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機関誌

機関誌内容一覧

平成25年09月20日


平成25年09月20日「審査前年比33戸151頭増」 ~都府県25年度前期(4~8月)~
審査戸数・頭数ともに増加
25年度前期の都府県における牛群審査頭数は、関係各位のご尽力により昨年に引き続き増加傾向で終了することができました。
都府県の牛群審査・体型調査は5月から始まり、7月の下旬で前期の日程を終えました。牛群審査は412戸4,281頭、牛群奨励・個体審査は101戸352頭で、審査合計頭数は4,633頭となり、前年同期比で33戸、151頭の増加となりました。
また、本年度の後代検定材料娘牛とその同期牛の体型調査については、昨年度と同様に事業主体が各都道府県の畜産団体となり、調査頭数が各県に割り当てられました。集計では956戸の牛群検定農家を訪問し、初産泌乳中の後代検定材料娘牛1,701頭と同期牛4,697頭の合計6,398頭の体型データを収集しました。補助事業予算等で調査開始が例年より1ヶ月遅れましたが、計画頭数の減少と比べますと、前年同期比では戸数で49戸、頭数で513頭の減少に留まりました。

審査頭数1位岩手と熊本
都府県別の審査頭数では、岩手県533頭(5頭増)と熊本県533頭(50頭増)が同数で最も多く、これまで1位を独占してきた岩手県に今回はじめて熊本県が肩を並べる結果となりました。次いで群馬県371頭(51頭減)、千葉県289頭(49頭増)、栃木県283頭(27頭増)の順に続きます。体型審査にご協力いただいた都府県の酪農家並びに関係者のご尽力に感謝します。
体型調査頭数は審査と同様の傾向が見られますが、頭数の多い県としては熊本県880頭、岩手県468頭、栃木県403頭、群馬県387頭、鹿児島県374頭の順に続きます。
血統登録・牛群検定・後代検定、それぞれの事業は乳牛改良に必要不可欠な一体的なものであり、その成果である検定済種雄牛は、経済的波及効果は極めて大きいことを踏まえ、今後とも更なるご協力をお願いいたします。
25年度前期審査・調査1万1,031頭の平均得点は、81.47点で昨年と比較し、0.32ポイント上昇しました。また、初産の平均得点は79.7点でありました。
なお、審査・調査全体の得点分布及び初産の得点分布を図1・2に示しました。

平成25年09月20日「EX牛ホル126頭・ジャ5頭」 ~沖縄(高宮城さん)で初EX誕生~
EX過去最多126頭
前期都府県で審査得点90点以上(エクセレント=EX)に評価された雌牛を表に示しました。県別では、熊本県が19頭で最も多く、次いで岩手県15頭、岡山県14頭(うちジャージー種5頭)、群馬県11頭、栃木県9頭と続き、審査頭数の増加にともない30都府県で過去最多の126頭となりました。
種雄牛別では、昨年に引き続きゴールドウインの11頭が最も多く、次にロイの7頭、セプテンバー、バッカイの5頭と続き、61頭の種雄牛を数えます。
また、種雄牛に由来する母系でみると、最も多かったのはスノーNデニセスデリアに由来する種雄牛が11頭(今回EX娘牛25頭)で、代表牛にはダーハムやダンディー、ドレークなどが挙げられます。次に、ブレイデールジプシーグランドに由来する種雄牛が2頭(今回EX娘牛13頭)で、代表牛にはゴールドウイン、ファイナルカットが挙げられます。このほかにファーデルエアロスターベイビットに由来(EX娘牛11頭/種雄牛:ジェスロ、ロイ)、コムスターローリーシークに由来(EX娘牛7頭/種雄牛:リーダー、エルヒーローズ、ストーマティック、リヴェレスト)、ライスクレストビーウードブライアンに由来(EX娘牛6頭/種雄牛:ボルトン、バレット、ビッグガイ)、グレンドラモンドエアロフラワーに由来(EX娘牛6頭/種雄牛:セプテンバー、ブラックボックス)の順にそれぞれ続き、以上の6頭の母系だけで今回EX牛のうち全体の半数強となる54%を占める結果となりました。
一方で近年上昇傾向にある近交係数を鑑みても、改良の原点である血統登録の推進を宜しくお願いいたします。

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改良の成果
なお、今回は岡山県・吉原直樹さんが都府県で9頭目となる94点を獲得したほか、群馬県・(有)萩原牧場、長崎県・西田保弘さん、熊本県・衛藤彰一さん、大分県・重見宝弘さんの方々が、93点を獲得されました。日頃の改良努力と管理技術の高さに敬意を表します。
さらに、今回は次の方々で初のEXが誕生しました。岩手県・中村隆幸さん、栃木県・和泉正行さん、黒崎浩さん、埼玉県・島村充さん、東京都・野島為義さん、広島県・藤本卓さん、長崎県・西田保弘さん、熊本県・石井宏典さん、税木章さん、(有)大王牧場、大分県・(有)有富牧場、鹿児島県・柿元勇司さん、沖縄県・高宮城実一郎さん。
長年にわたり続けてきた努力が改良の成果として現れたもので、今後の更なるご活躍をご期待申し上げます。
EX牛の条件
ホルスタイン雌牛の審査で初めてEXに評価する場合は次の条件を全て満たすことが必要です。
  1. 3産以上で正常分娩している
  2. 305日検定の実乳量が9,000㌔以上である
  3. 泌乳中である
  4. けいれん肢がない
  5. 融合乳頭がない


平成25年09月20日「ゲノミック評価始動」 〜2つの補助事業構築〜
近年、海外の主要国で急速に普及・利用されている乳用牛ゲノミック遺伝評価だが、わが国でも今年度からゲノミック評価の精度向上、普及推進のため雌牛に関するSNP情報収集とその利用で、2つの補助事業が組まれるなど、いよいよ本格的なゲノミック情報の活用が始まる。
検査の申込方法等
日ホ協のSNP検査の要項を抜粋すると。
  1. 検査の種類
    1. 低密度チップ検査
    2. 50Kチップ検査
  2. 検査対象:次に掲げるホルスタイン種登録牛または登録申請中のもの。
    1. 雄牛は乳用種雄牛後代検定事業に加入。
    2. 雌牛は牛群検定に加入。ただし、未経産牛及び初産牛にあっては、初産分娩後365日以内の検定期間中に体型審査を受けるものとする。
  3. 申込
    1. 検査を受けようとする者は、所定の申込書により支部・承認団体等を経由して日ホ協に申込む。
    2. 申込みにあたって、この検査結果を利用して得られるゲノミック評価値の公表と情報の開示について、予め承諾を得るものとする。
  4. 検査試料の採取と送付
    1. 検査試料は毛根約200本を採取。
    2. 送付方法等は、所定の試料袋、ラベル、封筒等により家畜改良事業団遺伝検査部宛に送付する。
  5. 料金
    1. 低密度チップ検査は、1件9,750円。
    2. 50Kチップ検査は、1件2万3,400円。
  6. 報告書の交付
    • 日ホ協は、(独)家畜改良センターから評価の都度、ゲノミック評価結果の報告を受け、同評価結果を掲載した報告書を申込者に交付する。ただし、従来からの遺伝評価値を有するもの等については当分の間、この報告書を交付しない。
2つの補助事業
  1. 経産牛SNP検査
    • 日ホ協が事業実施主体となる農林水産省補助事業。
      遺伝能力が判明している雌牛のSNP検査を実施し、ゲノミック評価計算のために必要な参照(リファレンス)集団の拡充に努め、種雄牛評価の精度向上と種雄牛生産に関わる雌牛群を確保、低密度及び50Kチップの遺伝的評価値に関する信頼度の比較を行う。
    1. 牛群検定に加入している血統登録雌牛で、泌乳能力及び体型に関する遺伝評価値を持つ経産牛を事業検討会で選定。
    2. 検査対象牛の所有者(飼養者)に対し、検査の依頼。
    3. 検査経費は事業で負担。
    4. ゲノミック評価情報は公表しないが、効果等の検証を実施する。
  2. 未経産牛SNP検査
    • 検定組合が事業実施主体となるALIC補助事業。
    1. 対象牛は、血統登録雌牛で牛群検定に未経産加入していること。
    2. 検査申込みは、日ホ協の各県支部・承認団体を通じて申込む。
    3. 検査料は、日ホ協の要項に示す額とし、事業で定額1/2以内を助成する。
    4. 雌牛評価公表(11月と来年2月)の概ね2ヶ月前までに、検査申込及び試料送付(必着)する。
    5. 検査結果は、牛群改良情報としてゲノミック遺伝評価値(GPI)がフィードバックされる。


平成25年09月20日「47,517頭雌牛登録前年より4,653頭の増」 〜24年度都府県登録状況〜
都府県で平成24年度に血統登録された雌牛は、4万7,517頭で前年より4,653頭と大幅に増加し、例年並まで回復した。この10%近い増加は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の影響で東北および関東地区の登録が減少した影響が大きい。また同様に血統登録を行った酪農家は、4,604戸で前年より49戸減り酪農家1戸あたりの血統登録頭数は10.3頭で前年よりも1.1頭増加した。

朝倉牧場(茨城)最多317頭
表1には最近6年間の都府県登録頭数と登録実施農家戸数の推移を示した。
表2に平成24年度に50頭以上の血統登録を実施した会員を示した。集計では親子などは1つにまとめて登録頭数の多い会員名で表示した。
登録頭数の最も多かった会員は、朝倉修一さん(茨城県)で317頭であった。
2位は野村栄一さん(茨城県)の284頭、3位は小岩井農牧株式会社(岩手県)が252頭、4位は(独)家畜改良センター(岩手、福島、宮崎牧場の合計)が207頭であった。
以下、品川文隆さん(群馬県)、(有)KC牧場(群馬県)、(有)首藤牧場(大分県)、鈴木基夫さん(愛知県)、(有)ツバヌキ牧場(鳥取県)、(株)竹信牧場(岡山県)、山中誠さん(岡山県)、外之内博行さん(茨城県)までの12戸が年間100頭以上の登録農家で、前年と同数であった。50頭以上では前年より19戸増加し、一時減少したが再び増加に転じた。
今回とりまとめた50頭以上の登録を行った74農家には自動登録農家(表中、*を表示)が45戸あり、多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など自動登録のメリットが大きい。

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平成25年09月20日「「ルーブル」(父ボルトン)3連覇」 〜海外種雄牛評価2013-8月〜
家畜改良センターから8月13日、海外種雄牛2013-8月評価が公表された。
1位・「ルーブル」
今回の首位は、昨年12月、新規選抜で華々しくトップデビューを果たして以来、堅守3連覇となった「ルーブル」。「ボルトン」と「ボリヴァー」の交配で誕生。母系は5代続けて種雄牛の母牛となるなど、能力の高いファミリー。NTPで今回唯一4,000台を突破し+4,094、乳量+2,658、乳脂肪量+70、乳蛋白質量+74。後乳房は高く幅があり、前乳房の付着並びに靭帯も強い。肢蹄も良好で、厚い蹄をもつ。8月発表のTPITPIでは47位。「ボルトン」の息牛の中で数少ないブラキスパイナを保有しない種雄牛。
2位・「クレイマー」
2位には、前回の4月公表95位からジャンプアップした「クレイマー」(「オーマン」×「ハーシエル」)が、NTP+3,891、乳量+2,559、乳脂肪量+72、乳蛋白質量+66、肢蹄+1.03に優れることから、牛舎に長く生存する耐久性成分も+709と高い。乳量の信頼度が、前回の85%から98%と非常に高くなっていることも飛躍の一要因かもしれない。
3位・「オルティマ」
3位には、「オルティマ」(「エンシーノ」×「オーマン」)が入った。昨年8月に3位で新規選抜されてから、4位→5位→3位と常に上位に入り安定している。乳量と耐久性成分が高く、NTPは+3,696。
6位には新規選抜「カンクン」が食い込んだ。父の「プラネット」は今回19位であるが、長きに渡り上位に君臨し、海外でもTPI並びにLPIでもトップになった実績を持つ、世界でも認められている種雄牛。その優秀な血液と「ショトル」を掛け合わせ誕生した。耐久性成分+899と5位、乳器+2.21は3位、決定得点+2.25で2位と体型改良に期待がもてる。
20位の新規選抜「アルタミテイオ」も耐久性成分+992で2位、肢蹄+1.07で5位、乳器+2.30で2位、決定得点+2.17で4位と素晴らしい体型改良期待数値を打出している。
NTPにおいて、+3,000超えの種雄牛は、1年前の公表では14頭であったが、今回は38頭まで増え、改良速度の速さを痛感する。参考として、国内種雄牛トップの「ランカスター」がNTP+3,808である。

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平成25年09月20日「ジャジング・スクール参加者募集中」


平成25年09月20日「全国平均乳量9,286㎏過去最高タイ」 ~平成24年度牛群検定成績速報から~
検定牛2年振りに減少
このほど、家畜改良事業団から平成24年度乳用牛群能力検定成績速報が発表された。
さて、表1には牛群検定農家戸数・頭数の推移を示した。平成25年3月末現在、全国では246組合、牛群検定農家戸数は9,158戸となり、前年より5組合、237戸減少した。内訳をみると、北海道では5組合、131戸減で昨年とまったく同数の減少であった。都府県では、組合数の動きはなかったものの、農家戸数は106戸の減少となった。全国の検定牛頭数は55万1,780頭で4,468頭の減少を示し、北海道3,915頭、都府県553頭の減少であった。
1戸あたりの検定牛頭数は昨年より1.1頭増加し60.3頭となり、初の60頭台となった。北海道では、75.1頭で1.2頭の増加、都府県は44.4頭で0.9頭の増加となった。
鳥取県検定牛比1位は13年目
次に検定普及率をみると、畜産統計(24年2月1日現在)の成畜飼養農家戸数に対する都道府県別の検定農家比率は、北海道が67.7%、都府県は35.5%、全国平均では47.2%で0.9ポイント増えた。北海道は0.4ポイント減少したが、都府県で0.8ポイント増加した。都府県で50%以上の県は、昨年の11県から1県増えて12県となったが、昨年同様東日本は少なく、福井を含めても3県であった。新たに50%を超えたのは、秋田県が復活したもの。
畜産統計の経産牛頭数に対する検定牛頭数の比率(検定牛比率)をみると北海道が71.6%と昨年より3.2ポイント下げた。都府県では44.1%で検定牛頭数は減ったものの、経産牛頭数がそれ以上に減少したため0.5ポイント上がった。
表2から検定牛比率が50%以上の都府県をみると、群馬県が加わり18県となった。県別では、鳥取県が3.7ポイントアップの97.5%で13年連続1位となった。福岡県が前年3位から0.8ポイント微増の80.6%で2位に入った。3位鹿児島県も昨年からワンランクアップし3.5ポイント増加の79.1%であった。4位宮崎県は昨年より検定牛は257頭増頭したが、経産牛頭数が1,200頭以上増えたため、7.6ポイント下げ77.9%となった。なお、昨年より検定牛が増えている県は17県あった。また、5位の岡山県73.6%までが北海道の検定牛比率71.6%を上まわった。
7県で検定戸数の増加
この1年で牛群検定農家戸数を増やした県は7県(表3)で、昨年より1県増えた。今年は沖縄県が2戸増加した他はすべて1戸の増加となった。
そのうち検定牛頭数が増加した県は5県で、特に青森県は203頭も増加した。また、検定牛だけを見ると、増加した県は16県で、特筆されるのは熊本県で707頭も増加した。次が群馬県の222頭で、その次が青森県となる。戸数、頭数を増加させた県では、関係団体が連携して普及推進の努力の結果に繋がった。酪農家も経営に直結する牛群検定の勧誘を真摯に受け止めたことで増加となった。
全国平均乳量は過去最高タイ
表4には牛群検定成績(ホルスタイン種立会、305日、2回搾乳)の最近3年間とそれ以前の5年ごとの推移の実績を示した。24年度の全国平均乳量は9,286㎏で、昨年より61㎏増加させ、一昨年の記録と同じ最高乳量タイとなった。しかし、平成14年度に9,000㎏を突破してからは大きな増加はなく、最近は9,200㎏台で推移している。すなわち、10年で約200㎏の増加となり、年あたりの増加はおよそ20㎏となる。都府県平均乳量は9,398㎏(前年より57㎏減)、北海道は9,230㎏(同60㎏減)で、都府県が8年連続で北海道を乳量で上回った。また、全国平均乳脂量は365㎏で昨年より3㎏増加した。
濃厚給与増で北海道の乳量大増
濃厚飼料給与量は全国で57㎏増加し3,453㎏と過去最高の給与量を示した。
内訳をみると、北海道では72㎏増の3,293㎏と大幅に増加した。23年秋ごろから増加傾向にあり、乳量も同様に増加している。都府県では3,766㎏で16㎏増となったが、濃厚飼料給与量の増加の割には平均乳脂率(前年対比0.01増)、平均蛋白質率(同増減ゼロ)ともに増加が足りない状況である。
高い海外の普及率
北米やEU、オセアニアの酪農先進諸国の牛群検定普及率(表5)をみると、オランダの87.6%(経産牛頭数が約147万頭)が連続1位である。続いて2位はドイツの84.2%(同約418万頭)で以下、イタリア74.4%(同約183万頭)、カナダ72.3%(同約98万頭)と高い数値を示している。
また、検定牛比率は5ヶ国で増加しているが、3ヶ国で減少した。ニュージーランドが6.6ポイントの増加を先頭にイタリア1.0、日本0.5、ドイツ0.4各ポイントの増加を示した。オランダは増減ゼロ。減少の割合が最も大きかったのはフランスの2.0ポイント、米国が1.0、カナダ0.1各ポイントであった。先進国では牛群検定事業は泌乳能力の向上や飼養管理面、経営面において非常に重要な役割を果たしていると考えている。
牛群検定おためし事業のすすめ
世界の酪農先進国と言われている国々では7割以上の酪農家が牛群検定に参加している中で、日本は概ね半分という状況である。飼養管理、酪農経営に欠かせない牛群検定における試行農家を今年も家畜改良事業団では募集をしている。
この事業は、いわゆる「お試し事業」で、牛群検定にかかる費用を最大6ヶ月助成し、その間無料で牛群検定を体験できまだ参加されていない方は是非、牛群検定の良さを体験してほしい。試行農家の8割の方が継続して牛群検定に参加している。 ※速報値は、家畜改良事業団乳用牛群検定成績速報初版。

平成25年09月20日「生涯乳量」 ~都府県25年7月~
25年7月に都府県で検定成績証明された中から、表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛29頭を示した。今回は上位2頭が総乳量10万㌔を突破した。
1位・吉原直樹さん(岡山県)所有「ラッキースーパーテスクスター」
今回の生涯乳量トップは、吉原直樹さん(岡山県)所有の「ラッキースーパーテスクスター」(平13.2.19生)の検定回数9回で検定日数3,243日、総乳量11万4,616㌔、総乳脂量3,677㌔、平均乳脂率3.2%、総乳蛋白質量3,576㌔であった。本牛は、平均乳量が1万㌔を超えている高泌乳牛である(最高乳量1万9,159㌔)。
今回、9産目の検定証明を申請したことにより県内の歴代記録の第1位を獲得し、さらに都府県では歴代41位に入るなど、すばらしい成績であった。岡山県内で生涯乳量10万㌔突破牛は、本牛を入れて2頭である。
2位・石川和博さん(静岡県)所有「プ-リ- ブリッジ スカイチ-フ エレガンス 5 ET」
2位は、石川和博さん(静岡県)所有の「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」(平15.9.7生)の検定回数5回で検定日数2,374日、総乳量11万4,317㌔、総乳脂量6,614㌔、平均乳脂率5.8%、総乳蛋白質量4,801㌔であった。本牛は、平均乳量が2万㌔を超える高泌乳牛である(最高乳量2万8,479㌔)。
本牛は、25年6月にも検定成績の証明を行っており、今回の証明によりさらに記録を伸ばし、県内の歴代記録1位を獲得した。また、審査得点91点を獲得しており、泌乳並びに体型に優れたバランスの良い牛である。
3位・亀田康好さん(埼玉県)所有「シンボライズレインビューティリリイ」
3位は、亀田康好さん(埼玉県)所有の「シンボライズレインビューティリリイ」(平14.1.21生)の検定回数8回で検定日数2,732日、総乳量8万7,861㌔、総乳脂量3,907㌔、平均乳脂率4.4%、総乳蛋白質量3,017㌔であった。
前述の牛を始め、6位の松島太一さん(熊本県)、11位の徳川恵一さん(徳島県)、16位、26位の植木靖さん(栃木県)、28位の加藤牧場(埼玉県)所有牛は、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。

平成25年09月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成25年8月証明分F偏差値~


平成25年09月20日「登録委員研修会開催 6地区で205名出席」 〜ゲノミック評価研修会併催日ホ協〜
去る7月下旬から8月上旬にかけて、日ホ協(北良治会長)では、都府県を6地区に分け、登録委員を対象にした1泊2日(関東は別項目)の研修会を行った。この研修会は、日頃酪農現場の第一線で活躍している登録委員を対象として毎年夏期に開催しており、今年度は東北地区(福島県)、中部・北陸地区(岐阜県)、近畿地区(奈良県)、中国・四国地区(鳥取県)、九州地区(大分県)の5地区、また同時開催として平成25年度ゲノミック評価技術研修会を行った。
まず、初日は主催者である日ホ協から本年度から3ヵ年計画でゲノミック評価の補助事業を行うことと、2年後に北海道で第14回全日本ホルスタイン共進会が行われることで着々と準備が進められているとの挨拶が行われたのち、地元団体長及びご来賓の挨拶が行われ、引き続き「ゲノミック事業研修」に入った。
ゲノミック事業研修
ゲノミック評価技術を利用した乳用牛の遺伝改良と題し、SNPを利用したゲノミック評価の考え方・手法から酪農家へのメリットを説明した。
また、本年度から始まる2つの事業を紹介し、実際の毛根の採取方法・申込書の書き方を解説した。
各種表彰者等の紹介
引き続き行われた登録委員研修会の「事務研修」では、平成24年度の登録等申込状況や同表彰登録委員、同表彰支部・承認団体、同審査成績優秀牛群表彰、同検定成績優秀牛・牛群表彰、同日本・都府県記録更新牛表彰等が紹介された。
第14回全共については、本年3月に制定された第14回全日本ホルスタイン共進会規則を基に2年後の平成27年10月23日に開会式、24、25日に審査、26日に上位入賞牛パレード、そして閉会式を行うことや出品作法、部別出品内訳等の説明を行った。
さらに、「ホルスタイン登録の手引き」を用いて血統登録の基本から登録時の不備による事故照会を防ぐためのポイントの説明も行われた。
牛の見方を研修
2日目に行われた「審査研修」では、日ホ協の審査委員が実際に乳牛4頭を用いて、乳牛の見方を研修した。現畜を供試牛として使えない地区では、パワーポイントを用いて説明を行った。研修の流れは、まず、審査委員から牛を見るポイントが説明され、実際に1頭を供試牛として模範審査を行い、雌牛を評価する際の審査標準の用い方を研修した。続いて、参加者各人が残りの供試牛についてそれぞれの牛の良し悪しを判定するとともに、得点形質について実際に数字を入れて、審査委員と協議した。また、牛の体各部位を線形的にみる線形審査についても、現畜を前にして解説書と見比べ、審査委員と参加者が討論しながら研修を行った。特に、「体貌と骨格」、「肢蹄」、「乳用強健性」、「乳器」の4区分に各自が得率を入れ、決定得点を算出することで、審査委員との差を実感することができたようであった。(関東地区にあっては各都県でそれぞれ研修会を実施していることから、地区全体では実施せず)
なお、この研修会とほぼ並行して行われた「地区別登録事務担当者会議」では、各都府県支部・承認団体で実務を担当している方々が集まり、第14回全日本ホルスタイン共進会の県別割当頭数など現況の報告、自動登録の推進のために行ったアンケートの結果や変更点の説明がなされた。そして、今後の登録推進対策や登録業務の支障となっている事故解消、ゲノミック評価関連事業などを協議した。
来年度は、東北地区は岩手県、中部・北陸地区は福井県、近畿地区は兵庫県、中国・四国地区は島根県、九州地区は宮崎県で開催する予定。

平成25年09月20日「登録いつするの? 「今でしょ!」」 〜血統登録のメリット〜
耳標の10桁番号で個体確認をすることはできますが、父母や祖父母など祖先牛の血統をたどることはできません。しかし、血統登録をすると、その記録は永久に保存されますので、何代にもわたって血縁を遡ることが可能です。また、体型審査や牛群検定などの成績と結びつけて、改良に役立てることができます。
高まる近交
近年、血縁の近い種雄牛が多く利用されていることから、平成22年生まれの近交係数は平均5.42%(北海道におけるホルスタイン雌牛)と近親交配の度合いは年々高まっています。これにより乳量の減少や体の矮小化、繁殖能力や抗病性の低下などが懸念されます。
遺伝病を防ぐ
CVM(牛複合脊椎形成不全症)やBLAD(牛白血球粘着性欠如症)などの遺伝病を保因しているキャリア同士の交配では、1/4の確率で死産する危険性があります。
血縁にキャリア牛がいる場合は、必ず正常な種雄牛を選定しなければなりません。
的確な交配のために
収益性を上げるうえで、高い産乳能力と優れた体型を持つ雌牛を揃えることは有効な手段です。親の遺伝的能力は子供に確実に伝わります。能力向上のため、また近親交配や遺伝病を回避するために的確な交配を行いましょう。それにはまず血縁を確認することが重要です。
血統登録証明書には3代祖先までの血縁と、それぞれに遺伝病(CVM、BLAD、ブラキスパイナ)因子の有無を記載しています。遺伝病以外にも単蹄及び赤毛因子についても記載しています。
また、家畜改良データバンクのホームページから血統情報を検索すれば、3代以降の祖先牛も遡ることができます。同ページの近交回避情報では、雌牛の登録番号を入力すると、生産される子牛の種雄牛ごとに近交係数と略号が表示されるサービスもよく利用されています。
泌乳能力を高めたい、体型に優れた牛などよい血統を残したい、近親交配や遺伝病を防ぎたいと思ったら血統登録をしましょう。

平成25年09月20日「事故ゼロで早期発行」 〜平成24年度の事故内容〜
日ホ協登録部では、皆様からの登録申込みについて、父母登録番号や生年月日、母牛の授精や産歴、所有者などから申込牛の血統に矛盾はないか確認を行っていますが、申込み書類の内容に不備がある場合は事故照会させていただいています。
申込みが事故になると血統登録証明書の発行が遅れてしまいますので、申込みの際には十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。
平成24年度血統登録申込みにおける事故の種類の内訳を、従来の申込書による申込み(以下、個別登録)と自動登録について円グラフに示しました。
母牛の証明書を確認
個別登録の事故内訳で最も多い事故は母牛の移動未了です。子牛を登録するには、母牛の所有者名義が子牛出生時の所有者であることが登録の前提です。しかし、母牛が導入牛の場合、その所有者へ移動証明されていないことが多く見られます。
この事故を未然に防ぐには登録を申込む際に、母牛の血統登録証明書の所有者欄を確認することです。母牛の所有者欄にご自分の名前がない場合は、血統登録申込みと同時に母牛の移動証明を申込みしていただくようお願いします。
出生報告を確認
当協会では申込書や授精証明書等の記載内容と(独)家畜改良センター個体識別部(以下、センター)への報告内容が一致しているかについても確認しています。
24年度に多かった事故として生年月日の不備がありました。これはセンターへ報告されている生年月日と申込書に記入された生年月日の不一致、または牛群検定に報告されている母牛の分娩年月日の不一致などで確認が必要となってしまった事故です。
センターへの報告内容は生年月日に限らず、性別、品種、申込牛及び母牛の個体識別番号についても、申込書の記入と一致しているか確認をお願いします。
また、授精証明書等の添付書類の不備もよく見られる事故の一つです。添付書類について、申込書の記入内容と一致しているか、また添付忘れはないかなど申込みの前に今一度確認をお願いします。
自動登録は正確な授精報告を
正しい授精報告が前提になければ、証明書の早期発行やペーパーレスという自動登録のメリットが成立しません。
しかしながら、自動登録における事故の半分以上を占めているのは授精報告がされていないことや、もしくは授精年月日や種雄牛略号の報告内容に誤りがあることなど、授精データの不備によるものです。
自動登録を実施されている皆様には、速やかに正しい授精報告を行っていただくようお願いいたします。
また牛群検定の繁殖情報から授精報告を行っている自動登録農家の皆様は、初産時の授精報告の漏れを防ぐためにも牛群検定へ早期に未経産加入していただくようお願いします。

平成25年09月20日「外国符号「840」表示へ」 〜平成25年10月1日から〜
日ホ協は平成25年10月1日より血統登録証明書等に記載される一部のアメリカ牛の外国符号を「USA」から「840」に改める。これは該当国のハードブック(登録)の表記に従うものであり、海外の検索ネットワークでも「840」が使用されているため。

平成25年09月20日「社員補欠選挙のお知らせ」 〜(社)日本ホルスタイン登録協会〜