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機関誌

機関誌内容一覧

平成21年8月20日


平成21年8月20日
~2009-Ⅱ乳用種雄牛評価成績~
「1位トレジャー(新規)・2位ユース」

~トップ40に新規13頭登場~
8月4日、家畜改良センターから2009―Ⅱの乳用種雄牛評価成績が公表された。精液供給可能種雄牛のうち、総合指数(NTP)トップは新規選抜のスミックランドフリートレジャーが入り、4回連続トップとなっていたNLBCマーシャリーズユースETが2位となった。3位にも新規選抜されたNLBCシャマールトラクションETが入った。2位・3位並びに12位の3頭は、家畜改良センターが「乳用牛育種改良プログラム」によって生産した種雄牛である。このほか、新規選抜種雄牛では9位ハイデン、15位モンブランなどNTPトップ40に13頭と多く選抜された。また、サリーオリーは、17年5月に新規選抜されて以来、常にトップ40に入る好成績で、今回ベスト10以内に返り咲いた。
「産乳成分」「体型成分」公表
別表には今回評価成績が公表された精液供給可能な国内種雄牛80頭のうち、NTPトップ40の種雄牛を示している。略号の前のNは新規選抜種雄牛で、信頼度%は乳量の信頼度。評価値はすべて推定育種価(EBV)で表示している。
今回は、前回まで4連続トップの「ユース」を押さえ、新規選抜された「トレジャー」がNTP+2345でトップを飾った。エアロスターの息子フリーランス×母方祖父BWマーシャルの組み合わせで、乳脂量2位、乳脂率7位、体型でも肢蹄9位、乳器1位、決定得点4位と乳脂肪と体型、特に乳器の改良に高い評価を得ている。
2位の「ユース」は平成19年8月に2位で新規選抜以来2位3回、1位4回と安定した好成績を収め、無脂固形分量5位、乳蛋白質量2位、乳代効果7位、肢蹄7位と乳成分量と肢蹄の改良に期待できる。
3位には新規選抜された「トラクション」が入り、マティージーの息子シャムロック×母方祖父ガーターの組み合わせで、乳量と乳成分量で高く評価され、乳量2位、乳脂量3位、無脂固形分量1位、乳蛋白質量1位、乳代効果1位に輝いた。
前回2位から4位となった「ラウンドアップ」は乳脂量・乳脂率ともに1位に入り、6位の「カーティス」は乳量5位に加え、体貌と骨格1位、乳用強健性1位と体型の改良にも期待できる。9位の新規選抜「ハイデン」は乳脂率5位、肢蹄1位、乳用強健性5位、乳器7位、決定得点3位と乳脂率と体型の改良に優れている。
また、5位には平成17年5月に新規選抜され、4年間16回の公表で常に23位内に入っていた「サリーオリー」がベスト10に返り咲き、7位の「ノマド」は平成16年8月以来19回の公表のでベスト10には12回選抜され、安定的な好成績を残している。
今回トップ40には、新規選抜種雄牛が13頭登場している。1位「トレジャー」、3位「トラクション」、9位「ハイデン」のほか、15位「モンブラン」は乳量(1位)と乳代効果(2位)に優れ、18位「ギャラクシィ」と19位「ファイター」は体型全般、20位の「マック」は肢蹄(8位)、24位「ドレッサー」は乳脂率(3位)、乳器(4位)、25位「ジャスティ」は乳量(4位)、肢蹄(5位)、32位の「ビュー」は肢蹄(2位)、34位の「ネオ」も肢蹄(10位)、35位の「ダルビッシュ」は乳器(6位)、37位の「サディー」は乳脂率(3位)、無脂固形分率(2位)、乳蛋白質率(2位)で高い評価を得ている。
泌乳能力と体型をバランス良く改良するために、乳成分率を下げずに、乳量・乳成分量と長命連産性の改良量が最大となるように総合指数(NTP)が開発され、平成8年から公表された。
総合指数は「産乳成分」と「体型成分」から構成されており、これまでこれらの値は公表されていなかったが、酪農関係者の皆さんが交配種雄牛の選定等に活用できるように今回の評価から公表することとなった。
なお、総合指数は「4.5×産乳成分+1.5×体型成分」により計算できるが、公表される総合指数、産乳成分及び体型成分の値は小数点以下を四捨五入しているため、公表値から総合指数を求めても一致しない場合がある。

平成21年8月20日
「赤白斑が近年増加!?」

~蘭・加など赤白斑種雄牛利用で~
最近、酪農家の牛舎で赤白斑のホルスタインを見かける機会が増えた。多くは能力とは関係なく、「可愛い」や「赤白で綺麗」という理由で、意識的に海外の赤白斑種雄牛を交配しているようだ。
しかしながら、黒白斑が赤白斑に対して遺伝的に優性であるため、赤白斑はそう簡単には生まれないことは周知である。
赤白斑のルーツは、ホルスタインの改良の過程で、肉質向上の目的でショートホーンを交配したために、赤毛遺伝子が混入して、稀に赤白斑が生まれるようになったと言われる。
「レッド」の登録 開始から30年
日本での赤白斑ホルスタインの登録は、昭和53年に、それまでは黒白斑のみに限定していたホルスタイン登録の毛色条件を緩和して、雌牛の赤白斑と異常斑紋を名号の末尾にそれぞれ「RED」、「OC」を付して登録できるようにした。開始当時は、年間1100頭を超える赤白斑登録があったが、その後は年々減少し、平成5年には年間300頭以下に落ち込んだ。しかし、12年以降は再び増え始めて、17年には1100頭台、19年は1300頭を超える勢いとなっている。
また、平成12年1月から19年12月末までの最近9年間に生まれた血統登録雌牛は176万7610頭を数える。このうち赤白斑として登録されたものは8809頭で登録全体のわずか0・5%であったが、これら赤白斑雌牛の父として登場した種雄牛は321頭で、関係種雄牛全体の6・5%を占めている。
表には、最近9年間で赤白斑娘牛を多く登録した種雄牛のトップ20頭を示した。1位はオランダのレノREDで946頭の赤白斑娘牛を登録している。2位のチューリップREDもオランダ産で505頭、以下、レッドマンRED(カナダ)、そしてアメリカのパーシアRED、アドベントREDなどが続いている。
日本の種雄牛では、11位のリートンが娘牛284頭で国内トップであり、合わせて赤白斑娘牛を最も多く登録した「黒白斑種雄牛」でもあった。黒白斑種雄牛では次いで、ルーベンス、レッドマーカー、セプテンバー・ストーム、カイト、カーネル、モーリン・ストーム、チャールズなどが40頭以上の赤白斑娘牛を登録している。
能力では黒白斑に劣る?
20世紀後半、ホルスタインの毛色と生産形質の間には遺伝的な関係がないことが判明し、赤白斑は黒白斑と同等の登録制度の中で繁栄してきた。
しかしながら、確率的に少ない赤白斑ホルスタインの中からエリート種雄牛や雌牛を選抜することは、黒白斑での選抜に比べてかなり不利であることは言うまでもない。実際に、カナディアン・デーリィ・ネットワーク(CDN)の調査でも、一般的に泌乳能力や体型、体細胞数スコア、LPI(生涯生産能力指数)などにおいて、赤白斑は黒白斑よりも劣勢であることを公表している。
補足として、赤白斑の中には生時は赤白斑であったものが、6日月齢を過ぎた頃には背線や耳先、鼻、頭頂などを残して黒色または黒褐色に変化するものがある。これは、遺伝的に赤白斑因子とは別の黒赤(BR)因子を保有し、それが発現するためといわれている。


平成21年8月20日
「ジャジング参加者募集」

~9月29・30日 長崎県で~
全国ホルスタイン改良協議会(森田一文会長)は、来る9月29、30日の両日、長崎県雲仙市の「小浜温泉伊勢屋旅館」並びに「JA全農長崎県南家畜市場」において、長崎県ホルスタイン改良同志会(中村隆馬会長)、長崎県酪農業協同組合連合会(山下俊忠会長)の協力の下、平成21年度ジャジング・スクールを開催する。
このスクールは、酪農家の「牛を見る目」を養成し、酪農経営の健全な発展と次代を担う後継者の育成を期することを目的に、同協議会が毎年開催しているもので、九州地区では5年前に熊本県で行っているが長崎県では初めての試みである。
スクールに参加できる対象者は、同協議会の会員に所属する酪農家並びにショウの審査に従事する技術者としているが、特に参加を希望する高校生・大学校生も対象となる。また、初めての参加者は一般受講者として、2回目以降の方はジャジマン候補者として区分され、講義の内容が異なる。さらに、今回は既に認定されたジャジマンも受講できることになった。
☆募集人員
80名程度。
☆研修日程
1日目は正午から受付け、13時から開講式で、一般受講者は審査標準等の講習。ジャジマン候補者は会場を移し序列付け3セットの研修。また、2日目は全員が家畜市場に移動し序列付け4セットの研修を行う予定。
☆会費(現地で徴収)
教材費等で1万円。
☆宿泊
長崎県雲仙市・小浜温泉伊勢屋旅館。宿泊料金は1泊2食と翌日弁当込みで1万4千円。
☆申込み
同協議会の各県会員団体を通じて協議会事務局に申込む。申込み締切日は平成21年8月28日。詳しくは事務局である日本ホル協(℡03‐3383‐2501)または本局トピックまで。

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