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平成14年1月1日


平成14年1月1日
「目指すは一万二千㌔牛群」

~ 作田牧場(千葉県山武郡九十九里町)を訪ねて ~
悲願の名誉賞受賞~栃木全共への期待膨らむ~
千葉県山武郡九十九里町に住む作田知志さんは、約50頭の経産牛で一頭当たり11,000㎏を生産する高水準の牛群を保持しているが、昨年11月末に埼玉県で開催された第12回関東地区ホルスタイン共進会においても、関東各都県の選び抜かれた牛達の中からシニアクラスの名誉賞を獲得している。今号では、作田さんに乳牛改良や日頃の管理のコツ、関東畜ホルスタイン共進会における名誉賞受賞の喜びなどについて語って頂いた。
血統を正確に把握
……本日は大変お忙しいところ、お時間を作って頂き、本当に有り難うございます。
まず始めに家族構成と主な労働力を教えて頂けますか。
作田:家族は5人で、私知志(41歳)、妻恵美(38歳)、長女光(13歳)、それに父実(70歳)と母光子(67歳)です。
労働力としては、主に私と父母の三人です。休日のみで学生のバイトが二人います。
……作田牧場の歴史と現在の状況を教えてください。
作田:母方の祖母が戦後まもなく、健康のために牛乳を、という目的で2、3頭の乳牛を飼い始めたのがきっかけです。現在は、経産牛が約50頭、育成牛と保育牛が合わせて約30頭います。経産牛一頭当たりの年間乳量は約11,000㎏です。12,000㎏台が目標ですね。育成は全て自分でやってます。
……作田さんには、本会の登録、検定、審査について深い理解を頂いており、感謝しております。作田さんにとって「登録」とは何でしょうか。
作田:血統をきちんと正確に把握しておく、ということです。改良の基礎ですね。
……育成で注意している点はありますか。
作田:育成牛はパドックで放し飼いにしています。いつでも餌を食べられる状態を作っておく。そうすると、食いの強い牛に育てることができる。また、群れに早く慣れる牛を作ることにもなります。
……ロボット搾乳を検討中だとお聞きしましたが。
作田:はい。ロボット搾乳を実施している農家を見学しながら検討しています。導入したら搾乳牛を50頭くらいに増やそうと思っています。
……昨今のBSE問題についてはどう思われますか。
作田:長年に渡り苦労して改良し、作り上げてきた遺伝資源は残したいのに。BSE発症牛が一頭でも出たら、そこの牛全頭を廃用しなければならないというのは、自家産で頑張っている酪農家にとっては非常に厳しいですね。
仲間達のおかげ
……さて、第12回関東地区ホルスタイン共進会でのシニア名誉賞受賞おめでとうございます。
作田:有り難うございます。嬉しいです。千葉県立山武農業高校の石村先生、地域の牛飼い仲間の伊藤博さん(山武郡横芝町)、藤平吉明さん(千葉市)など、いつも支えてくれているグループの皆さんのおかげです。
……今回シニア名誉賞を受賞した牛の他にも、第7部(60ヵ月以上)でパラゴンウオーデンチーフを出品されていますね。この二頭は過去の全共にも出品されていたようですが。
作田:はい。これまで親の代から22年間共進会に出品していて、県共では名誉賞を頂いたことはあるんですけどね。でも地区以上の共進会では、上位には入ってもトップになることはなかったんです。いつも口惜しい思いをしていました。だから今回は本当に、「やっともらえた」という気持ちですよ。共進会はやはり、その時の牛のコンディションやタイミングによるところが大きいです。技術的な面も大切ですけど。
……今回名誉賞を受賞した「ツクモランド号」は知志さんが命名されたとか。どういう意味なんですか。
作田:九十九里町の「九十九」からとりました。「九十九」は「ツクモ」と読むんです。千葉全共以降生まれた牛全部に、このツクモランドが入っています。
……雄牛はいつもどうやって決めているのですか。
作田:共進会で見て決めることが多いですね。やはり共進会で上位に入ってくる牛は能力的にも優れています。長持ちするし乳房もしっかり付いてる。乳量と骨味がポイントですね。
……今回の共進会に出品された2頭の娘牛はいますか。
作田:パラゴン号の方は3頭、ツクモランド号の方は2頭いてそのうち1頭はこの前行われた千葉県のBWに出品しました。
……2005年に行われる栃木全共への思いはどうでしょうか。
作田:出られたらいいですね。
……その時はその娘牛の中で出品を考えていますか。
作田:そうですね。でもこの五頭の娘牛以外にも、何頭かおもしろそうな牛がいるんです。それがどうなっていくかですね。
……本日は有り難うございました。作田牧場の益々のご発展をお祈り致します。
平成14年1月1日
「登録制度が変わります」
平成14年4月1日からホルスタイン牛の登録制度が変わります。
主な改正点は、
①ホル種とホル種系牛登録制度の一本化
②血統濃度%の表示
③個体確認方法の明示(斑紋又は個体識別事業の耳標)
④個体識別事業からの登録申込方法の追加
の四点です。
なお、明年1月から3月に実施される「家畜個体識別システム緊急整備事業」への対応は、前記④とは別に、「要項」により行う予定です。
また、2代本登録牛については、計算の結果、血統濃度が88%以上の場合は、その値を血統濃度とす、88%未満の場合は、88%とします。