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平成13年7月20日


平成13年7月20日
「日本ホル協第51回通常総会開く」

順調に推移した各種登録~専務理事に川村良平氏を選任~
(社)日本ホルスタイン登録協会(高島照治会長)は、去る6月19日、東京都千代田区平河町の全国都市会館において第51回通常総会を開催し、平成12年度事業報告・同決算報告、13年度事業計画・同予算の各議案を審議し、全て原案どおり承認・可決した。また、役員の補欠選任を行ない、専務理事に川村良平氏(東京都)を、理事に鳥井章司氏(兵庫県)を補欠選任した。
個体識別事業に全力を
冒頭、高島会長は挨拶で、昨年はこの経済の低迷する中で、酪農においては口蹄疫も発生した。一時は、日本ホル協主催の全国共進会の開催が危ぶまれる状況になったが、皆様のご協力と国の手際よい対処により、無事に開催されたことは、日本ホル協にとって、また全国の酪農家にとって大変喜ばしいことであった。また、酪農家戸数、生乳生産量とも減るという状況の下、登録事業の停滞も心配されたが、この全共開催により生産者の意欲が奮起されたことと皆様のご協力が相まって登録件数も増え、全ての事業も概ね順調に推移できたことは、この上なく有り難いことと感謝する次第である。また、個体識別については、各地のご努力にもかかわらず、特に都府県において遅々として進まず、今後どうなるのかといった心配してたが、13年度から和牛を組み込んだ形で新たな事業が仕組まれることになり、大変喜ばしく思っている。昨日農林水産省において、本日ご出席の田原課長ご自身から細部にわたりご説明いただいたが、正に時宜を得た適切なご配慮であると、心から感謝申し上げる次第である。また、同時に、この問題は、わが国をはじめ世界の乳牛、肉牛の改良あるいは防疫の観点から、一日も早く達成しなければならないことと痛感している。これを機会に一層皆様と共にこの問題解決に全力を上げて取り組んでまいりたい。そして、わが国の畜産はまさに厳しい情勢にあるが、それを乗り越え国民の食生活の安全そして向上という観点からも、国内の畜産を終わらせてはならないと痛感する次第で、皆様の一層のご協力とご奮起を心からお願い致したいと結んだ。
次に、来賓として、農林水産省小林秀雄生産局長(田原高文畜産技術課長代読)、(社)家畜改良事業団浅野九郎治理事長、(社)全国酪農協会神原則夫会長、全国農業会議所檜垣徳太郎会長(日本ホル協顧問)の挨拶が行われた。
その後、定款の定めるところにより、出席社員の中から議長として高島会長が選出され、また、議事録署名人に遠藤芳助(福島県)、石倉朝太郎(山梨県)の両氏を選出して議事に入った。
血統申込み3.2%増
まず、第1号議案の平成12年度事業報告では、平成12年度に実施した主な事業として、第11回全日本ホルスタイン共進会の開催、「家畜個体識別システム研究開発事業」の実施、「乳用牛生涯生産性向上技術開発事業」の実施、登録審議会の開催等についての報告、そして、庶務並びに業務に関する事項、業務に関する事項、並びにジャージー種の登録事務受託に関する事項についてそれぞれ報告が行われた。
第11回全共は、11月2~5日の4日間、岡山県灘崎町において第3回全日本ジャージー共進会とともに開催し、国の内外から66万人の参観者を集めて盛会裡に幕を閉じたことが、また「家畜個体識別システム研究開発事業」は、都府県では、昨年から実施の秋田県に加えて、愛知(渥美農協管内)、沖縄、愛媛(東宇和農協管内)、熊本の各県において、北海道では13農協においてそれぞれ実施され、約12万頭に耳標が装着された旨の報告がなされた。
次に、主業務である登録関係の実績については、会員数が21,401人と前年度比で4.5%の減少を見たものの、血統登録申込件数は15万6,624件で前年度対比で3.2%の増、移動証明申込件数が2万7,814件で5.6%増、体型審査の申し込み頭数も22,346頭で同じく3.8%の増、検定成績証明申込件数8万0,003件で6.5%増となるなど、殆どの部門で僅かながらも前年度を上回る実績を残し、一昨年度の全体的な減少に歯止めがかかり、回復の兆しが窺える。
次に、第2号議案平成12度収支決算報告が行われ、引き続いて行われた決算監査報告では、「酪農をめぐる厳しい情勢のなか、諸般にわたる合理化を推進され、前年度実績を上回る決算となったことを高く評価するとともに、第11回全共の開催に際しては、役職員1丸となり成功裡に終始できたことに対し、衷心よりお礼申し上げる」との発言があった。
第1号議案・第2号議案について議場に一括上程され、原案をもって異議なく承認可決された。
次に、第3号議案として、家畜個体識別システム研究開発事業、登録規程等の改正、乳用牛生涯生産性向上技術開発事業などを重点事業として実施するとともに血統登録を柱とする通常事業を行うとする平成13年度事業計画、そして第4号議案として平成13年度収支予算が一括上程され、原案どおり承認された。
鳥井氏を理事に選任
続いて、第5号議案として役員の補欠選任が行われた。これは、豊田晋専務理事、近畿地区選出の船越章雄理事の両名から役員辞任の申し出があったために行われたもので、役員候補者として専務理事に川村良平氏、理事に鳥井章司氏の両名が議場に上程され、異議なく承認可決された。
川村氏は、平成2年に農林水産省福島種畜牧場長を辞職後、(社)日本乳製品協会常務理事、(社)日本乳業協会専務理事を歴任。
また、鳥井章司氏は現在兵庫県酪農農業協同組合連合会副会長の職にある。
新旧専務理事のご挨拶
「新分野に挑戦する覚悟で」
(社)日本ホルスタイン登録協会専務理事川村 良平
(社)日本ホルスタイン登録協会第51回通常総会において、豊田晋専務理事の辞任に伴う補欠選任により、専務理事に選任されました。
当協会が基幹の事業とする「ホルスタインの登録」の意義については、以前に従事しておりました業務の関係から当然承知いたしている積りではおりましたが、十数年以前のことでありますし、その後の技術的進歩はもとより、著しい社会的、経済的変転の中で、既存の知見は凡そ役に立たないものと改めて自覚いたし、新たな分野に取り組む覚悟で専心努力いたす所存です。よろしくご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
先の総会において承認されました平成13年度事業計画において、重点事項として示されている家畜個体識別システム研究開発事業、登録規程等の改正、乳用牛生涯生産性向上技術研究開発事業については、早速、多くの関係者からいろいろなご教示、ご指示をいただきました。ここ1ヵ月の中での理解の程度では、意見を申し上げるのもおこがましいこととは存じますが、当協会の今後のあり方を示唆する重大なものを内蔵しているのではないかと感じております。
何れにせよ、わが国ホルスタイン種乳用牛の育種改良の基本分野に携わる責任の重大さを痛感いたしているところであります。
着任に当たり所感の一端を述べご挨拶とさせていただきます。
◇◇◇
{略歴} 昭和10年10月29日生(65歳)、34年3月北海道大学農学部卒業後、農林省入省、平成2年9月農水省福島種畜牧場長を辞職、同年10月(社)日本乳製品協会常務理事、12年3月(社)日本乳業協会専務理事
「変化に富んだ11年でした」
豊田晋
(社)日本ホルスタイン登録協会の第51回総会で専務理事を退任致しました。
振り返りますと、平成2年6月の就任から丁度11年になりましたが、非常に変化に富んだ期間でした。
この間、日本ホル協の一大行事である全共を、熊本、千葉、岡山と3回経験することができました。特に、岡山全共は口蹄疫が発生し、開催が危ぶまれる事態となりましたが、口蹄疫も終息し、また関係者のご協力により無事開催でき、誠に幸運でありました。
また、国際的行事といたしましては、世界ホルスタイン・フリージァン会議がありました。平成8年9月札幌において、アジア地域では初めて、内外から800名の参加を得て盛会裏に開催することができ、大変有意義なことでした。
平成9年からは、個体識別事業が開始され、わが国において初めてのこの事業に、日本ホル協は一体となって取り組むということで、10年3月には事務所も現在の京橋に移転致しました。さらに、10年には協会創立50周年記念行事の実施、12年の定款改正、3回にわたる規程改正等、誠に激動の11年間でアッという間に過ぎた気が致します。この間、会長の強力なご指導、役職員の皆様のご支援、ご協力により、大過なく過ごすことができましたことを厚くお礼申し上げる次第であります。
日本全体が改革のときといわれ、協会も今後いろいろ改革が迫られることもありましょうが、21世紀の新しい時代は新しい考え方で対応してやっていただきたいと考える次第です。
最後に、日本ホル協の今後益々のご発展と、皆様方のご健勝、ご多幸を祈念いたしましてお礼の言葉にさせて頂きます。
平成13年7月20日
「平成12年度表彰登録委員の方々」
-記念品贈呈要領による-
日本ホル協では、平成12年度に血統登録や基礎登録の推進に貢献のあった29県の100名の登録委員に対して感謝状と記念品を贈呈した。
これは、「登録委員に対する記念品贈呈要領」に基づき各県の登録取扱団体(支部・承認団体)からの推薦によって毎年実施しているもの。
登録委員は、日本ホル協が委嘱し、農家の庭先などで登録のための斑紋取りや申込書作成などのお世話いただいている方々で、多くは(酪)農協等の職員や授精師など。現在の都府県における委嘱者数は約3,000名。
◇皆様ご苦労様でした◇
(敬称略、順不同)
(岩手県) 触沢美智男、阿部良二、菊池徳男、菅原剛、中居智幸
(宮城県) 荒川大、今野忠雄、長田康、佐々木好博
(福島県) 安田一彦、菅野利則、渡辺勝博、高野順
(茨城県) 永井悦子、小山賢二、仲野健作、仲野純夫、佐々木広徳
(栃木県) 百目鬼学、平井勉、後藤時夫、佐藤栄康、岡信也
(群馬県) 黒岩大志、岩崎謙介、深沢富雄、小林弘、大河原寿美夫
(千葉県) 池田敏夫、宮原賢一、高橋幸一、鶴見正雄、川名正之
(富山県) 川瀬辰貞
(山梨県) 原和慶
(長野県) 山下秋広、矢沢琢磨、尾崎一太郎、市岡英昭、赤羽秋平
(岐阜県) 小林孝弘、太田保雄
(静岡県) 明石和博、向山洋、田地川順二、木内哲博、桜井大輔
(愛知県) 宇佐美進、下村敏広、加藤雅宣、片山浩幸
(滋賀県) 富田文博
(京都府) 坂田芳昭
(兵庫県) 碇佳宏、山本忠己、藤野幸一、清水学、長谷敏和
(奈良県) 戸瀬信1一
(鳥取県) 坂本洋一
(島根県) 伊藤義夫、上村耕司、野々村稔秋
(岡山県) 畑哲次、奥山康恵、加藤匠、松本明、本城宏史
(広島県) 桜木茂夫 、隅屋寒三、蔵崎哲治、奥江浩司、富井政樹
(愛媛県) 池田弘喜、平岡正義、都田喜人、板野えい子、兵頭淳志
(福岡県) 重冨龍明、山下好、林国男、山下登、楢﨑道生
(長崎県) 永友守
(熊本県) 山崎誠二、清水栄宏、岩田数信、渡邊静、中村泰博
(大分県) 末田潤、小野秀志、託摩克彦
(宮崎県) 黒木秀一、楠田義文
(鹿児島県) 内山祐二、中目忠雄、溝口剛、鎌田敏久、水口一幸
(沖縄県) 赤嶺雅敏
=以上100名=
平成13年7月20日
「今年は8団体に」

-地域の登録振興をバックアップ-
日本ホル協では、登録振興に対する貢献度が高いと認められる市町村関係団体に対し、登録振興の感謝状贈呈要領に基づき、記念品を添えて感謝状を贈呈した。これも、各県の登録取扱団体(支部・承認団体)からの推薦により行われるもの。
<感謝状贈呈団体>
☆岩手中央酪農業協同組合(岩手県)
☆美野里酪農業協同組合(茨城県)
☆愛知県酪農農業協同組合渥美支所(愛知県)
☆兵庫丹那酪農農業協同組合(兵庫県)
☆旭東酪農業協同組合(岡山県)
☆東宇和農業協同組合(愛媛県)
☆託麻原酪農組合(熊本県)
☆鹿児島県酪農業協同組合栗野支所(鹿児島県)