PAGE TOP

機関誌

機関誌内容一覧

平成23年03月20日


平成23年03月20日「審査・調査頭数回復」 〜平成23年度審査・調査実施状況(都府県)〜
平成23年度の都府県におけるホルスタイン種の牛群審査は42都府県、後代検定体型調査は45都府県で実施された。審査頭数は8,258頭で前年より840頭の増加となった。一方、体型調査は1万3,119頭と昨年より912頭増加した。
牛群審査の最多受検は小岩井牧場の247頭。次いで昨年最多であった家畜改良センター岩手牧場の187頭となった。
ジャージー種の審査は65頭で、前年より26頭の減少であった。またブラウンスイス種においては7頭を審査、前年より5頭増加した。
23年度のホルスタイン種の審査・調査牛の平均得点は81.16点であり、昨年より0.24ポイント上昇した。また、審査得点90点以上(EX)に評価された雌牛はホルスタイン種204頭、ジャージー種4頭、合計208頭で前年度より67頭と大幅に増加。前期では福島県・今野剛さんの「ユニオンデールダンデイーガール」、後期では長野県・新海益二郎さんの「ラツキーマーシユダーハムビグ」がそれぞれ94点を獲得し、今年度の最高得点となった。これで都府県では95点2頭、94点8頭、93点24頭が誕生した。
審査頭数1位岩手・2位岩手
都府県別の状況をみると、審査頭数では岩手県が946頭で最も多く、以下、熊本県の651頭、栃木県581頭、群馬県564頭、千葉県471頭、愛知県448頭と続いている。
この上位6県の順位は岩手県、熊本県は昨年と同であったが、栃木県が124頭増で群馬県を抜き第3位、千葉県が51頭増で第5位、となった。審査頭数も上位6県で審査頭数の44.3%を占める。
一方、酪農生産基盤改善支援対策事業で実施している体型調査は、年度当初の各県計画頭数に基づき、2,052戸を巡回し、後代検定材料娘牛3,677頭、比較牛9,422頭、計1万3,119頭の体型データを収集した。これは前年度と比較して912頭の増頭であった。調査頭数では熊本県が1,600頭を実施。他県を大きく引き離し、12年連続のトップとなった。次いで鹿児島県、福岡県、岩手県、群馬県、栃木県の順。
牛群審査と体型調査の合計では、熊本2,251頭のほか、岩手県、群馬県、栃木県、愛知県、福岡県で1千頭を超えた。
審査最多頭数小岩井牧場
審査頭数が最も多かったのは、冒頭に紹介した
  • 小岩井牧場の247頭
ついで、
  • 家畜改良センター岩手牧場の187頭
また酪農家での最多受検は
  • 宮城県・(有)半澤牧場の104頭
  • 埼玉県・(有)加藤牧場の94頭
  • 愛知県・福井邦仁さん85頭
  • 愛知県・森富士樹さん81頭
と続く。表には23年度の牛群審査受検農家のうち、年間審査総頭数が多かった農家を示した。
新たなEX牛17農家で誕生
平成23年度、次の方々で初EX牛が誕生した。
  • 山形県・五十嵐良一さん
  • 栃木県・P-THREE
  • 栃木県・大沼辰徳さん
  • 栃木県・山本訓さん
  • 群馬県・(有)アライファーム
  • 群馬県・県立中之条高等学校
  • 群馬県・矢内孝久さん
  • 新潟県・吉田仁治さん
  • 岐阜県・坂本功さん
  • 兵庫県・山田光雄さん
  • 鳥取県・手嶋和博さん
  • 高知県・小松正幸さん
  • 熊本県・西本隆行さん
  • 熊本県・ドリーム21
  • 宮崎県・田中操さん
  • 鹿児島県・釘田武さん
  • 鹿児島県・寶代龍弥さん
以上16農家1高等学校で誕生。今後も期待したい。

PDF版
平成23年03月20日「全国B&Wショウ11月開催」 〜第33回全国ホル改良協議会総会〜
全国ホルスタイン改良協議会(松島喜一会長)は、去る2月22日、東京都中野区の日本ホルスタイン登録協会会議室で第33回通常総会を開催した。
会議の冒頭、松島会長から昨年3月に発生した東日本大震災の影響により被災を受けた同志にお見舞いの言葉が述べられた。その後、昨年は群馬県において認定ジャジマン研修会、静岡県においてジャジング・スクールを開催するなど大勢の参加者のもと、関係各位のご協力により計画どおり事業が実施できたことに対しお礼が述べられた。また、今年は静岡県において第8回全日本B&Wショウを開催することとなり、関係各位の協力で是非とも成功させたい旨の挨拶が行われた。
来賓として日本ホル協の大友専務理事より、日頃の血統登録事業並びに改良事業の協力に対し感謝が述べられるとともに、改良協議会の改良に対する功績に敬意が表された。
引き続き家畜改良事業団の高橋事業部長から、事業団が実施する改良事業への理解・協力に感謝が述べられた。また最近のJAAB(家畜人工授精事業体協議会)の活動報告として、国産種雄牛への要望や多様なニーズに応えるため全国各地で生産者との意見交換会を実施し相互協力に努めていること。新たな国産種雄牛作出方法として、国産種雄牛遺伝子作出検討委員会を設立し、NLBC(家畜改良センター)が所有する遺伝子に加え、今後は国内民間遺伝子活用により生産者を含む関係者が一体となった推進体制を構築し、国際競争に打ち勝つ種雄牛作りを検討・推進している旨の挨拶が行われた。
なお、今年度の主な協議会事業は、第8回全日本B&Wショウの開催、岩手県でのジャジング・スクール開催、セミナー・酪農講演会の開催等を予定している。
通常総会終了後、「我が国の乳牛改良について」と題し意見交換会が行われた。また日本ホル協栗田事務局長より「今後の全共開催に係わる基本的事項」(案)および、「第14回全日本ホルスタイン共進会規則骨子の考え方(案)等について」の話題提供があった。会員からは未経産部門の後代検定娘牛の出品枠拡大について様々な意見・要望が出されたことを受け、松島会長より改良協議会からの意見・要望として全共企画委員会に報告願うこととし、意見交換会を終了した。

平成23年03月20日「審査日程」 〜牛群審査で乳器、肢蹄の改良を〜


平成23年03月20日「5,055戸申込・1戸当9.5頭」 ~都府県登録状況~
品川牧場(群馬)が最多登録
表1 血統登録頭数が多かった会員(22年都府県)表2には昨年1年間に血統登録を多く実施した酪農家を示した。なお、集計では親子などは1つにまとめ、登録頭数の多い所有者名とした。
登録頭数の最も多かったのは品川文隆さん(群馬県)で257頭。品川牧場は前年と比べ登録頭数はやや減少したが、過去5年間では1千頭を優に超えている。僅差の2位は安曇野牧場(長野県)の254頭。昨年から自動登録を開始し、多くの掘り起こし登録を行ったためである。3位は昨年7位の朝倉修一さん(茨城県)が63頭増え235頭、4位は前年1位の幸鷹牧場の222頭、5位は家畜改良センター(福島、岩手、宮崎牧場の合計)で217頭、6位は小岩井農場(岩手県)208頭、以下、須藤泰人さん(群馬県)、土屋貴志さん(長野県)、野村栄一さん、(茨城県)、ツバヌキ牧場(鳥取県)、伊藤髙行さん(栃木県)、KC牧場(群馬県)、野村拓也さん(京都府)、山口秀雄さん(岩手県)、鈴木基夫さん(愛知県)、古川武生さん(群馬県)が100頭以上を登録した。
年間100頭以上の登録農家は16戸で前年より3戸増加、50頭以上では17戸増加と2年連続増加。酪農不況の中、大規模酪農家での登録の積極的な実施や窓口団体等による登録掘り起こしの成果がうかがわれる。 表2  会員戸数と登録頭数の推移(都府県) 今回のトップ60以内には自動登録農家(表中、*を表示)が33戸あり、前年より4戸増え、多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など自動登録のメリットが大きい。

平成23年03月20日「生涯乳量」 ~都府県23年1月~2月~
今回の生涯乳量トップは福井邦仁さん(愛知)所有の「プライドクレバーマーク」(平13.3.9生)、で7回の検定で検定日数2,424日、総乳量9万7710㌔、乳脂量3,616㌔、平均乳脂率3・7%、乳蛋白質量3,500㌔を記録した。
本牛は僅かに10万㌔に届かなかったが、今回7乳期分の証明で栄えある1位に輝いた。所有者の福井氏は、今年度から検定成績証明の自動継続発行を開始し、本年2月には多くの所有牛で全ての乳期の証明を申請している。今回のとりまとめでは、なんと16頭もの所有牛が生涯乳量5万㌔以上の好成績を記録している。家畜改良データバンク・愛知県の生涯乳量部門では、マーク号はアカツキ牧場のトングに続く2位であり、福井氏は上位20位に5頭もランクインしている。また、本牛が審査得点88点を獲得していることが示すように、体型面の改良も熱心であり昨年度は審査成績優秀牛群で表彰されている。
2位は鈴木進さん(埼玉)所有の「ポーテージジユラーインプリント」(平10.7.15生)で、7回の検定で検定日数2,825日、総乳量9万4045㌔、乳脂量3,827㌔、平均乳脂率4.1%、乳蛋白質量3,047㌔を記録した。本牛は今回の記録達成で鈴木牧場の歴代最高生涯乳量記録を更新した。
3位は佐野茂樹さん(岩手)所有の「ドリームランチラツキースター」(平10.9.2生)で、7回の検定で検定日数2,412日、総乳量9万1656㌔、乳脂量3,889㌔、平均乳脂率4.2%、乳蛋白質量3,142㌔を記録した。本牛は泌乳能力と同様に、体型能力も優れている。2歳8月齢、初産時の体型審査で85点を獲得したのちに順調に成長し4産時には93点を獲得している。
僅差の4位は小針勤さん(栃木)所有の「アイリツチマイカランツ」(平13.8.21生)で、6回の検定で検定日数1,931日、総乳量9万1272㌔、乳脂量3,074㌔、平均乳脂率3.4%、乳蛋白質量2,821㌔を記録した。
また、3位の佐野茂樹さん(岩手)、5位金井真一さん(長野)、11位亀田康好さん(埼玉)、25位松島喜一さん(熊本)、48位新海益二郎さん(長野)所有牛は、ともに審査得点90点以上である。

 生涯検定乳量記録牛(平成23年1~2月都府県)

平成23年03月20日「全国で1位テンプター」 ~22年種雄牛別娘牛登録頭数~
日本ホルスタイン登録協会では、過去1年間に血統登録された雌牛の父牛別の頭数を調べ、「娘牛を多く残した種雄牛たち」として公表している。血統登録雌牛はわが国の改良集団であり、どのような種雄牛の子が多く残っているかを知ることによって、将来の改良方向を見出すこともできよう。このページでは平成22年中に血統登録された20万9300頭について紹介する。
♂牛11頭の娘で24%に
表3には、22年次における血統登録雌牛(以下、娘牛と略)を示した。表3平成22年登録雌牛頭数 平成22年1~12月に血統登録された雌牛は20万9300頭で、前年に比べ83頭増と微増で推移した。都府県が4万7846頭(全国の22.9%)、北海道が16万1454頭(同77.1%)。
前述の約21万頭の血統登録雌牛の父牛として登場する種雄牛は1,714頭で、前年より8頭減少した。単純に種雄牛1頭当りの血統登録雌牛は122頭となった。都府県が種雄牛1,530頭に対し娘牛は31頭、北海道は種雄牛1,091頭に対し148頭の娘牛であった。また、種雄牛頭数において、都府県は北海道より439頭多く種雄牛が使われていた。なお、これらの中には、一般に供用されない候補種雄牛180数頭の娘牛が含まれている。
次に、種雄牛別娘牛頭数の階層別種雄牛頭数を表4に示した。表4階層別種雄牛頭数別 5千頭以上の娘牛を持つ牛が4頭で、娘牛の12.0%を占め、次に3千~5千頭未満の娘牛を持つ種雄牛が7頭で12.4%、3千頭以上の娘牛を持つ11頭の種雄牛で全体の24.4%以上にもなる。1千頭以上の娘を持つ種雄牛まで含めると58頭で全体の60.6%であった。
5年前と比べ、5千頭以上で3頭の減、3千頭以上は同数、また1千頭以上で5頭の増加であり、近年特定の種雄牛への集中傾向が顕著である。
国外産♂の娘牛は43.2%
また、今回父親として登場した1,714頭の繋養先は表5のとおりで、国内が1,056頭でその娘牛は11万8900頭。全娘牛の56.8%を占め、前年と比べ1.42ポイント低くなった。 また、国外繋養の種雄牛は658頭でその娘牛は9万400頭であり全体の43.2%を占める。表5国内・海外繋留種雄牛別 国外繋養の種雄牛の供用、即ち殆どが輸入精液により生産された血統登録雌牛は、年々増加傾向にあり 、また国外繋留種雄牛は昨年より44頭増加した。
都府県1位はマセラティ
次に、多くの娘牛をもつ種雄牛を全国及び北海道、都府県上位15頭について表6に示した。表6登録娘牛を多く持つ種雄牛(平成22年1月~12月、全国、北海道、都府県) 全国第1位は娘牛8,144頭のハピィイーストアールエステンプターETで、昨年のサンディバレーブルーブラットETを抜いて第1位になり、前年よりも7,450頭増やした。父牛はモーティーである。
都府県では、NLBC エルフィン マセラティ ETで昨年より480頭増やし、ハッピーライブ BW アニーを抜いて第1位となった。父牛はエルヒーローズ。
なお、全国における娘牛頭数上位15頭の系統を遡ると、ポニーファームアーリンダチーフ由来の種雄牛8頭及びラウンドオークラグアップルエレベーションが7頭であった。
最後に、近年わが国のホルスタイン集団は、近交係数が非常な勢いで上昇している。このような情勢にあって、血統登録によって構築された血縁情報は、選抜・淘汰に必要な育種価(遺伝評価)の推定や計画交配に必要な近交係数の計算にはなくてはならない情報であり、種雄牛の評価成績とともに交配する雌雄の血縁などの確認は必要不可欠なツールである。


平成23年03月20日「冠名申込みと連絡書」 ~登録部からのお知らせ~
4月から「冠名申込み」実施~都府県~
冠名申込みについて、自動登録農家で日本ホル協では既に実施していますが、本年4月からは、自動登録を実施していない会員農家にでも、予め「冠名申込み」を行えば、登録牛の名号付与の際には自動的に冠名を付与することにしました。
そこで、「冠名申込み」にあたっては、次の点にご留意願います。
①登録牛への「冠名」付与を希望するときは、所定の「冠名申込書」に会員氏名(同一家族がいる場合は全員が対象)と「冠名」を記入して下さい。「冠名申込書」は日ホ協ホームページ(HP)の「申込み」から印刷できます。
②「冠名」は1農場で1つとし、1単語10文字以内とします。濁音、半濁音は1文字とし、文字間のスペースは使用できません。「冠名」を付けるときは、「命名上の取り決め一覧」(日ホ協HPで閲覧できます)を参照して下さい。
③北海道で既に使用されている一部の農場の冠名はできるだけ使用しないよう願います(既に使用している場合などはこの限りでありません)。
④冠名申込みを受理した後は、登録申込牛の名号の先頭にこの「冠名」を付けて登録します。
⑤この冠名申込にかかわらず、希望名号を付けるときは、個々の血統登録申込書の名号欄に希望名号を記入して下さい(自動登録農家にあっては「自動登録実施農家連絡書」の希望名号欄に記入し報告して下さい)。
⑥他の会員が同じ「冠名」を使用することがあるのでご了承下さい。
⑦既に登録済牛にこの「冠名」を希望するときは、更正申込みが必要です。
⑧登録した「冠名」を変更または中止するときは、「冠名申込書」の※注記欄にその旨を記入し報告して下さい。なお、中止した後でも、既に冠名を付与した牛から出生した子牛は母牛の第1名号(冠名)が自動的に付与されるので、それを避けるためには、その子牛には新たな希望名号を付けるようにして下さい。
⑨冠名申込みは、平成23年4月1日から受付けます。
なお、この「冠名申込み」に関わらず、従来どおり個々の登録申込書に記入する方法もありますので、申し添えます。
HPから連絡可能に
自動登録実施農家連絡書自動登録を実施している農家の方には、生まれた雌子牛について、毛色(レッド、オーシー)や双子、希望名号などの連絡事項がある場合には「自動登録実施農家連絡書」にその旨を記入し、FAXにて報告していただいていますが、この度、日ホ協ホームページから直接、連絡事項を入力し、メールで送信できるページを作成しました。
日ホ協ホームページのトップページ「申込み」をクリックすると各種申込書類のダウンロードができるページに移動します。そのページの「自動登録実施農家連絡書(入力用)」をクリックすると上図のようなページが表示されます。ここに連絡事項を直接入力し、メールで送信して下さい。メール送信の方法はいくつかあります。ご利用方法は同ページの「自動登録実施農家連絡書(入力用)の利用方法」をクリックしてご参照下さい。
このページを利用することで、従来のFAXによる連絡は必要ありません。当協会としましてもFAX連絡による記入内容の見誤りを防止できるので、是非ともこのページをご利用下さい。
なお、従来どおりFAXによる連絡も受け付けていますので、併せてご利用下さい。

平成23年03月20日「登録牛の37%実施」 ~自動登録の現状と事例3県~
都府県の平成22年度(平成22年4月から23年2月末現在)の血統登録雌牛頭数は、4万3037頭となり、対前年同期比98.5%となった。わずかな減少であるが、宮崎県での口蹄疫の発生や夏の猛暑の影響と思われる。
表1には、県別の登録頭数並びに登録農家戸数内の自動登録が占める割合、また、本年度新たに自動登録を開始した農家戸数を示した。
自動登録の普及率を頭数で調べると、1万5953頭で対前年同期比125%伸び、全体の約37.1%を占めるまでとなった。自動登録頭数の多い県は、愛知、熊本、鳥取、鹿児島、栃木、茨城の順で、この6県が千頭以上の登録実績を挙げている。
また、登録頭数に占める自動登録の割合では、秋田97.7%、鳥取94.5%、愛知78.6%と高く、自動登録が浸透していることがうかがえる。
その登録実績のある農家戸数は5,360戸で、うち自動登録農家は、1,598戸を数えた。都府県の登録農家の3分の1戸は、自動登録農家となっている。
県別では、鳥取の95.8%、京都95.5%、秋田90.6%の順となっている。
その他、平成22年度は新たに192戸が自動登録を開始した。未実施県であった高知が9月より開始したことで合計40都府県となった。
さて、本年度は、岩手、静岡、鹿児島の3県で、単協単位での自動登録の申請があった。3県それぞれに繁殖情報の収集に特徴があったので、担当者に自動登録の現況を報告してもらったので紹介したい。

表1.平成22年度自動登録実施状況 (22年4月~23年2月末)
牛群検定全戸を自動登録へ~JA新岩手高橋昭さん~
岩手県の西部に位置するJA西部営農経済センター管内の酪農家戸数は75戸、うち西部地域乳牛改良検定組合の牛群検定加入戸数は40戸で、昨年12月より30戸が自動登録を開始した。自動登録を始めた理由については、検定組合の事業推進目標でもあり登録の遅れや漏れを無くすることはもちろん、従来の登録料金よりも安く、移動料金が発生しないことと、手続きが不要なことが最大のメリットと感じた。授精記録の収集については、当検定組合の人工授精は農協の授精師が大半を占めているので授精のデータ確認は想像していたよりも楽にできている。
まだ自動登録を始めて日も浅いが、移動料金が発生しないことに対して実施農家は大きく関心を示し好評である。
従って、自動登録の計画は、平成23年度中には検定組合全戸自動登録加入(残り10戸)を目指している。
最後に、繁殖データを直接家畜改良事業団よりもらえるシステムの構築を希望する。実現すると、より効率的な自動登録が期待できる。
インターネット方式を採用~静岡県ホル協堀田尚己さん~
静岡県ホルスタイン協会は、平成18年より自動登録を開始した。平成22年度より新たに、東部地域4農協管内(御殿場、南駿、三島函南、函南東部)と浜名酪農協小笠支所管内、とぴあ浜松農協管内の17戸が自動登録を開始した。
自動登録に取り組んだ理由は、県協会の登録事務の効率化、登録書発行までの時間的ロスの軽減、県下の分会や農協等担当者の事務処理の煩雑さの軽減のためである。
授精記録の収集・報告方法については、牛群検定の繁殖情報を県協会が一切管理していないため、検定情報からの入力処理は不可能と考えた。パソコンが使えることが条件となるが、インターネットによる授精情報報告方式を原則採用した。(繁殖情報入力者は農家、農協担当者等と様々)当初は、「忙しいからパソコンなんて使いたくない。」という農家が多かったが、最近は「どうってことないよ、やれば簡単」といって、順調に報告ができている。
自動登録を推進する段階で会員が最も関心を示した点は、導入牛や家族間での移動が無料となったこと、個体ごとの血統登録申込書を作成する必要が無くなったこと。
平成23年度以降については、地域や農協単位での自動登録会員の増加を目指している。
最後に、自動登録が普及することで、全国で一定数の参加がなければ厳しいと考えるが、血統登録料金単価の引き下げを期待したい。
授精報告は組合管理データ~鹿児島県酪農協栗野幸一郎さん~
平成22年度より、新たに県酪農協志布志支所管内の酪農家29戸中、組合に授精依頼のある17戸が個別登録から自動登録に移行した。
鹿児島県は、平成18年より自動登録を実施したが、組合で授精業務をし、データ管理している組合を対象とした。平成19年に組合の合併、酪連の包括承継があり、登録推進等が各支所対応になったことで、登録業務が遅れがちになっていた。授精データの管理は、志布志支所の授精担当者が授精の都度、繁殖情報をエクセルで管理・整理していたので、登録業務が簡素化するうえ、登録料金も安くなるということで農家はすぐに賛同した。
志布志支所は、「乳用牛生産動向緊急調査事業」に加入していない地区。自動登録に移行できたのは、志布志支所独自で授精データを整理してくれた授精師のおかげ。
自動登録は、料金が安くなるのも魅力だが、一番は登録書が早く、漏れなく発行されること。
今後の鹿児島県における自動登録の普及は、ここ5年間で、組合に授精依頼がくる酪農家を概ね全戸自動登録に移行することができた。自家授精農家と種子島支所の委託授精師に頼む農家では、「牧場の彼女」や「繁殖台帳システム」及び「牛検データ」を農家に利用願い、ここ数年の内には、県内全酪農家を自動登録に移行する計画。
自動登録は着実に増えているが、反面、照会も増えている。今後も登録委員の協力無くして円滑な事業推進は出来ないので、引き続き研修や表彰についても力を注いでいくことを希望する。

自動登録の仕組み


平成23年03月20日「トップ40に新規8頭登場」 ~2011-2月乳用種雄牛評価成績~
2月22日に乳用種雄牛評価成績が発表された。昨年から評価方法やNTP(総合指数)が変更され、より精度が向上し、新しい種雄牛の早期発表が可能となっている。
精液供給可能種雄牛のうち、NTPトップは前回(昨年8月)新規選抜されたエンドレスジアンビが首位を守り、2位も前回同位のオーケーフアームハートランカスターETが選ばれ、3位には今回新規選抜されたヘンカシーンゴールドドリームが食い込んだ。このほか、新規選抜種雄牛では7位チルドレン、9位フェアリー、10位ゴールデン、14位ウイナー、15位アレンジ、26位フリーダム、35位クラウンとトップ40に8頭が選抜された。
ジアンビが連覇
下表には今回評価成績が公表された精液供給可能な国内種雄牛78頭のうち、NTPトップ40の種雄牛を示している。
表中、略号の前のNは新規選抜牛で、遺伝ベースは2005年に生まれた検定牛の平均。評価値はすべて推定育種価(EBV)で表示している。
今回は、前回(昨年8月)新規選抜でトップに選抜された「ジアンビ」がNTPを前回より31ポイント伸ばし+3,298で連覇となった。「アメル」の息子「ボリヴァー」×母方祖父「ガーター」の交配で誕生。乳脂量7位、同率6位、SNF率1位、蛋白質量2位、同率1位、乳器4位と乳成分全般、特に蛋白質と乳器の改良に大きく期待ができるとともに、血統的にも使いやすい種雄牛。
2位には前回も同位であった「ランカスター」が選ばれた。「タイタニック」×「アーロン」との交配で、NTP+3,183。乳脂量5位、SNF量4位、同率5位、蛋白質量1位、同率8位、乳代効果8位、肢蹄9位、乳器10位と多くの形質でベスト10入りを果たし、乳成分と乳器・肢蹄の改良において優れている。
3位には今回新規選抜された「ドリーム」が食い込んだ。「ゴールドウィン」×「ストーマティック」との交配で、NTP+2,852。乳脂量6位、同率7位、SNF率9位、蛋白質量8位、同率4位、肢蹄4位と乳成分と肢蹄の改良に優れている。
4位には前回新規選抜で4位に入った「ジョビアン」で「オーマン」×「ガーター」の交配。乳脂量1位、同率9位と乳脂肪の改良に優れ、乳代効果6位、肢蹄も10位にランクインされている。
5位に選ばれた「トレジャー」は、09年8月に1位で新規選抜された後、11月1位、10年2月2位、8月3位、そして今回5位と上位で安定した実力の持ち主。「フリーランス」×「BWマーシャル」で誕生。乳脂量4位、乳器5位、全体にバランスのとれた形質が魅力的。
今回トップ40には、新規選抜牛が8頭登場している。前記3位の「ドリーム」のほか、7位「チルドレン」(父オーマン)は蛋白質量6位、体貌と骨格5位など骨格の正確性に優れ、9位「フェアリー」(父オーマン)はSNF率2位、蛋白質量3位、同率3位、体貌と骨格7位など乳成分の高い改良が期待できる。10位の「ゴールデン」(父ゴールドウィン)は新規選抜で唯一乳量ベスト10入りして4位、乳代効果10位、肢蹄3位、乳用性強健性6位、決定得点7位など、乳量を伸ばしながら体型を改良することに期待できる。14位「ウイナー」(父ゴールドウィン)は乳脂率4位、SNF率4位、蛋白質率2位、体貌と骨格10位、乳器1位、決定得点2位と乳成分率と乳器の改良が群を抜いている。15位「アレンジ」(父マーマックス)は蛋白質量4位、26位「フリーダム」(父フリーランス)乳脂量並びに乳脂率がともに2位であった。35位「クラウン」(父フィンリー)は乳器3位、決定得点6位と体型改良、特に乳器の改良が期待できる。

表乳用種雄牛評価成績2011-2月(供給可能・国内種雄牛NTPトップ40)

平成23年03月20日「都府県から5部門」 ~平成22年高能力牛まとめから~
表年型別乳量・乳脂量トップ牛(平成22年全国、2回搾乳)平成22年1~12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
今回は日本記録が8部門誕生した昨年と一変し、新たな日本記録の更新は無かった。
表中、全年型を通じて最高乳量を記録した牛は、成年型乳量トップの北海道上渚滑町・永峰拓人さん所有のビクトリアパラダイスディアナET(92点、父ギブソン)で、365日でM2万5188㌔、F1,383㌔、F5.5%。また、305日でもM2万1211㌔で唯一、乳量2万㌔を突破した。
牧場別では、4年連続の永峰牧場が最多の9部門でトップ成績を挙げている。
北海道勢が各部門で高記録を残す中、今回は都府県牛が5部門入っている。乳量では2年型で家畜改良センター(福島県)所有牛、ロックイーグルオメガシャムスーシャーキーが305日でM1万6975㌔並びに365日でM2万0330㌔、3年型では中原せつ子さん(群馬県)所有牛、ミッドグリーンダッチボーイコマンドが305日でM1万7038㌔を記録し、家畜改良センター(福島県)所有牛、WHGジェゼベルアディーアリーETが365日でM2万0065㌔。また、乳脂量では305日4.5年型で橋場厚さん(長野県)所有牛、ミスジェスロマンディンゴがF719㌔を記録し全国トップとなった。

平成23年03月20日「全国B&W26年開催に変更」 ~全国ホル協議会総会~
全国ホルスタイン改良協議会(松島喜一会長)は、さる2月24日、東京・中野区の日本ホルスタイン登録協会会議室で第32回通常総会を開催した。総会では平成22年度の事業報告並びに収支決算報告が承認されたほか、平成23年度事業計画案並びに同収支予算案がいずれも原案のとおり承認可決された。また、昨年度はできなかったジャジング・スクール及び認定ジャジマンの研修会についても開催することになった。
会議の冒頭、松島会長から昨年4月に宮崎県において口蹄疫が発生し、酪農家・畜産関係者は大変な苦労をされたが、関係者の努力と協力により終息し、この2月にはOIEから清浄国と認定された。被災した宮崎県の改良同志会傘下酪農家のために協議会の会員に義援金をお願いしたところ全国から280万円を超える援助が寄せられことへの謝辞があった。
また、来賓の日本ホル協藤村忠彦専務理事からは、最近の酪農情勢と改良関連予算問題、アジア各国で蔓延している口蹄疫への酪農家自身の課題などについての挨拶が行われたほか、家畜改良事業団の高橋勉事業部長からは種雄牛遺伝評価、JAABの事業として新たに国内検定済種雄牛の娘牛でVG以上・生涯乳量5万㌔以上を表彰することなど挨拶が行われた。
ところで、協議会の主要な事業であるジャジング・スクールは、前年度は口蹄疫の関係で実施できなかったが、本年度は静岡県で行うことを前提に地元と協議することになっている。また、認定ジャジマンの研修会については来る5月14日、群馬県長野原町北軽井沢の北軽井沢ふれあい広場において開催される北軽井沢スプリングショウに併せて実施することで地元と詳細を協議している。一方、全日本B&Wショウについては、当初の予定では平成25年度開催で準備を進めていたが、諸般の事情で平成26年度開催へ1年遅らせることが報告された。
また、通常総会終了後、社団法人家畜改良事業団電子計算センターの谷本光生企画課長から、「繁殖台帳Webシステムについて」をテーマに記念講演が行われた。講演内容は、このシステムはインターネットを介して酪農家自身でも授精師でも授精記録を入力するできるシステムであり、このデータを多くの場面で利活用できるよう考えてきたこと。既にモデル地区で試したところ、単に授精記録のやり取りだけでなく、データ蓄積により組合全体としての生乳生産予測にまで発展して使えることがわかったこと等紹介されたほか、授精データの入力方法はパソコンだけでなく携帯電話でも行えるという利便性を訴えた。最後に都府県での牛群検定加入率をより一層向上すべきと強調し講演を締めくくった。

平成23年03月20日「検定成績優秀牛偏差値上位牛」 ~都府県23年02月証明分~