平成20年1月20日
平成20年1月20日 「北海道実行委設立総会開く」 ~高橋北海道知事が会長に第13回全日本ホルスタイン共進会~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年12月18日、第13回全日本ホルスタイン共進会に向けて北海道実行委員会の設立総会が札幌市内で開かれた。設立総会には北海道内の農業畜産関係団体や乳業会社など27団体が出席し、設立趣意書と規約、実行委員会および幹事会役員、全共開催までのスケジュール、全共開催予算などを承認した。実行委員会会長には高橋はるみ・北海道知事が就任した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
道内関係34団体が賛同 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第13回全共北海道実行委員会の設立総会には北海道、安平町、北海道農協中央会、ホクレン農協連をはじめ実行委員会設立に賛同した道内関係団体や乳業会社など34団体のうち27団体41名が出席した。 設立総会の開催にあたって、北良治・北海道ホルスタイン農協組合長から、過去の全共の開催状況と北海道誘致に至る経過説明を含めて挨拶が行われた。続いて山﨑博文・日本ホル協会長からは、主催者としてお礼を述べるとともに、近年の全共は開催経費がかさみ、地元に大きな負担を与えていることから、原点に戻って全共開催のあり方を検討し、北海道らしい開催をお願いしたい旨の挨拶を述べた。 議長の西山泰正・北海道農政部長が「一丸となって成功させることが重要であり、絶大なご協力をお願いしたい」と挨拶した後、議事に入り、実行委員会設立趣意書と規約、実行委員会役員と幹事会役員を決定、実行委員会予算、全共開催までのスケジュール、全共予算と負担案を承認した。 北海道全共の開催方針では、平成22年10月8~11日の4日間、北海道勇払郡安平町の北海道ホルスタイン共進会場で開催することとし、出品頭数はホルスタイン380頭(一般300頭、後代検定特別枠3部60頭、高校等特別枠20頭)とジャージー40頭、セール牛50頭とする。 また、酪農資材器具展示と技術交流の会場では資材器具の展示販売や酪農情報・技術資料の展示配付、北海道酪農の歴史や乳牛改良の軌跡などを紹介する。併催行事としては4つのゾーンを設けて、道内各市町村からの農産物即売会、道産食材による飲食店舗、酪農機械展示、各種催事が計画されている。 実行委員会と幹事会役員は次のとおり(敬称略)。 ▽実行委員会 会長=高橋はるみ(北海道知事)、副会長=瀧孝(安平町長)、宮田勇(北海道農協中央会会長)、矢野征男(ホクレン農協連会長)、北良治(北海道ホルスタイン農協組合長)、監事=枳穀勝久(北海道酪農畜産協会会長)、伊藤政光(ジェネティクス北海道副理事長)、飛田稔章(北海道酪農検定検査協会会長) ▽幹事会 幹事長=西山泰正(北海道農政部長)、幹事=幅田和夫(安平町副町長)、西埜裕司(北海道農協中央会参事)、松尾誠之(ホクレン農協連参事)、安東正史(北海道酪農畜産協会専務理事)、那須貞友(ジェネティクス北海道専務理事)、伊藤満(北海道酪農検定検査協会専務理事)、桑元忠彦(北海道ホルスタイン農協専務理事) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成19年度都府県登録申込状況(19.12末現在)
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平成20年1月20日 「登録申込2割減」 ~審査、移動も軒並み減少~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
都府県における昨年4月から12月末までのホルスタイン種血統登録申込頭数は2万7484頭で、前年同期に比べて6028頭の大幅な減少となった。 長年にわたる乳価の低迷と昨年は飼料価格等の高騰によって酪農はこれまでにない厳しい状況を強いられており、その影響が登録頭数にまともに跳ね返ってきた感がある。特に、岩手、群馬、愛知、兵庫、岡山、熊本などこれまで登録頭数が多かった県での大きな落ち込みが目立つ。 なお、本年度の血統登録予算頭数は5万8000頭であり、計画に対する達成割合は47%台とかなり低いことから、年度末にかけて一層の登録頭数の維持拡大が急務である。今月末から2月初めにかけて東西ブロックで開かれる社員会議や支部・承認団体登録事務担当者会議などを通じて登録推進への一層の協力をお願いする次第である。 移動証明は5334件で前年より1981件減少し、計画に対しても53%の達成率である。これは導入牛が減少していることや自動登録農家では移動手続きが不要であることのほか、以前にもまして、導入牛の移動手続きが滞っていることも原因しており、導入後は早急に移動手続きを取っていただくようお願いしたい。 審査成績証明は、牛群審査630戸、奨励審査を含めた審査頭数合計は6548頭で、前年よりも92戸、1446頭減少した(計画に対する達成率は78%)。審査頭数が減少したのは8年ぶり。一方、後代検定に係る体型調査は前年よりも戸数頭数ともに伸びており、本年度末までには計画頭数を上回る様相だ。 会員申込みは6387件で前年同期比105%であるが、なお全体の3割強の会員が本年度会費未納となっているので、会費納入についてよろしくお願いしたい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
都府県は自動登録17% | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自動登録は、個体識別出生報告と授精データの一元的利用によって、個々の登録申込みなしに血統登録証明書が自動的に発行されるシステムで、通常の登録よりも割安で早期発行などが大きなメリットとなっている。 北海道では授精関係のデータベースが整備されていることもあって、自動登録の普及率は登録全体の90%以上になっている。これに対して都府県は、昨年1年間に9県(岩手、宮城、山形、福島、栃木、群馬、岐阜、広島、宮崎)、300戸が自動登録に新規参加し、現在は24府県で1019戸、昨年4~12月末までに5971頭の登録書が交付され、全登録頭数に占める自動登録普及率は17%に達した。 割安で簡便な自動登録に早期加入していただくようお願いしたい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成20年1月20日 「新春ご挨拶」 ~日本ホルスタイン登録協会会長山﨑博文~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
効率的な経営を最重視し牛群整備と改良図る~創立60周年契機に~ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新年明けましておめでとうございます。 酪農家の皆様をはじめ日頃登録事業にご支援いただいている関係各位には、健やかな新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。日頃から本会事業に対して特段のご支援ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。 新年を迎え、改めて酪農・乳業を取り巻く環境の現状を認識し、会員並びに関係者の方々と共に、業務がより適切に実行できるよう検討する一方で、本会が60周年を迎えることを契機にして、従来以上に、既存のものにとらわれない新たな検討が必要と考えております。 昨年の日本経済は、大企業を主体に好調さが伝えられていますが、国民の家計や地方ではその実感が少なく厳しいものでした。また、WTO交渉は新年早々から早期合意を目指して開始され、FTAやEPAに関しても豪州との間で交渉が行われています。さらに政府間協同研究が進められている国や地域も増えており、今後ともそれらの動向を注視しながら、業界として酪農産品などの重要品目について例外措置確保等の必要な対応を行うことが、酪農の安定にとって極めて重要と考えます。 そのような中、昨年からの飼料穀物など海外依存資材価格の急速な高騰によって、酪農や乳業界の様々な部門で経費の急増が強いられており、加えて飲用牛乳需要の減少による乳価の低迷で、酪農経営は引き続き厳しい状況に置かれています。 新年は、生乳需給に若干の明るさが見えるものの、乳価は酪農家の期待には不十分な改定の方向にあり、飼料穀物などの海外依存資材価格の大幅な改善の見通しがつかないという、これまでに経験のない厳しい状況が続くとの見方がされています。 本会事業もこれらの影響を受けて、登録や審査頭数は大きく減少し、本局のみならず北海道支局や各都府県の支部承認団体の運営にも影響を及ぼしております。酪農家が会員である本会としては、国内外の経済・社会の構造変革の下、そしてこの厳しい酪農状況下であればこそ、登録事業本来の目的である「優良な血統を保存普及し、形質の改良と能力の向上を図る」ことが、酪農家の効率的な経営に資することを最重視した活動に努めていきたいと考えます。 すなわち、効率的な経営の基礎である牛群整備や遺伝的改良のためには、その根幹である登録や審査を通じて普及推進を図っていく必要があります。特に登録では「全牛登録」という目標を掲げて、会員にとってより低コストである「自動登録」の活用を広くPRし、普及拡大に努めます。 また昨年末に、平成22年に開催される第13回全日本ホルスタイン共進会の北海道実行委員会が設立され、今年からは開催プログラム等の検討や諸準備も本格化します。会員の皆様方には今から出品のための牛作りをよろしくお願いいたします。 しかしながら、北海道の後の第14回全共については開催地の立候補が未だにありません。これまでの全共が乳牛改良は勿論、改良意欲の高揚と後継者育成等に果たしてきた役割は大きいものと自負しており、また北海道での開催計画がプログラムや経費面で過去の全共と比べて抜本的見直しを行う方向にあることも参考にして、第14回全共開催に向けて検討していただくようお願い申し上げます。 そのほか、家畜個体識別全国データベースの運営など関係制度の見直しでは、会員等関係者のご意見が反映されたものになるよう、引き続き努力して参ります。昨年4月には共同利用コンピューター事業の終了を契機に、中野区のホルスタイン会館に戻ってきて、経費節減や財務の改善に努めてきたところですが、さらに登録頭数の減少などに対応した運営に努力していかなければならないと考えます。 どうぞ、会員ならびに関係各位におかれましては、牛群の整備と遺伝的改良によって厳しい環境を乗り越えていただくとともに、登録事業に対して一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、皆様ならびにご家族のご健勝とご発展をお祈り申し上げて、年頭のご挨拶といたします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【牛群審査1~3月日程】 牛群審査では、泌乳生産に最も重要な乳房と長持ちに関連深い肢蹄などの良否を明示して、飼養管理や選抜淘汰、交配種雄牛の選定のための資料を提供します。自分の牛群(経産牛)の体型特徴をきちんと把握するためには牛群審査を受けることをお勧めします。 本年1~3月に実施する都府県の審査日程は次のとおりです。審査に関する問合せは各都府県の登録取扱団体まで。 ◇ 茨城県:2月11~21日 東京都:2月12~13日 長野県:2月12~22日 大阪府:1月29~30日 兵庫県:1月28~2月6日 奈良県:1月31~2月1日 広島県:2月18~22日 福岡県:1月21~2月1日 佐賀県:1月28~29日 長崎県:1月30~2月1日 熊本県:2月13~20日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【今後の行事】 日本ホル協 ◇19年度社員会議 [東日本地区] 1月30日(水)東京都千代田区、コープビル [西日本地区] 2月6日(木)岡山市、ピュアリティまきび ◇19年度支部・承認団体登録事務担当者会議 [東日本地区] 1月31日(木)東京都千代田区、コープビル [西日本地区] 2月7日(金)岡山市、ピュアリティまきび ◇登録審議会 2月18日(月)東京都中野区、本会 ◇第243回理事会 3月19日(水)本会 |
平成20年1月20日 「体型審査を受けよう」 ~生涯生産能力を高めるために日本ホルスタイン登録協会審査部長大西信雄~ | |
酪農経営を考えたとき、私たちが乳牛に求めるものは、たくさんの乳を出し、乳成分が高いことが最優先ですが、さらに繁殖が良く、健康で長持ちする乳牛であることが大切です。その結果、生涯生産乳量の増加が望め、収益性が増すことになります。乳牛がいかに健康で長持ちし、より高い生産性を上げるか、これには乳房や肢蹄、尻の形状が長命性や生涯生産能力と関係が深く、この判定を行うのが体型審査です。体型審査によって牛群の平均産次数を高め、より効率的な泌乳生産を行いましょう。 | |
群として斉一性 | |
近年は酪農家の1戸当たりの乳牛飼養規模が全国平均で約63頭へと大幅に増えてきており、飼養形態も繋ぎ牛舎から徐々にフリーストールやフリーバーンに移行してきました。その結果、1頭1頭の能力の良し悪しだけでなく、牛群としての斉一性が問題となってきたことも事実です。 言い換えれば、平均的な乳量の牛群であっても、乳量の少ない牛は困りますが、極端に乳量が多い牛も管理面からすれば厄介なものです。一群管理のTMR給与では栄養が不足し、牛は身を削って乳を出すために、次産に向けての種付けが上手くいかない例が多く見受けられます。 斉一性という点では体型形質も重要なポイントになります。体の大きさばかりでなく、肢蹄や乳器などの形質が、牛群として見た時によく揃っているかどうか、同時に生涯生産性を考えた場合には、健康で骨格のしっかりとした体型が望ましいわけですから、長年にわたって高泌乳を続けても崩れないようなしっかりとした乳器と丈夫な肢蹄が必要です。 したがって、飼養管理と搾乳管理の作業効率を高めるには、これまで以上に体型形質の改良が重要になってきます。 「乳牛はトータルで勝負する動物」という喩えがあるように、泌乳や繁殖、体型が一定以上の水準の牛の方が望ましく、その何れかの形質が劣っている場合には飼養管理の改善とともに、それを直すための補完的な交配を行って、次の世代にはより望ましい資質を得ようとするのが「改良」の第一歩ではないでしょうか。 | |
体型審査の役割 | |
体型審査の結果は、総合指数(NTP)の計算式にも体型成分として組み込まれています。 体型審査をひと言でいえば、健康で生涯にわたってよく働く牛を見極める手法の一つであり、審査を受けることによって機能的に優れた牛を見つけることができます。また、体型審査で得られた結果は血統や泌乳能力の記録と合わせて活用することがより効果的であり、その役割として次の5点が挙げられます。 ◇選抜淘汰の手段 改良とは育種価(遺伝的能力)の高い個体を選抜し繁殖することであり、血統や検定、体型の情報を使ってその能力を推定します。したがって、体型審査は乳牛の選抜・淘汰の手法の一翼を担っています。 ◇後継牛確保の手段 選抜淘汰の結果、選抜した雌牛は後継牛を確保する基礎牛として位置づけます。また、検定記録を持たない未経産牛については血統記録と合わせて各形質の遺伝的能力を推定して、改良の基礎になり得るかどうかの判断基準になります。 ◇能力を支える土台 体型審査は泌乳能力を効率よく発揮させるための体の構造を外観的に判定するものですが、これは泌乳能力との相関の高低にかかわらず重要視すべきです。例えて言えば、稲作では反当たり収量が増加するにつれて茎の強さを測る強棹性が一層重要になるのと同様の理由です。 ◇検定の補完的役割 泌乳能力や体型の良し悪しを判断する際にも、検定で分からないものは審査で、審査で把握できないものは検定で判断するという相互補完的な関係にあります。 ◇管理しやすい牛群 フリーストールなどの大規模経営になると、これまでの小頭数規模では見過ごされてきた形質、例えば牛の大きさや乳器、肢蹄、搾乳性がより問題になってきます。 最近は群として管理しやすい牛はどのような体型が望ましいか、生涯生産性を高めるにはどのような交配がいいか等の研究も続けられています。 | |
得点より、線形を | |
ここではオランダの例ですが、初産牛の審査でどのような線形スコアの牛が淘汰率が高いかを図1に示しました(抜粋)。 まず、「尻の角度」は、線形スコア1~2(逆尻)のものとスコア8~9(極端な斜尻)で淘汰率が高く、腰角から坐骨にかけて適度な角度のもの(スコア4~6)が長持ちします。「尻の角度」は繁殖性と関連が深く、初産でいかに多くの乳を出しても逆尻のものは次産の種付けが悪くなるので、淘汰率が高くなっているようです。 「後肢側望」は、極端な直飛(スコア1~2)や極端な曲飛(8~9)は淘汰率が高く、中間のものが長持ちします。 乳房関係では、「前乳房の付着」は付着の弱いものは淘汰率が高く、付着の強いものが長持ちします。しかし、スコア9(極端に付着強い)は乳房容積との関連で淘汰率がやや高くなっています。「後乳房の高さ」と「乳房の懸垂」はともにスコアが低いほど淘汰率が高くなります。「乳房の深さ」の深すぎるものは淘汰率が極端に高くなりますが、浅すぎるものは乳房容積との関係で淘汰率がやや高くなります。 「前乳頭の配置」が外付きのもの(スコア1~2)は淘汰率が高く、「乳頭の長さ」では長めの方が淘汰率は高くなる傾向があります。乳房形質では全般に作業性やトラブルの点からスコアの低いものは淘汰の対象になるのかもしれません。乳房、肢蹄と生涯生産性 わが国でも体型審査の各部位得率並びに線形スコア評価と生涯生産性の関係について、本会北海道支局での分析結果が報告されています。これを要約すると、初産次の「(体の)高さ」は140~145㌢が望ましく、小さすぎるものは育成時のトラブルや近交退化の影響が考えられ、逆に大きすぎるものは飼養管理上で生じた問題が生涯生産量を低下させますが、乳房形質と比べると「高さ」はそれほど顕著な傾向は見られません。 「尻の角度」は線形スコア6程度で生涯乳量が最大になっています。極端な逆尻や斜尻では生涯乳量が低くなります。 「後肢側望」と「蹄の角度」は中程度で高い生涯乳量が期待できます。また、肢蹄得率が高いほど生涯乳量が高くなる傾向があります。 機能的に最も重要な乳房の形状では、乳器得率が高いほど生涯生産性が優れており、「前乳房の付着」や「後乳房の高さ」、「後乳房の幅」、「乳房の懸垂」はいずれも線形スコアが9に近づくほど高い生涯乳量が期待できるようです。 「乳房の深さ」と生涯乳量の関係は、線形スコアが1に近づくと極端に低下し、スコア7で最も高くなりますが、スコアが9に近づくとやや低下する傾向にあります。 一般に産次あたり乳量の多い牛は乳房底面が低い傾向がありますが、低すぎると管理しにくく、乳器のトラブルが発生しやすくなり、結果として在群性(寿命)は低下してしまいます。 | |
審査結果の活用 | |
体型審査では、先ず線形22形質について1~9のスコアで評価します。さらに「体貌と骨格」、「肢蹄」、「乳用強健性」、「乳器」の4区分(50~99点)を審査し、各部位の相対的な重み付けによってその牛の決定得点(60~99点)を表示します。 審査終了後はその場で「審査成績報告書」(図2)を印刷して、審査結果に基づいて受検者の皆さんとお話しする機会を持つようにしています。 特に酪農家の方々に見ていただきたいのは線形形質の項目です。数字の羅列で分かりにくいかもしれませんが、年齢などを考慮して望ましい箇所には◎、改良を要する箇所には▼をつけています。 牛群として管理を考えた場合、いかに数字が似通っているかがポイントです。◎が多いことに越したことはありませんが、共通した箇所に▼がある場合は、ある時点で集中的に改良を考えるか、飼養管理を徹底的に見直す必要があります。 一般的に流通する種雄牛には、線形形質の改良度合いが棒グラフで示されています(図3)。得点形質や乳房の線形形質は一般的には右方向に棒グラフが長く伸びているものが良く、「尻の角度」や「後肢側望」「前乳頭の長さ」などは棒グラフが0(ゼロ)に近い種雄牛がより望ましいものです。牛群に共通して指摘された箇所があれば、その部分を改良してくれる種雄牛の交配を考えるべきでしょう。 風土に合った牛づくり これまで、わが国では国をはじめ関係団体が一致団結して牛群検定と後代検定の協力体制を築いてきました。その知恵と財産の結集がNTPであり、種雄牛と雌牛ともに改良の指標として利用できるものであり、これまで十分な成果を上げてきました。 家畜は風土の産物というように、わが国に合った牛づくりを将来にわたって続けていくには、一時のブームに踊らされることなく、地道に改良の本道を進んでいくことが結局は経営改善につながると信じています。 | |
割安で奨励審査 | |
牛群検定実施農家においては後代検定事業の調整交配にも多大のご協力をいただいています。 日本ホル協では年2回の各都府県審査期間中に、初産検定中の材料娘牛と同期牛の体型調査(材料娘牛を含めて10頭程度)を無料で実施しています。審査結果は自動的に証明され(導入牛は移動証明手続きが必要)、遺伝評価の結果、NTPも表示されます。 体型調査の際には、調査牛以外の経産牛についても1頭から受検できる牛群奨励審査を実施しています。料金は1~6頭まで1頭につき5250円、7頭以上は牛群審査料金を適用します。体型調査の際に、是非とも審査の割安制度を利用して、1頭でも多く体型データを取得してみましょう。 | |
平成20年1月20日 「主要国で近交上昇」 ~遺伝的能力高まる一方で~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最近は遺伝的能力が著しく改善されてきた一方、供用されている種雄牛は血統的に似たものが多く、近親交配(近交)が高まってきている。登録牛による調査では2006年に生まれた雌牛の平均近交係数は4・66%で、今後もさらに上昇することが予測される。近親交配による泌乳能力や繁殖性の低下、体格のわい小化、死亡率の上昇などが心配される。近交係数の上昇は日本だけではなく、世界主要国でも問題視されてきている。そこで主要国の近交係数の推移を比較してみた。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オランダは最近減少 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オランダにおけるホルタスインの近交係数は、1980年にはわずか0・20%で日本よりはるかに低い値を示していたが、84年以降急激に上昇し始め、2000年には日本より高い値になっている。その理由としては、アメリカからの優良遺伝子の導入や国内後代検定による特定種雄牛への集中利用などが考えられる。 しかし、04年以降は近交係数の上昇に急ブレーキがかかり、ここ3年間はやや減少傾向が見られる。06年生まれの近交係数は日本よりやや低い4・47%。近交係数が減少した理由について明確な回答はなかったが、今後の近交回避対策の手掛かりになるかも知れない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
米加は5%超える高い近交 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カナダの06年生まれの近交係数は5・85%で今回回答のあった4か国の中では最も高い値である。80年代から、他の主要国に比べて高い値を示してきたのは、血縁関係の強いエリートブルの利用が多かったことがうかがえる。93年と97年生まれでは前年を0・4ポイント上回る急激な増加を経験し、2000年以降は5%を超えた。 これに対して、カナダのデーリィ・ネットワークでは06年秋からインターネットによる近交回避情報の提供を開始し、注意を促している。 一方、アメリカは雌牛集団が大きく、特に80年代前半までは登録頭数が圧倒的に多かったこともあって近交係数はカナダや日本に比べて比較的低い値で推移してきた。 しかし、80年代後半には、カナダを凌ぐ勢いで近交係数は上昇し、2001年には5%を超えた。06年生まれの近交係数は5・21%になっている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
登録書やHPで近交回避を | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本は80年代終盤まではカナダと同様に、他国に比べて高い近交係数で推移していた。その後、90年代前半はアメリカのグラフの傾きと似通った動きをするが、94年以降はこの2国に比べれば近交係数は低位で推移している。 現在、血統登録証明書には本牛を含めて4代血統を表示しているほか、審査受検農家には巡回の都度「近交回避」リストを配布して注意を呼びかけている。また、ホル協ホームページで血統情報や近交回避情報を検索できるので、利用してほしい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成20年1月20日 「海外成績を公表」 ~乳用種雄牛評価2007-Ⅳ~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
NTPトップはデルタキャンバス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1月15日、家畜改良センターから2007‐Ⅳ乳用種雄牛評価の海外種雄牛成績が公表された。 昨年8月以降、インターブルの国際評価が年3回になったことから、日本では国内種雄牛と海外種雄牛の評価成績公表は別々の日程となった(国内種雄牛は昨年11月27日に公表済み)。 海外種雄牛のNTP順位ではオランダの種雄牛デルタキャンバス(父スパルタ、本牛の血統濃度は94%)がNTP+2482と乳量や乳脂量、蛋白質量で高い評価を得て、前回に引き続きトップになった。2位ボルトン、3位マックスウェルは前回と同じほか、上位種雄牛の評価値や順位の変動は小さかった。 産地国別では、アメリカがトップ40に25頭、オランダ8頭、カナダ6頭のほか、今回初めてドイツが1頭入った。なお、次回の08-Ⅰ評価公表は国内種雄牛が2月26日、海外種雄牛は4月1日。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乳用種雄牛評価2007-Ⅳ (海外種雄牛NTPトップ15)
注2) R%は乳量の信頼度。各評価値はEBV(推定育種価)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成20年1月20日 「登録するのに出生報告、なぜ必要?」 ~登録Q&A~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Q.血統登録するのになぜ個体識別の出生報告データが必要なの? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A. 血統登録する時には登録する牛の生年月日や性別、母牛、生まれた時の所有者などについて、出生報告データと整合性をとって正しい血縁情報を構築していくために必要だからです。 登録協会では、家畜個体識別事業を行っている家畜改良センター(理事長)宛てに「個体識別データを登録協会に提供していいですよ」という会員からの同意書を提出しています。それに基づき個体識別事業の「出生」や「転出・転入」などの情報提供を受けて、血統登録を行う際の個体確認などに利用しています。 登録する時点で、①出生報告が出ていないもの、②出生報告の母牛と申込書記載の母牛が相違するもの、③生年月日が相違するもの、④母牛の登録上の所有者が出生時の報告者(所有者)と異なるものなどは、事故照会をして、出生報告のセンターへの提出、生年月日や母牛の確認、必要に応じて移動証明申込みの作成をお願いしています。 事故になると、各県の登録取扱団体職員や登録委員の方々が迅速に対応していただいても、登録書発行は2週間以上も遅延してしまいます。個体識別センターへの報告に関連する事故は、ただ単に同センターに正確な記録や修正報告するだけです。ほかの事故よりも解決は容易ですので照会にはすぐに対応していただくようお願いします。 子牛が産まれたら出生、売却や預託した時は転出、導入や預託から戻った時は転入の報告を速やかに行っていただければ、これらの事故は未然に防ぐことができます。 今日の厳しい酪農情勢の中、交雑種生産などによる資源不足から、全国的に登録頭数は減少しています。後継牛を導入したくても国内ではできない時代がくるかもしれません。近親交配を避け、それぞれの飼養環境に適した生産性、長命性の高い牛を自家育成で確保していくためには血統登録をお忘れなく!(登録課・岡太郎) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成20年1月20日 「布田牧場(宮城)で10万キロ6頭目」 ~生涯乳量高記録牛都府県19年9~12月~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年9~12月に都府県で検定成績証明されたものの中から、生涯合計乳量の上位牛をとりまとめた。今回は上位5頭が総乳量10万㌔以上を記録し、これで都府県では生涯乳量10万㌔達成牛が計76頭になった。 今回の生涯乳量トップは宮城県・布田牧場の所有牛、ロメオディビジョンセレナ(平4・8・31生、84点)で、10回の検定で検定日数3279日、総乳量(M)10万8948㌔、総乳脂量(F)5016㌔、平均乳脂率4・6%、平均蛋白質率3・4%を記録し、特に生涯乳脂量では都府県歴代4位になる高記録となった。 2位は埼玉県・青木雄治さん所有のブルーバンブーアイデアルコロンビアチアキがM10万6318㌔を達成した。 また、3~6位は前記の布田牧場所有牛で、マナツルデイロンエースがM10万4304㌔、カネヤマチェアマンリンダが10万3664㌔、マナツルチェアマンスターが10万1720㌔を記録し、同牧場では一挙に4頭が10万㌔を突破した。これで、布田牧場での10万㌔達成牛は6頭となり、埼玉県・亀田牧場の持つ都府県記録に並んだ。 ◇ 長年にわたって、高い泌乳能力と効率的な繁殖能力を発揮できる乳牛こそが酪農経営に最も貢献する牛と言えます。その証しとして生涯検定成績を公式記録として残してみませんか。 「生涯検定申込み」や「検定成績証明牛群一括申込み(自動継続)」は簡便・安価で毎産次の検定記録が公式に成績証明されます。生涯検定高記録牛については優良牛選奨や会員酪農家に直送の全酪新報特集号や関係誌、ホル協ホームページなどで広く紹介されます。今すぐ申込みを。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生涯検定乳量記録牛(平成19年9~12月都府県)
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平成20年1月20日 「アクセスしよう!ホル協HP」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本ホル協ホームページでは、血統情報や審査・検定成績優秀牛などをいつでも閲覧できますので是非ご利用願います。 「情報」では地域別に審査・検定成績優秀牛や年型別乳量・乳脂量トップ20、生涯検定高記録牛を見ることができます。「申込み」では各種申込書などを印刷できます。 「成牛換算・偏差値の計算」では、手持ちの検定記録の乳量や乳成分量を入力して成牛換算能力や各偏差値を知ることができます。 「血統情報(血統遡り)」、「近交回避(近交になる種雄牛)」、「系統譜(産犢)」などはトップメニュー画面下方の「家畜改良データバンク」をクリックして見ることができます。 |
平成20年1月20日 「NTPトップ40にLIAJ種雄牛15頭」 ~2007-Ⅳ乳用種雄牛評価成績~ | |
昨年11月27日、本年度3回目の乳用種雄牛評価成績2007-Ⅳが(独)家畜改良センターから公表されました。今回、家畜改良事業団供用種雄牛(共有種雄牛を含む)はNTP40に15頭ランクインしました。前回公表された「ユース」、「シグナス」、「セルシー」がトップ10入りし、今一番人気の「BWアニー」が第2位、体型改良に定評のある「リヴェレスト」が第27位と安定した成績を示しています。 | |
BWマーシャル息牛の傑作!!JP5H52428BWアニー | |
NTP+1996で第3位の「BWアニー」は能力、体型ともに定評のあるロンナンリードマンアニーETを曾祖母に持つ「アニー」ファミリーから作出された種雄牛です。 今までに「アニー」ファミリーからはアトロン、アルカデイア、サンシャイン、アクエリアスなどの種雄牛が選抜・活躍しており、このファミリーの能力の高さは折り紙つきです。 また、「BWアニー」は、当団ではデキスターに次ぐ2頭目のBW・マーシャルの息牛です。泌乳能力では乳代効果14万9151円(第2位)、乳量+2207㌔(第4位)など抜群の改良力です。 また、体型でも決定得点+1・57(第11位)、肢蹄+1・02(第9位)、乳用強健性+1・79(第13位)と申し分なく、特に乳器では後乳房の高さと幅、乳房の懸垂に関して他の種雄牛を圧倒する改良力を持っています。 娘牛の特徴を見ますと、サイズは中程度ですが、成績が示すとおり、胸の幅や体の深さ、鋭角性や乳用強健性に富むことが特徴です。 乳器では後乳房の高さ、幅は目を見張るものがあり、初産牛の乳房懸垂も強く鮮明です。また、2産目の娘牛ではさらに後乳房のパワーが増し、乳房底面も高く、その泌乳能力を遺憾なく発揮できる力強い乳房を見せています。 | |
ついに登場、ジェファーソン息牛JP5H52577シグナス | |
前回の07-8月評価では、7頭の家畜改良事業団所有牛と1頭の共有(十勝家畜人工授精所との2者共有)種雄牛が新規に選抜されました。 その中でも特筆されるのは、当団検定済種雄牛タイディーブルック ジェファーソン ET(P5946)の息牛が2頭選抜されたことです。その1頭、「ティーウェーブ J シグナス」は北海道幕別町・山田牧場が所有するコンビンサーの娘ティーウェーブ エルム コンビ ジーン ETに当時NTP第5位のジェファーソンを交配して誕生した純国産種雄牛です。 「シグナス」の泌乳能力は、乳量+2058㌔、F量+49㌔(第12位)、SNF量+170㌔(第3位)、P量+55㌔(第3位)が示すとおり、卓越した遺伝能力を有しています。体型面では、乳用性に富み、正確な肢蹄と強い懸垂によるバランスのとれた乳房は、長命性においても優れた特徴を表しています。また、尻の構造は適度に坐骨を下げる傾向があるのも特徴の一つと言えます。 母牛の高い泌乳能力、父牛の高い乳成分と肢蹄の良さを余すところなく受け継いだ「シグナス」の娘牛は、総じておとなしく飼いやすいとの声が多く聞かれます。 「シグナス」はやや大型の雌牛や、肢蹄・乳用強健性の改良を望む牛への交配が適しています。また、血統的にアウトクロスブルとして使いやすく、わが国固有の遺伝子として幅広い交配をお勧めします。 | |
NTP第2位好能力で好体型JP5H52755ユース | |
シグナスと同様に、前回評価で選抜された「ユース」は、今期はNTP第2位にランクされています。 「ユース」は家畜改良センターの受精卵を活用したMOET事業によって生産された種雄牛です。父は能力と体型にバランスのとれたBW・マーシャル、母は輸入受精卵によって作出されたセシリア・コンビンサー、曾祖母は多くの種雄牛を輩出したサウスウインド・スポットです。血統全体にアイバンホー・ベルの影響が強い種雄牛と言えます。 「ユース」の能力は、乳量で+2000㌔を超え、乳代効果+14万8944円と経済性に大変優れ、体型面でも乳房の懸垂が強く、肢蹄や乳用強健性、乳器、決定得点の4部位でいずれもSBV2・0を超える大変魅力的な種雄牛です。 | |
母系は著名な「スイートネス」JP5H52575セルシー | |
NTP第10位のオムラファームリスペクトセルシー、愛称「セルシー」は乳代効果全国11位で、乳量は+1800㌔以上、P量は全国第7位など、能力では量形質に優れています。 娘牛の体型は、体高や体の深さがあり、肢蹄では後肢後望や蹄の角度が良好です。乳器では後乳房の幅が広く、乳房の懸垂も強く、ともにSBV2・0を超えています。 「セルシー」は北海道枝幸町・小椋牧場の「スイートネス」ファミリーから作出されました。父は能力と体型にバランスのとれたBW・マーシャル、母の父はセルシアスという組み合わせです。 また、当牧場からは多くの雌牛がNTP上位にランクされており、それらの雌牛から生産された多くの候補種雄牛たちは成績が判明するのを待っています。 | |
14万円超える乳量改良力!JP5H52766ハーシュ | |
07‐5月評価で選抜されたJP5H52766ビーチローン パトロン ハーシュ エー ET、愛称「ハーシュ」は今回、NTP第13位にランクインしました。 高能力で名高い「ベル・プロ」ファミリーを代表する母牛ビーチローン ベルウード パトロン ETに、強健な骨格で定評のある父ハーシェルを交配して誕生した高能力タイプの種雄牛です。 泌乳能力ではEBV+14万2292円(第8位)の乳代効果と、+2164㌔(第5位)の乳量が示すように抜群の経済性が特徴です。また、乳成分量でもF量+53㌔(第6位)、SNF量+159㌔(第6位)、P量+48㌔(第14位)と申し分ない力を発揮します。 体型面では、後乳房の高さと幅、前乳房の付着において高い評価を得ており、後望した際の平行した後肢も魅力の1つです。 また、母牛ビーチローン ベルウード パトロン ETの従姉妹にあたる娘牛USマセール テレサ ランツ ET(北海道豊頃町・Jリード所有)が2産目に記録した2万5778㌔は平成18年度の3・5年型、365日乳量で日本記録を持っており、07年2月の評価でもNTP第14位という高い評価を得ています。このことからもこのファミリーの能力の高さがうかがえます。 ハーシュの娘牛には正確な骨格と中躯の充実した牛が多く、乳用強健性にも優れています。共通して坐骨の位置が腰角より低く、繁殖性の面でも好ましい特徴を持った種雄牛といえます。 | |
「シーク」から乳量好タイプブル登場JP5H52930リヴェレスト | |
最後に、NTP第27位「リヴェレスト」はカナダを代表する著名牛コムスター ローリーシークのファミリーから満を持しての登場です。 ご承知のとおり、ローリー・シークは北米のみならず世界中で活躍している好タイプ種雄牛を数多く輩出したファミリーです。 「リヴェレスト」は著名種雄牛コムスター リーやエルヒーローズを生産したローラ・ブラックを祖母とし、現在カナダで7歳級乳量記録を持つ母オコナーズTVFルドルフ リリーに、乳用性に富む娘牛を輩出する父インクワイヤーを交配して作出されました。 このような血統背景の中、「リヴェレスト」は期待どおり、体型では決定得点+1・68、体貌と骨格+1・60、肢蹄+1・24、乳用強健性+2・65、乳器+1・02、泌乳能力では乳量+1802㌔、乳脂量+50㌔で、抜群の体型と高い泌乳能力を示しています。娘牛頭数も62頭と多く、成績も安定しています。 娘牛は、何といっても皮膚被毛が柔らかく、しかも体全体が鋭角的で資質に富み、後乳房の幅も十分あるスタイリッシュな特徴を合わせ持っています。母の父「ルドルフ」の特徴である強健性と、父インクワイヤーの特徴である乳用性は、娘牛の体型の随所にあふれています。骨が太くてフレームの大きい牛への交配がお勧めです。 また、2産目の娘牛が分娩し始めており、体の幅が一層増して乳用強健性に優れた娘牛が多く出ていますので今後の活躍が期待されます。(家畜改良事業団) |