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機関誌

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平成23年04月20日


平成23年04月20日「第13回全共開催中止」~理事会(4月13日)で決定~
(社)日本ホルスタイン登録協会は、4月13日理事会を開催した。北良治会長から、かつてない震災と大津波被害とともに、東京電力原発事故をもたらした東日本大震災は、想像を絶するもので、死者1万3千人を越えた。発生から1ヶ月を経過した現在でも、原乳廃棄が続き、酪農業界にも大打撃を与えている。被災にあわれた皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます、と挨拶があった。
大きな協議事項として、本年10月7日北海道勇払郡安平町で予定している第13回全日本ホルスタイン共進会開催の有無について検討された。
昨年4月20日、宮崎県で発生した「口蹄疫」により、約29万頭の牛・豚・水牛が殺処分され沈静化に向かった。51戸の酪農家から愛牛が消えた記憶はまだ鮮明。苦境のなか、一日も早い復興を願い、昨年5月の臨時理事会において全共開催を1年間延期する決定をした。あれから1年も経たない3月14日14時46分、国内史上最大のマグニチュード9・0の巨大地震に見舞われた。
全共開催にあたり、北海道実行委員会では開催の準備を着々と進めていた。日ホ協も3月22日開催予定であった理事会で、各都道府県別出品頭数を決定し、万全の準備を始める矢先であった。
次回は第14回で仕切りなおし
理事会では広範囲で大規模な震災被害、原発被害も進行中を考えると自粛・延期をすべきという意見と、行き過ぎた自粛は逆に復興を妨げ、経済的二次被害を誘発すると共に、若者の改良熱、目標を奪わないためにも計画どおり開催すべきといった意見が出された。
慎重審議の結果、次の内容を決議した。 ①平成23年度開催の第13回全共は中止する。
②次回は、第14回全共として早期開催を目指す。
③開催地・時期については、全国5ブロックから選出された代表者を中心に検討する。 5年に一度の国内最大の乳牛祭典が2年連続で中止になったことは残念ではあるが、次回の無事開催並びに震災にあわれた酪農関係者の一日も早い復興を期待したい。

平成23年04月20日「2011年のWHFF評議会に参加して」 ~専務理事藤村忠彦~
ゲノミックの影響と将来の利活用を検証
筆者(左)とWHFF評議会の参加者2011年のWHFF評議会は、2月8日(火)と9日(水)、南米アルゼンチン、ヴェノスアイレスのアルゼンチンホルスタイン登録協会の会議室で開催されました。出席は、WHFFの事務局長、全評議員(評議員国の登録協会CEO相当者)10名(米国は代理出席)、フランスから乳牛部門の責任者、通訳1名の計13名でした。
評議会の概要
今回の会議主題となったのは、ホルスタインの育種及び協会に対するゲノミックの影響と、将来的な利活用についてでした。また、ホルスタインの繁殖、体型の構造、機能的な特徴、電子的情報提供、系統記録の研究等の中間報告並びに、課題によっては専門委員会への助言付けを確認し、WHFFのウェブサイトにより会員との連携を継続することが重要であることを再確認しました。
各専門委員会で検討されたことや今後についての概要は以下の通りです。
ゲノミック
世界的にみると、ゲノム活用の取組は様々で、その中でも考慮すべきことの一つに、ゲノミック評価の拡大により登録料金収入が減少する可能性があり、他の会員サービスでそれを補うことができるかということでした。
多くの協会は、会員に対し専門的で独自の管理手法と相談サービスを提供することによりパートナーとなっています。また、アニマルウェルフェア(動物福祉)は育種において、役割を増大させてきています。体型評価と遺伝的交配計画は、このゲノミックの重要な挑戦に取り組む上で、主要な要素であるとされてきました。
サービスの変更、例えば、従来の後代検定事業が縮小されたときに減少するかもしれない体型審査は、線形審査情報を交配計画と若雌牛の体型指標を証明する際に用いることにより相殺することが可能。そのためには、体型審査の仕組みを再検討する必要があるとともに、登録協会の従来のサービスに付け加え、審査委員は、特定の種雄牛についてではなく、遺伝評価に基づく育種上の助言を提供することが出来ると例示されました。
登録協会の変化への挑戦
ホルスタイン協会は、既存の資源を更に活用する方法を模索する必要があります。 ①登録データは短期的に不可欠で、3世代は必要。
②協会は、遺伝子タイピングに積極的に取り組む必要がある。
③ゲノミックは、登録協会が収集する新しい手法の情報。
④協会は、情報を収集するのに理想的な立場にあり、ゲノミック会社と連携することが可能。 これらの新しい取り組みが既存の協会活動に追加されたとき、ホルスタインの改良並びにブリーダーの将来において、更なる成功に貢献できます。
血統登録
搾乳後は放牧地へ移動WHFFは、ICARの血統登録専門委員会に参加しています。現在、親子確認は、DNAマイクロサテライトテストによってのみが公式に認められています。ゲノミックSNPテストは、1つのサンプルからゲノミック評価だけでなく、親子確認もできることから、WHFFは、出来るだけ早くSNPを親子確認に採用し、不必要な重複と費用中止の提案をすることにしました。
繁殖調査特別委員会
この調査委員会は、WHFF副代表であるマシュー・シェーファー氏の下、会員が利用できる選択肢と助言の調査をします。目的は繁殖性に関し、グローバルに利用出来る全ての情報を照合して、これをWHFFのウェブサイトの会員専用ページに表示すことにします。
劣性形質遺伝子
ここでは、「Polled・無角」・「Brachyspina・脊髄短縮症」のコード化・符号化並びに、「脊髄短縮症」のテスト方法をウェブサイトに掲示することを確認しました。
電子的データ交換
広大な放牧地登録協会(登録簿)間の電子データ交換の開発は、より多くの遺伝情報が集められることで、拡大する国際貿易において重要とされています。
WHFFは、世界の乳牛改良関係の全ての状況に対応できるような共同開発が可能かどうか検討することになりました。また、重複する全てを排除するため、ICARと協議することを計画しました。WHFFは、2012年の世界会議までに完結することを目指しています。
2012年世界会議
次回の世界会議開催主催者であるホルスタインカナダは、2012年11月1日から10日までの間、カナダでの世界会議開催を計画しています。まず、11月1日から3日は、ケベック・インターナショナル・ホルスタイン・ショーと農家訪問の予定。4日から7日にWHFFの世界会議、総会、評議会等の他、初めて「世界若手ホルスタイン会議」が開催されます。
7日から10日には、ロイヤル・ウインター・フェアへの訪問が含まれています。全プログラムの詳細等は、WHFFのホームページで入手出来ます。
今回の評議会では、3日目の2月10日、ヴェノスアイレスの酪農家を訪問する機会がありました。次号(5月20日号)では訪問先の3農場について概要を紹介します。
WHFFとは
「世界ホルスタイン・フリージアン連盟」の略名。世界の著名なリーダーや関係者等が一堂に会する最も権威のある世界会議で、4年に1度開催される。第1回は1964年オランダで開催され、96年9月にはアジアで始めて札幌市にて、国内外から約8百名が出席して開催された。
なお、WHFFは4年ごとに開催される総会(世界会議の期間中に開催)を1期として調査検討などを進め、総会へ登録制度や連盟の運営に係る制度変更などを提案している。

今後の行事
◇認定ジャッジマン研修
5月14日北軽井沢
◇決算監査会
5月19日東京都中野区、日ホ協会議室
◇日本ジャージー登録協会理事会・総会
5月20日東京都中野区、日ホ協会議室
◇第258回理事会・第61回通常総会
6月21日東京都中野区、中野サンプラザ

人事異動
(4月1日付け)
◇審査委員高橋貞光◇審査委員高橋貞光 約1年半、審査委員に随行し15県446戸の酪農家で実習を行い、この度審査委員の辞令をいただきました。実習に協力頂いた支部関係者並びに酪農家の皆様に心よりお礼申し上げます。
今月からは、各都府県にお邪魔して隠しきれぬ緊張の中、皆様方の愛牛を評価させて頂くことになりますが、お世話になった皆様からのご指導を生かせるよう日々勉強し、審査委員として誠心誠意努めさせていただきますので、お伺いする際にはどうぞ宜しくお願いします。

平成23年04月20日「検定成績優秀牛偏差値上位牛」~都府県23年03月証明分~
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