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機関誌

機関誌内容一覧

平成30年03月20日


平成30年03月20日登録の現状

~血統登録12.9%増~
都府県の平成29年度中間(平成29年4月から30年1月末日現在)の血統登録雌牛申込み頭数は、3万7694頭となり、前年同期に比べて頭数で4313頭、率にして12.9%の増加となっています。
前年度は酪農家戸数の減少や酪農情勢の悪化、さらに和牛並びに交雑種の市場価格が以前にもまして高止まりし、これに呼応するかのようにF1交配が増えた結果、乳用種の雌牛出生報告が大幅に減少し、登録頭数も大きく減少しました。
しかしながら、全国的な乳用雌牛資源が大きく減少することは大問題であるとのことから、国及び各県の行政機関・酪農団体等にあっても各種の事業に取り組まれ、特に雌牛を確保するには優秀な種雄牛から得られた性選別精液の使用が早期に結果が得られることから、その助成をされる事例が多くみられ、この影響もあって29年に入ってから乳用雌牛の出生増加につながったものと考えられます。
また、各生産者におかれても牛群検定事業の活用により、牛群内ランクで交配種雄牛を選択し、上位クラスの雌牛には性選別精液を、中位は一般乳用種を、下位のものには和牛ETやF1生産を、ということで仕分けられており、この成果が現れ始めたと思われます。
さて、表1には県別の血統登録をはじめ各種申込み頭数並びに会費納入件数をお示ししました。 ・表1各種登録等申込状況(H29.4.1~30.1.31) 前述のとおり血統登録頭数は大きく増えており、中でも、群馬県では1429頭も増えています。これは積極的に酪農家を巡回し、登録推進をしていただいた県団体関係者のご尽力の賜と厚くお礼申し上げる次第です。
また、熊本県では前年4月に発生した大地震で大きく減らした登録頭数が回復してきたと考えられます。さらに青森県を始め、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、愛知県、兵庫県、岡山県、徳島県、熊本県、大分県で3桁以上増加するなど30県で前年を上回っております。
一方、酪農を続けることが難しくなってきた都市近郊の県では酪農家の廃業に歯止めがかからず、3桁以上減少したところが3県もあり、これらにあって3月末までにどの程度回復していただけるかが課題と考えております。
なお、表2には29年次の登録頭数の推移を示しました。 一方、平成27年まで2年間減り続けていた登録頭数が少しは回復基調にあるのかと期待しております。
自動が過半数
一方、登録申込みに占める自動登録の同時期における申込み頭数は2万3573頭で全体の62.5%となり、昨年に比べて4.6ポイントの増加となりました。中でも、群馬県はここにきて一気に自動登録にシフトしていただいており、この推進に当たっては地元の団体関係者の地道な推進努力のおかげと改めて感謝いたします。なお、自動登録農家戸数は1920戸となり、前年に比べて66戸増となりました。
雌牛価格高騰と自動登録の普及により大幅減
表1には移動証明申込み件数の状況もお示ししましたが、前年同期比では87・9%と大きく減少しております。これは北海道における乳用種雌牛価格が高騰しているので、一部のメガファームを除くと一般酪農家には手が届かない価格帯となっているため、導入を躊躇しているという声をしばしば聞きます。それ故、移動証明申込みも減少していると考えられます。
ご承知のとおり、自動登録農家にあっては家畜改良センター個体識別部に所定の異動報告を済ませれば、当協会では該当牛の登録原簿上の移動を完了させており、あえて料金が必要な移動証明は推進していません。自動登録が90数%になる北海道では特にその傾向が顕著です。
当協会としても自動登録の推進を重点事項として事業推進しておりますので、今後とも移動証明が大きく増えるとは考えておりませんが、個別登録農家にあっては子孫に血統を繋げるためにも確実に移動証明をお願いしたいところです。
酪農家減が会員数にも
最後になりましたが、会費納入件数を表1の一番右側にお示ししました。1月末までに4973戸の方から納入いただいており、前年同期比で93.5%と減少しております。やはり全国的な酪農家戸数の減少の影響を受けたものと考えております。

平成30年03月20日スムーズな自動登録のために

~自動登録の現況から~
自動登録とは、農家が報告した二つの情報を元に血統登録証明書を発行する血統登録様式です。二つの情報とは、①授精の度に報告した授精情報、②牛が生まれた時に家畜改良センターに出生報告した個体識別情報です。当協会はこれらを電子データで受け取ることで血統登録証明書を自動発行しています。
出生報告後わずか10日ほどで血統登録証明書を発行することができ、また申込書や授精証明書などのペーパー類は不要などメリットが多く、また登録料金を500円ほど割安にしていますので、全国的に普及が進んでいる状況です。
しかしながら、分娩前までに授精報告がされていないために自動登録を行うことができず、事故照会をする事例が自動登録対象牛の約2割に起こっており問題となっています。図のように、「①授精報告」と「②出生報告」の両方から自動登録を行いますが、出生報告はしていても子牛が生まれる前までに授精報告されていないと、子牛の母牛は分かっても、父牛が分からないために血統登録証明書が発行できません。
事故になるとデメリット
授精報告がない場合、当協会では「事故照会」と題してその内容を記載した用紙を送付します。その後、各地域の登録委員を通じて回答を提出していただき、不備がなければ血統登録を行いますが、回答提出までに時間がかかるため血統登録証明書の発行は遅れてしまいます。また、回答には授精証明書や繁殖台帳などの書類の添付が必要となりますので、これでは自動登録の「早期発行」「ペーパーレス」のメリットが台無しです。
確実な授精報告を
自動登録は、授精の都度、授精記録を電子データで報告することが実施条件となっています。授精報告の方法は、いくつか種類がありますが、表のように都府県の自動登録農家の約9割は、牛群検定で報告した授精情報を利用されています。検定の際には確実に授精報告を行っていただくようにお願いします。
また初産で生まれた子牛の約3割が授精報告がないために血統登録できない状況にあり、これは未経産牛の牛群検定への加入が遅れていることが影響していると考えられます。分娩後に加入して授精報告しても自動登録には間に合いません。
牛群検定には、未経産牛も含め、飼養牛全頭を加入しましょう。未経産牛も経産牛と同じく加入することで、繁殖や分娩の状況を一体的に管理することができます。自家育成牛は初回授精までには加入しましょう。預託している育成牛は牧場に戻り次第加入した上で、授精報告をお願いします。
新しい繁殖台帳サービス
さて、授精報告を正しく行うためには日々の繁殖記録が正しいものでなくてはなりません。正しく記録するための必要アイテムとして、当協会ではこの度、インターネットから飼養牛1頭毎の繁殖台帳を印刷できる会員限定サービスを開始しました。当協会が運用している家畜改良データバンクのメインメニュー「会員情報」から農場コード(個体識別情報届出に使用している10桁番号)とパスワードを入力してログインし、「農家別登録牛情報」ボタンを押します。そうすると、ログインした農家で現在飼養されている乳用種牛の一覧が血統登録の有無に関わらず表示されます。その一覧の右上にある「繁殖台帳印刷」ボタンを押して、繁殖台帳を作成したい牛を選択し、ご家庭のプリンターで表面・裏面を印刷して両面で利用してください。血統登録牛の繁殖台帳には、名号、生年月日、血統濃度、血統3代、遺伝病検査結果が記載されます。
正しい繁殖記録を行うために、是非とも1頭毎の繁殖台帳をご活用ください。
家畜改良データバンクアドレス
http://www.rg.liaj.jp/hol/

平成30年03月20日淡路で94点-3E取得

~兵庫県・OFJシンジケート~
平成30年1月の兵庫県後期牛群審査において、淡路市のOFJシンジケート所有(木田有牧場管理)の「OFJロクシーリターナ」(平22・8・12生、7歳5月、5産、父:ボルトン)が高得点の94点(3E)に評価された。
本牛は前回の平成29年1月(6歳5月、4産)の体審で93点を獲得し、今回県内で初94点に格付けされるとともに、OFJシンジケート3頭目のEX牛である。
各部の配点は、体貌と骨格92点、肢蹄93点、乳用強健性93点、乳器95点(1月24日確認審査実施)。
本牛は体高160㎝と大柄な牛であるが、各部への移行が滑らかで、体長があり頸は薄く長く乳用強健性に富み、肢蹄においても筋腱が鮮明に現れ、蹄の角度および蹄踵の厚さも好ましいものであった。乳房においても、容積形状に優れ、前乳房の付着が強く、後乳房の高さと幅もあり、乳房懸垂も強く、搾乳後の乳房バランスにも満足のいくものであった。
また、本牛は能力も非凡なものを見せ、4乳期1220日の乳量はM4万9244㎏、乳脂量1434㎏、乳蛋白量1417㎏で今期も順調に泌乳を継続しており、能力と体型のコンビネーション並びに長命連産性に優れた牛である。
なお、本牛は平成27年に開催された、第14回全共北海道大会にも出場し、1等賞に入賞を果たしている。


平成30年03月20日都府県初の快拳 品川牧場 1000頭超え

~29年都府県登録状況~
平成29年1~12月に都府県で血統登録された雌牛について、日本ホル協の会員別に登録頭数をとりまとめた。都府県で昨年1年間に血統登録された雌牛は4万5320頭で前年より1764頭増加した。また、血統登録を行った酪農家戸数は、3853戸で前年より97戸減少し、酪農家1戸あたりの血統登録頭数は前年よりも0.8頭増加し11.8頭となり、年々増加している。
表1には最近6年間の都府県登録頭数と登録実施農家戸数の推移を示した。
登録件数の推移を見ると、平成25年以来の4年ぶりの増加であったが、登録実施戸数は歯止めがかからず減少の一途を辿っている。
表2に昨年1年間に60頭以上の血統登録を実施した会員を示した。集計では親子などは1つにまとめて登録頭数の多い会員名で表示した。
・表260頭以上の登録を実施した会員(29年都府県)
初の千頭台の登録頭数 品川牧場(群馬県)
登録頭数の最も多かった会員は8年連続の品川牧場(群馬県)で1101頭であった。都府県年間最高頭数を記録した前年の517頭の倍以上の登録を行ったことになる。この驚異的な登録頭数の背景には自動登録の開始が挙げられる。自動登録では実施に伴い無登録の解消が求められ、同牧場では400頭近くの掘起し登録を行ったためだ。
2位は中上秀夫さん(岩手県)の337頭。
3位は(有)PIONEERFARM(茨城県)の290頭。
4位は(有)ロマンチックデーリィファーム(群馬県)の270頭。
5位小岩井農場(岩手県)264頭、
6位野村栄一さん(茨城県)214頭と続き、上位6会員が年間200頭以上を登録した。
以下、山中誠さん(岡山県)、(独)家畜改良センター(福島県)、(株)箸荷牧場(兵庫県)、伊藤髙行さん(栃木県)、(有)KC牧場(群馬県)、木戸卓仁さん(兵庫県)、(株)KOGA(熊本県)、株式会社竹信牧場(岡山県)、(有)岡部牧場(青森県)、古川牧場(群馬県)、吉村正光さん(熊本県)、(株)チェスナットファーム(茨城県)、足立松吾さん(岐阜県)、全農笠間乳肉牛研究所(茨城県)、(株)長壁牧場(群馬県)、(株)赤羽根PVファーム(愛知県)、吉野藤彦さん(群馬県)、松岡明彦さん(熊本県)、(有)鈴木牧場(愛知県)、(有)阿部牧場(熊本県)、ITOU牧場(株)(愛知県)、(有)ツバヌキ牧場(鳥取県)、(有)安曇野牧場(長野県)、(有)希望園(岡山県)が年間100頭以上を登録した。年間100頭以上登録した農家は30戸で前年より7戸増加、50頭以上では22戸増加となった。
今回とりまとめた年間60頭以上の登録を行った73農家の内、59農家が自動登録を実施しており(表中、*を表示)、多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など自動登録のメリットが大きい。

平成30年03月20日登録牛の父牛海外が50%に達する

~29年種雄牛登録状況~
血統登録された雌牛の父牛として、どのような種雄牛が多く利用されているかを調べてみた。
表1には、平成29年1~12月に全国で血統登録された雌牛頭数等を示し、その頭数は20万6700頭で、その父牛数は1687頭を数える。地域別では、北海道が種雄牛1232頭で登録娘牛16万1380頭、都府県は1396頭の種雄牛から4万5320頭が登録された。
また、種雄牛1頭当たりの登録娘牛頭数は、全国で123頭であり、北海道は131頭、都府県は32頭である。
海外種雄牛の割合 4%増加し半数に
国内海外の繋留別では、国内種雄牛887頭による登録娘牛110万3099頭で登録全体の50%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は800頭による登録娘牛10万3601頭で登録全体の50%を占め、その割合は昨年より4%増加した。
国別のトップはアメリカ 海外種雄牛数の73%
800頭の海外種雄牛を国別に見ると、アメリカが587頭と最も多く7万4278頭の娘牛が登録され、続いてカナダ142頭から1万8688頭の娘牛、オランダ47頭から3174頭の娘牛、その他の国で24頭から7461頭の娘牛が登録されている。その他の国の中ではイタリアの「プリンス」が2700頭と目立ち、その9割以上が北海道で利用されている。
次に種雄牛当たりの娘牛頭数に目を向けると全国で5000頭以上の登録娘牛をもつ種雄牛は3頭、3000~4999頭が5頭、1000~2999頭が42頭、100~999頭が212頭、100頭未満が1425頭であり、その上位56頭の種雄牛で登録娘牛全体の50%を占めた。
県別の国内と海外種雄牛の登録娘牛頭数を表2に示し、登録に占める海外種雄牛の割合を図に表した。・表2県別の国内及び課外種雄牛の登録娘牛頭数と海外種雄牛の割合 地域別に登録雌牛の父牛のうち海外種雄牛の割合をみると、北海道が51%と全国平均よりも高い割合である。東北地区では宮城県が66%と高く、その他の県では全国平均以下となっている。逆に関東地区では、群馬県、埼玉県以外は神奈川県71%をはじめ、5都県で海外種雄牛の割合が53%以上となっている。続いて中部・北陸地区では静岡県の69%が一番高く、石川県、山梨県が64%であった。その他の県は平均以下で特に福井県は22%と国内種雄牛の利用率が非常に高い。近畿地区では京都府が67%と高く、一方、滋賀県、大阪府が10%未満と非常に低い。中国・四国地区では徳島県の64%が一番高く、広島県、香川県は逆に30%以下と国内種雄牛の利用が盛んであり、残りの県は全国平均以上となっている。九州地区では福岡県67%、大分県65%、長崎県59%等平均を上回る県が多く、一方、宮崎県、鹿児島県、沖縄県は平均を大幅に下回った。
最多登録娘牛数 エモーション
表3には29年次の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。 北海道ではニホロが、登録娘牛6178頭で前年実績3393頭から大きく伸ばしトップとなった。2位はエモーシヨン、3位にはセカンドクロップが多く登録されたレジエンド、4位には前年1位のソクラテス、5位ルピナスの順。
都府県ではエモーシヨンが登録娘牛2775頭で1位、2位ギヤラクシー、3位は前年1位のオーソン、4位エデイー、5位ルーレツトであった。
因みに、全国集計では1位エモーシヨン、2位ニホロ、3位レジエンドの順。



平成30年03月20日EX頭数5年連続更新 過去最高365頭
審査291頭増
平成29年度の都府県におけるホルスタイン種の牛群審査は43都府県で9,732頭を実施し、前年より291頭増えた。28年度は不幸に見舞われた熊本地震、第14回北海道全共の反動等で一時減少したが、V字回復となった。相変わらず初妊牛の高騰による導入牛の減少と後継牛の不足は続いているが、自家育成に重きを置き、長命連産を意識し、より長く牛舎に生存させるための体型面からの改良を考える酪農家の増加が、この頭数を伸ばした要因の一つと考えられる。
一方、ジャージー種の審査は112頭(前年129頭)で、前年度6頭の実績のあったブラウンスイス種は、今回は0頭であった。
また、審査得点90点以上(EX=エクセレント)に評価された雌牛はホル種雌365頭、前年度より58頭増加した。ジャージー種では5頭誕生。
審査受検頭数
1位岩手2位熊本
都府県別審査頭数では、岩手県が1,058頭と昨年度に引き続き、唯一1千頭を超えで第1位に輝いた。次いで、熊本県の942頭、群馬県718頭、栃木県667頭、愛知県468頭と続き、順位は昨年度とまったく同じで、上位5県で都府県全体の40%を占める。酪農家戸数が減少する中、牛群審査受検頭数が大幅に減少することなく実施出来たことは、各都府県担当者をはじめ、受検農家の努力の賜物である。
一方、家畜改良推進事業に係わる後代検定の体型調査では、まだ全てを終了してはいないので途中経過ではあるが、45都府県の協力により1,337戸を巡回し、後代検定材料娘牛2,345頭、同期牛5,293頭、計7,638頭の体型データを収集した。
また、今年度後期よりJRL事業によるフリーバーン・フリーストール牛舎においての歩様調査も実施された。こちらも途中経過ではあるが、184戸、1,168頭のデータを収集した。
牛群審査と体型調査の合計では、熊本県2,178頭のほか、岩手県1,751頭、群馬県1,355頭、栃木県1,186頭が1千頭を超えた・表審査頭数が多い酪農家(平成29年度都府県)
最多受検頭数
小岩井農場
審査頭数の最多牧場は、小岩井農場の208頭で平成23年度から7連覇を果たした。次いで家畜改良センター167頭、宮城県・半澤牧場98頭、群馬県・萩原牧場、鳥取県・西山友之牧場と続いた(表)。
・表平成29年度後期都府県における90点以上の雄牛(10月〜2月)
後期EX頭数
ホル214頭・ジャ3頭
平成29年度後期の都府県における審査でEXに評価された雌牛一覧を示した。なお、前期・後期を合わせた県別では、岩手県の38頭(昨年2位)が最も多く、次いで熊本県31頭、群馬県28頭、栃木県24頭と続き、過去最多の365頭となった。これは、EXと一度評価された優良牛が、再びEXと評価されたときに与えられる称号、E制度の影響も大きく、同点や減点されたEX牛(E制度対象牛)が55頭含まれている。産次を重ねても、なお素晴らしい体型を維持させている管理技術の高さが伺える。
29年度は前期後期含め95点1頭、94点1頭、93点3頭、92点21頭、91点52頭、90点28頭がEXと評価された。
6産してもなお素晴らしい体型を維持し、1点追加され95点と評価された群馬県・遠坂和仁さんのフアインリコダツチ(都府県最高得点4頭目)、94点は兵庫県内となるOFJシンジケートの「ロクシーリターナ」(5産)、93点は群馬県・長坂仁司さんの「イグニターアイオーン」(5産)。
また、後期で初EXが誕生した牧場は、ホル種は青森県・斗米伸也氏、宮城県・野村泰仁氏、群馬県・富沢裕敏氏、岡山県・(有)佐賀牧場、長崎県・山中幸太郎氏、鹿児島県・工藤雅彦氏でした。長年に渡り続けてきた努力が改良の成果として現れたもので、今後の更なる活躍を期待したい。


平成30年03月20日トップはSWナイアグラ

~2018.2月国内種雄牛評価~
家畜改良センターは2月27日、乳用種雄牛評価成績2018―2月を公表した。今回の評価成績では精液供給可能種雄牛は66頭で、新規種雄牛は総合指数(NTP)上位40頭に5頭が入った。ここでは、国内のホルスタイン雌牛集団を効率良く遺伝的改良するための指標であるNTPトップ40について、その概要を紹介する。
NTP1位は
SWナイアグラ
今回のNTPトップはウインザーマナーSWナイアグラETで、父ナイアグラと母方祖父(MGS)プラネツトから生産された。SWナイアグラは1年半前に1位初登場して、その後2位・2位からのトップ返り咲きとなった。乳代効果、産乳成分、乳量、乳蛋白質量、無脂固形分量は1位、乳脂量2位、長命連産効果7位と産乳能力の改良には期待が持てる。
2位のテイーユーレデイスマナージヨージアは父ビーコンとMGSアーニツトから生産された。ジヨージアは2期連続1位から順位を1つ下げた。泌乳関係の改良には有効で、表より産乳成分が2位、乳蛋白質量3位、乳脂量6位、乳代効果9位、乳量10位のほか、体型でも肢蹄が5位に入っている。
3位のサンワードスーパーエモーシヨンETはスーパー×バクスターの交配からで、15年8月に1位初登場してから常に上位をキープしている。長命連産効果は初登場から6期連続の1位である。また、無脂固形分量は3位、乳代効果4位、産乳成分5位、乳量・乳蛋白質量7位、乳脂量10位、乳成分率も全てプラスと優れた泌乳能力を備えた種雄牛である。・表乳用種雄牛評価成績2018‐2月(供給可能・国内種雄牛NTPトップ40)
長命連産効果は
6期連続エモーション
形質別では、エモーションが長命連産効果で6期連続トップ(NTP3位)となった。2位にはモーニングビユーSHTLソクラテスET(同20位)、3位にテイーユーフエイスフアツトボーイ(同10位)が入った。
産乳成分は4期連続
SWナイアグラ
産乳成分はSWナイアグラが初登場から4期連続の1位(同1位)となった。2位には3期連続でジヨージア(同2位)が入った。
耐久性成分を見ると、1位リバーサイドグレイブET(同28位)は3期連続、2位グランデイールバズスーパーマーレン(同31位)は新規牛、3位にはELヴエイルドヒル(同35位)となった。
疾病繁殖成分はグリーンバレースーパーマンデイーET(同38位)がトップを獲った。
5頭の新規選抜牛
今回は、NTPトップ40に新規種雄牛が5頭選抜された。その中で最高位は8位のミツキーデールアリースーダンETで、スーダン×プラネツトからの交配で、乳脂量は断トツの1位、産乳成分6位で優れた泌乳能力を備えている。
9位にはメモリーチヤームモーニングETが入り、肢蹄が2位、疾病繁殖成分9位と、平均的な改良ができる。
17位のMFDウエルカムスフイーダETは疾病繁殖成分7位、乳器8位、長命連産効果10位で乳質改善に貢献。
その他は、31位のマーレン、33位サクランドゴールドプランヒラリーンである。
父は2期連続 スーダン
NTP40を父牛別に見ると、スーダンが2期連続8頭で連続1位、ナイアグラが4頭であった。息子牛3頭はビーコンとスーパー、ブツケム、プラネツトであった。

平成30年03月20日全国ホルスタイン改良協議会 第39回通常総会
全国ホルスタイン改良協議会(岡嶋建一郎会長)は2月23日、家畜改良事業団会議室において第39回通常総会を開き、前年度事業報告収支決算報告、平成30年度事業計画案及び収支予算案について協議し、全て原案どおり可決承認された。
事業報告では、山形県でジャジング・スクールを開催し、一般参加者・ジャッジマン候補者・認定ジャッジマン並びに地元関係者を含め、総勢152名が参加したことが報告された。
本年度事業計画では、協議会最大の行事である第9回全日本ブラックアンドホワイトショウを2018セントラルジャパンホルスタインショウとの共催で、4月13~14日に静岡県「御殿場市馬術・スポーツセンター」で開催するため準備を進めていること、ジャジング・スクールを岡山県で開催する予定で、地域の特色としてジャージー種の見方や、今後の牛の改良についてのパネルディスカッションの開催などを模索していることが報告された。
認定ジャッジマン2名
全国ホルスタイン改良協議会の認定ジャッジマンは、松原秀雄氏(北海道)、木村連太朗氏(大分県酪農業協同組合)の2名を加え、現在56名となった。全国の共進会やB&Wでの活躍に期待したい。
第9回全日本BWショウ
このショウは全国40都道府県にわたる会員傘下の酪農家が飼養する代表牛を一堂に集め、その体型や資質の改良水準を比較・検討し、今後の改良指針に資するとともに酪農業の更なる発展と酪農家相互の親睦と交流を図ることを目的として概ね5年に1度開催している。
今回は会場等の都合により、長い歴史とともに毎年開催しているセントラルジャパン ホルスタインショウ(旧中部日本B&Wショウ)との共催により開催する運びとなり、全国35都道府県から約209頭の出品牛が集合する予定である。
4月13日(金)の1日目は10時30分開会宣言の後、未経産牛の部の審査、リードマン講習会、リードマンコンテスト、交歓パーティー、オークションと多彩な行事が行われ、2日目8時30分から経産牛の審査、昼にはグランドチャンピオンが決定される。全国のトップクラスの優秀雌牛が一堂に集まる醍醐味を堪能頂きたい。 ・詳細サイトはこちら
酪農講演会
通常総会に合わせ(一社)家畜改良事業団の情報分析センターの橋口昌弘電算課長を講師に招き「牛群検定と新たなツール(ポケカウ等)」と題した酪農講演会が開催された。PCで利用する繁殖台帳Webシステムの使い方やグラフの見方、更にはスマートフォンで使うポケカウの紹介など、出席された酪農家にとって身近で、直ぐに使える講演内容であった。

平成30年03月20日日本記録更新五味英介さん(長野県)・石川和博さん(静岡県)・鈴木進さん(北海道) ~29年年型別高記録牛~
平成29年1~12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
今回は五味英介さん(長野県富士見町)所有牛、石川和博さん(静岡県函南町)所有牛、鈴木進さん(北海道芽室町)所有者がそれぞれ2部門、計6部門で日本記録を更新する素晴らしい成績となった(表の名号の前に*印で表示)。表中、全年型を通じての最高乳量は、鈴木進さん所有の「エンブレムKカカーマリア」で、成年型365日で乳量2万5836㎏、乳脂量948㎏、乳脂率3.7%であった。
牧場別では、4年ぶりに鈴木進さん所有牛が最多の7部門でトップの成績を挙げている。
北海道勢が各部門で高記録を残す中、今回は都府県牛が奮闘し4部門で歴代記録を更新し10部門でトップとなる素晴らしい成績を納めた。
「メイベリン」と「スタンリー」
歴代記録更新
都府県牛で歴代記録を更新したのは五味英介さん所有の「エリツクフアームコーイスーパーサイアーメイベリン」が乳脂量2年型305日、365日の2部門で6年ぶりに日本記録を更新した。もう一頭は石川和博さん所有の「オークフイールドスタンリーエレガンス」で乳脂量3.5年型305日、365日の2部門で祖母「スカイチーフ」の記録を11年振りに更新した。
乳量では、3年型で矢内孝久さん(群馬県)所有の「テイーユーレデイスマナージヤンパーET」が305日と365日でトップを記録した。これらの記録は305日が都府県歴代記録、365日が同2位と素晴らしい記録である。
乳脂量では、3年型305日と365日で石川和博さん所有の「MSアツトウツドSチヤシテイBET」、4.5年型305日で(独)家畜改良センター(福島県)所有牛「REジヨイアレクRマイカ」、成年型305日で吉原直樹さん(岡山県)所有牛「グランデイールスーパーピノチヤントET」が1位となる素晴らしい記録となった。
この他にも都府県牛が各部門で上位となる好成績を残している。
今後の行事
日本ホル協
◇第289回理事会
3月23日、日ホ会議室
◇第9回全日本BWショウ(全国ホル改良協議会主催)
4月13~14日、静岡県御殿場市内
◇第15全共実務者会議
4月17日、宮崎市内
◇第15全共幹事会
4月24日、宮崎市内
◇第15全共実行委員会総会
5月16日、宮崎市内
◇平成29年度決算監査会
5月23日、日ホ会議室
◇第290回理事会
6月1日、日ホ会議室
◇第291回理事会
6月15日、東京都、中野サンプラザ会議室
◇第68回通常総会
6月15日、東京都、中野サンプラザ会議室
◇第292回理事会
6月15日、東京都、中野サンプラザ会議室
◇地区別登録委員研修会・夏期登録事務担当者会議=7月下旬~8月上旬予定
◎東北地区=宮城県
◎関東地区=東京都、日ホ会議室(事務担当者会議のみ)
◎中部・北陸地区=石川県
◎近畿地区=和歌山県
◎中国・四国地区=徳島県
◎九州地区=沖縄県
◇体型審査ワークショップ
9月10~13日、英国
◇中央審査研究会
9月17~21日予定、北海道江別市、酪農学園大学
◇支部・承認団体登録事務取扱者研修会
9月(予定)、日ホ会議室
◇ジャジング・スクール(全国ホル改良協議会主催)
11月1~2日、岡山県真庭市(久世家畜市場)

平成30年03月20日審査日程 ~平成30年4月~7月~
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