平成18年1月20日
平成18年1月20日 「登録の普及推進を要請」 ~東西で日ホ協社員会議~ | |
日本ホル協では昨年12月上旬、東日本と西日本の2地区で平成17年度社員会議を開いた。会議では、山﨑会長から第12回全日本ホルスタイン共進会が盛会裏に終了したことについてお礼と報告があった後、家畜改良センターから講師を迎えて乳牛の改良動向に関する講演が行われた。登録推進に関する事項では、登録の現況と自動登録など登録の積極的な普及拡大をお願いした。また、登録推進優良事例として、東日本地区は福島県酪農協、西日本地区は鹿児島県酪連からそれぞれ発表が行われた。 | |
日本ホル協の社員は、会員酪農家の中から各都道府県別定数によって選出された会員の代表者で、通常総会に出席して表決権を持つ。社員は現在全国で82名。 社員会議は、自動登録など登録の普及拡大と会員相互の連携強化を積極的に推進する上で、より広く会員の意見要望を聞くため、昨年度から東西2ブロックで開催されている。 東日本地区は12月7日、岩手県盛岡市内で開催し33名が出席、西日本地区は同5日に岡山市内で29名の社員と関係者が出席した。 開会にあたって、山崎会長から、第12回全共が盛会裏に終了したことに対して感謝とお礼の挨拶があった。また、昨今の牛乳の需給バランスが深刻化し、計画生産が急迫する状況の中で、都府県の登録件数は低調で、前年を下回る厳しい状況であることから、年度末にかけて血統登録の一層の普及推進を図るとともに、自動登録への積極的な取り組みを進めるようお願いした。 続いて、家畜改良センターから仲西孝敏・情報分析課長(東日本)、萩谷功一・改良専門役(西日本)を講師に迎え、「国際評価と改良動向」について講演が行われた後、登録推進優良事例として、東日本地区は福島県、西日本地区は鹿児島県からそれぞれ各地区での登録推進対策が紹介された。 また、第12回全共と今後の全共のあり方などについて社員一人ひとりが意見を出し合うなど熱心な議論が行われ、前年よりもさらに盛り上がった社員会議になった。 | |
登録のメリットを細かくPR(福島) | |
東日本地区では、福島県酪農協指導課の小林正樹課長補佐から、登録の現況と登録推進策が紹介された。 福島県では昭和25年から登録・改良事業を行ってきた県ホル協が平成10年に解散した後、酪農関係3団体から成る県乳牛改良推進協議会が事業を継承した。事務局は県酪農協生産部内にあり、県酪から出向1名、パート1名。 16年度は酪農家戸数777戸、乳牛飼養頭数は2万2500頭であり、最近6年間で253戸、5300頭減少した。しかし、登録頭数は16年度2166頭で5~6年前とほぼ同様の水準で落ち着いている。15年度は乳牛頭数の減少を防ぐために自家育成の奨励・後継牛対策事業で登録料助成を行ったことが登録頭数の増加につながった。 登録業務の現状では、①農協職員の人員削減で職務が多忙で登録事務の遅れや推進PRに手が回らない、②担当者の配置換えが多く、定着しない、③16年度、日ホ会員で登録申請したのは53%。残り半分は年間登録1頭もなし、④市場での登録、非登録牛の価格差が小さく、登録のメリットが希薄、⑤登録の申込簡素化と業務多忙のため、登録委員が農家巡回する機会が減り、登録の新規開拓に対する意欲の低下、などが挙げられる。 登録推進対策では、登録によって近親交配や遺伝病による経済的損失を防止できることや、日ホホームページの内容と検索方法を示したパンフレット等で、きめ細かなPRをすることが必要である。また、登録委員だけでなく農協幹部にも登録の重要性をより理解し、推進してもらうための研修会を開催している。 今後は全頭登録農家に対する登録料の割引や自動登録化などを検討している。 | |
自動登録移行に向け準備(鹿児島) | |
西日本地区は鹿児島県酪連の新川豊巳指導部長から県内での登録推進対策が紹介された。 鹿児島県酪連は、昭和54年から県ホル協の事業を引き継ぎ、登録、体型審査、牛群検定、後代検定を実施し、県内乳牛の育種改良を進めてきた。 鹿児島県の乳牛飼養状況は、17年度358戸で1万9349頭であり、5年前に比べて酪農家は50戸ほど減少したが、乳牛頭数は微増している。 一方、登録頭数は16年度、血統登録3126頭、移動証明1058件、牛群審査70頭を実施し、5年前に比べて血統登録は約760頭増、移動が440件増加している。 登録拡大対策では、①2つの酪農協で年4回の定期的登録巡回推進を実施、②導入事業の際の登録申請・移動証明の義務づけ、③研修会、共進会、同志会や牛群検定、牛群審査の機会を通じて、改良への理解、登録の普及PRを行っている。 また、全県を挙げて自動登録への移行を確認しており、県酪農協管内を起点に18年度実施に向けて、人工授精システム導入の準備を進めている。 県内牛群検定牛の遺伝的能力は年々向上しているが、検定実乳量は思わしくなく、飼養管理や環境対策は引き続き課題。 登録、牛群検定、後代検定=三位一体となって、酪農家・関係者が連携して改良を推進していくことが重要であり、加えて、健康で長命連産に富んだ乳牛の生産確保と安全で高品質の生乳生産と出荷に心がけたいとした。 | |
1月末、5地区で担当者会議 | |
日本ホル協は、1月下旬に都府県5ブロックで冬季の地区別登録事務担当者会議を開催する。 主な議題は社員会議の概要、第12回ホル全共・第4回ジャージー全共、家畜改良体制整備事業、自動登録など。 ◇東北地区1月26日(木)、岩手県盛岡市・全農岩手県本部 ◇関東地区1月30日(月)、東京都中央区京橋・大野ビル ◇中部・北陸地区1月31日(火)、東京都中央区京橋・大野ビル ◇近畿・中国・四国地区1月24日(火)、岡山市・岡山メルパルク ◇九州地区1月23日(月)、福岡市・福岡メルパルク | |
解説~前年並みの登録頭数確保困難?~ | |
登録制度が改正されたた平成14年度以降、血統登録申込頭数は回復し、都府県では前年までの年間4万頭台から14年度は5万2790頭、15年度5万6567頭、16年度5万6851頭と増加傾向を示してきた。 都府県における月別登録申込頭数の推移(下図)を見ると、月別平均頭数は概ね4~5千頭前後に収まっている。 しかし、本年度は4月が前年度末に申込みが殺到した反発で1985頭、全共前の10月が2044頭と大きく減少した。この結果、12月末の申込頭数合計は3万3190頭で前年同期に比べて3858頭の減少。 前年度並みの頭数を得るためには残り3か月で2万4千頭の登録が必要であり、厳しい状況を迎えている。 | |
平成18年1月20日 「87名、審査眼研く」 ~岡山でジャジングスクール開催~ | |
全国ホルスタイン改良協議会(森田一文会長)は昨年12月2~3日、岡山県真庭市の県総合家畜市場と市内ホテルで平成17年度ジャジング・スクールを開催した。 このスクールは「牛を見る目」を養い、酪農や乳牛改良への意欲高揚と後継者の育成、牛飼い仲間の親睦交流を目的として毎年開かれている。 今回は北海道をはじめ15道府県から酪農家や関係者、学生など87名が参加した。 森田会長からの開会挨拶、審査標準説明の後、一般クラス(初回受講者)とジャジマン候補クラス(受講2回目以上)に分かれて、一般クラスは引き続き審査標準や線形審査等を研修した。 候補クラスは家畜市場で教材牛3組12頭を使って序列づけ、答案提出、序列説明した後、日本ホル協審査委員の模範解答と合わせてデスカッションを行った。2日目は受講者全員で4組16頭の序列づけと講評を行った。 また、1日目には全酪連大阪支所・技術研究所の石田武氏を講師に迎えて、「強化哺育の現状」と題した講演会を行った。 | |
ジャジマン5名を認定 | |
同協議会は17年度ジャジマンとして、次の5名を認定した。認定ジャジマンは通算で65人目。 天野洋一(北海道)、半沢善幸(宮城県)、磯日出夫(栃木県)、松崎範之(岡山県)、栗田篤(家畜改良事業団)=敬称略。 ジャジマン認定は、ジャジングスクールを3回以上受講し、直近の2回の序列づけ成績が平均90点以上を獲得した受講者に認定書が贈られる。 | |
平成18年1月20日 「新年ご挨拶」 ~日本ホルスタイン登録協会会長山崎博文~ | |
全共成功、皆様に感謝~牛乳PRでも成果上げる~ | |
新年明けましておめでとうございます。 酪農家の皆様をはじめ、日頃登録事業にご支援をいただいている酪農関係各位には、健やかな新春を迎えておられることとお慶び申し上げます。 年末年始にかけて、大陸からの大寒波の影響で例年にない厳しい寒さと、特に日本海側では観測史上でも稀な豪雪に見舞われ、大きな被害が出ており、被害に遭われた皆様には、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。 昨年は、酪農家の最大の祭典である第12回全日本ホルスタイン共進会並びに第4回全日本ジャージー共進会を、栃木県壬生町に高円宮妃殿下をお迎えして開催しましたところ、全国44都道府県から363頭のすばらしい出品牛を迎え、好天にも恵まれて、4日間で延べ69万人もの大勢の皆様のご来場をいただくなど、大成功を飾ることができました。 ここに、開催県として多大のご苦労をいただいた栃木県実行委員会をはじめ、特段のご支援を賜りました農林水産省、全国各都道府県、酪農関係機関、酪農家の皆様方に対しまして、心よりお礼と感謝の意を申し上げます。 今回の全共では、①後継者の育成、②後代検定事業の普及推進を新たに挙げて取り組んできましたが、全国から13校の学校からの出品、大型ビジョンによる学校紹介、高校生を対象に開催した牛の見方の講習会への19道府県26校から83名の参加、さらに後代検定済種雄牛8頭の娘牛22頭を展示できたことは大きな喜びです。 また、前年に引き続き牛乳消費は低迷し、生乳需給の緩和がより深刻さを増す中での全共開催であり、今回は特に、ポスターや出品目録等への「3‐A-Day」のコピー表示や出品者・関係者全員が「牛乳に相談だ。」のシール、ワッペンを付けて、消費者により近い距離で、牛乳の安全性と消費拡大のPRをできたことはこの共進会の大きな成果であったと自負しています。 昨今の酪農を取り巻く情勢は、①牛乳の消費低迷、②WTOの農業交渉の予断を許さない情勢、③昨年12月には約2年ぶりに米国・カナダ産牛肉の輸入が再開されたことに伴う国内牛肉価格への影響など、酪農や畜産にとって解決すべき問題が山積しています。 農林水産省は昨年3月策定した新たな酪肉近代化方針(平成27年度目標)の中で、わが国酪農・肉用牛について、国際化の進展に向けて経営安定施策やコスト低減等による体質強化を図ること、安全・安心の確保、食育の推進方策などを掲げています。 また、家畜改良増殖目標では、これらを視野において、今後とも遺伝的改良による乳成分の向上と乳器・肢蹄の改良など生涯生産性の向上を強調しており、これには登録と牛群検定、牛群審査、後代検定の効率的な実施・利用がますます必要になってきます 当協会では昨年に引き続き、登録頭数の拡大に全力で取り組むとともに、家畜個体識別データと授精報告データを結びつけた「自動登録」の普及啓蒙を強く推し進めていく所存です。 どうぞ会員並びに関係各位におかれましては、一層のご理解をいただき、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、平成18年が皆様にとって最良の年になることとご家族のご健勝とご繁栄を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。 |
平成18年1月20日 「高円宮妃迎え栃木全共盛大に」 ~第12回全日本ホルスタイン共進会第4回全日本ジャージー共進会~ | |
第12回全日本ホルスタイン共進会並びに第4回全日本ジャージー共進会は昨年11月3~6日、栃木県壬生町に高円宮妃殿下をお迎えして盛大に開催された。ホルスタイン、ジャージーの合計363頭は全共史上で最大の出品規模であり、会期中は好天にも恵まれて、参観者数は4日間で延べ69万人を数えた。 | |
後検展示など新たな試み | |
ホルスタインは、最高位賞に輝いた北海道・㈲福屋牧場出品のエルムレーンスカイチーフサニーETを筆頭に、北海道が圧倒的な強さを示した。ジャージーは岡山県が4部とも首席を独占し、最高位賞には岡山県・美甘正平さん出品のオセオラリメイクブリガディアーが選ばれた。 今回の全共では新しい試みが実践された。 1つは出品マナーの厳守である。事前からの周知徹底と、監視員による出品牛の確認を行った。出品者の服装も上下白色に統一した。 2つ目は後代検定種雄牛の娘牛展示である。娘牛は会期中、展示牛舎に繋留され、第3日昼には展示牛パレードがあり、後代検定事業の歴史と必要性、検定済種雄牛と展示牛の紹介が行われた。 3つ目は学校出品である。11道府県から13学校16頭が出品し、うち8頭が上位入賞を果たした。また、出品校や栃木県内の高校から学校紹介ビデオが審査会場の大型ビジョンで随時放映された。 初日には高校生対象に「牛の見方」講習会が開かれ、全国19道府県から83名が参加して熱心な研修が行われた。 4つ目は、全共多回出品者の表彰である。今回出品者のうち、5回以上の出品農家は19名で、最多回数は愛知県・杉浦祐幸さんの10回。 5つ目は、全共は酪農家と消費者を結ぶ交流親睦の場でもあり、今回は特に、ポスター等へコピー表示や出品者・関係者全員が「牛乳に相談だ。」のワッペンを付けて、消費者により間近な距離で、牛乳の安全性や牛乳・乳製品の消費拡大PRを行った。 栃木県では手作り、県民参加のフェスタと銘打って、一般市民から公募の県民ミュージカル、県内小学生が作製した「折り牛」の各県への贈呈、「バター作りギネスに挑戦」など酪農や牛乳・乳製品への興味と理解に努めたことは、全共並びに「とちぎファームフェスタ2005」の大きな成果であった。栃木全共は次回北海道での再会を約束して幕を閉じた。 |
平成18年1月20日 「各部トップ牛を見る」 ~第12回全日本ホルスタイン共進会審査報告から~ | |
第12回全日本ホルスタイン共進会では12部に303頭が出品し、全頭に序列が付けられた。木下良智審査委員長(家畜改良センター理事長)からは、未経産では発育が良く、尻形状もほぼ満足できる牛が、経産では乳用特質と乳器の優れたものが多く出品された旨、審査報告があった。各部トップ牛の写真を見ながら、各部の講評(要約)を紹介する。 | |
経産は乳用性と乳器優れ未経産は発育十分、尻形状も良好 | |
第1部 (未経産12~13月齢) 優等賞1席の119号は13月齢で、発育がよく、前躯の高さをもっていた。また、体全体が鮮明で、乳用牛の特質に富んでおり、中躯は充実し、腰幅があり、後肢も望ましいものであった。 優等賞2席の112号も13月齢で、体長があり、輪郭鮮明で、胸幅が広く充実し、乳用牛の特質に優れ、歩様も良好であった。 第2部 (14~15月齢) 優等賞1席の213号は15月齢で、発育よく、乳用牛の特質に優れ、胸底広く、中躯は充実し、肋の開張に優れており、歩様も良好であった。 優等賞2席の219号も15月齢で、体長があり、胸幅が広く充実し、鋭角的で力強く、歩様も良好であった。 第3部 (16~17月齢) 未経産クラス準名誉賞並びに優等賞1席の304号は16月齢で、体高があり、前・中・後躯のバランスに優れ、頸も薄く、肋の方向や肋の長さは良好であった。後肢の飛節は鮮明で歩様もよく、鋭角性に富んだ美しい牛であった。 優等賞2席の309号は17月齢で、骨格構造に優れ、頸から中躯への移行は滑らかで、き甲は薄く鮮明で乳用性に優れていた。 第4部 (18~21月齢) 優等賞1席の402号は18月齢で、発育よく、品位資質に優れ、輪郭鮮明で、前躯は高く、体各部のバランスがよく、乳用牛の特質に優れていた。後肢飛節は鮮明で、歩様も良好であった。 優等賞2席の406号も18月齢で、体全体の輪郭が鮮明で、き甲は高く、尻の骨格構造が正確であり、歩様もよく、乳用牛の特質に優れていた。 第5部 (21~24月齢) 未経産クラス名誉賞並びに優等賞1席の511号は22月齢で、体高があり、輪郭は鮮明で、品位資質に優れ、背線強く胸幅があり、体各部のバランスがよく、移行も滑らかであった。後肢は飛節の幅があって鮮明で、歩様も優れていた。 優等賞2席の513号は22月齢で、体各部のバランスに優れ、胸幅があり、前・中躯が充実し、後躯も幅広く、乳用性に優れていた。 第6部 (経産2歳ジュニア) 優等賞1席の606号は高さがあり、体各部のバランスに優れ、特に尻の形状に優れ、鋭角的で、乳用牛の特質に富んでいた。前乳房の付着は強く、後乳房と乳房底面は高く好ましいものであった。 優等賞2席の607号は発育がよく、肋の長さと深さを備え、各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的であった。乳器は容積に富み、乳頭配置・方向に優れており、この部のベストアダーに賞した。 第7部 (2歳シニア) 第6~9部までの経産2~3歳クラスの名誉賞並びに優等賞1席の709号は、体全体が鋭角的で、体各部への移行が滑らかで、飛節は鮮明で歩様が確実なスタイリッシュな牛であった。乳器では、前乳房の付着が強く、後乳房の高さと幅に優れており、この部のベストアダーに賞した。 優等賞2席の728号は前躯が高く、前~中躯への移行がよく、正確なフレームを兼備し、鋭角的で乳用性に優れていた。また乳器も乳房底面の高い、初産らしい好ましいものであった。 第8部 (3歳ジュニア) 経産2~3歳クラスの準名誉賞並びに優等賞1席の807号は、十分な高さがあり、背腰が強く、鋭角的で、体各部への移行も滑らかで、歩様も確実であった。乳器では、前乳房が付着強く前方に伸び、後乳房は高く十分な幅を持ち、乳頭配置と長さが適正であり、この部のベストアダーに賞した。 優等賞2席の819号は体全体が鮮明であり、乳用牛の特質に優れたスタイリッシュな牛であった。乳房は好ましい形状であり、特に後乳房の正中靱帯は明瞭で強いものであった。 第9部 (3歳シニア) 優等賞1席の925号は高さと体長があり、鋭角的で、各部のバランスと移行に優れ、乳用牛の特質に優れた牛であった。乳器では、後乳房が高く、幅があり、乳頭配置と長さが好ましく、この部のベストアダーに賞した。 優等賞2席の913号は体各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的で、乳用牛の特質に優れていた。また、乳房底面は高く、乳頭配置も好ましいものであった。 第10部 (4歳級) 本共進会全体の最高位賞であり、第10~12部の経産4歳以上クラスの名誉賞並びにこの部の優等賞1席、1020号は正確な骨格構造をもち、前~中躯への移行に優れ、肋はよく開張して、尻幅は広く、バランスに優れ、飛節は鮮明で歩様の良好な、乳用特質に富んだデーリイな牛であった。乳房では、前乳房の付着は良好で、後乳房は幅広く容積があり、形状も優れていた。 優等賞2席の1023号は体全体が鋭角的で力強く、高さと長さに富み、尻幅は広く、乳用牛の特質に優れていた。乳房では、後乳房の高さと幅に優れ、付着もよく、正中提靭帯は強く、乳頭配置も正確であり、この部のベストアダーにするとともに、経産4歳以上クラスの準名誉賞に賞した。 第11部 (5歳級) 優等賞1席の1120号は骨格構造が正確で、高さがあり、鋭角的で、各部のバランスと移行に優れていた。飛節は鮮明で歩様も良好な、乳用牛の特質に優れた牛であった。乳器は、乳房底面が高く、底面も水平で好ましい形状を呈していた。 優等賞2席の1116号は前躯が高く、肋がよく開張して、体各部のバランスに優れ、鋭角的で乳用牛の特質に優れた牛であった。乳器は、特に乳房底面が高く、前乳房の付着も強く優れたものであった。 第12部 (6歳以上) 優等賞1席の1213号は優れた骨格構造で十分な胸幅と強さ、体全体には伸びと幅を持っており、歩様も良好で、乳用牛の特質に優れた、雄大なスケールのある牛であった。6産を分娩している乳房は、乳房底面が飛節より高く、乳頭配置も良好であった。 優等賞2席の1209号は高さがあり、品位に富み、各部のバランスと移行に優れ、四肢の骨質もよく締まり、歩様は確実で、乳用牛の特質に優れた牛であった。乳器は、前乳房の付着が強く、乳房底面が高く、乳房形状が優れていた。 | |
平成18年1月20日 「素晴らしい出品牛参観者の多さに驚き」 ~豪ホル協~ | |
オーストラリア・ホルスタイン協会のホルスタイン・ジャーナルの昨年12月号には、理事会メンバーが全共を視察した印象が紹介されている。 今回、日本ホルスタイン登録協会会長の招待で訪問した。 全共は、権威ある有名な行事であり、開会式には高円宮妃殿下が出席された。妃殿下は海外からのすべてのゲストに歓迎の挨拶をされた。妃殿下は赤絨毯の上を歩いて入場され、優雅で魅惑的な雰囲気で会場の盛り上がりは最高潮に達した。 開会式はオリンピックから抜け出してきたかのようで、各都道府県の代表団がカラフルなユニフォームで入場した光景はとても印象的だった。 4日間で概ね69万人が参加して賑わった。こんなに多くの人々が毎日審査を見に来たことは大変な驚きであり、他には例がないことであろう。 44県から約300頭のホルスタインが参加した。出品牛は各県で選抜された牛であり大変名誉なことである。 審査員は日本ホルスタイン登録協会の優秀な審査委員であり、副審査員と2名で全体の審査を行っていた。 素晴らしい雌牛を多く見ることができた。日本は後代検定を重視して取り組んでおり、家畜改良事業団が後代検定の計画実行の重要な指揮を行っ ている。乳量の遺伝的改良では世界でもトップグループにいる。全共でもそれらの娘牛が出品展示されていた。 会場には世界主要国のホルスタイン協会の代表者が招待されていた。今回の訪日では、日本をはじめ多くの国々とより強い連携ができた。 |
平成18年1月20日 「体型審査の国際協調を実感」 ~オランダで世界審査委員会会議日本ホル協大西信雄~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年9月14~17日の4日間、オランダ・アムステルダム近郊のナーデンで、世界26か国から53名の審査委員と研究者が出席して第7回世界審査委員ワークショップが開催された。日本からは日本ホル協北海道支局の神保孝之審査部長(当時)、日本ホル協の河合徳太郎顧問と小職の3名が出席したので、その概要を紹介する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「審査区分は4区分」を勧告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
世界審査委員ワークショップ(WS)は、世界ホルスタイン・フリージアン連盟(WHFF)の小委員会として、1990年に第1回会議がイタリアで開催されて以来、第2回(92年)カナダ、第3回(94年)ドイツ、第4回(97年)アメリカ、第5回(99年)スペイン、第6回(2003年)カナダで開かれており、世界各国の体型審査の現状把握と、線形形質を含めた体型審査形質の国際的協調を図ることを主眼として進められてきた。 第1回のWSでは、各国が当時実施していた線形形質のうち12形質を標準形質として認め、後肢後望を調査形質、鋭角性と胸幅を二次形質として継続的に調査することを決めた。その後、回を重ねる毎に、どのような形質を調査することが乳牛改良に有用かを調査研究し、前回のカナダでは「後乳頭の配置」を標準形質として採用するほか、後肢の動きをみる「歩様」のデータを収集することが勧告された。 WSの開催によって、今日ではWHFF加盟国39か国の95%が「体型審査の国際調整プログラム」の勧告に従った体型審査方法を採用している。これによって、国際的に統一された審査データを収集することで、種雄牛の国際的評価の基準が確立され、MACEの計算が可能になるなど大きな成果を挙げている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乳用特質は「乳用牛の強さ」に | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回のWSはNHホテル・ナーデンとオランダを代表する2つの牧場で行われた。 14~15日の討論会では、オランダNRSのA・ハモエン氏が座長になり、第1セッションでは、前回会議の決定事項と標準形質の定義、線形スコアの尺度、得点形質の国際調整、体型審査の国際評価システムに関する勧告事項を報告した。 得点形質では、すべての国が「骨格(尻を含む)」、「乳用牛の強さ」、「肢蹄」、「乳器」の4大区分で審査するように勧告案が示された。 「肢蹄」と「乳器」はすべての国で評価されているが、「乳用牛の特質」は11か国しか評価されておらず、「骨格と体積」は国によって名称や評価部位が異なるなど、統一する必要に迫られている。また、世界的な傾向として遺伝的能力は飛躍的に伸びているが、近交係数の上昇などによって体の弱さが見られ、今後は生涯生産能力や繁殖性の向上を図る必要がある。 「骨格(尻を含む)」では、十分な高さと胸の幅、体の深さがあり、バランスよい骨格構造を持つこと、同時に強い腰と適度に傾斜した尻を持つかどうかを評価する。 また、「乳用牛の特質」に代わって「乳用牛の強さ」は、鋭角的で、前肋と後肋が開張し、深く長いこと、高い産乳能力を維持するための広い胸底と十分な体の深さを伴うかどうかで評価すべきとした。 現在、日本では外貌、肢蹄、乳用牛の特質、体積、乳器の5大区分で評価しているが、一昨年パリでのWHFF定期総会で、骨格と体積、乳用牛の特質、肢蹄、乳器の4大区分で審査することが勧告されており、日本でも審査標準の変更について、早急に検討するよう準備を進めている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
10年前に比べスコア改善 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第2セッションでは、国際間の遺伝相関をテーマに、オランダNRSのG・ジョング博士から講演があった。 ①WHFFでは15年以上にわたって線形形質の国際調整を行い、現在は16部位を標準形質として示している。 ②線形形質の明確な定義の公表と合わせてWSでの国際的規模のトレーニングを行ってきた結果、10年前に比べてスコアの付け方がより一層改善された。 ③昨年8月のインターブル体型遺伝評価に使用した18カ国、全19形質の遺伝相関平均と各形質の国間での相関は別表のとおり。例えば、「高さ」で01年5月時の0・89が05年9月は0・92に上昇しており、各国間の評価が年々統一されてきたことを意味する。 ④日本の審査情報は、以前と比較して非常に高い相関を示すようになってきた。これは短期間のうちに質の良いデータを収集するように改善された結果と考えられる。 ⑤しかし、日本の「尻幅」の相関はかなり低い結果となった。国際標準では尻幅は坐骨幅で評価するよう変更されたが、日本では寛幅で遺伝評価しているため、このような落第点を押された。現在は寛幅と坐骨幅の両形質のデータを収集しており、早急に変更するよう助言を受けた。 ⑥国際間比較でかなり低い相関を示している国もあり、これらの国は即刻改善するよう強い指摘があった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
歩様データは継続して収集 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第3セッションでは、近い将来に標準形質になると考えられる「歩様」、「後乳房の幅」、「ボディコンディション(BCS)」の3形質について、ドイツのS・レンジング博士から講演と討論会が行われた。 「歩様」は、評価の定義が統一されていなかったため、前回のWSからの継続課題であり、日本でも仮の定義によってデータ収集してきた。 05年7月のアンケート結果では13カ国が「歩様」のデータを収集している。肢蹄各形質の国別遺伝相関では、イギリスやオランダなど早くからこの形質を評価している国では「歩様」と「肢蹄得率」が高い相関を示しており、肢蹄の機能上で「歩様」が極めて重要であるかを物語っている。 しかし、国によって飼養環境が大きく異なるため、賛否両論で意見は分かれるところである。 日本でもフリーストールやフリーバーン牛舎が増えてきたが、つなぎ方式の飼養形態がまだ多いため、すべての農家で歩様のデータ収集はできないものの、可能な限り継続して調査することになった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2牧場で歩様など検討 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
16~17日は、2戸の牧場で今回新たに定義づけられた審査標準に基づく実地研究会が行われた。 バーホフ・ホルスタイン牧場は総面積66㌶で、経産牛114頭、未経産牛70頭を飼養している。平均乳量は9671㌔、乳脂率4・3%、蛋白質率3・57%。平均得点は82・0点で、オランダの個人牧場としてはやや大型の部類に入る。 研究会では牧場のフリーストール牛舎で参加者を5班に分け、WSの代表委員5名が各供試牛を担当して、参加者と協議しながら終日審査研究を行った。今回は特に意見の分かれやすい「鋭角性」と、新たに定義づけられた「歩様」、「BCS」について熱心に協議した。鋭角性は肋の開張度と後肋の方向のみで評価し、肉の付き方はBCSで評価するため、鋭角性では考慮しないことになった。 17日はウースターハウト・ホルスタイン牧場を訪問し、放牧されている牛を各自がスコア付けした後、出席者同士でディスカッションを行い、前日の取り決めを再確認しながら評価を進めた。 同牧場は総面積70㌶で、132頭の経産牛の平均乳量は1万245㌔、乳脂率4・08%、蛋白質率3・44%で、放牧主体にもかかわらず平均乳量が1万㌔を超えている。平均得点は83・3点で、能力と体型のバランスのとれた牛群であり、ショウにも熱心で一昨年はロードリリーの娘が地区のショウでシニアチャンピオンに輝いている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
更なる審査技術の研鑽を | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
近年の世界的な乳牛改良の方向は、長期間にわたって高泌乳を維持することに加え、機能的体型で生涯生産性の高い牛を求めるようになってきた。諸外国の種雄牛評価には生涯生産性に係わる体型形質などを指数化した生産寿命(生涯生産指数)が組み込まれている。 日本でも生涯生産性の向上や強健性を改良するため、生産寿命と関係のある乳器や肢蹄の得率、線形評価が総合指数(NTP)に含まれている。 牛舎に繋がれた1頭ごとの雌牛の審査結果が集積され、これが日本の種雄牛の遺伝評価に生かされることは周知のとおりであるが、結果的に世界の場に出ていくことを考えると、私たち審査委員のスキルアップの重要性が益々求められることを強く感じた次第である。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表体型19形質の国間遺伝相関の平均
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平成18年1月20日 「6頭が乳量10万キロ達成」 ~17年9~12月・都府県生涯検定選奨~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本ホル協ではこのほど平成17年9~12月期の都府県生涯検定選奨牛を取りまとめた。 今回は金賞(総乳量6万㌔以上、平均乳脂率3・2%以上)が21頭、銀賞(5万㌔以上、同)28頭、銅賞(3万㌔以上、同)132頭であった。 表には、今回検定成績が追加されたものうち、生涯乳量の上位30傑を示したが、今期は生涯乳量11万㌔台が4頭、10万㌔台が2頭誕生した。 トップは栃木県・臼井勉さんの自家生産牛グリーンスターマーシアスターダムで、8回の検定で検定日数3712日、総乳量(M)11万3722㌔、総乳脂量(F)4041㌔、3・6%で、総乳量は都府県歴代22位に入っている。 2位は栃木県・和気竹正さん所有のパインウードベッシーリチャードで、11回の検定でM11万2697㌔を記録し、同牧場で2頭目の生涯乳量10万㌔達成となった。 3位は茨城県・平山信一さんのレインボーバレースパングルバリアントのM11万1195㌔、4位が宮崎県・黒木昴さんのトッツァンシビックポテンシャルのM11万518㌔。 このほか、福岡県・山崎保実さんのガバネスマスターヘイセン、茨城県・佐藤俊之さんのグリーンヒルアイバンホーシズラーが10万㌔を突破。これで都府県で10万㌔以上は64頭目。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生涯検定乳量記録牛(平成17年9~12月都府県)
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