡県で開催する予定。

平成28年08月20日

「1位SWナイアグラ新規14頭登場」

-2016-8国内種雄牛評価-

(独)家畜改良センターでは、8月2日に2016-8月国内種雄牛評価成績を公表した。表1には精液供給可能な国内種雄牛81頭のうち、総合指数(NTP)トップ40の種雄牛を示している。
今回トップ40には、新規選抜牛が14頭登場、特にベスト10には6頭入り、多くの新規牛が上位に選抜された。
1位「SWナイアグラ」JP3H55926
今回トップを飾ったのは新規選抜牛の「SWナイアグラ」であった。父牛「ナイアグラ」と母方祖父「プラネット」の交配で誕生。産乳成分1位、乳量2位と泌乳能力に優れた種雄牛である。
2位「エモーション」JP5H55552
2位は前回・前々回1位の「エモーション」で、本牛も泌乳能力が特に優れた種雄牛である。また、耐久性成分も上位に入っている。
3位「ジョージア」JP4H55951
3位は新規選抜牛の「ジョージア」で、父牛「ビーコン」と母方祖父「アーニット」の交配で誕生。
4位「サマーソニック」JP3H55992
4位も新規選抜牛の「サマーソニック」で、本牛は特に体型能力の改良に期待が持てる種雄牛である。
5位「バベッジ」JP2H56211
5位も新規選抜牛の「バベッジ」で、本牛はJ―Sireプロジェクトで生産された種雄牛である。
前述の他、25位までに新規選抜牛が10頭入る結果となった。
今回からの変更点
なお、今回評価よりいくつか変更点がある。
①泌乳持続性遺伝評価値の表示方法の変更。これまでは97~103の7段階の相対育種価(RBV)で表示されていたが、線形形質と同様の表示方法である0.00を基準とした標準化育種価(SBV)の表示に変更された。これにより、泌乳持続性の遺伝的趨勢や遺伝的改良量を把握しやすくなった。RBVとSBVの対応は表2の通り。なお、中にはSBVの値が+10.00以上や-10.00以下になる場合があるので上限値は+9.99、下限値は-9.99となっている。
②国内種雄牛評価に3回搾乳牛群2回搾乳牛混在型AT法の記録を追加。これまでは3回搾乳AT法は、同一牛群内の全搾乳牛が3回搾乳であることが必要であった。しかし、今年3月に3回搾乳牛群2回搾乳牛混在型AT法が公式記録として承認されたため種雄牛評価に記録が追加されることとなった。
なお、国内雌牛評価においては、2016-5月評価から採用されている。

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平成28年08月20日

「生涯乳量」~ 都府県28年7月 ~
28年7月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛24頭を示した。
1位鈴木正さん(新潟県)所有「レコードリーアタツシユ」
今回のトップは、鈴木正さん(新潟県)所有の「リーアタツシユ」(平17.5.25生)の検定回数9回で検定日数2,884日、総乳量9万8218㌔、総乳脂量3,360㌔、平均乳脂率3.4%、総乳蛋白質量3,241㌔であった。今回、9産目の検定成績証明を申請したことにより総乳量9万㌔を超え、7月のトップに輝いた。
また、7位小針勤さん(栃木県)、13位駒場靖史さん(栃木県)、15位新海益二郎さん(長野県)所有牛は、審査得点90点以上(EX)を獲得しており体型面においても優れた成績を残している。

平成28年08月20日「検定成績優秀牛」 ―都府県平成28年7月証明分F偏差値―

平成28年08月20日「ジャジング・スクール参加者募集中」 ~10月28・29日長野県で開催~

平成28年08月20日「人事異動」―日本ホル協―
(8月2日付)
◇薄田正之登録部参与(登録部次長)