平成19年1月1日
平成19年1月1日 「夫婦で喜びの天皇杯」 ~秋田県由利本荘市柴田輝男・誠子牧場~ | |
秋田県由利本荘市の酪農家、柴田輝男・誠子さんご夫妻は昨年11月、平成18年度農林水産祭で最高の名誉である天皇杯を受賞した。柴田牧場は、一昨年の栃木全共で連続7回全共出場、昨年4月の体型審査では初のEX(審査得点90点以上)を獲得、さらに先般の天皇杯受賞の快挙を遂げるなど、40年の酪農人生で取り組んできた「土づくり・草づくり・牛づくり・人づくり」の精神が、東北の大地で見事に花を咲かせる結果となった。 | |
全共に連続7回出品 | |
「身に余る最高の栄誉であり、家族とともに喜びました。この名誉を糧として、今日からまた初心に帰って一歩ずつ、土づくり、草づくり、牛づくり、人づくりに努力していきたい」と天皇杯受賞の気持ちを語った。 | |
土壌改良で自給率を向上 | |
柴田さんの酪農経営の基本は長年取り組んできた「土づくり・草づくり・牛づくり・人づくり」である。 土づくり・草づくりでは、40ヘクタールの草地(借地)を、毎年6~7ヘクタールずつ、堆肥や土壌改良剤を投入して、土壌分析を行いながら更新し、地力と生産性の向上に努めている。6年前からはホールクロップサイレージの給与を始めるなど、粗飼料の7割以上を自給。この結果、購入飼料費は低減し、乳飼比は県内平均を大きく下回っている。 また、規模拡大に伴う堆肥の効率的利用として、自家利用のほかに、いちじくやアスバラガス生産農家からの需要が多く、全体の6割を耕種農家に販売している。 | |
全共出品牛が念願のEXに | |
牛づくりでは、「昭和49年に北海道から2頭導入したうちの1頭ローモントリーダーアイバンホーが体型や繁殖性に優れ、この血統を基礎として自家育成牛を選抜してきました。この牛が翌50年の淡路島全共に出品して以来、このファミリーから、一昨年の栃木全共まで7回連続で全共出品することができ、栃木では多回出品の表彰を受けました」と。同じ血統での全共7回連続出品は他に例を見ない。 栃木全共に出品したシャインズヒルローモントインパルスは昨年4月、9歳2月齢、6産時の体型審査で念願のエクセレントを獲得した。 | |
牧場開放し交流盛ん | |
牛群の泌乳能力向上と乳質改善を図るため、昭和50年から牛群検定を実施し、データの裏づけに基づく選抜淘汰を実践するとともに、県内酪農家のリーダーとして190戸ある酪農家の全戸検定加入を推進している。 | |
妻への菜の花畑がきっかけ | |
3つ目は人づくり。 「20年前、私は女房へのプレゼントのため、デントコーン跡地一面に菜の花の種を蒔きました。菜の花畑を見た女房は、自分だけ独り占めするのはもったいないと、郡内の保育園や幼稚園にハガキを出して、子供たちを招待しました。集まった子供たちにカブトムシをプレゼントし、牛乳を飲んでもらい、ポニーに乗馬させ、楽しんでもらいました。それ以来、5月上旬の菜の花の季節には、消費者や知人、友人を巻き込んで交流会を開いています」。 子供たちの体験学習や牧場を開放しての消費者交流など、食育や農業・農村の魅力と役割を広く伝えたり、障害者の雇用を受け入れて自立支援への協力、酪農後継者育成のための研修生も多く受け入れている。 | |
娘夫婦が後継共に力合わせ | |
二女の瑞穂さんが平成14年に就農し結婚。測量士だった夫の睦さんも牛飼いに興味を持ち、1昨年秋から仲間入りした。「これからは、私たち夫婦と娘夫婦が共に力を合わせて、土をつくり、草をつくり、牛をつくり、お互いに尊重し合う気持ちを忘れずに、地域社会の一員として、自分たちができる酪農を続けていきたい」。 新しい年の抱負は、「できる限り多くの酪農家の若者に、酪農のすばらしさを伝えていきたい。また、北海道全共に向けて、後継者が頑張っているので、連続出品できるよう応援したい」と結んだ。 | |
平成19年1月1日 「11月12、13日静岡で開催決定」 ~第7回全日本BWショウ~ | |
全国ホルスタイン改良協議会はこのほど、第7回全日本ブラックアンドホワイトショウを本年11月12~13日に静岡県の御殿場市馬術・スポーツセンターで開催することを決定した。なお、出品に関する詳細は理事会の承認を得て、会員である各都道府県の同志会事務局に伝達する。 | |
コラム 「猪っと亥々年(ちょっといいとし)」~気心腹口命~ | |
あけましておめでとうございます。 昨年は、荒川静香選手のイナバウアーと王ジャパンWBCの金メダル、ハンカチ王子の熱闘甲子園などスポーツ界での頑張りが目立った。また、何と言っても喜ばしかったのが、秋篠宮家に男子ご誕生である。TVで映った悠仁親王の健やかな笑顔は、国民にとって最高の癒しとなった。 一方で、いじめや虐待、子供の自殺、殺人など信じ難い事件の多い一年だった。昨年を表わす漢字は「命」。心が病み、命が軽んじられる昨今の風潮は現代の社会経済への不安を投影するものであろう。改めて生命と心の大切さを考えさせられる。 「命」で、京都の名刹の、短冊に記された一行句を思い出す。「気は高く、心は丸く腹立てず、口慎めば、命長かれ」と読む。気は一番上に高く、心は丸い字体で、腹は横になっている。口は小さく、命は縦に長く書かれている。 今年は亥年、動物は猪である。猪肉は万病を防ぐと言われ、無病息災の象徴とされる。今年も心丸く、健康に留意して良い年にしたい。 |