平成18年9月20日
平成18年9月20日 「自動登録の現状登録推進進歩で各県発表」 ~18年度登録委員研修会~ | |||||||||||||||||||||||||||||||
日本ホルスタイン登録協会は7~8月、都府県内5地区で平成18年度登録委員研修会を開催し、計253名が出席して研修を行った。今回は事務研修の中で、「登録推進シンポジウム」を行い、自動登録を実施している府県などからそれぞれ現況発表をしてもらい、出席者からは自動登録に対する質問や意見が交された。進行役を務めた当協会の各理事からは、各地区での自動登録の実施と登録推進に対して一層の協力をお願いした。2日目は教材牛を用いて審査実技研修が行われた。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
5地区で253名出席 | |||||||||||||||||||||||||||||||
この研修会は、日頃酪農現場の第一線で活躍している登録委員を対象にして、日本ホル協が毎年夏季に行っているもので、今年度は東北(宮城県)、中部北陸(長野県)、近畿(奈良県)、中四国(山口県)、九州(熊本県)の5地区で開催し、計253名が出席した。 1日目は、事務研修の中で今回初の試みである「登録推進シンポジウム」を行った。シンポジウムでは、1昨年から普及推進してきた自動登録について、実施県から現況やメリット、要望などを発表してもらい、出席の登録委員が自動登録をより理解した上で各県に持ち帰ってその普及啓蒙を推進してもらうことがねらいである。 各地区では本会理事が進行役を務め、先ず開催県の登録担当者から登録の現況と推進対策について報告をいただいた。 続いて、自動登録に関する事例発表では、東北地区は秋田県、宮城県、中部北陸地区は愛知県、近畿地区は滋賀県、京都府、兵庫県、中国四国地区は岡山県、鳥取県、山口県、九州地区は福岡県、熊本県、鹿児島県の担当者から自動登録の現況など発表が行われた。 事務連絡では、①17年度表彰登録委員、支部・承認団体の紹介、②登録規程、要項・要領の改正、③血統登録・移動証明申込書の記入整備、④遺伝子型検査における個体確認の徹底、④家畜改良データバンクホームページでの会員情報の利用、などについて伝達講習を行った(これらは本紙7月20日号で紹介済み)。 2日目は、教材牛を用いて審査研修を行った。真夏の暑い中ではあったが、出席者は牛の見方や審査得点づけなど、熱心な研修となった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
東北地区 | |||||||||||||||||||||||||||||||
~7~10日で登録書発行~ 秋田県は、平成12年3月から個体識別のモデル事業に取り組んできた。それは、検定員が毎月の立会の際に、個体の取り違えをなくしたいという理由からであった。個体識別番号=牛群検定コードとすることで、個体のエラーは急減した。 この当時から、出生報告と人工授精報告によって、自動登録につながると思った。その矢先、BSEが発生し、耳標が全頭装着されたが、ファックスによる授精報告カードが徹底されず自動登録は一時棚上げとなった。 現在は、支部で授精報告を集約し、本部に報告する形で自動登録を推進している。自動登録は申込みから発行まで7~10日と早く、農家には大きなメリットになっている。その一方、長年協力してもらっている登録委員には、これまで農家と支部の仲介役であったのが疎遠になり、農家との意思疎通が薄くなるのでないかという不安はある。 (日ホ協秋田県支部常務理事・佐藤篤右氏)~検定農家は全頭登録を~ 宮城県でも他県と同様に農家戸数は減少し、登録も停滞している。酪農経営が厳しいことも原因しているせいか、農家はゆとりがなく改良の話にも乗ってこないし、登録は後回しにされている。 牛群検定でフィードバックされるデータの信頼性を高めるためには、検定農家は全頭登録すべきだと指導している。 後継牛の確保と自家保留、牛群検定への全頭加入、生産者団体と授精師への登録推進のアプローチとともに、自動登録の早期実施を強く推進していきたい。 (宮城県仙北管内登録委員・落安勝氏) | |||||||||||||||||||||||||||||||
中部北陸地区 | |||||||||||||||||||||||||||||||
~授精報告は自前の台帳で~ 愛知県豊橋管内は登録実施農家68戸のうち、自動登録農家は55戸。17年度の登録申込頭数は自動登録が737頭、普通登録が202頭。 自動登録は16年7月からスタートし、現在は順調に推移している。自動登録のメリットは、①申込書作成の事務処理と現地確認の削減、②登録料金が安い、③導入牛の移動手続(家族間も)が不要、④登録洩れがない、⑤授精報告には、パソコンで日ホ配布のソフトを使い自前の台帳データが利用できるため、処理時間が短い、など。 自動登録料金をもう少し安価にしてほしいなど、要望したい点もあるが、今後さらに登録実施農家がすべて自動登録へ移行するよう推進したい。 (愛知県酪農協豊橋支所・犬塚保夫氏) | |||||||||||||||||||||||||||||||
近畿地区 | |||||||||||||||||||||||||||||||
~インターネットで授精報告~ 滋賀県では、本年4月から6戸で自動登録を開始してまだ日は浅いが円滑に行われている。授精報告は開業授精師1名がインターネットで代行しており、授精師に負うところが大きい。 登録事務の簡素化や登録料が安い、登録書の早期発行などメリットが多く、授精データ入力の問題が解決すれば他の農家にも普及させたい。 (滋賀県畜産技術振興センター・布藤雅之氏)~申込書作成の煩雑さが解消~ 京都府は、本年4月から綾部支所管内の20戸が自動登録に移行した。授精報告は昨年4月から家畜改良事業団の事業でハンディターミナルを使って、逐次AIデータバンクに報告できるようになった。自家授精データ(3戸)は担当者が台帳や授精証明書を借りて随時代行入力している。 自動登録によって登録農家が増えたことと、申込書作成の手間や支部での入力がなくなった点は望ましい。 (日ホ協京都府支部・山田くみ氏)~登録料割引で農家にも好評~ 兵庫県洲本管内では、16年10月から自動登録を実施し、現在、29戸が加入している。17年度は管内登録頭数305頭中、205頭が自動登録で、シェアは高まってきている。授精データ報告は、以前から緊急動向調査事業(事業主体は家畜改良事業団)を実施していたので、条件的には移行もスムースだった。 自動登録は、申込書作成が不要で、料金も安く、登録書の発行も早い。虚弱牛などは保留申請でき、農家の評判もよい。 (兵庫県洲本市酪農協組合長・赤松清助氏) | |||||||||||||||||||||||||||||||
中四国地区 | |||||||||||||||||||||||||||||||
~ホルスとジャージーで実施~ 岡山県では、16年秋以降、県内を巡回して自動登録の説明と農家の承諾を取り、昨年10月からホルスタイン28戸、ジャージー22戸で自動登録をスタート。現在、さらに34戸が新規参加。 各農家の個体識別と登録データのリンク作業を行い、授精報告は蒜山地区では事業で行っている人工授精システムで送信、ほかの地域は牛群検定繁殖報告を確認し、インターネットを利用して代行入力している。 現在はデータ不備や入力エラーが多いため、農家の繁殖台帳の確認と農家による直接入力を推進していきたい。 (おかやま酪農協・西原茂和氏)~交配指導でメリット還元~ 鳥取県では、牛群検定牛普及率85%は全国一高いことから、牛群検定の繁殖情報を利用し、独自に持つ血統登録、牛群検定、個体識別のデータベースを駆使して、検定農家の95%にあたる143戸が今年5月に、自動登録に移行した。 未経産牛の検定加入と授精確認に手間取ったが、自動登録する上で不可欠。 現在、127件の申込み中、エラーは2件のみで順調。農家は安価で楽に、登録書が早く来るし、農協担当者はほとんど手間がかからなくなった点も大きなメリット。 事務省力化できた時間をいかに農家指導に還元するかが登録推進上で最も重要と考え、自前で開発した「SIREプログラム」を活用して、農家毎に種雄牛の系統別登録雌牛頭数や検定・審査情報、近親交配を回避した交配推奨種雄牛リストを作成し、牛群審査や検定立会、農家巡回の際に酪農家に提供アドバイスを行っている。 (鳥取県ホル協・今吉正登氏)~数戸から先ず手をつけ推進~ 山口県では今年度、自動登録を実施することで現在準備中である。自動登録について検定農家にアンケートを取ったところ、若い後継者のいる農家で、ある程度の飼養規模のところでは自動登録に関心を示している。 自動登録を希望する農家は現在2戸、授精データの整理をつけばやりたいという農家3戸、検討したい農家が2戸。まずは数戸からでも自動登録に手をつけて、自動登録のメリットを実感してもらい、ほかの農家の関心を引き出していきたい。 (山口県畜産振興協会・野島義正氏) | |||||||||||||||||||||||||||||||
九州地区 | |||||||||||||||||||||||||||||||
~地域酪農家7割が参加~ 福岡県では、昨年4月から授精報告を開始し、今年4月に福岡地区16戸で自動登録をスタートした。当地区での実施率は67%、牛群検定実施率は89%である。 農家は、1頭ごとの申込みと移動証明手続きが不要で料金の割引、登録書の早期発行などメリットは多く、さらに実施農家を増やしたい。しかし、事務面では関係団体とのデータリンクが不十分、業務内容が重複し負担増など問題もあり、改善が必要と思われる。 (福岡県酪連乳牛診療人工授精所・河村信一氏)~自動登録頭数昨年886頭~ 熊本県酪連では独自事業を実施し、乳牛の登録や改良、生産保留、流通促進を図ってきた。 12年度に家畜個体識別モデル事業をスタートし、自動登録と称して本県の年間登録頭数の15~20%強を実施、昨年度は886頭(21%)、今年7月末が487頭(26%)など実績は上がってきている。その間、農家が授精報告を忘れるなど問題もあったが、インターネットによる直接入力への移行など改善してきた。 現行の個別登録で問題となっていた登録料金や事務の煩雑化、登録書の発行日数、移動手続などの課題は、自動登録によって改善されつつある。 しかし、登録情報や登録のメリットの充実、農家や技術員が登録(近親交配による弊害など)や改良に対する理解や意識の低下、組織での人員削減に伴って現場巡回や指導が低下しているといった問題は解消されておらず、これらが登録停滞の原因となっている。 (熊本県らくのうマザーズ・佐藤進一氏)~県酪では順調今秋は大隅も~ 鹿児島県では、1昨年度の県内酪農関係者を集めた会議で自動登録への早期移行を確認し、今年1月から個体識別10桁と7桁登録番号のリンクと自動登録農家の集約を行うなど自動登録に向けて準備を進めてきた。 県酪農協管内では、1年前から事業で人工授精システムによって授精報告を行っていることから、4月から24戸が自動登録に移行した。 また、独自のシステムで授精データをパソコン管理している大隅酪農協管内でも家畜改良事業団の協力で、授精データ送信が可能になったので自動登録をスタートする。 まだ始まったばかりであり、農家の出生報告や赤白斑やオーシーなど特殊な牛の報告がうまく行われているか、個々の申込書がないため、登録書や事故照会が届かないと県窓口では登録申請の事実が把握できないこと、自家授精や開業授精師に依頼している地区での対応など、不安な点はある。 しかしながら、現在実施している組合では登録書が早期発行されるなど順調に進んでいるとのことであり、今後とも自動登録のメリットを十分説明し、普及推進に努めていきたい。 (鹿児島県酪連・町田市夫氏) | |||||||||||||||||||||||||||||||
平成18年度地区別登録委員研修会の開催状況
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平成18年9月20日 「審査は4部位で!」 ~「体積」軽減し「外貌」の中へ~ | |||||||||||||||||||||||||||||||
来年4月目途に審査標準を改正 | |||||||||||||||||||||||||||||||
今日の乳牛改良は、精液・受精卵などの流通拡大とインターブルによる種雄牛の国際間評価など、国際化の時代を迎え、改良の手法も国際的な協調や統一の方向で進められている。 体型審査関係では、世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)が1990年代初頭から肢蹄や乳器の重要性や線形形質の基準化など国際的な協調統一を提唱してきた。 また昨年、WHFFは各国の審査得点区分を「乳器」、「肢蹄」、「骨格(尻含む)」、「乳用強健性」の4区分にするよう勧告し、北米やヨーロッパの多くの国ですでに改善が行われている。 今回の勧告とインターブル評価の関連、前回の審査標準改正から10年余が経過していることなどを勘案し、わが国ホルスタインの生涯生産性や生産寿命の改良に貢献するため、より望ましい審査標準に改正することとした。 乳器や肢蹄の遺伝的な重要性が高まる一方、体積や乳用牛の特質は、他の部位に比べて得点率が高く、達成度合がより進んでいること、生産寿命や淘汰の危険度などの関係から、世界的にも配点の重み付けを軽減する傾向にある。 今回の審査標準改正のポイントは、①体積を直接選抜しないよう、配点を減じた上で、外貌の中に含める。この結果、得点区分は5区分から4区分に変更する、②肢蹄はその重要性から配点を引き上げる、③乳用牛の特質を乳用強健性と改め、活力など重視するが配点は軽くする、④乳器は現行と同じ配点(40点)とする。 審査区分の配点や内容を変更することで、外貌の得率や決定得点が若干変化することはあるが、遺伝評価自体に大きな影響はないと考えられる。 改正までのスケジュールは、本年9月下旬までに審査標準改正案をまとめて、登録審議会、理事会での承認、各関係方面への周知徹底を図るとともに登録規程改正の手続きを経て、来年4月から新しい審査標準をスタートする予定。 |
平成18年9月20日 「審査は7年連続増加」 ~18年度前期都府県牛群審査実施状況~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
18年度前期の都府県における牛群審査ならびに後代検定に係る体型調査は44都府県で実施され、審査頭数は4586頭で7年連続の増加となった。一方、体型調査では1047農家で6844頭の体型データを収集した。審査得点90点以上(EX)の雌牛頭数は53頭を数え、広島県では県内初のEX牛が誕生した。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
EXは前年並み53頭~平均得点80.77点やや上昇~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成18年度前期は44都府県で牛群審査と酪農生産基盤改善支援対策事業による後代検定体型調査を実施した。 牛群審査は397戸で4271頭、牛群奨励審査が100戸で304頭、個体審査は雌10頭、雄1頭で、審査合計頭数は4586頭となり、前年同期を352頭上回り、7年連続の増加となった(注:雌牛の個体審査は登録経産牛3頭以下などの特例的なものをいう)。 一方、体型調査は、延べ1047戸の牛群検定農家を巡回し、初産検定中の後代検定材料娘牛1649頭と同期牛5195頭の合計6844頭の体型データを収集した。前年同期に比べて32戸1829頭の減少となったが、昨年度は13後検の追加交配などの影響で調査戸数・頭数が大幅に増加したためである。なお、今年度の実施計画に対する達成率は55%。 表1には、都府県別に牛群審査・体型調査実施状況をとりまとめた。 審査頭数では、岩手県が小岩井農場の295頭受検を含む592頭でトップを飾った。次いで群馬県458頭、栃木県344頭、茨城県314頭で、以下、愛知県、千葉県、福島県、熊本県、宮城県などの順。 体型調査では、熊本県が558頭で材料・同期牛ともに最多で、次いで栃木県、岩手県、福岡県、群馬県、宮崎県、鹿児島県、鳥取県など。 なお、審査・調査の合計頭数では、岩手県が1100頭で他県を圧倒し、群馬県884頭、栃木県868頭、熊本県、福岡県が続く。都府県合計1万1430頭の平均審査得点は80・77点で前年に比べて0・19点上昇した。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
広島県では初EX誕生 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前期都府県で審査得点90点以上(エクセレント=EX)に評価された雌牛は20県で53頭であり、前年同期に比べて4頭少なかった。今回の県別EX頭数のトップは群馬県の9頭で、次いで福島県7頭、静岡県5頭、岩手県と神奈川県4頭など。 高得点牛では、郡山市観光交流振興公社(福島)所有のクラックホームクールクールクーマ(父ルーク)が7歳9月齢で、細井幸夫さん(群馬)所有のミッドグリーンアトラスラビッシュ(父アトラス)が6歳1月齢でそれぞれ92点を獲得した。 91点は11頭で、そのうち、今回新規EXとなったのは、川島恵一さん(群馬)のマスミプリスターダムと野秋勝裕さん(静岡)のワイズビレッジカーネーションゴールドダーハムの2頭。 90点は40頭を数えるが、このうち11農家で初EX誕生となった。中でも、前谷重夫さん(広島)所有牛は広島県で初のEX誕生となった。 なお、雌牛審査において、初めて90点以上に評価する場合、①3産以上で正常分娩している、②305日検定の実乳量が9000㌔以上(F3・2%以上)である、③泌乳中である、④けいれん肢がない、のすべての条件が必要となる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャージーはEX2頭 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャージーの前期牛群審査は岩手、秋田、長野、岡山の4県で実施され、4戸25頭が受検した。前年同期に比べて14頭減でやや低調だった。 今回の最高得点は90点で、土田雄一さん(秋田)所有のサンバレープライドハッピーリバー(5歳6月)と長恒牧場(岡山)所有のロンゲストリンドハーストピティオデニッシュ(5歳8月)の2頭。土田牧場は4頭目のEXですべて自家産。また、長恒牧場はホルスタインとのダブルEX獲得となった。 これで、ジャージーの歴代EX雌牛は岡山県6頭、秋田県4頭、岩手県1頭の合計11頭になった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表1平成18年度前期牛群審査等実施状況(都府県)
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表2平成18年度前期都府県における90点以上の雌牛
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平成18年9月20日 「体型調査17年間で3.8倍」 ~「奨励審査」が牛群審査普及に効果~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体型調査は、59総合検定以降、牛群検定農家で継続的に実施されてきた。 乳用種雄牛評価成績が初めて公表された平成元年には、国内の牛群検定農家のうち1920戸で後検材料娘牛2059頭(同期牛を含む合計頭数は1万2647頭)の体型調査を実施した。 体型調査の戸数と材料娘牛頭数は年々増加し、6年度には3434戸・4580頭、10年度が4122戸・5751頭、17年度は4959戸・7780頭を数える。この17年間で調査戸数は2・6倍、材料娘牛調査頭数は3・8倍に及ぶ。 日本ホル協では14年度から、都府県の体型調査農家を対象として、割安料金の牛群奨励審査をスタートした。その結果、14年度の審査頭数は前年度に比べて900頭以上伸び、その後も年間30~40戸、300~400頭の増加につながった。 体型調査農家には、調査対象以外の経産牛について1頭から受検できる牛群奨励審査を勧めたい。牛群奨励審査は1~6頭まで1頭につき5250円。7頭以上は牛群審査料金を適用する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成18年9月20日 「徳島に全国から101名」 ~四国でジャジング初開催~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全国ホルスタイン改良協議会(森田一文会長)は9月5~6日、徳島県上板町の徳島県農林水産総合技術支援センター畜産研究所で18年度ジャジングスクールを開催した。四国では初の開催となった今回のスクールには、20都道府県から酪農家や関係者、学生など101名が参加した。 このスクールは、「牛を見る目」を養い、酪農や乳牛改良への意欲高揚と後継者の育成、牛飼い仲間の親睦交流を目的として毎年開かれている。 開講式の後、一般クラスとジャジマン候補クラスに分かれ、一般クラスは審査標準や牛の見方を勉強した。 候補クラスは審査会場で4頭1組の教材牛3組を使って各自序列づけと答案提出を行った。各部ごとに指名された数名が序列を説明した後、日本ホル協審査委員の模範解答と合わせてディスカッションを行った。 夕方からは吉野川市内のホテルで、兵庫県姫路家畜保健衛生所の篠倉和己氏による酪農講演会が行われ、「これが理想の人工哺育技術-健康で標準の発育を目指そう!」と題して、哺乳と育成の原点に帰って健康な牛作りをすることの大切さを強調した。 2日目は畜産研究所で、受講者全員で4組の序列づけと答案提出、序列説明を行った。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャジマン4名を認定 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
同協議会は、次の成績優秀な4名を18年度ジャジマンとして認定した。永森洋一さん(栃木)、井上哲雄さん(岡山)、米野浩二さん(熊本)、岸上裕司さん(野澤組)。 |
平成18年9月20日 「父系統群に多くの関心」 ~欧州チャンピオンシップショウを視察日本ホル協事務局長千 葉 義 夫~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スピーディさと一体感~関係者の努力でショウ盛り上げる~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年11月の栃木全共では、後代検定娘牛の展示を行い、多くの酪農関係者の関心を呼んだが、次回全共開催に向けて、共進会の運営や後代検定娘牛の展示方法などを調査するため、5月31日から2日間、家畜人工授精事業体協議会会員と一緒に、ドイツのオールデンブルグで行われた欧州チャンピオンシップショウを視察した。また、このショウに参加したヨーロッパ主要国のホルスタイン協会関係者に会い、各国の共進会の実施状況を調査したので、その概要を紹介する。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体型レベル高い父系統群クラス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
欧州チャンピオンシップショウは、1989年にフランスで第1回が開催され、今回で9回目を迎えた。 今回のショウの運営はヨーロッパ黒白・赤白ホルスタイン協会で、開催準備はドイツホルスタイン協会が担当している。ショウの運営経費はすべて開催国が負担するため、大きなスポンサーの確保が必要だ。また、企業ブースや広告料、入場料などで運営費の一部を賄っている。入場料は25ユーロ(約3750円)。 今回の調査で、最も重要な調査項目となったクラスである父系統群クラスはショウのオープニングに70分もの時間をかけてパレードが行われた。この部にはドイツから種雄牛7頭、デンマークとイタリアが種雄牛各1頭の娘牛が出品され、各授精団体が種雄牛の説明をし、国際ショウに相応しく5か国語で行われた。 展示牛は体型レベルが高く、斉一性のあるグループばかりであり、毛刈りや乳房調整、調教も行き届いていた。また、各授精団体は父系統群の出品牛の管理やリードマンを若い酪農家に依頼するなど、ショウの経験を積ませる機会を作る努力をしていた。 父系統群クラスは、多くの一般酪農家が関心をもって観覧しており、回を重ねるたびに出品頭数は増えている。このクラスは後代検定の成果を展示するだけでなく、酪農家の勉強や交流のために最も有意義なクラスであることを実感した。 また、酪農家が種雄牛の娘牛を見て、特徴や注意点を知ることは、今後の交配のために非常に重要なことであり、各国の授精団体はその機会を作るためにかなり努力しているのには感心した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
個体クラスは経産のみ出品 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
個体クラスは経産牛のみで、出品頭数はホルスタイン79頭、レッドホルスタイン36頭でそれ程多くはなかった。出品区分はショウの数か月前に連盟が決定する。今回はホルスタイン8クラス、レッドホルスタイン5クラスに11か国が参加した。各部の出品頭数は多くても15頭程度に調整されている。 主任審査員は、自国の牛が出品されていないヨーロッパ人であることを条件とし、各国からの推薦を受けて連盟が決定している。 各クラスの上位牛はいずれも好体型であり、骨格構造に優れ肋がよく開張し、乳用牛の特質にも富んでいた。乳器は付着が強く、幅や高さを兼ね備えており、肢蹄は乾燥した飛節を持ち、蹄の良いものが多かった。 また、年齢が進むに従って、体躯は一層充実し、力強さと乳用性を兼ね備えたものが多く、レベルの高さを感じた。ホルスタインでは、スイスのマークウェルカイトの娘牛がインターミディエイトチャンピオン並びにグランドチャンピオンに輝いた。 ショウの最後には、国別対抗のクラスがあり、各国の代表牛が4頭1組で国旗と国名のプラカードを先頭に審査場をゆっくりとパレードした。審査員は各国1名の計11名がそれぞれ自国以外の牛に得点を出して、その合計点数で各国の序列を決定した。ホルスタインはフランスが優勝、スイスが準優勝となった。 国別対抗クラスは、ショウの中で最も盛り上がったクラスであり、参観者はそれぞれ自分の国を応援し、審査員の点数に一喜一憂するなど、出品者と観客が一体となっていたことが印象深い。 次回の欧州チャンピオンシップショウは2008年にイタリアで開催される。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
頭数少ないが十分な見応え | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出品クラスを多くし、各クラスの出品頭数を少なくすることで、喜ぶ人(トロフィーをもらう人)を多くするという工夫があった。ショウ自体が非常にスピーディで審査時間も短く、観客も審査に一体感を感じ、飽きることなく楽しんでいる様子である。 出品は日本の全共の3分の1程度であるが、十分な見応えがあり、未経産部門がないことの違和感はなかった。審査会場が満員となる5000名の観客動員もうなずける。また、一般消費者を巻き込んだ付帯行事がなく、単純に酪農関係者を対象としたショウであることにやや驚いた。 出品牛の父親はカナダやアメリカの種雄牛が多いところは日本と同じ傾向にある。 このショウに父系統群を出品することは自国やヨーロッパの種雄牛の利用を促す上で重要である。ましてやヨーロッパはEUとしてまとまりつつあり、ヨーロッパ内での精液販売の上からも重要な意味を持っている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入場料を徴収~欧州7カ国のショウ運営~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回のショウの機会を利用して、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダ、デンマーク、オーストリア、イタリアの7か国のホルスタイン協会など関係者から各国の共進会の開催状況を聞くことができた。 国内規模の共進会は、毎年開催している国が多く、フランスでは2か所で時期を換えて開催、オランダとドイツでは隔年開催している。主催者はほとんどがホルスタイン協会。ホルスタイン種の単独開催もあれば、多品種との総合開催もある。このほか、オープン参加のショウもある。 ホルスタインの出品頭数は、オランダが190頭、ドイツ175頭、フランス100頭程度。 審査区分では、イタリアとオーストリア以外の国が未経産牛クラスは設けていない。未経産牛のショウは酪農後継者の出品技術を訓練する場として別途実施している国はある。 未経産クラスを設けない理由としては、経産クラスや父系統群、後継者の競技を行う方がより重要であり、未経産クラスを行う時間がないとのこと。未経産牛のショウを行っている国は北米の影響が強い地域であり、イギリスでも未経産牛のショウを実施している。 父系統群の部はほとんどの国で実施しており、父系統群の出品は増える傾向。特にオランダでは出品の半数が父系統群クラスに出品している(本年は父系統群に22組が出品予定)。 父系統群の実施方法は、展示パレードだけの国と審査を行う国もある。観客の興味を引くため、例えば、審査員が各グループの最も良い1頭または数頭引き出して、その中からチャンピオンを選ぶなど、一部の牛を審査する方法も増えてきている。 酪農家戸数が減り、ショウへの参観者の確保は難しくなってきている現在、父系統群はブリーダーだけでなく一般の酪農家を呼ぶためには最も効果のあるクラスである。 ショウの運営資金として、すべての国で入場料を徴収している。入場料は5~20ユーロ(750~3000円)。オランダでは、種々の企業に対してより多くの人々が興味を引くようなPR宣伝を行っている(銀行が入場券をまとめて購入して配布等の事例あり)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成18年9月20日 「亀田牧場上位占める」 ~生涯検定選奨都府県18年7~8月~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2位小林牧場は94点9万キロ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本年7~8月に都府県で生涯検定選奨された牛は金賞(生涯乳量6万㌔以上、平均乳脂率3・2%以上)18頭、銀賞(5万㌔以上、同)32頭、銅賞(3万㌔以上、同)138頭であった。別表には今期の生涯合計乳量の上位牛を示した。 今回の生涯乳量トップは亀田康好さん(埼玉)の所有牛、シンボライズアールチェマレット(平7・8・19生、86点)が7回の検定で検定日数2610日、総乳量(M)9万4581㌔、総乳脂量(F)4040㌔、平均乳脂率4・3%を記録し、同牧場では11頭目の生涯乳量9万㌔以上達成となり、自らが持つ都府県記録を塗り替えた。 本牛は初産の305日検定はM1万㌔にわずかに届かなかったが、2産以降は6産連続1万1000㌔以上、F4%以上を記録している。祖母と曾祖母は生涯検定金賞を獲得しているが、今回、本牛が「アールチェ」ファミリーでは一番の稼ぎ頭となった。現在、2頭の娘牛が2産連続M1万1000㌔以上を記録するなど高い泌乳能力を引き継いでいる。 また、亀田牧場は今回、3位ポーテージマライアと5位レインビューティシャロンがM8万㌔台であり、次産での9万㌔達成が大いに期待できる。 2位は小林知史さん(福島)のエムディーゲイウインズスカイバックロンダ(平5・9・2生)で、8回の検定を終了し、M9万㌔を達成した。本牛はアメリカからの導入牛で、4産目の305日検定でM1万4454㌔を筆頭に安定した能力を発揮する一方、昨年11歳10月齢時の体型審査で94点を獲得している。登録娘牛頭数はETによる10頭を含む13頭で、長女のボタンアストロスカイバック(90点)は岡山全共に出品している。 乳牛の価値は一生涯に多くの後継牛と良質で多量の牛乳生産をすることである。牛群検定を実施していれば、「生涯検定申込み」によって、過去の検定記録をまとめて成績証明申込みすることができる。 過去に遡って複数の産次や検定期間別の成績証明をまとめて希望する場合、最近産次の成績証明申込み+過去の検定成績の追記(1記録につき1050円)することで、1枚の証明書に過去の成績が一括掲載される。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生涯検定乳量記録牛(平成18年7~8月都府県)
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平成18年9月20日 「トップ40で効率的改良」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2006―8月乳用牛評価成績では、総合指数(NTP)トップ40のうち、国産種雄牛は9頭入っており、また、世界主要国と比べても、乳量の遺伝的水準ではトップレベルに肩を並べるようになった。今回の国内NTP順位ではキャローゼルアスタイタニックETが5回連続首位、雌牛は北海道のヘンカシーンヒラリーホワイトメイソンのETが7回連続首位を守った。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アメリカより高水準日本の国産種雄牛~遺伝的乳量~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回、NTPトップ40では国産種雄牛が9頭登場しており、最近は国産種雄牛の遺伝的レベルがかなり高くなってきたことがうかがえる。 図は家畜改良センターの「2006‐8月評価の概要」に掲載された、主な国別種雄牛における乳量育種価の年次別推移を示している。 約20年間の乳量の遺伝的推移を見ると、4か国の中でアメリカは常に上位で、カナダとオランダは下位にある。日本(●印)は1995年までその中間にあったが、96年にアメリカに追いつき、98年以降はアメリカを上回って、世界のトップレベルに到達している。2000年生まれの日本の種雄牛の乳量評価平均値は973㌔で、アメリカを137㌔引き離している。 また、日本の国産種雄牛(○印)は95年生まれまではカナダやオランダとほぼ同レベルで推移してきたが、96年以降生まれは国内種雄牛と同じ水準まで上昇し、99~2000年では国産種雄牛の方が外国産を上回る結果となった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タイタニック5回連続首位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回の評価でもタイタニックがNTP+2000で、昨年8月から5回連続でNTPトップを飾った。本牛は泌乳形質がオールプラスで、特に乳脂量・率と乳蛋白質率、体型では乳器や決定得点で高い評価を得ている。しかしながら、CVMキャリアなので交配に注意が必要。 2位は前回と同じくアルフォンゾで、乳代効果や乳量、乳成分量の改良が期待される。 3位の新規選抜牛ヒルトンはハーシェル×マンフレッドの交配で、乳代効果や乳量、無脂固形分量の評価が高く、肢蹄はトップの実力。 4~9位の各種雄牛は前回とほぼ同じ順位で安定している。 10位は新規選抜のオックスフォードで、特に体型では決定得点(3位)と乳器に優れている。今回、40位以内に登場した新規選抜牛は9頭。 泌乳の各形質別の評価値トップ牛は、乳代効果と乳量、SNF量でトップ・ドリーム、乳脂量と乳脂率がオーフアン、乳蛋白質量はライトニング、SNF率と乳蛋白質率はジェファーソン。体型形質では、決定得点と乳器でジェスロ。肢蹄のヒルトン、外貌と乳用牛特質のインスティンクト、体積はケルビンがトップ。 海外種雄牛のNTP順位では、新規登場のサンデイバレーボルトンET(米国)がNTP+2599でトップ、2位は前回1位のデルタ・キャンバス、以下、シャーキー、マリオン、サタイアなどが上位に入った。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
雌牛はホワイトメイソン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
牛群検定参加雌牛のNTPトップは五島順二さん(北海道)所有のヘンカシーンヒラリーホワイトメイソンET(91点)がNTP+2944、乳代効果21万3790円で7回連続首位。本牛の息ではNTP4位のトップ・ドリーム、12位スター・ドリーム、娘では2位のメイソン・ダーハム、39位ヘラルド、孫で6位のディー・ハーシェルなどが活躍中。 都府県では7位に小谷正子さん(兵庫)、8位新潟県農業総合研究所をはじめ上位100傑に18頭が登場している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
NTPで年13日長持ち | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
NTPは、泌乳能力と体型をバランスよく改良するために、乳脂率を下げずに、乳蛋白質率の遺伝的改良量がマイナスにならないように、乳量や乳成分量と長命連産性の改良量が最大になるように、泌乳・体型形質の推定育種価に重みづけした指数である。 NTPを用いて種雄牛と雌牛の選抜を進めることによって乳量は1年あたり+128㌔、乳脂量+5・2㌔、乳蛋白質量+4・4㌔、SNF量+11・5㌔増加する。また、乳器は+0・08点、肢蹄は+0・04点改良され、生産寿命(84月齢までの搾乳日数)が13日高まることが期待される。 トップ40の種雄牛を使って、より遺伝的に高い後継牛を確保しよう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乳用種雄牛評価成績2006-8月(供給可能種雄牛NTPトップ40)
注1) 名号後のCVはCVMキャリア、未表示はCVM正常。掲載牛はすべてBLAD正常。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乳用雌牛評価成績2006―8月より抜粋(牛群検定参加牛のうちNTP上位15位)
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乳代効果
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乳蛋白質率
| 無脂固形分率
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決定得点
| 肢蹄
| 乳器
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