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平成18年5月20日


平成18年5月20日
「日ジャ協通常総会開く」
日本ジャージー登録協会(長綱元昭会長)は5月15日、東京都内で第50回通常総会を開き、平成17年度事業報告と同収支決算、18年度事業計画案と同収支予算案について協議し、可決承認された。17年度は栃木県で第4回全日本ジャージー共進会を盛大に開催した。また、血統登録では特に、北海道や岡山県で自動登録の推進などによって前年度対比162%と大幅な増加となったほか、会員数も大きく伸びた。
血統登録、会員数が大幅増
第50回通常総会では、第1号議案(平成17年度事業報告、同収支決算報告並びに剰余金処分案)、第2号議案(18年度事業計画案、同収支予算案)を協議し、原案どおり可決承認された。
17年度の日ジャ協の会員数は266名で前年に比べて191%の増加となった。
登録実施状況では、雌牛血統登録申込みが1331頭で前年度対比162%と大幅に増加した。これは、特に北海道と岡山県が自動登録による登録推進を行ったもので、同時に会員数の大幅な拡大にもつながった。このほか、移動証明90件、審査137頭など。
また、昨年11月には栃木県で第4回全日本ジャージー共進会をホルスタイン全共と併催し、12道県から60頭が出品して、わが国ジャージー種の遺伝的改良の成果を展示するとともに、牛乳消費拡大の普及宣伝を行った。
昨年度から改正された登録規程では、証明書に「血統濃度」を表示することになったが、これに関連して登録済雌牛や輸入精液による海外種雄牛などの血縁データを収集・整理した。この血縁データは、家畜改良センターに逐次提供しており、ジャージー種の遺伝評価値の計算にも利用されている。
18年度事業計画では、引き続きジャージー種の登録業務とその推進を行うとともに、全国ジャージー酪農振興協議会(佐藤清圓委員長)が実施計画中のジャージー種雄牛造成事業への協力、ジャージー研修会の開催、平成22年に北海道で開催する第13回ホルスタイン全共に向けて、次回ジャージー全共の併催を要請することとした。
平成18年5月20日
「4回連続トップタイタニック強し!」

~2006-5月乳用牛評価成績~
家畜改良センターから5月8日、2006年5月の乳用牛評価成績が発表された。
今回、公表された国内の精液供給可能種雄牛は78頭で、総合指数(NTP)ではキャローゼルアスタイタニックETが4回連続トップの地位を堅守した。
別表には、国内の精液供給可能種雄牛のうちNTPトップ40頭を示している。
今回トップのタイタニックは03年8月評価でNTP2位に初登場した後、04年2月から4回連続トップを続けた。05年2月評価では2位に甘んじたが、05年8月から再び1位に返り咲き、今回も国内種雄牛で唯一NTP+2000を超えている。父コーキー×母方祖父ルークの血統で、乳成分量と乳器の改良が期待できる。ただ、CVM(牛複合脊椎形成不全症)因子を持っているので交配には留意したい。
2位は前回初登場したアルフォンゾで、前回よりNTPで33ポイント、乳量で111㌔上昇した。乳代効果や乳量などで高い評価を得ている。
3位は前回4位のトップ・ドリームで、乳代効果、乳量、無脂固形分(SNF)量では1位にランクされる。4位は前回5位のドミトリー、5位には前回7位のライトニング。ライトニングは乳蛋白質量1位で、この2頭はともにランツの息牛である。
6位のペイトリアークは前回48位から大躍進している。前回から今回にかけてセカンドクロップによる娘牛頭数が乳量記録で約500頭、体型記録で約200頭増加して信頼度を高めている。各形質の推定育種価(EBV)でも大幅な上昇を遂げた。
今回NTPトップ40の中で新規に選抜された種雄牛は、16位のヘンカシーンスタードリームET、22位オービーケルビンET、26位ファーオーラBWMデキスターET、27位サリーRCAオーシャンETの4頭。デキスターは肢蹄で1位、スタードリームは乳成分量、オーシャンは乳成分率、ケルビンは肢蹄や乳器で上位に入っている。
なお、前記のほかの主な泌乳・体型形質別トップ種雄牛では、乳脂量・率がオーファン、SNF率と乳蛋白質率がジェファーソン、決定得点、乳器、外貌はジェスロ、乳用牛の特質と体積ではブラックボックス。
海外はオランダ種雄牛が上位に
海外種雄牛では、オランダ産種雄牛のデルタキャンパスが前回から2回連続でNTPトップになっている。2位マリオン、3位シャーキー、5位スタンブロ・マネー、6位ウイン395はそれぞれ前回と同順位で安定している。4位のライオネルと10位ロイ・マーチンはオランダ産で前回順位から大きく躍進した。
海外NTPトップ40の種雄牛の産地国別ではアメリカが27頭で他国を圧倒しているが、カナダが前回より3頭増の8頭、オランダは1頭増の5頭が登場しており、そのうち4頭がトップ10に名を連ねる勢いである。
表乳用種雄牛評価成績2006―5月(供給可能・国内種雄牛NTPトップ40)
順位略号種 雄 牛 名 号N T P乳代効果信頼乳量乳脂肪無脂固形分乳蛋白質決定得点肢蹄乳器父牛母方祖父牛
度%kgkgkgkg
1JP3H51676キヤロ-ゼルアス タイタニツク ETCV2,052119,150851,412600.081320.10500.061.12-0.561.47コーキールーク
2JP3H52485ゴ-ルデンオ-クス アルフオンゾ ET1,975139,221831,85851-0.19158-0.0454-0.050.50-0.210.94アジソンパトロン
3JP3H52078ヘンカシ-ン トツプ ドリ-ム ET1,807158,968812,34543-0.44179-0.2553-0.200.40-0.190.63テスク テリーメイソン
4JP3H52304レ-ガンクレスト ランツ ドミトリ- ET1,799108,307831,50825-0.341330.02500.021.250.521.04ランツベルウード
5JP5H52253スプリングヒルオ- ライトニング ET1,773120,139791,59244-0.17137-0.01550.050.33-0.120.11ランツセルシアス
6JP4H51368ハツピ-クロス ペイトリア-ク ET1,771130,667981,85750-0.20137-0.2549-0.100.820.230.83パトロンマスコツト
7JP3H52178スプリングヒルオ- サイクロン ET1,767112,808821,39747-0.051300.09540.11-0.09-0.470.38ランツセルシアス
8JP3H52254レ-ガンクレストBE ランツ デニス ET1,75981,60786902430.10940.18480.220.870.300.49ランツフアタ-ル
9JP3H51821ノリ-レ-ク マ-テイ フロスト ET1,745103,356901,36142-0.10115-0.0437-0.070.910.761.26マーテイエルトン
10JP3H52371HHG ホツトシヨツト ET1,738112,943851,59146-0.14117-0.2340-0.111.180.850.91ウインチエスタールーク
11JP5H51940アルタジエン マンフレツド ノマド ET1,716103,219891,40126-0.291280.0644-0.011.200.881.28マンフレツドルーク
12P5946タイデイブルツク ジエフア-ソン ET1,66584,34799923390.051030.26510.250.290.480.21ジヤボツトエルトン
13JP3H03479ロイレ-ン ジエスロ ET1,62584,159991,15033-0.1191-0.1028-0.101.970.822.01ジユラ-エアロスター
14JP4H52353ミスタ- サリ- オリ-1,62298,350811,23436-0.111170.11430.051.000.950.79エマ-ソンフアタ-ル
15JP3H51825テスクホ-ム マ-テイ トレビノ ET1,621121,422841,75334-0.33138-0.1544-0.121.000.520.84マーテイマンデル
16NJP5H52225ヘンカシ-ン スタ- ドリ-ム ET1,612128,178721,68950-0.14144-0.03540.00-0.260.20-0.47ヘラルドメイソン
17JP3H52276サンデイバレ- ビツグ ガイ ET1,59496,979811,28531-0.191160.0435-0.061.320.441.16アーロンマテイー ジー
18JP4H09214ロイアルオ-ク ダ-ラ セルシオ ETCV1,56275,5469891327-0.08930.16410.140.800.411.12サンドマスコツト
19JP5H51766リプルリツジ ウイン オ-フアン ETCV1,56193,396871,105680.3083-0.1532-0.040.860.700.74ウインチエスタールーク
20JP3H52282バンマ-ク エマ-ソン アブナ- ET1,55388,922851,24732-0.1697-0.1338-0.020.900.721.11エマ-ソンウインチエスター
21JP3H51853サンデイバレ- バレツト ET1,551106,562861,38333-0.201300.10440.011.01-0.260.70アメルベルウード
22NJP3H52611オ-ビ- ケルビン ET1,549118,803731,85326-0.45133-0.3034-0.251.640.911.59BWマーシヤルフオーメーシヨン
23JP5H51805RCA アルカデイア1,51786,207821,095470.0687-0.09410.070.240.390.54ウインチエスターセルシアス
24JP5H51351テスクホ-ム デユランゴ ET1,506135,185951,91542-0.31153-0.1449-0.120.000.010.19ダスタ-オスカ-
25JP4H52216アイリツチ ランパパ プリオツチ ET1,498126,186841,73637-0.30150-0.0244-0.120.19-0.020.28ランツベルウード
26NJP5H52624フア-オ-ラ BWM デキスタ- ET1,45471,482691,01614-0.28900.0129-0.031.641.281.67BWマーシヤルパトロン
27NJP4H52558サリ- RCA オ-シヤン ET1,44276,449711,02116-0.261000.12400.081.060.230.97マーシヤルマンフレツド
28JP3H51870オ-ルドタウン ウインチエスタ- バロン ET1,433107,137861,358610.11105-0.1433-0.110.680.390.47ウインチエスタールーク
29JP5H52089マラソン ホクト ベテイ ロ-マン ET1,431120,752821,76430-0.38140-0.1441-0.160.590.260.26ア-ロンベルウード
30JP3H52302デイリゴ ジヤロツド ET1,410111,921801,432650.12109-0.1830-0.161.060.090.61コンビンサ-ベルウード
31JP4H51555デイクシ-リ- クレイタス コ-キ- ブリザ-ド ETCV1,38699,300881,42624-0.32118-0.0739-0.070.59-0.510.61コーキールーク
32JP5H52273ホイツテイアフア-ムス コンツア- ET1,382110,619751,69217-0.49133-0.1545-0.080.65-0.060.59アジソンエメリー
33JP3H52477グロ-ブズビユ- ランツ ダリアン ET1,38198,558801,52619-0.41114-0.2143-0.060.320.100.53ランツウインチエスター
34JP3H51968エメラルドエ-カブイア-ル カルビン ET1,367116,924861,59435-0.26138-0.0144-0.070.510.030.18マンフレツドエルトン
35JP3H52346ミルクアンドハニ- ア-ムブロ ET1,36098,935811,34235-0.17113-0.0541-0.010.77-0.180.26ランツベルウード
36JP4H52100ライブストツク ブルジヨア ET1,357132,850821,96036-0.38150-0.2252-0.10-0.53-0.55-0.59ランツルーテナント
37JP3H03521ウイルブラスト SA メダリオン ET1,347123,497991,83931-0.39140-0.2148-0.110.210.15-0.10パトロンベルマン
38JP3H52058レ-ガンクレストビ- ミツク ET1,322116,823881,68929-0.36137-0.1139-0.150.610.620.25マンフレツドエルトン
39JP3H52323ゴ-ルデンオ-クス アラン ET1,31571,5418299023-0.1682-0.05320.000.960.710.88ア-ロンパトロン
40JP5H52083レデイスマナ- ブラツク ボツクス ET1,30376,80084990400.0477-0.1021-0.121.840.761.27コンビンサ-リンデイ
平成18年5月20日
「ホルスタインの体型審査標準各国で見直しへ」
「体積」は日本だけ?~WHFFが4つの得点区分を勧告~
日本ホル協では、世界ホルスタイン・フリージアン連盟(WHFF)評議委員会の勧告を受けて、来年4月を目途に、現在、ホルスタイン種雌牛の審査標準改正の準備作業を行っている。
WHFFでは、インターブルによる種雄牛の国際間評価に関連して、泌乳能力は勿論、体型審査についても国際協調を基本として、得点形質や線形形質の統一化を進めてきた。隔年に開かれている世界審査委員ワークショップには、世界主要国から審査委員や統計専門家が出席して、審査眼の調整や体型形質の国際統一化を検討し、評議委員会に提案してきた。
評議委員会ではこれまでも、線形16形質の国際基準を定めて、これを各国でも採用するよう勧告してきた。さらに、昨年11月の会議では、各国で実施している体型審査の得点区分を「乳器」、「肢蹄」、「骨格」、「乳用(強健)性」の4区分にするよう勧告した。
表は、2004(平16)年11月現在の世界主要国におけるホルスタイン種の体型得点区分と配点である。表中、矢印で2つの数値を示しているのは、その前年3月時点から配点が変更されたもの。
「乳房」は、「配点を40点以上に」というWHFFの過去の勧告に基づいて、ほとんどの国が順守しており、フランスでは50点という高い配点が付与されている。
「肢蹄」は、過去の勧告で独立した区分になっており、多くの国では25点以上の配点になっている。カナダやスペイン、イタリア、スイス、イギリスでも最近の変更で肢蹄の配点を4~5点付加しているが、フランスや日本、アメリカではなお10~15点という低い配点になっている。
一方、「骨格」は国によって呼称や内容はまちまちであり、ここでは総称してこの項目にまとめている。多くの国では「骨格」の中に「尻」を含めているが、表中の7か国は「尻」を独立区分として5~10点の配点を置いている。
また、カナダは昨年、骨格と体積、乳用性を包含した「乳用強健性」に、イギリスは「骨格と乳用性」、アメリカは「前躯と体積」など、以前はそれぞれ独立した区分であったものを1つの区分に統合した国もある。
したがって、「骨格」の配点は国によってバラツキがあり、ベルギーと日本の15点が最小で、デンマークでは最大の40点となっている。
「乳用性」は表中の6か国を除いて多くの国で評価されている。カナダやイギリスでは近年の改正で「骨格」の中に乳用性を包含している。また、数か国では以前よりも低い配点になっており、全体では10~15点の範囲に収まっている。その中で日本とアメリカだけが以前と同じ20点を保っている。
「体積」は、多くの国で「骨格」の中に包含しており、イタリアやアメリカでも近年の改正でこの区分を廃止し、「骨格」や「尻」に配分している。したがって現在、「体積」を独立区分としているのは日本だけである。
世界主要国の得点区分と配点を、重要度の大きい順に並べると「乳房」、「肢蹄」、「骨格」、「乳用性」ということになりそうである。これらを参考にして、審査標準の見直し作業を進めることになるだろう。
表世界主要国の審査得点区分と配点(2004.11現在)
国名乳房肢 蹄骨 格乳用性体積
オーストリア40252015
ベルギー4025151010
カナダ4020→2518→251012→0
チ ェ コ40202515
デンマーク352540
スペイン4016→2020→2510→014→15
フィンランド402535
フランス50103010
ドイツ40252015
ハンガリー40252015
アイルランド4025151010
イタリア4015→2015→2520→1510→0
日本4015152010
オランダ403030→200→10
ルクセンブルグ40252015
スウェーデン403030
スイス4020→2520→251010
イギリス4020→2520→250→1020→0
アメリカ401515→200→52010→0
注: →のある数値は、2003年3月時点から’04年11月で配点が変更されたもの。
来月15日に日ホ協総会

日本ホルスタイン登録協会は6月15日午後、東京都千代田区平河町の全国都市会館で第56回通常総会を開催する。
主な議題は、平成17年度事業報告と同収支決算報告、平成18年度事業計画案と同収支予算案、定款の改正など。また、任期満了に伴う役員改選を行う。