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平成26年07月20日


平成26年07月20日「血統前年度比114% ゲノミック評価の普及推進に努める」 〜日本ホル協第64回総会〜
一般社団法人日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)の第64回通常総会が、6月20日、東京都中野区の中野サンプラザで開催され、報告事項の平成25年度事業、平成26年度事業計画並びに収支予算、公益目的支出計画について確認され、提出議案の平成25年度決算報告、任期満了に伴う役員選任などの議案すべてが原案通り可決承認された。
会長挨拶
北会長が挨拶に立ち、農林水産省をはじめ、日頃からご指導、ご支援をいただいている関係団体・機関、そして社員各位の多数の出席を賜り、盛会に開催できることに対し謝辞を述べた。
次に、酪農をめぐる情勢について「本年度上期の生乳及び牛乳、乳製品の需給見通しによると酪農家戸数、飼養頭数の減少に伴い、昨年同様に全国的な生乳生産の減少に歯止めがかからない状況が続き、生乳生産基盤の弱体化の回避が喫緊の課題であるとした。さらに、5月下旬には北海道で記録的な猛暑などの度重なる異常気象やTPP交渉の動向も不透明さを増しており、予断を許さない状況が続いている」とし、「こうした情勢のもとで、平成25年度の血統登録をはじめとする各種申込状況については、概ね堅調に推移することができ、日頃から登録推進に向け、ご尽力頂いている社員各位をはじめ、日々、現場にて登録のお世話をされている支部・承認団体の皆様のご指導・ご協力の賜物と感謝を申し上げる」と述べた。
「国は、酪肉近代化方針とともに家畜改良増殖目標を5年ごとに改定しているが、改定に当たる今年6月には乳用牛関係の研究会が開催された。この中で、『遺伝子情報解析による高能力形質の特定』が課題の一つとして取り上げられ、当協会でも昨年に引き続き、SNP検査とデータ収集の推進、ゲノミック評価の正確性向上のため努めていきたい。また、ゲノミック評価にあたり、引き続き重要となる血統登録を推進し、長命連産性、生涯生産性の観点から体型審査の普及にも努め、もって国際競争力のある持続的で強い酪農経営の実現に向け一層努力していきたい。引き続き皆様方のご協力を賜るようお願いする」と述べた。
SNP検査3,798頭実施
平成25年度事業実績では、会員数が都府県6,705名、全国1万4,349名で前年度から515名減少した。一方、血統登録申込では、全国21万1,968頭で前年度対比104.6%で、特に都府県では前年度を14.8ポイント上回った。これは4月の消費税増税前のかけこみが大きく影響した。
審査成績証明が都府県で2万1,352頭、全国では5万9,012頭(前年度対比96.7%)、検定成績証明が都府県で4,293件、全国で7万7,217件(同97.4%)。
また、国の補助事業で実施した経産牛SNP検査は都府県399頭、全国で1,173頭、ALIC事業の未経産では都府県121頭、全国で1,611頭、一般では同1,014頭となり、SNP検査合計で3,798頭を実施した。
引続き自動登録推進
平成26年度事業計画では、先行き不透明感が深まる酪農をめぐる情勢下、生乳生産の減産傾向により、需給不均衡が生じる等の生乳生産基盤の弱体化回避が喫緊の課題となる中、引き続き自動登録を主体とした血統登録頭数の拡大を図ることとした。
世界の潮流としてゲノミック評価など新しい遺伝子関連技術の実用化が急速に普及、家畜改良の方向性が大きく変化していく中で、当協会ではこうした時流に合わせ、日本国内でゲノミック評価の普及推進に努めていく方針であり、以下のようなことに取り組むとした。
血統登録、審査・検定等で収集した情報を適正に維持・管理するとともに、近親交配を避ける近交係数の算出や系統譜の利用、遺伝評価値の活用等を目的に、ホームページや機関紙を通じて、これを提供していく。
後代検定に必要な初産検定中の材料娘牛及び同期牛の体型データの収集を行う。また、これらデータや登録情報を基に、国等から受託を受けて、総合選抜指数の見直しや泌乳能力及び体型の遺伝評価に必要な血縁ファイルの作成等を行う。
世界ホルスタイン・フリージアン連盟と、登録に係るゲノミック技術、近親交配による弊害、繁殖障害などの共通課題について情報交換を行う。
日本ホルスタイン会館の運営を通じて、登録事業の安定的な運営を図り、事業の継続性を高めていく。
平成26年度収支予算については、血統登録申込が都府県で4万5,050頭(前年度予算比106.3%)、全国でも20万50頭(同101.3%)、審査5万8,650頭、検定7万4,160件、移動9,000件とし、経常収益は12億8374万6,000円を見込む。
平成25年度収支決算では、登録事業からなる実施事業会計、ホルスタイン会館賃貸事業のその他会計、そして法人会計を合わせた経常収益額は13億599万4,000円、同じく経常費用額は12億2417万8,000円とする旨上程され、原案通り可決承認された。
新理事3名が就任
役員の任期満了に伴う役員改選を行い、理事16名、監事3名の役員候補者が原案通り可決承認された。役員の任期は2年間。
その後、開催された理事会において、役員による三役の互選が行われ、会長には北良治氏(北海道)、副会長には杉浦弘泰氏(愛知県)、三浦幹雄氏(鳥取県)、専務理事には大友裕典氏(学識経験者)がそれぞれ再選された。
また、細野勝美氏(群馬県)、田村豊氏(新潟県)、南原需氏(鹿児島県)の3名が理事を退任し、新たに石原俊明氏(群馬県)、田嶋敏氏(福井県)、清末健一氏(大分県)が理事に選ばれた。



来賓祝辞
日本ホルスタイン登録協会の第64回通常総会に来賓として臨席され、祝辞を述べられた方々とその概要は以下の通り。
農林水産省畜産振興課松本隆志課長補佐
現在、家畜改良増殖目標の改正作業を行っているところである。どのような議論があったのか、以下そのポイントについて申し上げる(詳細は中央畜産会のホームページに掲載される)。
これまでの家畜改良増殖目標では、雄牛の遺伝的能力の改良によって、雌牛の能力を上げていくということで、雄牛のどのような形質を伸ばしていくのかという事をこれまで議論していた。
前回の目標では泌乳持続性をポイントにして進めていたが、現在の状況下では、生乳生産の確保が難しくなり、今いる雌牛からどの程度の乳を搾り、繁殖をさせ、供用期間を長くしていく、といった生乳生産を確保する取り組みがとても重要になってくる。
したがって、今回の議論は今まで作ってきた雄牛の成果をどのようにして皆様に活用していただくのか。折角、能力の高い国産種雄牛を作っても、現在4割が輸入精液だという状況になっているため、そのことをどのように打破し、全体の能力の底上げに反映していくのか、といった議論をお願いしている所である。
そういう意味からも、これまでの改良増殖目標とは少し違った視点、すなわち飼養管理等の部分に少し重心をずらしていく様な改良増殖目標になっていくと考えている。まさしく、時機を得た改良増殖目標である。
皆様のご支援の中で農林水産施策を進めていきたいと考えているので、引き続きよろしくお願いしたい。
一般社団法人家畜改良事業団守部公博理事
家畜改良事業団の守部公博理事からは、牛群検定が今年で40年目が過ぎ、種雄牛作りの後代検定は45年の歴史を刻んでいる。その一番基になるのが日ホであり、長年蓄積されている血統登録であると考えている。
一方で国内の凍結精液利用の4割が海外精液であり、日本の乳牛改良の遺伝的な力が、予測していた値に達していないのも事実。
牛群検定からの結果から出てくる雌牛の力を、さらに次世代に継承していく。そこには後代検定が引き続きしっかりとしたものとして位置付けられなければならない、旨の挨拶が行われた。
全国酪農協会三国貢常務
続いて、全国酪農協会の三国貢常務から、最近の酪農情勢は、北海道、都府県ともに生乳生産の前年割れが続く異常ともいえる状態になっている。その背景には、酪農経営の悪化やTPP交渉などによる将来に対する不安、後継者不足があるということは論を俟たないと思う。
農水省の酪肉近代化基本方針の見直し作業と家畜改良増殖目標の改定は、ともにわが国の今後の酪農の方向を示す重要な指針であり、引き続き真摯な議論をお願いしたい。
全酪協では、昨年「日本酪農の危機打開のための緊急提言」を発表し、酪農経営へのセーフティーネット創設や農地管理への直接支払の導入などを提言。
日ホには「全酪新報」での改良情報の提供や、地域酪農活性化支援対策事業、全国の酪農後継者などの育成のための「酪農未来塾」の運営にも参画指導など、一層の提携強化と友好を深めていきたいとした。

平成26年07月20日「今後の行事」 〜日本ホル協〜
◇地区別登録委員研修会・夏期登録事務担当者会議及びゲノミック評価技術向上研修会
  • 東北地区=7月31、8月1日=岩手県
  • 関東地区=7月30日東京都中野区、日ホ会議室(事務担当者会議のみ)
  • 中部・北陸地区=8月4、5日=福井県
  • 近畿地区=8月4、5日=兵庫県
  • 中国・四国地区=7月24、25日=島根県
  • 九州地区=8月7、8日=宮崎県
◇中央審査研究会
  • 日時:9月9〜11日
  • 会場:北海道新ひだか町、新冠牧場
◇支部・承認団体登録事務取扱者研修会
  • 日時:9月24、25日
  • 会場:日ホ会議室
◇中間監査会
  • 日時:10月24日
  • 会場:日ホ会議室
◇第273回理事会
  • 日時:11月21日
  • 会場:日ホ会議室
◇ジャジング・スクール
  • 日時:10月31、11月1日
  • 会場:栃木県那須家畜市場


平成26年07月20日「ドイツでWHFF評議員会 次回世界会議の開催日程決まる」 〜2016年3月30日から3日間、アルゼンチンで〜
5月18日から2日間、ドイツの首都ベルリンで世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)の第30回評議員会が開催された。評議員会では、各国で心配される近交係数の上昇や繁殖性の低下の問題、変則的赤毛遺伝子のコード化、体型審査ワークショップからの報告などの議題を協議した。また、2016年に南米のアルゼンチンで開催されるWHFF主催の世界会議について開催国から日程と概観が報告された。今回、日本の評議員である日本ホル協の大友専務理事に代わって評議員会に出席した栗田事務局長から概要を報告してもらう。
各国から多くの関係者が出席
評議員会が開催されたホテルでは、日程を前後してIDF(国際酪農連盟)やICAR(家畜能力検定国際委員会)、インターブル(国際種雄牛評価サービス)の総会や専門会議等が開催され、各国から多くの関係者が参集した。インターブル会議には、家畜改良センターの情報分析課職員2名が出席していた。
本評議員会にはM・シェーファー連盟会長(豪)のほか英国、オランダ、イタリア、ドイツ、デンマーク、フランス、米国、カナダ、アルゼンチン、日本からの評議員と、このほかに個々の議題に関して、登録ワーキンググループ(WG)や体型審査WG、ICARからも関係者が出席した。
変則的赤毛遺伝子コード化を議論
シェーファー会長から歓迎の挨拶と昨年オランダで開催した第29回評議員会議事録の承認、D・ヒューイット事務局長から連盟の13〜14年事業及び決算報告・予算案が説明され承認を得た。
今回の協議事項は、先ず登録WGから新たな遺伝的形質のコード化とデータ収集について提案があった。
連盟はこれまで、遺伝的不良形質や毛色遺伝子の国際コード化(3桁表示)を推奨し、日本でも一昨年春から必要な範囲で3桁コード表示を実施している。米国は膨大なデータ量であることを理由に、現在でも2桁表示を堅持しており、各国から非難を受けている。
今回の提案は、バリアント・レッド(VR)と呼ばれる変則的赤毛遺伝子のコード化である。VR遺伝子を保有していると黒白斑(ホモ)同士の交配でも変則的に赤白斑が生まれることがある。また、各国から遺伝的不良形質や毛色遺伝子のデータ提供を受けて国際的なデータベース開発・利用を提案。
評議員からは、この毛色遺伝子も含めて遺伝形質のコード化が酪農家にとって分かりやすく、遺伝的かつ経済的に利害関係が明示されることが必要であり、引き続きWGで研究することとした。遺伝的不良形質等の国際的なデータベース開発の件は各国の諸事情や開発費の問題もあり、議論は進まなかった。
近交係数の上昇や受胎率低下を憂慮
各国の登録協会が憂慮しているのは年々上昇する近交係数の問題だ。北米や日本では登録雌牛の平均近交係数が5%を大きく超え、欧州でも4%半ばまで上昇している。近交は種雄牛の使われ方によって大きく影響されるので、今後とも登録情報を用いて交配面で留意するよう推進する必要があるとした。また、各国で計算・公表されている近交係数が、計算に用いる世代数や無登録の祖先牛をどう扱うかで計算結果が違ってくるので、各国に近交係数の計算方法を照会し、取りまとめることとした。
また、繁殖性についても連盟会員16か国からの報告によれば、平均分娩間隔が2000年に401日だったものが7年間で9日延びたこと、一方、ノンリターン率は00年の60%から07年は5ポイント漸減しており、受胎率の低下が懸念される。16年の世界会議には、繁殖性の改善に関する報告を行いたいとした。
親子判定に関して、インターブルが各国で所有する親子判定データを一元管理し、有料での利用サービスを行う構想を入手したため、ICARの運営委員を呼んで事情を聴いたが、まだ内部検討の段階で具体性は乏しいとのこと。評議員会はこれに対し、親子判定データの国際的な管理は有効とは考えるが、利用料の負担や親子判定業務の競合、各国登録協会の影響力低下につながるとし、相互に十分な協議が必要だとした。
WHFF評議員会次回は札幌で開催
次回のWHFF世界会議は16年3月30日から3日間、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催される。会議前には体型審査WSや評議員会、ホルスタインショウの開催も計画しており、各国から多くの参加を期待している。
また、次回の評議員会は日本で来年5月頃に開催することになった。

平成26年07月20日「審査委員ワークショップ」 〜デンマークで開催〜
5月8日から5月10日までの3日間、デンマーク北部の町オールボーにおいて、世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)が主催する第11回審査委員ワークショップ(WS)が開催され、世界26カ国から47名の審査委員及び関係者が集まった。わが国からは本局植原審査部長と北海道支局千葉審査部長の2名が出席したので、その概況を紹介する。
26カ国から47名
このWSはWHFFの体型審査部門における専門会議で、第1回を90年にイタリア・クレモナで開催して以来、2年に1度、各国を巡回し、「国際的な遺伝評価統一のためには体型審査手法の国際調整が必要」をメインテーマとして、そのときどきの審査全般に関する話題を協議している。各国の審査部長級担当者が一堂に集まり、研修、協議した後、自国に持ち帰り、国内の審査委員にその結果を伝達徹底を図る仕組みになっている。
国際的な審査眼統一
WSの初日は、宿泊場所であるオールボーにあるスポーツホテルで、午前中ワーキンググループメンバーによる打合せを行い、午後にはホテルから片道1時間のガードステッド牧場で供試牛の選畜を行った。2日目・3日目は、参加者全員による体型評価並びに線形評価における国間の相関について協議を行った。線形評価については、国際的調和を図る目的から、同牧場で線形評価のスコア付け等を行った。特に線形評価において、供試牛18頭による各審査委員のスコア付けに多くの時間をさき、国間での相関の低い形質について定義を再確認しながら研修を行った。
国間平均遺伝相関
体型各形質について、別表の国間平均遺伝相関(14年)で分けてみると、
  1. 相関が0.90以上の高い値がみられる形質は、体の高さ、尻の角度、乳房の深さ、前乳頭の配置、乳頭の長さ、後乳頭の配置。
  2. 相関が0.80〜0.90の値がみられる形質は、体の深さ、尻(坐骨)の幅、後肢側望、後乳房の高さ。
  3. 相関が0.80未満のやや低い値がみられる形質として、胸の幅、鋭角性、後肢後望、蹄の角度、前乳房の付着、乳房の懸垂、歩様、BCS。
なお、日本と他国間の遺伝相関が0.80未満の低い値の形質は、各国の遺伝相関と同様、胸の幅、体の深さ、鋭角性、後肢後望、蹄の角度、乳房の懸垂であった。
また、01年と14年の遺伝相関の差を見ると、高くなっている形質は、蹄の角度、尻の幅、体の深さ、後乳房の高さの順で、得点形質の相関もやや高くなっている。逆に相関がやや低くなっている形質は、後肢後望、鋭角性、乳房の懸垂、乳頭の長さであった。


平成26年07月20日「検定成績優秀牛群」 〜五味さん(長野)ら10農家〜
五味英介さん(長野県)が初の都府県1位
25年度都府県の検定成績優秀牛群表彰は、牛群検定参加牛に占める検定成績証明割合を勘案した上でF偏差値により行っている。
今回初の都府県1位を獲得した五味英介さん(長野県)は、飼養経産牛頭数41頭から48件を証明(証明率117.1%)し、平均乳脂量(F)偏差値188.9で、2位に21.7ポイントと大きく引き離した。
牛群の中には、平成25年度における2年型305日乳脂量で都府県1位の「エリックファームMノマドリヴェレストメイベル」、4.5年型365日乳量で都府県2位の「エリックヌーネスMハリーアップメー」をはじめ多くの所有牛が優秀な成績を収めている。
2位は、(公財)郡山市観光交流振興公社(福島県)の19件証明で平均F偏差値167.2、3位は佐野茂樹さん(岩手県)の27件証明で平均F偏差値166.0であった。
なお、トップ10の牛群のうち9牛群では検定成績証明の自動継続申込みを実施している。


平成26年07月20日「推奨SNPチップ検索システム」 〜50KチップかLDチップ、どっちで検査しますか?〜
日本ホル協は、未経産SNP検査をするときに、MD(中密度50K)チップ(申込料金税込2万4,065円)とLD(低密度)チップ(同1万25円)の、どちらで申込むのがよいか、判断するシステムを提供している。
対象牛は24か月未満で、牛群検定に未経産加入している登録雌牛。
利用は日本ホル協ホームページから
利用方法は、
  1. 当協会HPトップ画面から「推奨SNPチップ検索システム」をクリックする。
  2. 同システムの画面から、登録番号を入力して、エンターキーを押すか「検索」ボタンをクリックする。
  3. SNP血縁スコアが0.5以上の場合は、LDチップでの検査を推奨する。また、0.5未満の場合はMDチップの検査が望ましいと判定する。
なお、検査料金を考慮すればLDチップでも問題はないが、より精度の高い情報を得るためには、MDチップによる検査を推奨。
SNP血縁スコアとは
SNPの情報量を表す指標のこと。0〜1 までの範囲で、数値が大きいほど血縁中にSNP情報が多いことを示し、正確なインピュテーション(補完)が期待できるもの。
検査対象牛の父牛がSNP情報を持っていると、血縁スコアは0.5となる。
インピュテーション(補完)とは
密度の低いチップで得られたSNP情報を、より密度の高いチップで得られるSNP情報に拡張(推定)することで、LDによるSNP情報をそのままゲノミック(G)評価に用いるより、予め50KにインピュテーションしたあとでG評価に用いた方が、得られるG評価値(GPIまたはGEBV)の精度向上が期待できる。


平成26年07月20日「血統増も増税の駆込みか」 ~25年度登録等申込状況(都府県)~
平成25年は、世界的な気候変動と人口増、それに伴い人間の食糧と競合する配合飼料価格の高騰、さらにTPP交渉問題でわが国畜産業界全体の将来の展望が開けないなか、酪農業界にあっては特に廃業が相次ぎ、仲間が減ってしまうという危機的な状況に置かれております。
このような情勢の中、都府県の昨年度の各種登録申込み状況を別表に示しましたが、会員数においては前年比97・1%とやや減ったものの、血統登録では114・8%と大幅増の実績を残しました。また、移動証明においては96・0%、審査成績証明は98・8%とほぼ前年並みの数字が残せたことは、酪農家のご理解とご協力があったほか、関係登録委員並びに支部・承認団体のご支援の賜と改めて感謝申し上げる次第です。
約半数の県で前年比1割増
各都府県別の血統登録頭数の数字をみると約半数の県で前年比10%以上増やしたほか、青森県ではなんと2倍もの実績を挙げております。
昨年度大幅に増加した要因は、なんといっても4月からの消費税増税による駆け込み申し込みが相次いだことです。
1頭毎に申込用紙を記入して授精証明書を添付する「個別申込」にあっては、例年であれば3月末日で一応締めるところを各県からのご要望もあり、25年度分として処理したものが例年以上にあったこと。
また、個体識別センターへの出生報告と事前の授精報告をドッキングさせる「自動登録」にあっては、当初は3月半ばで締める予定と発表しましたが、当協会社員並びに支部・承認団体の強い要請を受けて3月末日出生報告分まで遅らせたことで、4月半ばに取り込んだデータまでを含めたこと。このような対応をした結果が大幅な増加に繋がったと考えられます。
言い方を変えれば、通常ならば26年度で処理する申込みまでを25年度分として処理した結果がこの数字です。従って、今から心配するのは時期尚早ですが、26年度は13分の11となる危惧が強いと考えられます。
ここで、都府県全体の、血統登録頭数の推移をみると、平成21年度が4万6,560頭、22年度が4万5,700頭、23年度が4万5,180頭と徐々には減ってきましたが、24年度は4万5,534頭と盛り返しました。全国の乳牛頭数が毎年のように減少していることから考えると、改良集団としての血統登録牛の比率が益々増えているといっても過言ではありません。
ところで、平成22年度以降は審査成績の数字には後代検定材料娘牛と同期牛の体型調査頭数も加えており、これを除いた有料の審査頭数は、平成21年度が8,106頭、22年度7,418頭、23年度8,258頭、24年度9,225頭、25年度9,303頭となり、この4年間は大きく増えてきました。年度による増減があるものの、一定レベルの頭数を受検していただいていることに対して、関係各位の改良事業に対する意識の高さを感じる次第です。
(大西信雄登録部長)


平成26年07月20日「登録推進で団体表彰」 ~自動登録増加は新潟県酪連~
日本ホル協では毎年度、会員拡大や血統登録の推進、自動登録の普及や審査の普及推進に貢献している各都府県支部・承認団体を表彰している。25年度の表彰団体は次のとおり。
会員拡大推進団体
  • 【優秀賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会
  • 【優良賞】
    • 鹿児島県酪農業協同組合
    • 宮崎県経済農業協同組合連合会
  • 【努力賞】
    • 全国農業協同組合連合会青森県本部
    • 福島県酪農業協同組合
    • 岩手県支部
    • 大山乳業農業協同組合
    • 愛知県酪農農業協同組合
自動登録普及推進団体
①増加指数によるもの
  • 【殊勲賞】
    • 新潟県酪農業協同組合連合会
  • 【敢闘賞】
    • (一社)埼玉県畜産会
    • 岩手県支部
  • 【努力賞】
    • 石川県酪農業協同組合
    • 山梨県家畜改良協会
    • (一社)岐阜県畜産協会
    • 茨城県酪農業協同組合連合会
    • 山形県支部
②普及指数によるもの
  • 【殊勲賞】
    • 大山乳業農業協同組合
  • 【敢闘賞】
    • 大阪府総合畜産農業協同組合連合会
    • 鹿児島県酪農業協同組合
  • 【努力賞】
    • 秋田県支部
    • 愛知県酪農農業協同組合
    • おかやま酪農業協同組合
    • (一社)岐阜県畜産協会
    • (公社)山口県畜産振興協会
血統登録普及推進団体
  • 【殊勲賞】
    • (一社)岐阜県畜産協会
  • 【敢闘賞】
    • 全国農業協同組合連合会青森県本部
    • (公社)群馬県畜産協会
  • 【努力賞】
    • 広島県酪農業協同組合
    • 大分県酪農業協同組合
    • 秋田県支部
    • 岩手県支部
    • 鹿児島県酪農業協同組合
審査普及推進団体
①増減率によるもの
  • 【優秀賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会
  • 【優良賞】
    • ふくおか県酪農業協同組合
    • 茨城県酪農業協同組合連合会
  • 【努力賞】
    • おかやま酪農業協同組合
    • 福島県酪農業協同組合
    • 大分県酪農業協同組合
    • 新潟県酪農業協同組合連合会
    • 秋田県支部
②審査頭数によるもの
  • 【優秀賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会
  • 【優良賞】
    • 岩手県支部
    • (公社)群馬県畜産協会
  • 【努力賞】
    • 酪農とちぎ農業協同組合
    • 愛知県酪農農業協同組合
    • ふくおか県酪農業協同組合
    • 鹿児島県酪農業協同組合
    • 大山乳業農業協同組合

平成26年07月20日「審査成績優秀牛群」 ~平成25年度~
日本ホル協は、25年度審査成績優秀牛群の表彰を、審査頭数によって10~29頭、30~49頭、50頭以上の3クラスに分け、それぞれ平均体型偏差値の上位牛群から選び、各クラス10農家計30農家を表彰した。
10~29頭播磨農高
「審査頭数10~29頭」クラスでは、兵庫県立播磨農業高校が審査頭数15頭(受検率78.9%)、平均審査得点86.5点、平均体型偏差値154.8で昨年の2位からトップとなり、これで同校はこの6年で4回1位を獲得した。
2位も同じく兵庫県で、池田喜昭さんが審査頭数16頭、平均審査得点86.6点、平均体型偏差値154.5の成績を挙げた。池田さんは6年ぶりのベストテン入りとなった。
3位には谷口学さん(京都)が6年連続、4位の長崎県立島原農業高校も6年連続、5位の京都府立農芸高校は4年連続のベストテン入りとなった。
30~49頭古川豪樹さん
「審査頭数30~49頭」クラスでは古川豪樹さん(佐賀)が、審査頭数45頭(受検率91.8%)、平均審査得点86.3点、平均体型偏差値154.7となり、2年連続の1位となった。
2位には小林正春さん(長野)が昨年の5位からの表彰となり、審査頭数39頭、平均体型得点85.2点、平均体型偏差値142.4であった。3位は吉原直樹さん(岡山)が2年ぶりのベストテン入り。4位には常連の青木洋介さん(埼玉)が入った。
50頭以上弓家直人さん
「審査頭数50頭以上」クラスでは、弓家直人さん(茨城)が審査頭数56頭、平均審査得点85.3点、平均体型偏差値144.1で昨年の2位からトップとなった。
2位は松島太一さん(熊本)で、審査頭数50頭、平均審査得点84.4点で連続2位となった。松島さんは09年まで8年連続1位を獲得した実績がある。3位は岡嶋建一郎さん(大分)で最近7年で常に上位にランクされている。4位三浦幹雄さん(鳥取)は6年連続の4位以上を獲得した。7位の(有)萩原牧場(群馬)は表彰した中で85頭の最多受検頭数であった。


平成26年07月20日「新人紹介」 ~登録部登録課椛沢洋二~
6月1日付けで当協会に入会し、登録部登録課配属になりました椛沢洋二と申します。
私は「裾野は長し 赤城山」(上毛かるた)で有名な、群馬県の酪農家戸数が比較的多い前橋市(旧富士見村)で経産牛約30頭を飼養する酪農家の次男として生まれ、幼い頃から牛と共に生活をしてきました。高校と大学校では酪農を専攻し、平成9年4月に群馬県家畜登録協会に就職、2年間は養豚関係事業、その後は乳牛改良の仕事に就くことになりました。平成19年から団体統廃合された群馬県畜産協会で同様に改良の仕事を担当してきました。
前職では、登録事業、後代検定事業、審査業務、共進会業務、改良同志会事務局等を担当しました。配属当初は右も左もわからない状態の私でしたが、県内の酪農家の皆様から暖かく指導いただいた事はとても大切な財産になっており、感謝の意に堪えません。
初めて、町共進会の審査員を務めた時に「この場合は、こういう説明をした方がみんなが説得できると思うよ」など、農家さんにかけていただいた言葉は今でも鮮明に覚えています。群馬県での仕事を17年間務め、この度は縁があって、当協会に就職することになりました。
現在は、将来審査委員としてひとり立ちをするために必要なスキルを身につけるため、当協会の根幹である血統登録に関する一連業務をより深く勉強しているところです。「家畜改良に必要なのは、日々の積み重ねと正確な記録をとること」と就職当時上司に教わったことを基に、皆さまの愛牛の血統登録証明書の重大さや責任、そして血統登録と同様に審査成績証明や検定成績証明等のすべてが当協会の後代に残す大切なデータであると実感しております。
これからは、日本酪農の歴史と共に歩んできた日本ホルスタイン登録協会の一員としての自覚を持ち、皆さまに納得していただけるような目を養い、一日でも早く審査委員として皆さまの牛舎にお伺いできるよう、知識・技術を習得していきたいと思いますので、審査に出向いた際には、あたたかく迎えていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

平成26年07月20日「中央審査研究会募集中」 ~9月9~11日北海道新ひだか町で開催~
日本ホル協は、9月9~11日中央審査研究会を開催する。
これは、審査業務に従事する登録協会の支部・承認団体関係者のほか審査技術の向上を目指す指導者・技術者を対象として、全共開催年以外の毎年度開催している。
研修内容は、審査標準研修の後、模範審査に始まり8頭の牛を使って、班毎に日ホ協審査委員と研究。その後、研修成果を確認するため、4頭1組2セット、計8頭の牛について22の線形主要形質と13の線形調査形質の評価、4大区分の得率、決定得点の答案を提出し、結果を審査委員とともに研修する。 ☆日時:9月9日(火)13時~11日(木)12時
☆場所:北海道新ひだか町(独)家畜改良センター新冠牧場
☆会費:1万円
☆申込締切:8月8日(金)

平成26年07月20日「登録推進に活躍された方々」 ~登録委員70名を表彰~
日本ホル協は、登録委員に対する表彰要領に基づき、各都府県支部・承認団体から推薦のあった28県70名の登録委員の方々を表彰した。
登録委員は、酪農組合などの技術職員で、日本ホル協が委嘱し、酪農家に最も身近な立場で登録申込書の作成や改良指導などに日頃から活動されており、登録推進には不可欠な存在である。常々のご尽力に対して心から感謝の意を表する次第である。
25年度の表彰登録委員は次のとおり(敬称略)で、後日感謝状と記念品が贈られる。
28県70名の方々を表彰
  • (青森県)藤谷龍
  • (岩手県)東舘直樹、赤坂清美、村上祐記、山本貴士
  • (宮城県)高橋清治、伊藤絵美、佐々木司幸
  • (福島県)安斎明徳、沼尾格
  • (茨城県)潮田寛見
  • (栃木県)君島三枝子、岡信也、松本勲、星徹、山田勝巳
  • (群馬県)飯島和博、宮崎智裕、田村弘幸、福田真由美、鑓田龍郎
  • (埼玉県)木村紀美江
  • (千葉県)水野好幸、増戸弘典、高橋幸一、田村晃
  • (新潟県)岡崎敦、斉川太一
  • (長野県)有賀靖浩、山下秋広、裏見尚、矢沢琢磨
  • (岐阜県)丸山雅義、和田幸治
  • (静岡県)冨田康弘、吉岡武志、向山洋
  • (愛知県)渡辺利益
  • (兵庫県)道満文貴、仲哲也、宮本信治、湯本和秀
  • (奈良県)松本絋美
  • (鳥取県)山本雄一郎
  • (島根県)若槻素直
  • (岡山県)保田徹、吉永道功
  • (愛媛県)岡山圭太、浅岡隼也
  • (高知県)竹内紀恵、山本博将
  • (福岡県)赤塚修二
  • (佐賀県)野口秀剛
  • (長崎県)吉居正二
  • (熊本県)谷田将人、甲斐規一郎、中村壽宏、高橋佑弥、清水栄宏
  • (大分県)石井圭介、田北良
  • (宮崎県)諏訪智洋、谷口正信、黒木信宏、谷山健一郎
  • (鹿児島県)日高央元、池平悠理、長野昭紀、泊秀一、上園優希

平成26年07月20日「生涯乳量」 ~都府県26年4~6月~
26年4~6月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛43頭を示した。今回は上位11頭が総乳量10万㌔を突破した。
1位・米野勝也さん(熊本県)所有
「KKFブレンデンアーリンダ」
生涯乳量トップは、米野勝也さん(熊本県)所有の「KKFブレンデンアーリンダ」(平11.8.8生)の検定回数10回で検定日数3,924日、総乳量13万161㌔、総乳脂量4,374㌔、平均乳脂率3.4%、総乳蛋白質量3,780㌔であった。本牛は、全産次の一括証明申請を行ったことで総乳量13万㌔を突破し、熊本県歴代記録1位を獲得する素晴らしい記録となった。これにより、同県内で生涯乳量10万㌔突破牛は3頭目であり、13万㌔突破は県内初となった。
2位・石川和博さん(静岡県)所有
「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」
2位は、石川和博さん(静岡県)所有の「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」(平15.9.7生)の検定回数5回で検定日数2,693日、総乳量12万3,824㌔、総乳脂量7,085㌔、平均乳脂率5.7%、総乳蛋白質量5,149㌔であった。今回の検定成績証明により、総乳量12万㌔を突破し、本牛自身の持つ静岡県歴代1位の記録を更新した。本牛は乳量だけでなく乳脂量でも都府県歴代2位の記録を持ち、さらに審査得点91点を獲得しており泌乳能力並びに体型に秀でた牛である。
3位・皆川美範さん(栃木県)所有
「サワーランドジェファーソンアンブローズ」
3位は、皆川美範さん(栃木県)所有の「サワーランドジェファーソンアンブローズ」(平14.6.17生)の検定回数9回、総乳量10万8,080㌔、総乳脂量3,762㌔、平均乳脂率3.5%、総乳蛋白質量3,546㌔であった。本牛も全産次の一括証明申請によって総乳量10万㌔を突破した。
また、今回第10位の同所有牛も総乳量10万㌔を突破している。
4位・中河原精一さん(岩手県)所有
「マンテラオプションマックス」
4位は、中河原精一さん(岩手県)所有の「マンテラオプションマックス」(平13.3.28生)の検定回数8回、総乳量10万7,433㌔、総乳脂量3,919㌔、平均乳脂率3.6%、総乳蛋白質量3,407㌔であった。
前述の牛を始め、5位・松本正幸さん(岡山県)、6位・鈴木積さん(栃木県)、7位・中島康森さん(福岡県)、8位・池松和幸さん(福岡県)、9位・嶋田認さん(岡山県)、11位・三村洋平さん(岡山県)所有牛も総乳量10万㌔を突破し、素晴らしい記録を残している。
16位の佐藤俊さん(宮城県)、18位の中之条高等学校(群馬県)、26位中六角保広さん(岩手県)、27位の中島康森さん(福岡県)、41位の新海益二郎さん(長野県)所有牛は、審査得点90点以上(EX)を獲得しており、体型面でも優れた成績を残している。


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平成26年07月20日「年型別検定優秀牛」 ~平成25年度都府県~
25年度都府県の検定成績優秀牛として、表に示した延べ32頭をまとめた。昨年度は日本記録の更新はなかったが、池島和博さん(宮崎県)所有牛が2つの部門で都府県記録(表中、名号前の*印)を更新した。また、(独)家畜改良センター(福島県)所有牛が5つの部門でトップを獲得した。
2部門で都府県記録更新
都府県記録を更新したのは、池島和博さん所有の「58ヤマギシジェスロバベル」(父バッカイ)で、3年半型305日乳量で1万8,305㌔を記録した。この記録は、平成25年度における同年型の全国記録でも1位を獲得する素晴らしい記録であった。
また本牛は、3年半型365日乳量でも2万871㌔を記録し都府県記録を更新した。この記録も平成25年度における同年型の全国1位となる高記録であった。
優秀牛の所有者では、前述の家畜改良センターに次いで、(有)加藤牧場(埼玉県)、(株)荒木牧場(熊本県)所有牛がそれぞれ3部門でトップとなるなど、優秀な成績を収めている。


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平成26年07月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成26年6月証明分F偏差値~