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平成19年1月20日


平成19年1月20日
「血統は前年並み

~審査は順調、移動は減少12月末都府県~
昨年12月末のホ種血統登録申込みは3万3192頭で、前年並みの頭数を確保したが、予算頭数の55%に留まっており、年度末にかけて一層の登録推進に努めることとした。なお、自動登録は現在15府県で実施され、都府県登録申込全体の12%に達した。移動証明と会員申込件数はやや低調であるが、体型審査頭数は前年をやや上回る見込みである。
日本ホルスタイン登録協会ではこのほど、昨年12月末現在までのホルスタイン牛の各種登録申込状況をまとめた。
これによると、都府県では、雌牛血統登録が3万3192頭(前年同期比7頭増)でほぼ前年並みの頭数を確保した。岩手、福島、栃木、愛知、兵庫、鳥取、熊本などの県で顕著な伸びを示した。
しかしながら、18年度予算頭数は6万1000頭であり、予算頭数に対する達成率は55%と低いことから、今月末から2月初めに東西ブロックで開かれるホル協社員会議などを通じて登録推進への一層の協力をお願いする次第である。
移動証明は7111件で前年より約1500件減少している(前年対比83%)。これは生乳生産調整の影響で導入牛が減少していることや自動登録農家では移動手続きが不要であることなどが原因と考えられる。
審査成績証明は、牛群審査722戸、奨励審査を含めた審査頭数合計は7969頭で、前年よりも27戸、401頭増えている。また、後代検定に係る体型調査も冬季審査日程の中でほぼ計画頭数を達成できる見通しだ。
会員申込みは6112件(前年対比94%)で、年度末までには概ね前年に近い申込件数が予想される。
自動登録は府県登録の12%
自動登録は現在、北海道で登録申込頭数全体の約88%に及んでいる。
これに対して、都府県では以前から参加している秋田、愛知、兵庫、岡山、熊本の各県に加えて、18年度には茨城、千葉、福井、長野、静岡、滋賀、京都、鳥取、福岡、鹿児島の10府県が加入し、現在、15府県で745戸の酪農家が自動登録を実施している。自動登録による血統登録頭数は都府県全体の約12%に達している。
また現在、宮城、山形、福島、群馬、山口などの県などが自動登録実施に向けて準備を進めているところである。
自動登録の推進にあたって、最も重要な授精報告の整備徹底がネックになっているが、先般から牛群検定の繁殖情報が利用可能になったことから、今後の方向である「自動登録」に早期加入していただくよう、強くお願いしたい。
平成18年度都府県登録申込状況(18.12月末現在)
県 名血 統 登 録移 動 証 明会員
前年対比前年対比前年対比
青 森449-18017110300
岩 手4,036336582100933-431
宮 城5796994345-10
秋 田220-376-5880
山 形686-2613916352-28
福 島1,428166339900
茨 城1,36049217-293445-24
栃 木1,602380359671665
群 馬1,159-320179-613200-38
埼 玉180-2736254-12
千 葉1,268-35118112077
東 京92-7312-1800
神奈川547-8551-37922
新 潟4271298-140-3
富 山128-122-1016-5
石 川94200-1164
福 井74-73654646
山 梨207-3129594-4
長 野88140152-1100
岐 阜457-16252-12295-20
静 岡550-2210619228-17
愛 知2,396373202-38418-13
三 重108-6935-4700
滋 賀1892935-17344
京 都145455-6253
大 阪1204738928-3
兵 庫1,0861122672576576
奈 良3715011-1
和歌山6-30-31-1
鳥 取1,303238135-930-83
島 根2629427-5844-1
岡 山1,291-605674-770-396
広 島45634169-3482-1
山 口2664650233-5
徳 島197-3819-1613-26
香 川2406938260-21
愛 媛547-4756-20108-12
高 知175811-130-2
福 岡1,19657111-19181167
佐 賀3753959-2383-2
長 崎215-621302965-9
熊 本2,875373789-58851-45
大 分6339241-399514
宮 崎95665238-5100
鹿児島1,486-104509-65362-21
沖 縄119-2970-8738-27
その他89-6560-5700
合 計33,19277,111-1,4596,112-413
平成19年1月20日
「乳量増で収益UP」

~18年度牛乳生産費統計~
遺伝的改良が基本~1万キロ牛群は8千キロ牛群に比べて所得32%増加~
生乳の飲用需要が低下傾向にある中、平成18年度は12年ぶりの減産型の計画生産が行われたが、さらに11月8日に農林水産省統計部から公表された「平成18年牛乳生産費統計」によると、経産牛1頭当たり所得は前年9・6%減(平成18年19万5791円、平成17年21万6468円)となっている。
生乳生産コスト増加の要因としては、労働時間の減少から労働費が減少したものの、乳牛の取得価格上昇により償却費が増加したことや、原油価格の高騰によって光熱動力費が増加したことなどであるが、生産性コストの低減を図るためには、乳用牛改良を推進しつつ能力を最大限に発揮させる飼養管理技術の向上を図ることが基本である。
ここでは、個体能力の向上がいかに生産性の向上にとって重要であるか、牛群の平均乳量の差が生乳生産コストと収益性に及ぼす影響について、「平成18年牛乳生産費統計」をもとに組み替え集計した結果から見てみよう。
図は、乳量階層別に経産牛1頭当たりの平均乳量(乳脂率3・5%換算)と経産牛1頭当たりの平均粗収益及び支出との関係について示したものである。これを見ると平均乳量が増加するに伴い、粗収益、支出ともに増加しているが、右に行くほど粗収益の増加額が支出の増加額を上回っており、平均乳量が多い酪農家ほど収益性(所得)が高いことがわかる。
具体的な数字を挙げてみると、全国の経産牛1頭当たり平均乳量である8000~9000㌔の階層に比べ、1万㌔以上の階層(牛群検定牛の平均乳量階層)では1頭当たり支出が11万1000円増加しているが、粗収益が16万7000円増加していることから、結果として所得は17万6000円から23万2000円へ約32%増加している。
また、1000万円の所得を得るために必要な乳用牛(経産牛)頭数を計算すると、平均乳量が8000~9000㌔の階層では57頭必要となるが、1万㌔以上の階層では43頭となり約8割程度の頭数で間に合うことがわかる。
同様に年間出荷乳量を300㌧と限定した場合に必要な経産牛頭数について計算すると、8000~9000㌔の階層では35頭必要であるのに対し、1万㌔以上の階層では28頭で間に合い、所得も増加する。
さらに、生乳生産量1㌔あたりの費用合計は、8000~9000㌔の階層では75・9円かかるのに対して1万㌔以上の階層では68・3円と約10%低下している。
このように、酪農経営において、生産性を高め、所得の向上を図るためには、登録、牛群検定、後代検定により個体能力を見極め効果的な牛群の改良を進めることにより、遺伝的能力を高めつつ能力に見合った飼養管理を推進していくことが重要である。(農林水産省生産局畜産部畜産振興課乳牛班・繁殖技術係長川田訓)

千kg~77~88~99~1010~乳量階層
kg6,310
[5,706]
7,553
[6,661]
8,499
[7,460]
9,500
[8,416]
10,750
[9,366]
平 均 乳 量
(乳脂率3.5%換算)
[平均実乳量]
時間13110910110087経産牛1頭当たりの
家族労働時間
128735753431000万円の所得を
得るために必要な
経産牛頭数

万円
48
372
40
542
35
621
32
598
28
647
出荷乳量300tと
したときの経産牛
必要頭数と所得
99.383.875.975.168.3生乳生産1kg当たり
の費用合計
資料:農林水産省統計部「平成18年牛乳生産費統計」による組替集計結果
(注) 自給飼料費、購入飼料費、乳牛償却費以外の物財費と雇用労働費、支払利子・地代
平成19年1月20日
「新年ご挨拶」

~日本ホルスタイン登録協会会長山﨑博文~
自動登録拡大に全力で~個体識別事業見直しで良案検討も~
新年あけましておめでとうございます。
酪農家の皆様をはじめ、日頃登録事業にご支援いただいている酪農関係各位には、健やかな新春を迎えられておられることとお慶び申し上げます。
日頃から当協会事業に特段のご支援ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
昨年は、大企業を主体に日本経済の好調さが伝えられたものの、国民の家計や地方ではその実感は少なく格差が課題とされた一年でした。
また、WTO農業交渉は交渉中断され、合意は先延ばしされることとなりました。FTAやEPAの動きは、WTO交渉で自由化の主張が強いケアンズグループの豪州との間で交渉開始が決まるなど、わが国が交渉や政府間の共同研究を進めている国・地域も増えております。
今後もそれらの動向を注視しながら、業界として酪農産品など重要品目の例外措置を要求するなどの対応を行っていく必要があります。
さて、昨年の酪農乳業界は、生乳需給調整の難しさを改めて感じた年でした。3月の生乳廃棄、飲用牛乳の消費減退と過剰乳製品の在庫削減のため、平成6年度以来の減産型の生乳生産計画の実施や短期的な特定用途向け生乳の調整難などがありました。
しかしながら、関係各位のご努力で生産と需要の格差は少しずつ縮小され、年末年始の余乳処理を乗り越えて乳製品の過剰も軽減されてきていますが、なお一層の努力が求められる状況です。
このような中で、酪農生産性の向上と体質強化を図るためには、酪農経営の基盤である乳牛個々の泌乳能力の遺伝的改良が極めて重要であることから、当協会では、次の①の日常の基幹事業のほか、②以下の事業などに積極的に取り組んでいきます。
① 昨年に引き続き、乳牛改良の根幹である血統登録と体型審査を主体に各種事業の普及推進のため、役職員一丸となって努力する。
特に、登録では「全牛登録」という大きな目標を掲げ、家畜個体識別全国データベースからの出生報告と牛群検定事業の繁殖情報の利用、家畜改良データバンクの人工授精データ入力システム等でデータベース化された人工授精記録を結びつけることによる「自動登録」の拡大を図るため、組織をあげて取り組んで行く。
② 第13回全日本ホルスタイン共進会(平成22年に北海道で開催)に係る企画委員会の検討結果に関して、広く会員のご意見を伺い、出来るだけ早期に出品基準等を定めて、出品をめざす方々や関係各位の準備に資するよう努力する。
③ 審査標準を、現行の5区分から「体積」をなくした4区分にするなどの改正となる新審査標準の実施に関連して、変更点とめざすべき改良の方向について十分にご理解いただくよう、普及推進を行う。
④ 家畜個体識別全国データベースの運営状況と関係各位の要望等を踏まえて開始された「見直し・検討の場」に参画して、モデル事業を推進した経験や、酪農家等が報告し関係機関・団体(あるいは承認を得た団体)が共通して活用するデータについては、報告の窓口を一本化(情報の一元的報告、多元的利用)するなどの要望を踏まえた見直しとなるよう努力する。
また、本年度は大型コンピューターの共同利用事業の終了を契機に、都内中野区にあるホルスタイン会館の有効活用等による財務の健全化を図るため、事務所を移転することにしました。
どうぞ、会員及び関係各位におかれましては、当協会事業の推進に対して一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、皆様とご家族のご健勝ご発展をお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。
平成19年1月20日
「牛群審査を受けよう」
乳房と肢蹄のよい牛は長持ちします。体型特徴を知るためには牛群審査を受けましょう。
本年1~3月に実施する都府県の審査日程は次のとおりです。牛群審査の申込みに関する問合せは各都府県の登録取扱団体まで。 茨城県:2月13~23日
東京都:2月13~14日
長野県:2月23~3月2日、6~8日
大阪府:2月1日
兵庫県:1月31~2月8日
奈良県:1月31日
広島県:1月29~2月2日
福岡県:1月22~2月2日
佐賀県:2月19~20日
長崎県:2月21~23日
熊本県:1月29~2月1日

平成19年1月20日
「登録の必要性と自動登録

~自動登録加入促進~
わが国の酪農は、昨年度からの生乳減産体制やWTO農業交渉の行方、FTAが加速するなど厳しい状況である。この中にあって、酪農経営を安定・発展させていくためには、高品質な生乳生産を維持しつつ、生産コストの低減による足腰の強い生産基盤を構築することが必要である。このためには血統登録を基とした泌乳能力の遺伝的改良を図っていくことが必要不可欠である。(日本ホル協登録部次長植原友一郎)
絶やすな大切な血統!~血統情報がすべての改良の基礎に~
品種の保存に欠かせない血統情報は、さらに検定や体型など種々の情報を加えることによって、計画交配に必要な近交係数の計算や選抜・淘汰に必要な遺伝評価値の推定は不可欠の情報として広く活用されている。
血統登録は遺伝的改良の土台であり、血縁を繋げていくためには継続的に実施していかなければならない事業であることは言うまでもない。血統登録することでのメリットを挙げれば、次のように整理できる。
①血統登録を行うことで血統の純粋性(登録証に血統濃度%を表示)が明らかになる。純粋種は血統濃度100%、無登録牛は0%であり、この牛を登録しても血統濃度は50%にしかならない。血統濃度を100%まで戻すには7代もかかる。
さらに、登録と牛群検定や体型審査などで得られた情報を結びつけることで、より正確な遺伝的能力(EBVやNTPなど)が評価・還元される。これによって泌乳成績を持たない未経産牛についても遺伝的能力を推定することができ、より確実な後継牛の選抜が可能となる。
②現在、一般供用されている種雄牛は後代検定によって選抜された遺伝的レベルの高い種雄牛である。しかし、輸入精液を含めてこれらの種雄牛は極めて限られた系統に集中する傾向があるために、種雄牛によっては高い近交係数を持っている可能性が強い。したがって、それらから生産された雌牛集団の近交係数も年々少しずつ高まってきている。
近い血縁による強度の近親交配や、数代前に共通祖先をもつという近親交配を繰り返すなど、近交度が高まると「近交退化」という現象が誘発され、乳量の減少や繁殖性、抗病性の低下など多くの形質で大きな損失をもたらす。(関連の近親交配の記事参照)
③技術的な進歩によって種々の遺伝性疾患が発見できるようになった。遺伝的不良因子(BLADやCVMなど)は血統証に表示されるので、交配に気をつけることで子孫への発現を未然に防ぐことができる。
④家畜改良データバンクのホームページ(日本ホル協HPからもアクセスできる)には、登録牛に関する血統検索や近交回避(種雄牛別に近交係数を表示)、系統譜などの情報をリアルタイムで検索することができ、改良の参考資料として活用できる。
自動登録推進は時代の要請
今日では、多くの酪農家が専業可能な経営規模になってきて、毎日の飼養管理の中では遺伝的な部分は把握しにくいところもあるが、遺伝的に低レベルの個体や近親交配による弊害など、一頭一頭のマイナスの積み重ねによる経済的損失は大きなものになる。
登録を行うことで、経済的なリスクを最小限に抑えながら、より効率的な乳牛改良が進められるという効果は大きいと言える。
日本ホル協では、乳牛改良の原点である登録事業がわが国酪農の基幹的事業であるとの認識に立ち、今後は全牛登録という大きな目標を掲げています。その最大の推進策として、従来の個別登録に比べて簡便で登録料金が割安になる「自動登録」のシステムを構築し、普及PRに努めているところである。
自動登録は、家畜個体識別センターに報告された出生報告と、予めデータベースに報告収納された人工授精情報を用いて、ホルスタイン(またはジャージー)雌牛全頭について自動的に登録を行うものである。
申込不要と料金割安でメリット
最初に、本会に自動登録申請の契約を行えば、その後は一頭ごとの申込みは不要である。
自動登録と従来の個別登録との違いは、①一頭毎の登録申込書や人工授精報告書の提出が不要、②牛個体識別の転入、転出の報告によって母牛の移動証明手続きは不要で、移動料金もかからない、③登録証明書の発行が早い(出生報告後1か月以内)、④登録料金が割安になる(個別登録より1頭525円安い)などが挙げられる。
自動登録を希望する会員においては、①事前に自動登録申込書を提出する、②原則として、ホルスタイン種またはジャージー種として出生報告された雌子牛全頭を登録する、③人工授精データを逐次報告できる(牛群検定繁殖情報の利用等)、などが自動登録に加入する条件であり、具体的な手順や方法については登録窓口である最寄りの本会支部・承認団体に相談願いたい。
10代遡ると1千頭の祖先牛関与
今日まで積み上げてきた登録牛の祖先を10代遡ると、実に延べ1024頭の祖先牛が関与しているわけであり、登録を途絶えることは、過去から積み重ねてきた登録の記録を子孫に継承できなくなってしまう。このことは乳牛改良を効率的に行う上で誠に大きな後退につながるものであり、安定的な酪農の発展は望めないと考える。
冒頭にも述べたように、厳しい酪農情勢にあってはややもすると登録離れが加速することが懸念されるが、今後とも改良の基本である登録、審査、牛群検定、後代検定の推進に対して、酪農家の皆様はもとより関係者・機関のより一層のご理解ご協力をよろしくお願いしたい。
平成19年1月20日
「登録証で近交回避」

~増える近親交配登録牛でも4.7%~
遺伝的改良が基本~1万キロ牛群は8千キロ牛群に比べて所得32%増加~
強度の近親交配は泌乳能力の低下や体の矮小化、発育や繁殖性の低下、死亡率の増加をもたらす。体型面でも決定得点や肢蹄、乳器得率などの低下が見られる。近親交配による退化量は別表のとおりで、近交係数が1%上昇すると1乳期あたり乳量は約31㌔減少すると言われる。したがって、近交係数6・25%の場合には約194㌔、12・5%では約389㌔減少する危険性がある。
現在、登録牛においても過去に共通祖先がいるために知らないうちに近親交配が行われ、その結果、近交係数は年々高まってきている。
図1には登録牛の生年別に平均近交係数の推移を示している。雄牛では90年以降、近交係数が急激に上昇し、2006年生まれで5%を超えている。因みに、06年11月の乳用種雄牛評価でNTPトップ40頭の近交係数は平均5・3%で、中には10%を超える種雄牛もいる。これらの種雄牛の交配にあたっては、交配雌牛との間に共通祖先が絡まないよう、細心の注意をされたい。
一方、登録雌牛の近交係数も90年生まれ以降は雄牛を追随する形で急激に上昇している。
06年生まれの平均近交係数は4・7%で、10年前より約1ポイント上昇しており、このまま推移すると近い将来には危険域といわれる近交係数6%台になることが危惧される。
登録牛1割が強度の近交に
図2には、6・25%以上の高い近交係数 (危険域)をもつ登録雌牛の頭数割合を示した。
6・25%以上の近交係数を持つ割合は90年以前2~3%であったものが92年生まれで4%、96年生まれが7・4%、さらに05年に生まれた雌牛では12%であり、全体の1割以上が強度の近交による弊害を被っていると言える。
近交係数が高まってきた要因は、現在供用されている種雄牛の多くが、その祖先にアーリンダ・チーフやエレベーション、オスボンデール・アイバンホーなどの人気種雄牛に集中しており、これらの特定の血統ばかりが種雄牛作りに利用されたからと推察される。
6・25%以上の近交係数を持つ交配例を見てみると、交配の組み合わせでは「おじ・めい交配」が最も多く、登録牛全体の0・5%であった。登録牛でもこのような強度の近親交配がまれに行われていることを考えると、無登録牛ではさらに近親交配の頻度は高くなっていることが想像できる。せっかく、改良を期待できる種雄牛を交配しても、近親交配によって、発育や泌乳能力、繁殖性が低下しては意味がない。
交配種雄牛の血統必ず確認
強度の近親交配を避けるためには、交配する種雄牛と雌牛について少なくとも3代祖先までに共通する祖先牛がいないことを確認することである。
血統登録証明書には本牛を含めて4代の血統情報が記載されている。一方、種雄牛の血統情報に関してはインターネットで近交回避情報を簡単に検索できる。
今日、どの種雄牛を交配しても、同じ祖先牛が出てくるのが当たり前のような状況である。近交による弊害を抑えるためには、血統登録書や近交回避情報などを利用することが最も効果的である。そして、これらの血統情報を得るためには、雌子牛が生まれたら、すぐに登録して血統を明らかにすることが最も大切であることを改めてご理解いただきたい。
表 各形質に対する近交退化量
近 交 係 数
1%6.25%12.5%
乳量(kg)-31.1-194.38-388.75
乳 脂 量(kg)-1.1-6.88-13.75
乳蛋白質量(kg)-0.9-5.63-11.25
無脂固形分量(kg)-2.6-16.25-32.50
肢蹄(%)-0.040-0.25-0.50
乳器(%)-0.029-0.18-0.36
決定得点(点)-0.037-0.23-0.46
平成19年1月20日
「審査標準改正へ」

~世界へ歩調、4区分へ~
施行時期は関係機関と調整して
ホルスタイン種雌雄牛審査標準の改正案は、昨年11月13日開催の日本ホル協登録審議会で審議の結果、「雌雄ともに、体積の区分を廃止し、雌は4区分に、雄は3区分とし、評点および説明を一部改めることは適当である(略)」との答申を得て、同月24日の第238回理事会で承認された。
今回の審査標準改正は、近年、泌乳能力が向上する一方で、平均産次数の短縮や分娩間隔の延長など生涯寿命や繁殖性の低下が心配されることに加えて、世界ホルスタインフリージアン連盟から各国の雌牛審査標準の見直しと、体型形質基準などの国際統一に向けて勧告が行われたことによるもの。
雌牛審査標準の主な改正点は次のとおり。
①現行の5区分を「体貌と骨格」、「肢蹄」、「乳用強健性」、「乳器」の4区分とし、現行の「体積」は減率して「体貌と骨格」に含める。
②「体貌と骨格」の配点を25点とし、繁殖に関連深い尻を重視するとともに各部の骨格構造などを評価する。
③「肢蹄」は生産寿命に関連深くため、配点を15点から20点に引き上げる。
④「乳用強健性」は現行の「乳用牛の特質」と同様、活力や後肋の開張度を重視する。配点を20点から15点に減じたのは、年あたり改良量が高い反面、高泌乳を伴うリスクも大きく、生産寿命を短縮する危険性を持ち合わせていることと、繁殖性や生産寿命に関連した尻(体貌と骨格)や肢蹄の改良を優先したためである。
⑤ 「乳器」は最重要形質であり、現行と同様に40点とする。
なお、新標準の施行時期については、種雄牛評価との関連から関係機関と十分な調整をとった上で決定する。

平成19年1月20日
「遺伝能力、順調に推移
家畜改良センター発行の「乳用牛評価報告」第26号によれば、2006年8月種雄牛評価には牛群検定牛の泌乳記録619万件、体型記録66万件が利用された。01年生まれの発表種雄牛では乳量の推定育種価が+1039㌔で、乳成分量や体型部位の改良が毎年ほぼ順調に進んでいるが、年当たり遺伝的改良量は前年よりもやや減少した。
泌乳記録698万件駆使
2006年8月の種雄牛・雌牛同時評価に用いたデータ数は乳量と乳脂量が約619万件、体型形質は最高66万件強で、前年よりも泌乳形質は約33万件、体型形質で約5万件増加している。また、雌牛評価では牛群検定参加牛に広く情報還元するために評価対象を拡大して約698万件の泌乳能力記録を用いて再計算が
行われている。
表1には、06年8月まで最近5年間の種雄牛評価に用いたデータの平均値を示した。
06年8月の泌乳能力では、乳量8118㌔、乳脂量312㌔、無脂固形分量709㌔、乳蛋白質量263㌔で、02年Ⅱ期と比較すると乳量で485㌔増加したが、最近4年間では乳量で164㌔しか伸びていない。
また、体型形質の平均値が最も高かったのは体積で06年8月には唯一80点以上になっている。次いで乳用牛の特質、外貌、決定得点、乳器の順で肢蹄が最も低かった。体型形質は得点幅が狭いこともあるが、5年間で各平均値はわずかな増減幅に留まった。肢蹄と乳器は5年前と比べてそれぞれ0・01、0・05ポイント増加したが、外貌は0・04ポイント減少した。
発表牛は乳量+1039㌔
図1には、乳量と乳脂率について遺伝的能力(EBV)の年次別変化を示した。図中の発表牛とは全種雄牛のうち、10牛群15頭以上の娘牛記録を持つ種雄牛。検定牛は牛群検定参加牛でデータが採用されたもの。
発表牛の乳量EBVでは82~85年と87、90~93年生まれで伸びがやや停滞したほかは、ほぼ順調な伸びを示しており、01年生まれのEBVは+1039㌔になっている。図示していないが、乳脂量や乳蛋白質量のEBVも乳量とほぼ同様の傾向で推移している。
一方、乳脂率のEBVは85~88年生まれで急激に上昇した後、93年生まれまでは横ばいに推移したが、94年以降は乳量の増加に相反して急激に減少傾向を示している。
このほかの乳成分率でも乳脂率ほど極端な減少は見られないものの、91年生まれ以降の発表牛と検定牛ではEBVが年々緩やかに減少傾向をたどっている。
体型EBVは年々上昇
図2には決定得点と肢蹄についてEBVの年次別変化を示した。図中の審査牛とは登録牛で初産次に体型調査または牛群審査でデータが採用されたものである。
決定得点のEBVは右上がりのグラフを描き、年々順調な伸びを示している。乳器や乳用牛の特質でもよく類似した動きを示している。しかし、肢蹄(97年から評価開始)は最近12年間で遺伝的には改良の成果が顕著ではない。
このほか、線形形質では前乳房の付着、後乳房の高さ、乳房懸垂などで右上がりの傾向を示しており、より若い種雄牛がより望ましい改良方向に進んでいる。
年当たり遺伝的改良量やや低調
表2には最近10年間の泌乳・体型形質の年当たり改良量を示した。
乳量の年当たり改良量は発表牛で153㌔、検定牛が109㌔で前年までの10年間に比べると、発表牛で22㌔減少、検定牛でも1㌔減少した。また、乳成分量・率でも前年に比べて年あたり改良量はやや減少した。
体型形質の年当たり改良量も、審査牛は前年までの年当たり改良量をいずれも上回ったものの、発表牛や全種雄牛ではともに肢蹄を除く各形質で前年を下回った。
表1観測値(平均値)の比較(最近5年間)
形質名2002-Ⅱ2003-8月2004-8月2005-8月2006-8月
(泌 乳 形 質)
乳 量 kg7,6337,9548,0238,0718,118
乳脂量 kg289303307309312
無脂固形分量 kg676694700705709
乳蛋白質量 kg253256259261263
(体 型 形 質)
決定得点79.2679.2879.2879.3079.31
外貌79.4679.4579.4479.4379.42
肢蹄78.4978.4978.4978.4978.50
乳用牛の特質79.7779.7979.8179.8479.87
体積79.9079.9379.9579.9980.02
乳器79.1879.1979.1979.2079.21
表2年当たり遺伝的改良量
形質名発表牛全種雄牛検定牛
1992-20011994-2003
乳 量 kg152.7107.3109.0
乳脂量 kg3.82.83.2
無脂固形分量 kg12.79.09.1
乳蛋白質量 kg4.43.23.2
FAT%-0.023-0.015-0.012
SNF%-0.007-0.004-0.005
PRT%-0.005-0.003-0.004
審査牛
決定得点0.0500.0450.067
外貌0.0140.0140.023
肢蹄0.0450.0340.032
乳用牛の特質0.0510.0470.072
体積0.0110.0170.027
乳器0.0420.0380.073
図1遺伝的能力の年次的変化(泌乳形質)

図2遺伝的能力の年次的変化(体型形質)
平成19年1月20日
「遺伝率低いが管理形質も注目」
家畜改良センターでは、2006年11月公表の種雄牛評価から長命性(在群期間)の遺伝評価を開始した。
長命性の評価は、生まれた時にどの程度長生きする素質(寿命)をもっているかを数字で示したものである。
評価値は97から103までの7段階で表示され、102~103は在群期間が比較的長い、99~101は普通、97~98は在群期間が比較的短いことを表す。
しかしながら、この形質は遺伝率や信頼度が低いことから、分娩難易や気質、搾乳性などの管理形質と同様に参考情報として利用してほしい。
難産出現頻度など表示
すでに公表中の管理形質について、分娩難易や気質、搾乳性についても在群期間と同様に遺伝的評価値を97~103の7段階で表示しており、いずれも102~103が比較的望ましい方向を示している(別表参照)。
また、体細胞スコアは、乳汁1㍉㍑あたりの体細胞数をスコアに変換して評価したもので数値が少ないほど体細胞数は少なくなる。遺伝率は0・082と低く、環境の影響を受けやすい形質なので、補助的情報として利用したい。
難産出現頻度は、50件以上の単子分娩記録がある産子の父について、難産(スコア4と5)の出現頻度と、初産および2産以降のデータ数を掲載している。難産出現頻度は数値が大きいほど難産の確率が高いことを意味する。
管理形質の遺伝評価値の見方
評価形質102~10399~10197~98
分娩難易未経産牛に交配した場合
難産が比較的少ない
普 通難産が比較的多い
気質温順性が比較的高い普 通温順性が比較的低い
搾乳性搾乳が比較的早い普 通搾乳が比較的遅い
在群期間在群期間が比較的長い普 通在群期間が比較的短い
平成19年1月20日
「フリーマーチン以外は毛根送付を」
家畜改良事業団(家畜改良技術研究所)では、16年10月から牛の毛根によるDNA型検査を実施してきたが、先般、登録申請雄牛や直接検定牛の親子判定、特定遺伝子型の検査についても、毛根試料からのDNAによる検査が可能になった。
そこで、本年1月1日から、これらの検査も毛根による検査に移行したので、必ず毛根試料の送付をお願いしたい。
これに伴い、血液型のみでDNA情報のない牛を親とする受精卵等の親子判定については、特に本年3月31日まで血液型検査を実施するが、4月1日以降はすべて毛根のDNA型検査に移行し、従来の血液型による親子判定は行わない。
したがって、DNA型未検査の親牛(特に供卵牛)で生存している該当牛については、早急に検査を受けるよう協力をお願いしたい。
なお、フリーマーチンの検査については、血液キメラの判定を行うため、引き続き血液試料を送付願うこととなる。
これらについて問い合せは、日本ホル協登録部(電話03・3564・8222)または家畜改良事業団の家畜改良技術研究所・遺伝検査部検査第1課(電話027・269・2441)まで。
平成19年1月20日
「転出入届、早急に」
子牛が生まれたら、3日以内に個体識別耳標を装着し、家畜個体識別センターに出生報告届を提出することが義務づけられています。また、牛を導入または販売した時には速やかに転出届または転入届を提出しなければなりません。
特に、導入牛に係る移動証明手続きの際に、個体識別センターに転入届が提出されていないと、事故照会になりますので、注意願います。
希望命号は3名法で
血統登録申込牛に希望名号を付けたい場合は、次の要領で申込書の名号欄に記入して下さい。
①名号の長さは31文字以内で、「3名法」(母と父から1単語ずつと、祖父母または独創的な単語で命名)を基本とする。単語間のスペース、濁点、半濁点はそれぞれ1文字として数える。
②英文字や数字は、5文字または5桁までを1つの単語とし、カナ単語を2つ以上使用する。
③OC、RED、ETは希望名号として使用できない。また、句読点やハイフン、ローマ数字、記号は使用できない。
④双子の場合、名号の末尾に「フタゴ」を付けるとともに、名号の頭に1、2またはフタゴの前にA、Bを付ける。
⑤牧場の冠名や希望単語を名号にしたい場合は、申込書名号欄にその旨を記入する。
遺産相続、生前贈与は移動半額
所有牛を遺産相続または生前贈与する際には、一括まとめて移動証明申込みを行うと移動料金が半額になります。
遺産相続の場合は、①移動証明申込書に「遺産相続」と明記し、②死亡した方の除籍抄本と相続者の戸籍抄本各1通(または登録委員による証明)、③相続した牛の一覧表を提出願います。なお、申込みは死亡後1年以内に行って下さい。
生前贈与の場合は、①移動証明申込書に「生前贈与」と明記し、②贈与者の証明(または登録委員による証明)、③贈与牛の一覧を提出願います。
平成19年1月20日
「第7回全日本BWショウ11月12、13日に」

~静岡県御殿場市で~
全国ホルスタイン改良協議会(森田一文会長)は第7回全日本ブラックアンドホワイトショウを本年11月12~13日の2日間、静岡県御殿場市の御殿場市馬術スポーツセンターで開催することに決定した。
出品に係る詳細は2月15日に開催される第28回通常総会の承認を得て、会員である各都道府県の乳牛改良同志会事務局のほか関連団体等に伝達する。

平成19年1月20日
「宮崎で日本記録(4年型)」
昨年12月、宮崎県で4年型10月乳量日本記録と乳量の都府県記録が更新された。
この牛は、宮崎県小林市の富永記久男さんが所有するミルクハウストップガンエルク(平13・8・27生、79点、父トップガン)で、17年10月24日分娩、4歳1月、3産の10月検定で乳量(M)2万848㌔、乳脂量(F)588㌔、2・8%を記録し、これまでの4年型10月乳量日本記録を93㌔更新した。
また、1年検定ではM2万2785㌔、F655㌔、2・9%で同年型日本記録に約900キロ及ばなかったものの、都府県の全年型を通して最高乳量記録を樹立した。
本牛は、自家生産で初産検定は285日でM1万297㌔、2産時も261日でM1万628㌔と泌乳期間が短いながらも1万㌔以上を記録している。3産次は分娩後の立ち上がりから乳量が伸び、1昨年11月の立会時乳量が71㌔、昨年1月には88㌔を記録し、分娩後7か月まで70キロ台を保ってきた。
富永さんも「乳期途中から期待乳量がかなり高くなってきたので、もしかしてという気持ちはあったが、日本記録になるとは驚きと喜びで一杯です。以前、鳥取県の田中牧場を視察した時にエレン号を見て、都府県でもこんな牛が作れるのだと感激したものです」と。
本牛は昨年12月14日に4産目を分娩し、初回立会で52㌔を搾っている。(写真提供=宮崎県経済連)
都府県で17頭が乳量2万キロ達成
これまで都府県で検定成績証明されたもののうち、乳量2万㌔以上を記録している牛は延べ17頭。別表にはこれらの記録を掲載した。
10月検定での乳量2万㌔達成牛は2頭で、トップは今回4年型乳量日本記録を樹立した宮崎県・富永記久男さん所有牛、ミルクハウストップガンエルクのM2万848㌔。もう1頭は岡山県笠岡市・植田成人さん所有のパワーエリートチェックメイトバリアントシーイーオー(平6・2・17生、90点、父シーイーオー)で6歳2月、5産時のM2万15㌔である。
1年検定で2万㌔以上達成牛は延べ15頭で、先ほどのトップガン・エルクが都府県トップになった。都府県乳量2位は岩手県遠野市・佐野栄さん所有のビーエスアストアポリシー(平6・1・3生、90点、父アスター)の6歳0月、4産でM2万1213㌔。佐野牧場はこのほか、5位のスプリングマリアハティー(平7・3・28生、89点、父マリナー)のSYSKシンジケート構成員であり、4産と6産で2万㌔を記録、さらに7位のアストロリンディパンジー(平8・9・13生、91点、父リンディ)が3産と4産で2万㌔を達成している。また、10位のプロスペリーライルポリーセルシアス(平12・2・24生、90点、父セルシアス)も佐野牧場所有であり、いずれも高能力・高得点を獲得している。
都府県で2万㌔第1号は、8位のロイブルックハイアーエレン(昭54・12・11生、85点、父マット・チーフ)であり、F1418㌔はなお成年型乳脂量の日本記録である。
都府県の乳量2万キロ牛(乳量順)平成18年12月末現在
検 定
期 間
名号分娩時
月 齢
産次乳量乳脂量能力偏差値審査得点所有者
kgkg
10月ミルクハウス トツプガン エルク4-01320,8485882.831221379宮崎県富永記久男
パワーエリート チエツクメイト バリアント シーイーオー6-02520,0157413.728727690岡山県植田 成人
1 年ミルクハウス トツプガン エルク4-01322,7856552.931221379宮崎県富永記久男
ビー エス アストア ポリシー6-00421,2137223.426022790岩手県佐野 栄
グレース ビースター スターダム3-01221,1007723.728126186福島県小林 知史
アーネストアンソニー アスター タラ6-05420,9178013.826426290神奈川県ティアラ ホルスタインズ
スプリング マリア ハテイー6-00420,9046403.126219989岩手県SYSKシンジケート
ジヨハナ ジユラー トウーマー6-09420,6086753.3258210福島県一ノ瀬 正幸
アストロ リンデイ パンジー6-02420,6026103.026118791岩手県佐野 茂樹
ロイブルツク ハイアー エレン7-04520,5471,4186.926351785鳥取県田中 泰彦
オーケー エム ビー ビー ナイト7-09620,5267123.526924684福島県小林 秋男
プロスペリー ライル ポリー セルシアス4-07320,3338704.325829090岩手県佐野 栄
アストロ リンデイ パンジー4-05320,1815662.824916991佐野 茂樹
オークデール カスケード マーク3-05320,1395132.527015383愛知県佐藤 桂子
ハノーバーヒルダブリユー コメツト 80703 ET5-00420,1139524.724530787鳥取県田中 泰彦
スノーライト マスター アポロ5-00220,0927043.525622382栃木県眞嶋 大輔
スプリング マリア ハテイー8-02620,0896503.226221389岩手県SYSKシンジケート
平成19年1月20日
「美甘牧場(岡山)で92点を獲得」

~ジャージー国内最高に並ぶ~
岡山県八束村の美甘泰治さん所有のジャージー牛、ドネッタサターンレスター(平12・6・7生)は昨年11月、6歳5月、5産目の審査で国内3頭目となるジャージー最高得点の92点を獲得した。92点は3頭とも岡山県であり、うち2頭は美甘牧場の所有。
本牛は一昨年秋に栃木県で開催された第4回全日本ジャージー共進会で経産部門の準名誉賞を獲得し、翌月の審査で91点を獲得している。検定では3歳9月、3産の365日乳量6671㌔、F5・2%。父はバンホームインペリアルズサターン。
また、栃木全共で最高位に輝いた同牧場のオセオラリメイクブリガディアー(14・11・19生、父ロックエラリメイクET)も3産目で90点を獲得している。本牛は10月開催された第62回岡山県畜産共進会でも優等賞首席になっている。
平成19年1月20日
「亀田牧場で(埼玉)で都府県初
10万キロ以上が5頭目」

~生涯検定選奨都府県18年9月-12月~
昨年9~12月に都府県で生涯検定選奨された牛は金賞(生涯乳量6万㌔以上、平均乳脂率3・2%以上)14頭、銀賞(5万㌔以上、同)36頭、銅賞(3万㌔以上、同)132頭であった。別表には本期間に生涯合計乳量が更新されたもののうち、乳量の上位牛を示した。
今回の生涯乳量トップは埼玉県・亀田康好さんの所有牛、シンボライズレインビューテイスウイート(平6・8・24生、87点)が7回の検定で検定日数3105日、総乳量(M)10万1123㌔、総乳脂量(F)3916㌔、平均乳脂率3・9%を記録し、同牧場では5頭目の生涯乳量10万㌔以上達成となった。父牛はスコーピオ。
本牛は初産から7産まで連続して10月検定でM1万㌔以上を記録し、各乳期はやや長めながら確実に毎産1万3000㌔以上を生産し、7産目で10万㌔を突破した。
祖母は北海道からの導入牛で、亀田牧場で繁栄する「レインビューティ」ファミリーの基礎を作った。そして母牛メンダイム(生涯乳量9万4252㌔)をはじめ「レインビューテイ」ファミリーから生涯乳量9万㌔突破牛が5頭出ている。
本牛の長女も4産で合計乳量6万キロ弱を記録、二女は初産審査で84点を得るなど体型と能力の双方で楽しみなファミリーを作っている。
また、今回4位にも亀田牧場のシンボライズポーテージマライア(平7・8・4生、88点、父マース・トニー)がM9万2289㌔に伸ばし、同牧場の生涯乳量9万㌔以上達成牛は合計12頭となり、都府県記録を更新した。
マライアの曾祖母、ポーテージローレンスは過去に9回の検定でM10万㌔以上を達成している。
2位は同じ埼玉県の青木雄治さん所有のブルーバンブーアイデアルコロンビアチアキ(平6・7・4生、85点、父マース・トニー)で9回の検定でM9万5912㌔、F3917㌔、4・1%。本牛はほぼ1年1産と順調な繁殖で、乳量も10月で1万㌔強という安定した能力を発揮している。
3位は岩手県・外谷辰也さんが所有するスワローバーママックス(平7・10・9生、父バーマ)で、7回の検定でM9万3754㌔、F3995㌔、4・3%。
本牛は優れた体型を持ち合わせており、4歳7月、3産時の審査で91点を獲得し、岡山全共では4歳クラス1等賞、翌年の東日本デーリィショーでも5歳クラス首席になるなど、ショウでも活躍している。
5位は茨城県・佐藤信次さん所有のグリーンエンジェルジュラーゲッケイ(平8・9・24生、89点、父ジュラー)のM8万7905㌔。初産成績はやや低かったものの6産目10月で1万4814㌔を最高に、毎産で確実に1万㌔以上を記録している。
長年にわたって、高く安定した泌乳能力と効率的な繁殖性を発揮できる乳牛は酪農家の経営と牛群の繁栄に貢献する、まさに宝である。
優れた乳牛の成績は記憶に留めるだけでなく、記録納めることが大切である。
牛群検定農家であれば、「生涯検定申込み」によって、過去の検定記録をまとめて成績証明申込みすることができる。この場合、直近産次の成績証明申込み+過去の検定成績の追記で、安価で過去の検定成績が一括証明されるので、是非利用されたい。
生涯検定乳量記録牛(平成18年9~12月都府県)
名 号
登 録 番 号 ( 父 牛 名 号 )
生年月日回数総乳量kg乳脂量得点所 有 者
日数1日当乳量F%年齢
シンボライズ レインビユ-テイ スウイ-ト
1016065106 (ロツクアリ- スコ-ピオ- ET)
06.08.247101,1233,91687埼玉県亀田 康好
3,10532.63.911-02
ブル-バンブ- アイデアル コロンビア チアキ
1015966060 (クワイエトコ-ブ マ-ス トニ- ET)
06.07.04995,9123,91785青木 雄治
2,72735.24.111-09
スワロ- バ-マ マツクス
1059551161 (プラシエンスキ- バ-マ ET)
07.10.09793,7543,99591岩手県外谷 辰也
2,76633.94.34-07
シンボライズ ポ-テ-ジ マライア
1016065274 (クワイエトコ-ブ マ-ス トニ- ET)
07.08.04792,2893,81388埼玉県亀田 康好
2,81932.74.15-09
グリ-ンエンジエル ジユラ- ゲツケイ
1054199061 (ケ-イ-デイ- ジユラ- ET)
08.09.24787,9052,85589茨城県佐藤 信次
2,48335.43.28-10
キ- ナイト マ-シヤル
417401490 (カルブレツト マ-シヤル)
08.02.01986,6142,99589熊本県松島 喜一
2,49734.73.57-10
コバリ ウイル サベ-ジ アダム
1013544161 (シエ-ドイ-レインシ- サベ-ジ ET)
08.07.07780,5613,21479栃木県小針 勇
2,04539.44.02-03
シルクランド クロス レイダ- ジユラ-
1011227684 (ケ-イ-デイ- ジユラ- ET)
08.12.18779,3962,78890小林 幸雄
2,37533.43.55-05
マスミフア-ム カ-ネ-シヨン アスタ-
1053991123 (デユリ-ガル アスタ- スタ-バツク ET)
07.12.08777,7682,53985茨城県佐藤 創一
2,13436.43.36-02
コロニ- ラビツシユ バニ-
1039774962 (ウエルカム ブラツクスタ- ラビツシユ ET)
09.03.27675,7232,53686山形県佐藤 和彦
1,83041.43.35-07
デ-リ-メ-ドフア-ム チヨイス ジユラ- マドンナ
1020170247 (ケ-イ-デイ- ジユラ- ET)
08.12.24673,6102,61192兵庫県賀集 一裕
1,83040.23.58-01
ウイスタリア レデル スタ-ダスト
1054191058 (ハノ-バ-ヒル スタ-ダム)
07.12.14773,4172,78186茨城県佐藤 信彦
2,13534.43.88-02
デユ-ク ヘルメス トニ- チヤリテイ-
1057617067 (ボ-レツト チヤ-ルズ ET)
08.01.26672,5432,90290岩手県岩泉 篤
1,81040.14.06-03
ス-パ-アロ- ダスタ- スプレ-
1007921381 (ペンコ-ル ダスタ- ET)
10.04.16572,2602,65984群馬県矢内 孝久
1,85139.03.73-07
ジユウエル スタ- マツト チ-フ
1053903133 (プルシヤンスキ- スタ-マン ET)
09.05.29771,9302,27986茨城県酒井 由雄
2,09934.33.24-08
アルカデイア ワンダ- チヤ-ム スリ-
1014555104 (ロスロツク トラデイシヨン リ-ドマン)
07.11.15871,4923,29185栃木県荒井 健文
2,54628.14.65-06
ラ-ジスル- マ-ス トニ- ジユピタ-
1053894103 (クワイエトコ-ブ マ-ス トニ- ET)
07.08.29771,3652,93685茨城県大貫 康
2,13533.44.17-10
ドリ-ムヒル カウンテル レ-チエル OC
1046167511 (スタ-トモア ルドルフ ET)
09.12.04669,8212,80580群馬県岡本 雄司
2,00034.94.02-05
グリ-ンスタ- エアロスタ- コランサ
1013012264 (マダワスカ エアロスタ-)
08.12.01766,1622,33685栃木県臼井 勉
2,10831.43.54-06
ニユ-ウインド メドウ クレイタス
1013041349 (パラダイスア-ル クレイタス マシ-)
07.12.29665,5642,39985渡辺 透
1,83035.83.76-05
パシフイツク サンライズ シ-ク ベブ
1053749090 (ハルドリ- リ-ダ-シツプ)
08.09.20664,5612,34483茨城県吉村 勝男
1,77936.33.65-09
ア-ルチエ エモリ- ミステイ
1042693113 (エムジエ-ア-ル ブラツクスタ- エモリ- ET)
10.09.07463,8952,24487千葉県笹子 則夫
1,46043.83.56-02
ジエ-エヌエヌ エンプレス ベル アポロニア
1013223189 (フエイア-ク ベル メイア- ET)
08.11.10663,3782,26783栃木県自由学園那須農場
1,83034.63.64-00
サンビ-ム アクシヨン スウイ-ト
1053643091 (ナウモ-ド インハ-ンサ- アクシヨン ET)
08.09.04862,7973,11679茨城県長谷川 満
2,40826.15.02-04
ラ-ンデ-ル ジユラ- ミドリ
1117959151 (ケ-イ-デイ- ジユラ- ET)
09.07.30662,6772,96485京都府谷口 学
2,11329.74.76-08
プラントツリ- ダイアモンド レイ クリスチナ
1011316463 (ハノ-バ-ヒル レイダ- ET)
09.12.19662,4892,63685栃木県植木 靖
1,89832.94.23-05
ドリ-ムランチ ラツキ- スタ-
1064034154 (ブラウンデ-ル スタ-ダスト)
10.09.02562,1742,59493岩手県佐野 栄
1,68237.04.25-08
サニ-フイ-ルド ルドルフ シエリ-
417401896 (スタ-トモア ルドルフ ET)
10.03.05662,0392,14090熊本県松島 喜一
1,80634.43.47-09
フルカワ マクハリ ブラツクスタ-
1129107106 (トウマ- ブラツクスタ- ET)
10.01.17661,9142,41688福島県古川 一郎
2,08429.73.98-05
ブル-スカイ アイダ ロツタ スポツト エ- フタゴ
1047663227 (サニ-ロツジ スポツト ET)
09.10.06660,5312,79586新潟県山之内浩一
2,04029.74.67-01
パインウ-ド ロツキンバ- モデル
1012525086 (ハノ-バ-ヒル スタ-ダム)
10.02.20659,8452,40988栃木県和気 竹正
1,81433.04.06-08
ロツクスプリング マダワスカ イブ
1057617173 (エ- カ-ネ-シヨン カウンセラ- ET)
10.07.21559,5582,05190岩手県岩泉 篤
1,52539.13.44-09
デイフエンドフア-ム ジヤステイ- セルシアス
1032833437 (エタゾン セルシアス ET)
11.09.10559,5262,52685宮城県佐藤 護
1,52139.14.25-08
ハイハピ- ステフエン キヤピテイン
1047631035 (フアインゴ-ルド サンド キヤプテイン ET)
11.02.05559,3892,13984新潟県高橋 洋一
1,68035.43.65-03
スパ-アロ- ミラ-ジユ エアロ ハツピ-
1007921053 (ハノ-バ-ヒル ミラ-ジユ ET)
11.03.10457,5841,94684群馬県矢内 孝久
1,47739.03.43-03
リバ-ランド トツプ マナ-
1000699102 (デイ-テイ-クイ-ンズマナ- マ-クスマン ET)
08.08.04457,2412,42191静岡県石川 敏博
1,49938.24.27-08
ジエ-エヌエヌ リバ-ビユ- スタ-ダム マジエスタ
1013223158 (ハノ-バ-ヒル スタ-ダム)
08.09.27756,3822,48980栃木県自由学園那須農場
2,10826.74.43-01
サニ-ロ-ン アパツチ エミリ-
1047650142 (シテイエツジ サウスウインド クリント ET)
11.06.01556,2902,43083新潟県丸山 孝夫
1,49237.74.36-05
グリ-ンヒル エンペラ- アイオン
1054198248 (サンドウオ-タ- アイオン ET)
11.03.01556,1912,04182茨城県佐藤 俊之
1,49937.53.63-11
マウンテインフイ-ルド ス-パ- ラステイ
1066223068 (コンビネ-シヨン ス-パ-サイア-)
09.12.13655,5392,011岩手県芳賀 実
1,78831.13.6