PAGE TOP

機関誌

機関誌内容一覧

2020年12月20日号

コロナ禍で登録、審査減少 日ホ協、Webで理事会開く
第304回理事会

  • 記事を読む

     日本ホル協(前田勉会長)は11月16日、第304回理事会をWebで開催し、令和2年度中間事業概況と前期決算、新規補助事業等について報告し承認された。また、7月の役員改選以降空席になっていた西日本地区の副会長に長恒泰治理事が就任した。

    25都府県で体型審査実施できず

     冒頭、前田会長から「役員改選以来、ようやくWebを通じて全役員が初顔合わせとなった。新役員体制の下、登録事業の推進と会員酪農家の経営向上のために尽力していきたい」と挨拶が行われた。
     日本ホル協の令和2年度前期における登録実施状況では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、血統登録が全国で10万5648頭で前年同期に比べて1万554頭減少したほか、体型審査では特に本局は25都府県で審査を実施できなかったことから、前年同期に対する実績は29%まで落ち込んだ。
     また、日本ホル協が毎年夏に開催している地区別登録委員研修会や支部・承認団体登録事務担当者会議も中止となり、来年1〜2月に予定している東西地区の社員会議や冬期の登録事務担当者会議も集合開催を止めて資料送付による書面開催に切換えることにした。
     研究開発では、今年度から新規事業として公益財団法人全国競馬・畜産振興会の助成による「乳用牛生産性長命連産性の遺伝改良研究事業」をスタートし、委員会の開催や疾病データの収集、同データ提供雌牛等のSNP検査を実施して、疾病形質のゲノミック評価手法の開発を進めることとした。

    全共・世界会議共に中止

     本年10月31日から3日間、宮崎県で開催予定だった第15回全日本ホルスタイン共進会(九州・沖縄ブロック大会)も、コロナ禍の終息見通しが立たないことから開催中止を決定した。
     次回の第16回全共についても開催地が決まらないまま、3月以降は協議が中断されてきたが、10月に実施した関係ブロックの社員及び支部・承認団体へのアンケート調査の結果等を踏まえて、ブロック開催や開催地の選定方法について再度検討していくことを決めた。
     また、本年3月にスイス・モントルーで開催が予定されていた世界ホルスタイン・フリージアン連盟(WHFF)主催の世界ホルスタイン会議と世界審査委員ワークショップの開催を1年延期したが、10月には来年の開催も中止することが決定された。次回の世界会議は2024年に英国で開催予定であったが、見通しが立たないとして未定となった。

    副会長に長恒氏就任

     本年7月の役員改選以降、空席になっていた西日本地区からの副会長選任については、長恒泰治理事(おかやま酪農協専務理事)が全会一致で副会長に選任された。
     就任にあたり、「特に都府県における酪農家の廃業が続く一方で、後継牛確保も大きな問題だ。国産種雄牛を中心とした優良後継牛の確保と大規模経営への登録の働きかけが重要だと考える。『登録なくして改良なし』の意をもって、乳牛改良・登録を推進していきたい。」と抱負を述べた。



ヒーリクス4期連続TOP 2020-12月評価

  • 記事を読む

     (独)家畜改良センターから12月1日に海外種雄牛2020-12月評価が公表された。今回の公表では上位40位中3頭が新規牛となった。

    1位 ヒーリクス

     今回の1位も「ヒーリクス」(シルバー×スーパーサイアー)が獲得した。2019-12月評価で初登場1位となってから4期連続で首位に座している。本牛は産乳成分と乳脂肪量が1位で、乳蛋白質量も優れた種雄牛である。

    2位 サミラ

     2位は初登場の「サミラ」(アルタスプリング×スーパーサイアー)。こちらも産乳成分、乳脂肪量に優れた牛である。

    3位 ボナム

     3位は前回14位だったデンマーク産の「ボナム」(バリスト×エピツク)が獲得した。乳蛋白質量と耐久性成分に優れ、肢蹄と乳器も上位に入るバランス型の牛である。
     新規牛は先述の2位サミラの他に、29位アクセルオデイン、33位ペルセウスであった。

    父はバリストとヨダー 母方祖父はSサイアー

     トップ40の中で、父牛別ではバリストとヨダーが3頭であった。母方祖父牛としてはスーパーサイアーが11頭と突出した結果となった。

遺伝評価遺伝ベース変更 2020-12月評価より

  • 記事を読む

     (独)家畜改良センターは12月1日、ホルスタイン種の遺伝的能力評価について2020-12月評価から遺伝ベースを変更すると発表した。

    遺伝ベースと変更頻度

     家畜改良センターによると個体の遺伝的能力は、基準となる年(ベース年)に生まれた雌牛(または雄牛)の平均値をゼロ等とし、これを遺伝ベースとして、そこからの差として表示される。一般的に遺伝評価値は、平均的な乳用牛に交配した時に期待される遺伝的改良量を表すことが望ましいことから、定期的にベース年を変更する必要があり、現在は5年に一度の頻度でベース年を変更する事となっている。

    新たなベース年は2015年

     現在の主要な評価形質の遺伝ベースは、2010年生まれの雌牛の平均がゼロとなるように2016-2月評価に変更が行われ、2021-2月評価において約5年経過することとなる。そこで、2020-12月に評価が行われる雌牛と海外種雄牛についてまず遺伝ベースを変更し、後代検定済種雄牛については2021-2月評価から変更することとなった。なお、未経産牛と若雄牛を対象とした毎月の中間評価については2020-12月評価から遺伝ベースが変更される。主要な形質の遺伝ベースは2015年となるが、詳細については家畜改良センターのサイトを参照の事。

    遺伝ベース変更前後の評価値の差について

     遺伝ベースの変更は見かけ上の数値の大きさが全体的に変わるものであり、個体の序列には影響をあたえない。ただし遺伝的改良が年々進んでいることから、ベース年が変更された前後の遺伝評価値の値は大きく異なり、単純な比較が難しくなる。一例としてNTPを見ると、ベース変更後の数値から2020-8月評価時の値を引いた平均値はマイナス661となる。同センターではサイト上で2020-8月評価時での主要評価形質について、遺伝ベース変更前後の種雄牛における評価値の差の平均値を示しているので参照されたい。

検定成績優秀牛 -都府県令和02年10月証明分F偏差値-

検定成績優秀牛 -都府県令和02年11月証明分F偏差値-

ホルスタイン手帳発売中

  • 記事を読む