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平成23年08月20日


平成23年08月20日「1位ジアンビ・2位ランカスター」〜2011-8月乳用種雄牛評価成績〜
8月2日乳用種雄牛評価成績(以下、2011‐8月と呼ぶ)が発表された。本紙7月20日号の日本ホル協特集でも紹介したが、遺伝的能力評価が一部変更された。変更内容の詳しくは(独)家畜改良センターHPをごらんいただきたい。
精液供給可能種雄牛のうち、NTPトップは前々回(10年8月)新規選抜されたエンドレスジアンビが首位を守り3連覇達成。2位も前回同位のオーケーファームハートランカスターETが選ばれ、3位には今回新規選抜されたトップジーンゴールドオアETが食い込んだ。このほか、新規選抜種雄牛ではトップ40に11頭が選抜された。
トップ40に新規11頭登場
別表には今回評価成績が公表された精液供給可能な国内種雄牛72頭のうち、NTPトップ40の種雄牛を示している。
今回の公表では、
  1. 繁殖性として、難産率や死産率の情報の公表。
  2. 体型に係るBCS(ボディ・コンデション・スコア)の新規公表と、線形形質グラフ表示の充実。
  3. 在群期間の評価精度の向上。
  4. 気質及び搾乳性の区分方法の見直し。
  5. 長命連産効果の新規公表。
    *泌乳能力の改良速度はある程度抑制されるが、生産寿命(耐用年数)の延長や繁殖性の改善に重点を置いた指標。単位は円。
  6. 泌乳形質に係る評価精度の向上。
  7. 交互性を保った3回搾乳AT法の国内種雄牛評価への採用。
など、これまで以上に公表内容が充実された。
1位には、前々回(昨年8月)新規でトップに選抜された「ジアンビ」がNTPを前回より更に88ポイント伸ばし+3,386で3連覇を果たした。「アメル」の息子「ボリヴァー」×母方祖父「ガーター」の交配で誕生。乳脂量9位、同率5位、SNF率1位、蛋白質量2位、同率1位、乳器9位、長命連産効果2位と乳成分全般、特にSNF、乳蛋白質並びに乳器の改良に大きく期待ができる上に、長命連産にも優れ、血統的にも使い易い。
2位には前回と同様に「ランカスター」が選ばれた。「タイタニック」×「アーロン」との交配で、NTP+3,312。乳脂量5位、SNF量8位、同率7位、乳蛋白質量1位、同率8位、肢蹄10位、乳代効果10位、長命連産効果10位と多くの形質でベスト10入りを果たしている。
3位には今回新規選抜された「ゴールドオア」が食い込んだ。「ゴールドウィン」×「オーマン」との交配で、NTP+3,015。乳脂率8位、SNF率2位、乳蛋白質率4位、決定得点2位、体貌と骨格3位、肢蹄1位、乳用強健性3位、乳器2位、長命連産効果5位と乳成分率全般に優れ、さらに、全ての体型形質において群を抜くEBV値をたたき出した。耐久性成分で初めて+1,000を突破した種雄牛。
4位は「ジョビアン」で、「オーマン」×「ガーター」の交配。乳脂量1位、同率9位と乳代効果9位、長命連産効果4位に入っている。
5位の「トレジャー」は、09年8月に1位で新規選抜された後、1位→2位→3位→5位、そして今回5位と上位で長期安定した実力の持ち主。「フリーランス」×「BWマーシャル」で誕生。乳脂量4位、他の項目でも惜しくもベスト10を逃したが、バランスのとれた形質が魅力的。
今回トップ40には、新規選抜牛が11頭登場している。前記3位の「ゴールドオア」のほか、7位「スパークリング」(父ゴールドウィン)は乳量8位、決定得点3位、体貌と骨格2位、肢蹄5位、乳用性強健性2位、乳器1位、など体型全般の改良を期待。8位「エドワード」(父エンシーノ)は、乳量2位、SNF量1位、乳蛋白質量4位、乳代効果2位と乳量の改良に優れている。10位の「スパイラル」(父ダーハムサム)は肢蹄の改良に優れ、13位「スリート」(父ゴールドウィン)は乳脂肪、15位「スプリング」(父ブリッツ)は乳量と長命連産効、16位「ガイスト」(父FBI)は乳量と乳成分、18位「ジエット」(父ホットショット)は国産種雄牛から生産され、乳器の改良を期待。35位「マーキュリー」(父ガリスン)は乳量と体型、36位「トップガン」(父オーマン)は体型全般、38位「アシックス」(父ゴールドウィン)は決定得点4位、体貌と骨格4位、肢蹄9位、乳用強健性4位、乳器5位と、体型の改良に期待が多きい。
今回、新規に選抜された種雄牛は、体型面の改良に優れたものが多く選抜されている。

石井牧場「オング」堅守〜乳用牛評価成績2011-8月〜
8月2日国内雌牛2011-8月遺伝評価値が公表された。
前回1位に返り咲いた「オング」が首位を堅守。
産乳成分では唯一+5,000を突破し突出した成績。前回3位から一つアップし2位の「Lフロスティン」は姪、7位の「バーサ」は叔母、8位の「オードリー」は妹にあたり、相変わらず一族は好成績で上位に君臨している。
3位は2010-8月評価で初登場し驚異的な成績を残し3期に渡り首位であった「タイタニック」。本牛は、体型において優れ、泌乳持続性も最高値の103であった。
都府県の1位は、前回同様に宮崎県の前原和明さんの「ジヤスミン」(全国42位)。同牧場の「ホワイト」も5位(全国88位)と健闘している。2位には兵庫県の小谷正子さんの「パラダイス」(全国53位)、3位は愛知県・ウイス牧場の「スイーティー」(全国69位)であった。
都府県上位牛で初登場は、愛知県の朝倉志行さんの「リートン」が4位(全国77位)。昭和45年に生まれ。基礎登録された「エコー」から始まり、11代目にあたる。そして広島県の川角晴俊さんの「ドルフース」は7位(全国109位)。昭和48年北海道から導入された「クロス」から始まり、9代目にあたる。両牛とも弛まぬ改良努力で誕生した名牛・愛牛である。


平成23年08月20日「検定成績優秀牛偏差値上位牛」〜都府県23年07月証明分〜

平成23年08月20日「牛群審査で乳器・肢蹄の改良を」〜審査日程 平成23年9月-平成24年3月〜