平成15年6月20日
平成15年6月20日 「体型形質の国際協調を提唱」 | |
4月22〜26日の5日間、カナダ・ケベック州のセントヒアシンス市において第6回世界審査委員ワークショップが開催された。会議には世界26カ国から50名の審査委員や学識者などが出席し、日本からも日本ホルスタイン登録協会審査委員など4名が参加した。今回のワークショップでは、体型形質の国際的協調の視点から、これまでの線形15形質に加えて、新たに「後乳頭の配置」を標準形質に追加することが承認された。 | |
新たに「後乳頭配置」を追加〜カナダで世界審査委員ワークショップ〜 | |
世界審査委員ワークショップは、世界ホルスタインフリージアン連盟の小委員会という位置づけで、1990年にイタリアで第1回会議が開催されて以来、第2回(1992年)カナダ、第3回(1994年)ドイツ、第4回(1997年)アメリカ、第5回(1999年)スペインで開かれており、世界各国の体型審査の現状把握と体型形質の国際的協調を主眼として進められてきた。 | |
後乳頭配置も線形スコアで | |
今回の会議では、開催国カナダのホルスタイン協会事務局長のK・フレーマン氏から開会挨拶の後、第1セッション「線形評価形質の協調」では、オランダのA・ハーモエン氏から前回会議までの経過説明と線形形質の国際的な標準16形質について概要説明が行われた。 この中で、今回新しく追加された「後乳頭の配置」の定義は、後乳区の乳頭が極端に外側に付くものをスコア1、後乳区のほぼ中央に付くものをスコア4、左右後乳頭の先端が触れるものをスコア8、左右後乳頭が交差するものをスコア9としている。 「後乳頭の配置」は数カ国ですでに調査形質として実践されており、そのデータを用いてインターブルからの遺伝情報が来年早々には得られることになるという。したがって、日本でも早急にデータ収集を行うことで準備を進めることとなった。 また、オランダの遺伝学者G・ディユング氏から、インターブルに参加しているうちの主要8カ国の線形評価値について各国間の相関係数は年々改善されているとの報告が行われた。 | |
将来は「歩様」の線形評価も | |
次のセッション「国際的協調に関する将来的な可能性」では、ドイツのS・レンジング博士がこの会議の事前に各国に対して行なった「歩様」と「乳房のバランス」に関するアンケートをとりまとめて報告した。 フランス、オランダ、イギリスなどでは「歩様」についても、1〜9の線形評価を実施しており、この会議の現地研修でもデモンストレーションが行われるなど、今後の注目すべき課題として取り上げられた。 第3セッション「機能的な体型審査」では、カナダのG・アトキンス博士が「獣医学的見地に立った肢蹄の審査」と題して興味ある報告を行った。歩様時の後肢に係る力学的負荷や肢蹄に関する線形形質の遺伝率が示され、肢蹄得率との深い関連性が説明された。 | |
著名牧場で目合わせも | |
ワークショップの最終2日間は、近郊のラ・プレゼンテーション牧場と日本でも有名なコムスター牧場で実践的な研修を行った。参加者は6つのグループに分かれて、後乳頭の配置をはじめ各線形形質のスコア、肢蹄、乳器、決定得点をつけた後、グループごとにディスカッションを行った。 また、コムスター牧場では、イギリスのJ・グリーボン氏らが、実際に牛を歩かせて「歩様」の線形スコア1〜9の評価についてデモンストレーションを行った。 しかしながら「歩様」の定義を設定するには、、データの収集や分析にしばらく時間が必要であると結論づけられた。 なお、次回の第7回世界審査委員ワークショップは2005年(平成17年)にオランダで開催する予定。 | |
ケベック州スプリングショウを視察 | |
会議開催中にケベック州ビクトリアビルで開かれたケベック・ホルスタインスプリングショウを視察した。 この日は1日中雪が降り積もったが、審査会場となった地区のアイスホッケー競技場には約230頭の出品牛と出品関係者、多くの観客で遅くまで賑わいを見せていた。 経産グランドチャンピオンには4歳クラスに出品したコムスター牧場のストームの娘牛が、リザーブおよびインターミディエイトチャンピオンは3歳シニアに出品したジェームスの娘牛、またジュニアチャンピオンにはラデュックの娘牛がそれぞれ選ばれた。 | |
平成15年6月20日 「G・Cは山田(別海)」 〜2003年北海道ブラックアンドホワイトショウ〜 | |
2003年北海道ブラックアンドホワイトショウが5月24日、北海道早来町の北海道ホルスタイン共進会場で開かれた。審査員はアメリカ・ABSグローバル社のブライアン・ギャリソン氏。 個体12部門に道内外から約230頭の出品の中から、その最高位であるグランドチャンピオンには、成牛クラスに別海町・山田光男さんが出品したライブリースポツテイーストーム。 リザーブ・グランドチャンピオンには同じ成牛クラスの鹿追町・石村正昭さん出品のプリンセスデールアポロクリステイが選ばれた。 また、ジュニアチャンピオンには江別市・中田和孝さん出品のミツドフィールドレデユークマミーET、インターミディエイトチャンピオンには恵庭市・清水勝さん出品のフロンテイアテドマダムフレツドがそれぞれ選ばれた。このほか、プレミアブリーダー、プレミアエキジビターは恵庭市・福屋牧場。 個体各部のチャンピオン牛は次のとおり。 第1部(育成ジュニア:生後9月未満) ミツドフイールドレデユークフオールミステイ(父ラデユツク)江別市・中田和孝さん出品。 第2部(育成ミドル:9〜11月齢) HEエレガンスET(父アンコール)本別町・星崎政博さん出品。 第3部(育成シニア:12〜14月齢)=リザーブ・ジュニアチャンピオン ジヨイフル レインボー スターレデイ(父ラデユツク)長沼町・長浜 愛さん出品 第4部(未経産ジュニア:15〜17月齢)=ジュニアチャンピオン ミツドフイールド レデユーク マミーET(父ラデユツク)江別市・中田和孝さん出品 第5部(未経産ミドル:18〜20月齢) ジヨイフルレインボーレデイー(父ラデユツク)長沼町・長浜愛さん出品。 第6部(未経産シニア:21〜23月齢) レークランドアドミラルトリプルデユーク(父ラデユツク)湧別町・久保隆幸さん出品。 第7部(2歳経産ジュニア:29月齢未満) OMアーギーメイソン(父シユガー)北見市・小野寺正典さん出品。 第8部(2歳経産シニア:30〜35月齢)=リザーブ・インターミディエイトチャンピオン(写真)。 レークビユー ダイアモンド スターバツク クストー(父クストー) 佐呂間町・惣田譲治さん 第9部(3歳ジュニア:36〜41月齢)=インターミディエイトチャンピオン(写真)。 フロンテイア テド マダム フレツド(父ブラツクスター) 恵庭市・清水勝さん出品 第10部(3歳シニア:42〜47月齢) スーパーレンジヤーロンナン(父レンジヤー)清水町・間木野久司さん出品。 第11部(4歳級) シテイビユーリンジエツトピーチヤス(父リンジエツト)新冠町・新冠町農協出品。 第12部(成牛・5歳以上) ライブリー スポツテイー ストーム(父ストーム)別海町・山田光男さん出品=グランドチャンピオン プリンセスデール アポロ クリステイ(父アポロ)鹿追町・石村正昭さん出品=リザーブチャンピンオン=リザーブ・グランドチャンピオン |