2019年09月20日号「日本ホル協特集号」
4面
第15回全共・九州沖縄大会に向けて確認!出品条件Q&A
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令和2年10月31日(土)から11月2日(月)までの3日間、第15回全日本ホルスタイン共進会・九州沖縄ブロック大会が開催される。前回の北海道大会から早くも4年が経過しようとしている。今大会は、九州・沖縄の8県が共同で開催する初のブロック大会である。開催地の宮崎県は2010年の口蹄疫から来年で10年目の節目を迎える。この大会では、宮崎の酪農・畜産の復興を広くアピールするとともに、九州・沖縄管内1500戸の酪農家が牛乳の生産向上や乳牛改良にかける意欲と熱意を全国に強く発信する大会となる。また、前回同様に、我が国の後代検定事業の推進の一環として、後代検定参加種雄牛の娘牛の部を設けるとともに、酪農後継者の育成を担う高等学校特別枠による出品奨励などが設けられている。出品に関する詳細は、日本ホル協又は都道府県登録取扱団体まで問い合わせ願うが、ここでは出品に関する主なQ&Aを紹介したい。
Q1.出品申込の締切日は?
A.令和2年9月24日(木)まで。
Q2.血統登録申請牛は?
A.血統登録申請中のものは出品できない。したがって、必ず両耳に所定の耳標を装着して各都道府県で審査選定が開始される令和2年4月までに、確実に血統登録申込みを行い、出品申込締切日までに、血統登録証明書が手元に届いていること。また、出品牛の飼養地と審査会場への搬入・搬出に際しては、(独)家畜改良センター宛に各自で転入・転出報告を行うこと。
Q3.1農家の出品は何頭まで?
A.ホルスタインの一般枠には1戸2頭まで出品できる。ただし、第1、2、5部(後代検定娘牛の部)と第13~14部(ジャージーの部)に出品する牛は1戸何頭までという制限はない。したがって、1農家でホルスタイン一般枠(2頭以内)に加えて、後代検定娘牛の部やジャージーの部にも出品することが可能。
Q4.シンジケート所有牛の取扱いは?
A.会員登録済のシンジケートは1会員とみなし、便宜、ホル一般枠では「1シンジケート2頭以内」とする。シンジケート所有牛を「ホル一般枠」に出品する場合は、その構成員でこの牛の飼養者からの出品となり、シンジケート所有牛を含めて1戸2頭まで出品できる。シンジケートからの出品牛は出品者個人名またはシンジケート名の何れかで表記する。
なお、これらの出品に加えて、後代検定娘牛の部やジャージーの部への出品に係る頭数の制限はない(Q3参照)。Q5.後代検定娘牛は、一般クラスにも出品可能か?
A.後代検定娘牛を一般枠に出品することは可能だが、同じ牛を「後代検定娘牛の部」と「一般枠の部」に重複して出品することはできない。
後代検定娘牛の部は、第1部(未経産生後12月齢以上14月齢未満)、第2部(同14月齢以上16月齢未満)、第5部(経産3歳未満)の3クラスで、後代検定済みまたは同候補種雄牛(過去の候補種雄牛を含む)の娘牛が対象。出品牛の産地及び飼養期間はQ7を、検定条件はQ11を参照。Q6.高等学校特別枠の対象は? 何頭まで出品できるか?
A.対象は高校(専門学校や短大、大学は対象から外す)。この特別枠はホルスタインの一般枠や後代検定娘牛の部に出品しない高校に割当てられ、1校1頭の出品。なお、高校が、この特別枠ではなく一般枠や後代検定の部に出品することは可能だが、高校枠に重複出品することはできない。高校からの出品に対しては、特別賞を贈呈する予定。
Q7.産地や飼養期間の条件は?
A.第1~4部(未経産)は自県産で、出品者が令和2年9月30日まで引き続き6か月以上所有し、飼養していなければならない。第5~12部(経産)は国内産で、出品者が令和2年9月30日まで引き続き1年以上所有し、飼養していること、また、ジャージーの部出品牛(第13~14部)は国内産で、出品者が令和2年9月30日まで引き続き6か月以上所有し、飼養していることが条件。
Q8.飼養期間は、具体的にはいつから?
A.飼養期間は日本ホル協の登録牛移動証明および牛個体識別全国データベース(出生または転入報告)によって確認する。具体的には、①「出品者が引き続き6か月以上所有し飼養」とは、令和2年3月31日以前から所有し飼養していること、②「出品者が引き続き1年以上所有し飼養」とは、令和元年9月30日以前から所有し飼養していること。
Q9.飼養期間中の預託は可能か?
A.Q7、Q8にいう「飼養期間」とは、「出品者が所有し飼養している期間」であり、育成牧場等への預託期間を「飼養期間」に含めることはできない。したがって、出品予定牛を育成等で預託している場合は、Q8の①②の飼養期間以前に預託先から引き揚げること。
Q10.生後19月齢以上の未経産牛は妊娠確実でなければならない?
A.はい。生後19月齢以上の未経産牛(第4部)は妊娠確実であることが条件。なお、種付けの日を含めて180日以上で流・早産したものは経産牛とする。
Q11.出品牛や母牛に、検定の条件があるのか?
A.ホルスタインとジャージーの各部には、日本ホル協の検定成績証明申込みまたは証明済みという条件がある(乳量等の基準はない)。牛群検定を実施しているだけでは条件を満たさない。
検定条件はホルスタイン、ジャージーとも共通で、①22月齢未満の未経産牛は、出品牛の母牛が検定成績証明を申込中または証明済みであること、②30月齢未満の経産牛は本牛が検定成績証明申込中であること、③30月齢以上48月齢未満の経産牛は、本牛が検定成績証明を申込中または証明済みであること、④48月齢以上の経産牛は、本牛が検定成績証明済みであること。Q12.検定成績証明を取得しているかの確認は?
A.確認は、日本ホル協または最寄りの都道府県登録取扱団体へ。出品申込の締切時点(令和2年9月24日)でQ11の検定条件を満たしていなければ出品できない。
出品を見込んでいる牛で検定条件を満たしていないものは、時間的な余裕を考えて、遅くても令和2年7月31日(厳守)までに検定成績証明を申込むこと。
なお、48月齢以上の出品牛(第10~12部、第14部の一部)は、「検定成績証明済み」が条件なので、既に検定終了または令和2年9月18日(出品申込締切の前週末)までに検定の終了(公式記録で検定期間が305日以上のもの、または305日未満で乾乳、疾病、除籍のため検定を終了または中止したものをいう)が見込まれるものとする。牛群検定農家(立会)で検定を確実に実施していれば、過去の検定記録をもって検定成績証明を申込むことができる。Q13.出品牛の衛生・防疫関係は?
A.「第15回全共衛生対策要領」に基づいて徹底する。
出品牛の衛生条件として、①居住している都道府県を出発する72時間以内に、家畜防疫員の臨床検査を受け、健康であることの確認、②結核病、ブルセラ病、ヨーネ病の検査を実施していること、③炭疽、牛流行熱、イバラキ病、牛異常産(3種混合不活化ワクチン又は4種混合不活化ワクチン)、牛呼吸器病(5種混合生ワクチン又は6種混合ワクチン)の予防注射を実施していること、④真菌症の皮膚病及びイボ等の体表異常がないことの確認、⑤搬出時に、宮崎県家畜衛生担当者による健康状態の確認が義務付けられている。
出品牛を搬入する際には、登録証明書(写)、所定の出品牛検査・予防注射証明書および臨床検査確認書を提出願う(出品牛検査・予防注射証明書は事前に宮崎県都城家畜保健衛生所あてにFAX要送付)。Q14.出品者の服装や出品マナーは?
A.「出品作法の遵守」として、守るべき出品牛/出品者マナーを定めている。出品牛の欠点を隠すための牛体への不自然な整形・調整や体毛操作(つけ毛や植毛)、異物挿入、過度の給水等の不正な行為を絶対に行わないこと。
また、「背線や尾根部の毛の長さは3cm未満」、「乳房へのオイル、ジェル、艶出し等を使用禁止」としている。出品者の服装は上下とも白色のもので、牧場名等の文字の入っていないものを着用する。なお、公正な条件下で審査が行われるよう、会期中には監視員による巡回確認を行う。
詳細は一般社団法人日本ホルスタイン登録協会(03―3383―2501)、または、日本ホル協Webサイトまで。
元年10月よりホルスタイン種雄牛
登録番号=耳標番号 5桁から10桁へ
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ホルスタイン種雄牛の登録番号は、日本ホル協が独自に付番した5桁番号を使用しているが、雄牛は血統登録の前に、遺伝病や親子判定、SNP検査などの遺伝子型検査が必須であり、その際には耳標の10桁番号を使用している。その後、血統登録する際に、耳標の10桁番号で受けた検査結果を5桁番号に変換しているが、この時、情報の結合や個体確認において誤りが起こりやすい要因となっていた。
この状況を改善するために、令和元年10月よりホルスタイン種雄牛の登録番号を耳標の10桁番号に変更することになった。従来からの5桁番号は授精用略番号として日本ホル協が管理・付番し、後代検定符号(JP―H)とともに利用できる。10月1日以降に血統登録証明した雄牛の授精用略番号は60001から連続付番し、血統登録証明書の右上欄外に表示する。
なお、過去5 桁番号で血統登録証明したものについては、10桁への変更は行わない。雄牛の新しい血統登録証明書の見本
ロボット適合性調査始まる 全国で5千頭実施予定
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日本ホル協では乳用牛群検定全国協議会が国からの補助を受けて実施する事業のうち、ICT化機械装置(特に搾乳ロボット)に適合した家畜生産のための調査として、平成31年度よりロボット適合性に係る体型審査(以下、「ロボット調査」という)を実施することになった。
事業の目的
本事業では、搾乳ロボット等の規格に合った乳用牛を作出するため、ロボット調査並びにロボット搾乳状況調査を実施し、遺伝的な面を考慮したうえで体のサイズ、乳房・乳頭等の形状および搾乳性等のデータを収集する。また、それから得られる情報に基づき、搾乳ロボット等の規格に合った乳用牛の改良を効率的に推進するため、ロボット適合性指数等を作成する。
ついては、通常の牛群審査等の日程に併せてロボット調査を実施するので、協力願いたい。調査実施対象牛
主に搾乳ロボットを導入した牛群検定農家に飼養されている登録牛(搾乳中の初産から3産まで)を対象にする。また、対照のために搾乳ロボットを導入していない牛群検定農家で飼養されている登録牛でも、調査を実施する場合がある。
調査実施対象農家
対象農家は、体型調査および歩様調査に協力頂いている農家とする。但し、事業の関係上、体型調査および歩様調査と同時に実施できないことから、ロボット調査だけの「調査対象農家リスト」を作成して支部承認団体に送付するので、調査に協力していただける農家を調整して頂きたい。
調査実施方法
実施頭数は全国で5千頭以内とし、1農家最大20頭までとするが、調査農家の飼養頭数や協力農家依頼戸数によっては、この限りではない。
ロボット調査では従来の形質の他に、新たな線形形質として寛幅と底面高(乳房底面の高さ)を追加して調査する。
なお、搾乳ロボット農家での調査では、牛群の状況および調査した牛の搾乳ロボットへの行動や、体型が適合している等についての簡単な聞き取り調査を実施する。調査票は事前に送付するので、調査前までに記入して頂きたい。左「寛幅」と右「底面高」の例
全共を写真で振り返る5
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第15回全共 九州・沖縄ブロックまで
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5面
令和元年度登録委員研修会 Webシステムの活用を
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去る7月下旬から8月上旬にかけて、登録委員を対象とした地区別登録委員研修会を開催しました。今年度は東北地区(福島県)、中部・北陸地区(三重県)、近畿地区(奈良県)、中国・四国地区(高知県)、九州地区(鹿児島県)の5地区で151名が参加。研修内容のうち、Webシステムの講演と事務研修の概要をお伝えします。
更に便利に近交情報システムWeb 複数端末で情報を管理
前年の10月より全国で利用可能となった「近交情報システムWeb」は、スマートフォンやタブレットから、全国の雌牛と供用可能種雄牛との間に生まれる産子の近交係数を検索できるシステムである。利用申し込み、使用料は共に不要で、ネット環境さえあればシステムは自由に利用できる。検索対象の種雄牛は国内種雄牛だけでなく、輸入精液や後検候補牛等を含め、約700頭と幅広い。ホルスタイン種の他に、ジャージー種とブラウンスイス種の検索も可能である。
操作方法は以下の通り。トップ画面の「農家選択」で農家コードを入力し、「種雄牛選択」で対象種雄牛を選択する。「雌牛選択」には農場の在籍雌牛一覧が表示されるので、対象の雌牛を選択すれば、先に選択した種雄牛との近交情報が表示される。一度登録した農家コードや種雄牛は端末に保存されるので、2回目以降は「雌牛選択」だけで近交情報を得る事ができる。
近交情報の確認画面には近交係数だけでなく、種雄牛のNTPや乳代効果も表示される。新機能紹介
リリース以降、好評を博している本システムであるが、利便性の向上のために新しい機能を追加した。新機能は他機種とのリンク機能である。リンク機能とは、農家情報や種雄牛の選択などの設定情報を別の端末と共有出来る機能であり、パソコンで設定した内容をスマートフォンでも利用可能になった。例えば、700頭を超える種雄牛から利用したい種雄牛達を選択することはスマートフォンよりもパソコンが向いており、パソコンで種雄牛を選択して、スマートフォンで近交情報を確認するといったことができる。リンク機能の詳しい使用方法は日本ホル協Webサイトを参照されたい。
情報満載登録情報活用システム Web利用でペーパーレスに
平成31年4月から開設されたRIUS(ライアス)は、スマートフォンやパソコンでWeb上にある個々の血統能力証明書(検定成績)を閲覧・印刷できるほか、証明書に表示しきれなかった血統情報や歴代の審査成績、最新の評価情報といった関連情報も参照できるシステムである。
RIUSを利用するためには血統能力証明書(検定成績)の自動継続を申し込む必要があり、自動継続とは牛群検定に加入しており、毎年継続して検定期間終了牛の検定成績証明を発行するものである。
RIUSを利用することで、さまざまな情報をスマートフォンやパソコンで閲覧可能になり、利便性が向上する。また、「証明書が必要なのに見つからない!」「枚数が多すぎて管理できない!」というようなことを解消して、情報の整理が簡単になる。
4月以降、自動継続実施農家は、血統能力証明書の印刷・送付は原則として省略している。RIUSでは、血統能力証明書の閲覧だけでなく、PDFとしてダウンロードすることができ、必要に応じて印刷が可能だ。ただし、充分なインターネット環境が整備されていない農家がまだ多いことから、申込農家の希望により当分の間は印刷発行にも対応している。また、印刷省略に伴い、毎回、証明した検定成績を一覧にした「血統能力証明書」を新たに発行している。
この機会に検定成績証明の自動継続の申し込みを検討しては如何だろうか。書類のチェックポイントをおさらい 防ごう!事故照会
最近の血統登録申し込みにおいて、書類の記入漏れがあるために血統登録証明書が発行できずに、事故照会となってしまうケースが特に増えてきています。この現状を踏まえて、研修会では申込書の書き方や授精証明書の記載確認など、基本に立ち返った内容を中心に研修を行いました。研修会に参加できなかった登録委員の皆様には今一度、次の注意点①~③についてご確認願います。
① 申込書の書き方
申込書は、該当する項目全てを記入する(申込書の記入例参照)。また、申込牛が家畜改良センターへ出生報告が出ているか、母牛が導入牛の場合は移動証明が済んでいるかなど確認が必要。
② 授精証明書の記載
申込書に添付する授精証明書は、全ての項目が記載されているかどうかを確認する。また、ET生産牛を血統登録する場合に必要な受精卵証明書や受精卵移植証明書についても、記載内容の漏れがないかを確認する。
③ 授精証明書の省略
血統登録申し込みの際には授精証明書の原本の添付が必要だが、次の場合は授精証明書の添付を省略できる。
・自家授精の場合
・授精した家畜人工授精師(又は獣医師)と登録委員が同一人物、もしくは同一所属団体の場合
ただし、授精証明書を省略するときは、申込書の左下欄にある枠内の必要項目を記入すること。正しい登録のために
遺伝評価値や近交係数などの牛群改良のための情報は、血統登録のデータを利用して計算されているため、血統情報は正しいものでなくてはなりません。当協会では血統登録の申込書や授精証明書等の内容から血統に矛盾がないかをチェックしています。そのためには不備のない書類であることが必要ですので、ご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。
検定成績優秀牛 -都府県令和元年8月証明分F偏差値-
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6面
審査頭数4633頭・EX195頭 -令和元年度前期4月-7月都府県-
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都府県の牛群審査・体型調査・歩様調査は4月~7月で前期日程を終了した。ホルスタイン種の牛群審査は4313頭、牛群奨励・個体審査は268頭、合計4581頭を実施し、前年同期比で29頭増加した。他品種では、ジャージー種52頭(15頭減少)、ブラウンスイス種0頭(3頭減少)となり、減少する結果となった。また、家畜改良推進事業に係る体型調査は、今年度の都府県における計画頭数7742頭に対し、563戸で3189頭(525頭減少)の体型データを収集した。同時にJRL事業による歩様調査は、今年度の都府県における計画頭数3126頭に対し、182戸で1597頭(417頭増加)のデータを収集し、大幅に減少した体型調査と歩様調査の合計では前年度より108頭の減少となった。
なお、審査得点90点以上には、ホルスタイン種194頭・ジャージー種1頭がエクセレントと評価され、このうちE表記(複数回EXに評価された)牛は74頭であった。審査頭数は通年ベース・体型調査は大幅な減少
今期の都府県における牛群審査と奨励・個体審査は、前年同期比で18戸減少・29頭増加し、367戸4851頭の審査を実施した。後継者不足などの問題により、全国的に酪農家戸数が年々減少するなか、今期の都府県における審査戸数も前年同期比では減少したが、受検農家1戸当たりの審査頭数が微増したことで、概ね通年ベースの実績を確保することができた。また、後代検定娘牛と同期牛の体型調査は、材料娘牛の体型データを効率よく収集するため、都府県の牛群検定加入戸数・頭数と後代検定材料娘牛頭数、そして血統登録の有無を条件に当協会がそれぞれの計画頭数を配分している。当然ながら都府県ごとの酪農家戸数は異なるので、調査頭数の大小で都府県の実績に優劣をつけるものではないが、調査頭数が多いほど血統登録並びに牛群検定の加入が進んでいるものと言える。このような状況の中、今期の体型調査は都府県563戸で調査を行い、3189頭の体型データを収集した。前年同期比103戸・525頭減少となったことで、その実績が大幅に減少する結果となった。性選別精液の利用が定着したことで後継牛の効率的な確保が進んでいる反面、和牛ETやF1などの子牛の市場価格が高止まりしていることも減少の一因と思われる。
一方、JRL事業による歩様調査は昨年度と同様に体型調査と並行して実施。事業の性格上、歩様スコアが収集可能なフリーストール・フリーバーン牛舎に限定したにもかかわらず、前年同期比で11戸・417頭増加となった。10月から後期日程が開始されるので、体型調査・歩様調査への協力をお願いするとともに、後代検定事業への積極的な協力をお願いしたい。審査頭数1位は岩手県
審査頭数を都府県別にみると、岩手県の578頭が最も多く、次に熊本県が479頭で2位、栃木県が302頭で3位、群馬県が299頭で4位、千葉県が200頭で5位となり前年同期と同一の順位、上位5県で都府県審査頭数の4割を占める結果となった。
また、後代検定事業の体型調査は、前述したとおり当協会が都府県に割り当てた計画頭数に基づき、それぞれの都府県内で前後期の調査頭数を調整している。その中で、調査頭数が最も多かったのは、審査頭数同様に岩手県の559頭であった。次いで2位が熊本県343頭、以降、群馬県・栃木県・鳥取県と続いた。一方、歩様調査を最も多く実施したのは熊本県の395頭。次いで群馬県・鹿児島県・栃木県・鳥取県と続いた。
牛群審査と体型調査・歩様調査の合計では、熊本県が最も多い1217頭で前回に引き続き第1位。2位となった岩手県までが1千頭を超える1014頭。以降、群馬県777頭・栃木県600頭で、ここまでは前回同様の順位となったが、第5位には新たに鳥取県が456頭でベスト5にランクイン。鳥取県内の血統登録並びに牛群検定の実施率の高さが窺える結果となった。EX牛195頭
都府県で審査頭数90点以上(エクセレント=EX)に評価された雌牛を表に示した。県別では岩手県が34頭でダントツの1位。次いで群馬県24頭、熊本県19頭、千葉県13頭、栃木県11頭と続き、33都県でホルスタイン種194頭、ジャージー種1頭がEX牛として評価された。このうち、2E55頭、3E17頭、4E2頭が分娩更新をするとともに、その評価を更新した。
高得点では、EX93点と評価された雌牛が2頭(本誌2019年7月20日の日本ホル協会特集号で紹介)、群馬県三輪牧場の「ゴツドフレイラテイチユードローズ」号が92点から93点(3E)、神奈川県㈲グツドリバー牧場の「グツドリバーローヤルリステルシーバー」が92点から93点(4E)に評価された。このほかに、岩手県・山崎敏氏、宮城県・大槻尚弘氏、山形県・置賜農業高校、栃木県・大関悠太氏、千葉県・田中隆和氏、山梨県・馬淵博聡氏、愛媛県・下岡優氏、熊本県・㈱豊永ファーム、同・岩根正始氏、同・南稜高校、同・村田輝幸氏の、それぞれで初EX牛が誕生した。長きにわたり続けてきた改良努力の成果と優れた管理技術に敬意を表したい。
なお、表には今期の得点を示したが、E表記の場合は過去の最高得点が正式な記録として保管される。例えば4産90点の牛が、5産91点、6産90点の場合、5産次の最高得点にEX更新回数が加算されて、EX91-3Eとして正式に記録されることとなる。
7面
コスモポリス再び1位 新規種雄牛も台頭
国内種雄牛2019-8月
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(独)家畜改良センターは8月6日、乳用種雄牛評価成績2019―8月評価を公表した。
今回の評価成績では精液供給可能種雄牛は73頭、新規種雄牛は総合指数(NTP)上位40頭に12頭も入った。コスモポリスが2期連続トップ
今回のNTP1位は前回に続きグリーンハイツ コスモポリス ETであった。コスモポリスは2018―8月評価で2位、前回2019―2月で1位となっている。2位のレイバー ナイアグラ パリツシユ ETが前回より1つ順位を上げた。初登場の2016―8月から3年上位キープしている。3位のSMF スノー アンブローズ ETは前回の25位から一気にジャンプアップした。乳器が4位、決定得点が3位と体型改良に期待が持てる。
産乳成分は前回に続きコスモポリス(NTP1位)が1位であった。2位はSWナイアグラ(同4位)、3位はモンスターハンター(同8位)であった。
耐久性成分1位は新規のプラスバーランド ブランデイ チエダー ET(同35位)であった。チェダーは乳器、決定得点も上位で体型形質の改良にも期待したい。2位は前回3位のスーパー マーレン(同28位)、3位は前回2位のフエイス フオワード(同39位)で今回は2位と3位が逆転した。
疾病繁殖成分は前回に続きフエイスフオワードが1位であった。3期連続ソクラテス
長命連産効果は3期連続でモーニングビユー SHTL ソクラテス ETが1位、2位はテイーユー フエイス フアツトボーイで前回より1つ順位を上げた。
新規種雄牛は12頭
今回の公表で新たに選抜された種雄牛は12頭で、その最高位は7位のサニーフイールド マクツチエン パーリス ET(マツカチエン×フエイスブツク)は乳脂率2位、肢蹄が1位で耐久性成分は4位であった。9位ライアンは乳成分率、体型成分が上位に位置し、12位メリツトは乳器が1位で体型改良に期待したい。その他は13位ユヅル、15位ビユー、22位カブレア、25位エクシード、26位ハイブリツド、29位デスアーク、30位サンテイーム、40位スノーフオールであった。
トップ40の中で、父牛別ではスーダンとスーパーサイアーが5頭で最多だった。
都府県歴代2位 (株)マウンティンファーム渡辺
-生涯乳量都府県元年7・8月-
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令和元年7月から8月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万キロ以上の高記録牛36頭を示した。今回は上位5頭が総乳量(M)10万キロを突破し、そのうち静岡県と徳島県の2県の記録が塗り替えられた。
1位 (株)マウンティンファーム渡辺(静岡県)
生涯乳量トップは(株)マウンティンファーム渡辺(静岡県)所有の「セジス ビユーテイ カウンテス タイタニア」(平17.1.13生)の検定回数8回で検定日数3681日、M16万7862キロ、総乳脂量(F)7303キロ、平均乳脂率(F%)4.4%、総乳蛋白質量(P)5539キロであった。今回の記録は全産次の検定成績証明を一括申請したことによるもので、静岡県前1位の石川和博さん所有牛の記録を4年振りに、1万6キロ以上も上回って更新することとなった。これは都府県においても歴代2位となる非常に素晴らしい記録である。
2位 池松厚博さん(福岡県)
2位は、池松厚博さん(福岡県)所有の「ビツグフイールド リートン ドリームフユーチヤー」(平13.2.10生)の検定回数11回で検定日数5293日、M12万5551キロ、F6137キロ、F%4.9%、P4574キロで、福岡県内4位となる素晴らしい記録となった。
3位 下舘友裕さん(岩手県)
3位は、下舘友裕さん(岩手県)所有の「オリジン チヤンピオン ローヤルテイ」(平16.5.11生)の検定回数7回で検定日数4001日、M11万2160キロ、F4205キロ、F%3.7%、P3597キロであった。
4位 徳川恵一さん(徳島県)
4位は、徳川恵一さん(徳島県)所有の「レデイスマナー ラブ モード ET」(平20.1.19生)の検定回数9回で検定日数2728日、M10万6806キロ、F3946キロ、F%3.7%、P3426キロであった。これにより徳川さん所有牛の持つ県内記録が2年振りに更新された。
5位 村上四郎さん(岩手県)
5位は、村上四郎さん(岩手県)所有の「ニセコヌプリ エモリー クリーメル」(平19.4.2生)の検定回数7回で検定日数3073日、M10万5062キロ、F3678キロ、F%3.5%、P3271キロであった。 15位松島太一さん(熊本県)90EX-2E、21位新海益二郎さん(長野県)、22位駒場靖史さん(栃木県)92EX-3E、30位植木靖さん(栃木県)所有牛は、90点以上を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。
消費税引き上げに伴う 登録料金等の取扱い
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令和元年10月1日からの消費税が現行の8%から10%への引き上げに伴い、日本ホルスタイン登録協会の登録・証明等の料金についても、同日付で料金改定を行うこととします。今回の料金改定は、前回と同様に、消費税引上げに関するものとし便乗値上げは致しません。なお、会費は不課税扱いであり、今回の料金改定の対象外となります。改定料金案の設定にあたっては、現行料金を108で割り110をかけた金額を算出し、整数1位を四捨五入し、10円単位の金額と致します。
移行期間
支部・承認団体受付月日が元年9月30日までの申込みで、申込書が元年10月10日当協会到着分までを現行料金(消費税8%)で取扱います。自動登録では元年9月30日までに家畜個体識別センターに出生報告があり、事故がないものについて現行料金で請求します。それ以外は新料金(消費税10%)となります。
遺伝子型検査 SNP検査について
元年9月30日までに検査成績報告書と請求書を発行するものは現行料金で取扱います。それ以降は新料金となります。
なお、登録・証明等の新料金については各県支部・承認団体にお尋ねください。
社員補欠選挙 当選者
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今般、熊本県の社員1名の辞任に伴い補欠選挙を8月26日に実施しました。選挙区で候補者の数が社員定数を超えなかったため、社員選挙の投票は行われず、無投票で当選が決定したので公示致します。【敬称略】
- 第52区・熊本県
米野浩二
- 第52区・熊本県
今後の行事 -日本ホル協-
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◇中央審査研究会=9月25〜27日=北海道江別市、酪農学園大学
◇第15回全共実務者会議・班長会議=毎月開催=宮崎市内
◇中間監査会=10月18日=日ホ会議室
◇登録審議会=10月30日=日ホ会議室
◇第297回理事会=11月22日=日ホ会議室
◇ジャジング・スクール=11月29〜30日=群馬県前橋家畜市場
◇東西社員会議・冬期登録事務担当者会議=2年1・2月頃
◇世界ホルスタインフリージアン連盟=スイス・モントレー
◎体型審査ワークショップ=2年3月23〜25日
◎世界会議・総会=2年3月26〜27日
審査日程 -令和元年10月-令和2年2月-
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