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機関誌

機関誌内容一覧

平成22年11月20日


平成22年11月20日
~ブラウンスイス種~
「都府県初審査実施」


ブラウンスイス種の飼養頭数は、ここ数年の間、毎年100頭以上増加している。乳用牛の品種も多様化が求められている中で、飼料自給率を高めるとともに、安全、安心を求める消費者ニーズにも合うとの指摘もあり、国もブラウンスイス種導入を積極的にすすめている。この様な経過を踏まえ、日本ホルスタイン登録協会もブラウンスイス種の審査標準を平成22年4月1日制定し、体型審査を実施することとなった。
秋田県の畑山牧場で2頭審査84点と86点
ブラウンスイス種は、1902年(明治35年)原産地のスイスから雌20頭、雄2頭を輸入したのが始まりとされている。この種の泌乳能力記録はあるが、体型に関する記録はない。考えられる理由としては、乳肉兼用種との通念から離れて、むしろ肉用種的方向に進むにつれ内国種たる和牛の改良方向にその使命をのばしていったとされるからである。戦後アメリカから輸入したブラウンスイス種は体型、資質など乳用種的なものが強かったと認められたが、わが国では成功する域に至らなかったという歴史がある。
都府県初のブラウンスイス種受検農家は、秋田県北秋田市米内沢の畑山伸吾牧場である。畑山牧場はホルスタイン種による酪農経営が主であるが、ブラウンスイスは平成10年に栃木県から2頭導入したのが始まりで、その後、平成12年にアメリカから2頭輸入し、その娘牛と孫牛が今回の受検牛である。現在は未経産牛を含め7頭を飼養している。
受検した2頭について、審査したときの状態、審査得点、その特徴を記してみる。

①ポランファームブラウンバンビ
平成14年1月27日生
平成22年8月20日6産目分娩(6産目死産)
審査時月齢8歳8ヶ月
決定得点84点(体貌と骨格86、肢蹄85、乳用強健性84、乳器82)
成年級らしく体高は150㎝を超え、体の深さも充分あるが、胸幅と背の強さにやや惜しまれる点が見受けられた。また、体高、体の深さからみると座骨幅がやや狭く感じられた。
肢蹄については、品種の特徴がよくでており、骨太で飛節がやや立ち気味、蹄踵が厚く、歩様もよかった。
乳用強健性については、8月に分娩をしたが、死産であったためか体全体が重く鋭角性に欠けていた。特にき甲部の厚さと、内腿の厚さはやや気になる点であった。
乳器については、6産目であるにもかかわらず乳房底面が飛節ぎりぎりで収まっており、前後乳頭の配置、長さ、前乳房の付着について優れていた。しかし、後乳房の高さ、幅に物足りなさを感じたのと懸垂の弱いところが惜しまれた。②ポランファームハニーブラウンフタゴ
平成18年9月24日生
平成22年4月28日2産目分娩
審査時月齢4歳0ヶ月
決定得点86点2体貌と骨格86、肢蹄87,乳用強健生84、乳器85)
この牛は、先に記したバンビの娘牛である。
母牛同様高さは150㎝を超えるサイズがあり、胸幅も広くブラウンスイス種らしい力強さを持っていた。母牛と比べてトップライン強く肩後も充実しており体各部への意向もスムーズであった。しかし、母牛同様座骨幅に物足りなさを感じた。
肢蹄については、母牛よりも直飛で蹄の角度も立っており、後肢後望も肢間広く、蹄尖の方向も優れていた。しかし、歩様においては母牛の方が優れていた。
乳用強健性については、母牛同様オーバーコンディション気味で体全体の鮮明さに欠けるところが惜しまれた。
乳器については、前乳房の付着が強く、乳房底面も高い位置にあり、乳頭の配置についても優れていたが、母牛同様後乳房の高さと幅においては改良の余地があると感じられた。
ブラウンスイス種を審査して
2頭のブラウンスイス種を審査しただけでホルスタイン種と比較するのは難しいが、感じたままを記してみる。
体各部をホルスタイン種と比較すると、胸幅と口の大きさの違い、肩付きの強さから、前駆はホルスタイン種よりも強さを感じられる。また、肢蹄についても骨量があり、飛節はやや立ち気味であるが蹄大きく、角度の立った蹄で蹄踵も厚い。後望しても飛節の寄りは気にならない程度である。ただし、骨質はホルスタイン種の方が鮮明であると思われた。
乳用性については、ホルスタイン種よりも肉が付きやすく、泌乳時期によりかなり変わるような印象を受けた。特に内腿の厚さは気になる点である。
乳器については、後乳房の高さ、幅においてホルスタイン種より劣るように感じた。
(日ホ協:小島裕審査委員)
秋田県北秋田市畑山伸吾牧場
○右 ポランファームブラウンバンビ
○左 ポランファームハニーブラウンフタゴ
○右 バンビ 【 8-8、6産、84点(乳器82点)】
○左 ハニー 【 4-0、2産、86点(乳器85点)】
ブラウンスイス種雌牛審査標準

平成22年11月20日
「平成25年全ブラ開催」

~全国ホル協議会理事会~
全国ホルスタイン改良協議会(松島喜一会長)は、さる10月18日、東京・中野区の日本ホルスタイン登録協会会議室で第71回理事会を開催し、第8回全日本B&Wショウの開催期日や来年度のジャジング・スクールの開催について協議した。
会議の冒頭、松島会長から4月に宮崎県において口蹄疫が発生したことを受け、宮崎県から牛が居なくなることの不安と口蹄疫伝播への不安があるなか、多くの関係者の努力と協力により終息が宣言されたところである。しかし、北海道全共が延期されたほか、本協議会事業のジャジング・スクールを中止したことから、来年度に向けて早期に協議が必要であるため理事会を開催することになった旨の挨拶が行われた。また、協議会が呼びかけた口蹄疫被災酪農家への義援金積み立てについては、会員、会員団体、関係機関の協力により、多くの義援金積立ができたことへの謝辞があった。また、来賓の日本ホル協藤村忠彦専務理事からは、最近の酪農情勢と改良関連予算問題、改良体制の課題などについての挨拶が行われた。
引き続き議事に入り、まず、宮崎県口蹄疫被災酪農家への見舞金については、48団体・1,227名・277万4500円の義援金が集まり、協賛団体名簿を添えて宮崎県乳牛改良同志会に見舞金を贈呈したことが報告された。
一方、全日本B&Wショウについては、従来から全日本ホルスタイン共進会の2年後に開催していたが、北海道全共が1年延期されたことから、改めて開催期日を協議したいとの説明が行われた。協議の結果、第8回全日本B&Wショウを当初の平成24年から1年遅らせた平成25年開催とし、開催場所は静岡県御殿場市の馬術・スポーツセンターとすることで関係方面と協議をすることになった。なお、関連事項として、地元に大変ご迷惑をかけている堆肥処理にかかる費用を見直し予算を作成し、次回総会に諮ることになった。
また、ジャジング・スクールの開催については、宮崎県での口蹄疫発生により中止した経過を踏まえ、来年度の開催場所・時期等について協議したが、引き受けてくれる候補地と協議しながら総会までに決定することになった。なお、昨年度開催して好評だった認定ジャジマンの研修会については、平成23年5月8日(日)開催予定の群馬県・北軽井沢スプリングショウと同時開催で現地と調整を図ることが決定された。

平成22年11月20日
「フロスティが2連覇」

~2010ワールド・デイリー・エキスポ~

○右 GC:ハービューロイフロスティ
○左 RGC:ストーンフロントアイロンパスタ
2010年9月28日から10月2日かけてアメリカのウィスコンシン州マディソンでワールド・デイリー・エキスポが開催された。アメリカ36州とカナダから乳牛7品種、2,411頭(エアシャー種259、ブラウンスイス種354、ガンジー種184、ホルスタイン種652、ジャージー種443、ショートホーン種236、レッド&ホワイト種283)が集まり、1,400上の賞と3,300のリボンとメダルが授与された。会場では世界87カ国から65千人を越える観客と関係者が、優美なショーに酔いしれた。
毎年テーマが決まっており、昨年は「LEGENDARY」(伝説の)と題してリングの正面に野球場が再現されたが、今年は「CROWING ACHIEVEMENTS-GOLDEN OPPORTUNITIES」(最高の成果-黄金の機会)と題し、会場正面には中世のお城が再現され、シュープリームチャンピオン選抜では乗馬した騎士が先導し、リードマンがお揃いのユニフォームで登場するなど、非常に凝った演出で会場を盛り上げた。
ホルスタインの審査はカナダ、プリンスエドワード島の酪農家ブライアン・クラスウエル氏が担当した。グランドチャンピオン及び7品種のシュープリームチャンピオンに選ばれたのは、世界隅々まで名が通っている「ハービュー・ロイ・フロスティ」。昨年に続き2連覇の快挙を遂げた。彼女は地元ウィスコンシン州からの出品で、父牛はジョーダン。正確なフレームとバランスに優れ、薄く光沢の良い皮膚皮毛、開張と方向に優れた肋骨、幅広く形状、付着に優れた乳器を持った優美な雌牛。先日の体格得点で96点を獲得した。
さすがに出品牛のレベルは高く、どの牛もき甲部が高く、肋の開張は上縁から始まり後方に流れ、内腿は薄く、乳房底面は高く、付着の高さと幅には圧倒される。当然であるが、出品牛の調教は行き届き、女性の引き手も多かった。日本のレベルは確実に上がったが、世界の壁は高かった。

平成22年11月20日
「検定成績優秀記録牛F偏差値上位牛」

~都府県22年10月日証明分~