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機関誌

機関誌内容一覧

平成22年03月20日


平成22年03月20日
「第13回全共出品頭数決まる」

~日本ホルスタイン登録協会第251回理事会~
(社)日本ホルスタイン登録協会が主催する第13回全日本ホルスタイン共進会の各都道府県別出品頭数が、去る3月18日に開催された同協会第251回理事会において正式に決定された。第13回全共では、新たに後代検定娘牛の部が3つ設けられたこと、高校等の特別枠を20頭も受けたことなどにより、ホルスタイン種牛では過去最多の351頭が出品されることになった。また、ジャージー種牛については、ホルスタイン共進会の中に4部門設けられ、38頭が出品することとなった。
ホル過去最大の規模に~後代検定娘牛の部、高校等枠をを新設~
各地で全共に向けた準備が始まっているなか、日本ホルスタイン登録協会が決定した各都道府県別の出品頭数は、表に示したとおり。
まず、ホルスタイン種の登録牛で、検定、飼養期間などの条件を満たせば出品可能な「一般枠」については43都道府県から283頭が出品される。
最多の出品は、全国への乳牛供給基地であり、開催地である北海道で、43頭となっている。2番目が岩手県で22頭を出品する。続いて栃木、熊本が14頭、茨城12頭、千葉11頭、福島、群馬、愛知が10頭と続いている。
次に、我が国の後代検定済種雄牛、又は候補種雄牛から生まれた娘牛たちを広く世に示し、後代検定済種雄牛の更なる利用を図ることを目的として新しく設けられた「後代検定娘牛の部」は、北海道が12頭で最も多く、都府県では、岩手、熊本が3頭、長野、愛知、岡山、広島、宮崎が2頭で続き、合わせて26道県から48頭を出品することとなった。今までの全共の反省から生まれた新しい部門への出品は計画の60頭には達しないこととなった。
また、一般枠や後代検定娘牛枠に出品しない高校等に割り当てられ、1校1頭出品可能な高校等特別枠には、北海道が4頭、兵庫県が2頭出品するなど、15道県から20頭を出品することとなった。全共が若者たちの交流の場となり、酪農への関心をさらに高める場となることを期待したい。
ジャージー種牛は、ホルスタイン全共の一部門として出品されるが、ジャージー種の飼養9道県から38頭が出品される。北海道、秋田、岡山が8頭、岩手、熊本が4頭出品する。
佐藤貢氏がホル種~ジャ種は大西信雄氏~
第13回全共の審査委員が、3月18日開催の日本ホルスタイン登録協会第251回理事会において決定、任命された。
ホルスタイン種牛担当審査員は、同協会北海道支局審査部長の佐藤貢氏、副審査委員には同協会審査委員の植原友一郎氏が、また、ジャージー種牛担当審査委員には同協会審査部長の大西信雄氏、副審査員には同協会審査委員の小泉俊裕氏(北海道支局)が任命された。
なお、審査委員長は、独立行政法人家畜改良センター理事長に就任いただくことを予定している。

平成22年03月20日
「全共審査の変遷」


前回の「日本ホル協特集」(1月20日号)に引き続き、全共の審査の変遷について紹介したい。(小島)
部門主任は8回から~各部ベスタアダー賞も~
《第6回》 第6回は、昭和50年10月から11月にかけて、西日本の乳牛供給基地であった兵庫県淡路島開催された。
審査区分は、個体出品が、血統登録牛が未経産4、経産4、種系牛経産の部1の計9部門と父系牛群(経産)と母系牛群(経産)、乳器の部を加えた計13部門が設けられた。なお、雄牛の部は廃止された。
審査委員は、個体出品の部それぞれに1人ずつの主任がおかれ、他の部の主任担当の中から1人がアシスタントとして審査に加わった。また、父と母の系統群と乳器の2産以上の部は審査時間、出品頭数の関係から部担当審査委員2名で行われた。従って、委員長、顧問、総括等を除いても16名を数え、従前と変わらない審査団となった。
審査は、個体審査と比較審査により行い、比較審査で初めて円形歩行が取り入れられた。
個体出品の部の出品牛の序列は、各部とも最後まで付けられた。
また、第12部の乳器審査は、搾乳中のもので、個体各部の審査の際に選ばれたものの中から、乳器担当審査委員が、搾乳前と搾乳後の2回審査により序列を決めた。 《第7回》 第7回は昭和56年4月に群馬県前橋市で開催された。
種系牛だけを対象とした部は設けず、血統登録牛と一緒に審査することとしたため、個体出品が未経産、経産各4部門と父、母系統群、それに乳器の部の計11部門となった。
個体出品の部の審査は、前回と同じく、主任審査委員に、他の部で主任を勤める審査委員中から1名がアシスタントとして審査に加わって行われた。父と母の系統群、乳器の初産と2産以上の両区とも2人ずつの審査員が担当したことから、実際に審査を行った審査委員は前回と同じ16名を数えた。
序列は、系統群の部と乳器の部は1等賞最上位まで、他の部は2等賞最上位まで付けられた。
また、この全共から出品マナーについても徹底が図られ、共進会規則に「出品作法の遵守」が盛り込まれ、不正行為の具体的な事例も示された。 《第8回》 昭和60年10月、岩手県滝沢村に新設なって間もない岩手産業文化センターという恒久施設で開催された。
出品区分は、未経産4、経産4、それに「多回検定」の部と母系統群が加わり、計10部門となった。父系統群は廃止された。また、各部にベストアダー賞が設けられ、独立した乳器の部は廃止された。
審査委員は、未経産、経産、母系の3部門にそれぞれ主任審査委員各1名をおき、各部に副審査委員各1名を貼り付けて行った。従前から比べるとかなりの審査団のスリム化が計られた。
審査は、個体審査、比較審査共に円形歩行審査と並列審査を併用した。また、出品条件に、能力的な裏付けを求め、乳脂量指数の下限を決めた。また、出品牛の飼養期間も、本年10月に開催の第13回全共と同じような条件が付けられた。(続く)

平成22年03月20日
「ブラウンスイス種 審査標準決まる」

~登録審議会答申を受け~
日本ホル協は3月10日、登録審議会(委員長は矢野秀雄・家畜改良センター理事長)を開き、ブラウンスイス種牛審査標準の策定と外国登録団体の承認を諮問し、ほぼ原案どおり答申を得たことを受け、ブラウンスイス種牛審査標準(雌・雄)を決定するとともにその「審査実施に関する要項」も定めた。
ブラウンスイス種の審査は、特に放牧型酪農に適し、乳蛋白質の高い品種として、近年北海道などから審査の要望があり、日ホ協ではこれを受けて、一昨年秋に米国へ審査委員を派遣して、ブラウンスイス種の調査と審査研修を行い、これらの経過を踏まえ、昨年11月に開催された第250回理事会で協議され、実施する方向で作業が進められていた。

平成22年03月20日
「生涯乳量」

~都府県22年1~2月~
本年1~2月に都府県で検定成績証明されたものの中から、生涯乳量5万㌔突破牛をとりまとめた。
今回は長野県・新海益二郎さん所有の上位2頭が総乳量10万㌔を突破し、これで都府県の生涯乳量10万㌔達成牛が計90頭になった。
今回の生涯乳量トップは長野県・新海益二郎さん所有の「ハイカップルヒッポブラックスター」(平11・1・28生)で、8回の検定・2593日、総乳量10万2564㌔、乳脂量3915㌔、平均乳脂率3・8%、乳蛋白質量3288㌔を記録した。
本牛は初産305日検定で乳量1万㌔にわずかに届かなかったが、2産以降は7産連続1万1000㌔以上を記録し、8歳0月齢、6産時の体型審査で88点を獲得している。
2位も同氏所有の「エンデヴァバルトロイヤルレネット」(平10・11・15生)で、7回の検定・2421日、総乳量10万0682㌔、乳脂量3739㌔、平均乳脂率3・7%、乳蛋白質量3334㌔を記録した。
本牛は初産から持続して乳量1万㌔以上を記録し、7歳7月齢、5産時の体型審査で89点を獲得している。また、同牛は長野県坂城町の塚田牧場で生産され、新海牧場の下で長年活躍し、本年2月に生産牧場に移動しており、生まれ故郷での今後の活躍に期待。
今回ワンツーを飾った新海牧場は、他にも6位の「ドリーム」号や27位の「シャロル」号がおり、牛群としての水準の高さがうかがえる。
3位は熊本県・荒木春次さん所有の「アークヒルMBBローラーリー」で、10万㌔にわずかに届かなかったが6回の検定で総乳量9万9692㌔を達成した。
また、4位の栃木県・植木靖さん、7位の長野県・金井真一さん、9位の茨城県・佐藤俊之さん、13位の栃木県・小林幸雄さん、17位の新潟県・山之内浩一さん、29位の栃木県・川田住男さん、30位・33位の熊本県・松島喜一さん所有牛は審査得点90点以上である。
検定成績証明は、本年10月に開催される第13回全共の出品牛又は母牛に必要な証明である一方で、あなたの牛群の中で長年にわたって安定した泌乳能力を発揮・貢献した乳牛の証となる。是非とも検定成績証明を取って、愛牛の活躍を全国の同志に紹介してみてはいかが。

平成22年03月20日
「(有)幸鷹牧場が登録最多」

~都府県登録状況 5,350戸で1戸当8.8頭~
都府県で昨年1年間に血統登録された雌牛は4万7221頭で前年より5484頭増加した。血統登録を行った酪農家数は、5350戸で前年より3戸減って酪農家1戸あたりの血統登録数は8・8頭で前年よりも1・0頭増加した。2年連続減少していた血統登録数や5年連続減少していた実施酪農家数に歯止めがかかった。表1には最近6年間の都府県登録頭数と登録実施酪農家数の推移、表2に昨年1年間に血統登録を多く実施した酪農家を示した。集計では親子などは1つにまとめて登録頭数の多い所有者名とした。
登録頭数の最も多かったのは幸鷹牧場(熊本県)で376頭であった。幸鷹牧場は昨年自動登録を開始し、多くの掘り起こし登録を行ったためである。2位は前年1位の品川牧場(群馬)で前年より30頭の増加。3位は小柳吉成さん(新潟)の267頭で前年よりも253頭増やし、大躍進した。本牧場では、改良の基礎である血統登録の必要性を再認識し、多くの掘り起こし登録を行った結果の大幅な増加であった。4位は家畜改良センター(福島、岩手、宮崎牧場の合計)で221頭、5位は小岩井農場(岩手)で213頭、以下、眞嶋大輔さん(栃木県)、野村栄一さん(茨城県)、高尾伴洋さん(熊本県)、ツバヌキ牧場(鳥取県)、朝倉修一さん(茨城県)、希望園(岡山県)が100頭以上を登録した。年間100頭以上の登録農家は戸で前年より4戸増加、50頭以上では5戸増加しており、大規模酪農家での登録の積極的な実施や窓口団体等による登録掘り起こしの成果がうかがわれる。
今回のトップ60以内には自動登録農家(表中、*を表示)が29戸あり、前年より1戸増加した。
都府県はBWアニー~21年種雄牛別登録娘牛頭数~
血統登録された雌牛の父牛として、どのような種雄牛が多く利用されているかを調べてみた。
平成21年1~12月に全国で血統登録された雌牛は、20万9217頭で、その父牛数は1722頭を数える。地域別では、北海道が種雄牛1161頭で登録娘牛16万2006頭、都府県は1470頭の種雄牛から4万7211頭が登録された。
このうち、北海道と都府県で共通する種雄牛は、909頭であり、反対に北海道だけの供用種雄牛は252頭、都府県だけが561頭であった。
また、種雄牛1頭あたりの登録娘牛数は、全国で122頭であるが、北海道の140頭に対して、都府県は僅か32頭に留まった。
国内海外の繋留別では、国内種雄牛1108頭による登録娘牛12万1895頭で登録全体の58%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は614頭による登録娘牛8万7322頭で登録全体の42%を占めその割合は昨年と同程度であるが、5年前に比べると海外種雄牛の割合は14%増加した。
21年次に全国で5000頭以上の登録娘牛をもつ種雄牛は3頭、3000~4999頭が8頭、1000~2999頭が46頭、100~999頭が150頭、99頭未満が1515頭であり、その上位53頭の種雄牛で登録娘牛全体の60%を占める一方で、928頭もの種雄牛が娘牛9頭以下という不本意な使われ方がなされていた。
表には21年次の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。
北海道ではブルーブラッドが、前年より約1500頭多い登録娘牛7548頭で前年の3位からトップになった。2位はリヴェレスト、3位シャルネス、4位は前年1位のヒルトン、5位ラウンドアップの順。
都府県では1位がアニー、2位リヴェレスト、3位はシャルネス、4位は前年の都府県1位の海外精液のバッカイ、5位トイストーリーの順。
因みに、全国集計では1位ブルーブラッド、2位リヴェレスト、3位シャルネス、以下ヒルトン、バッカイ、ラウンドアップ、アニーの順。

平成22年03月20日
「自動登録に切替」

~40府県の1,457農家で実施~
登録全体の3割占める
都府県の平成21年度(平成21年4月から22年2月末現在)の登録件数は、表1に示したように4万3677頭(前年同期比118%の伸び)となっています。自動登録による登録頭数は、1万2756頭となっており、前年同期比で111%の伸びとなり、全体の約3割を占めています。
今年度の自動登録件数では、茨城、愛知、鳥取、熊本及び鹿児島の5県が千頭以上登録するなど実績を挙げ、自動登録率では、秋田が99・0%、鳥取92・4%、滋賀79・5%と高い数字を残しており、自動登録が浸透している状況といえます。
また、登録牛を農家戸数で集計すると5921戸の農家が登録を実施し、その内、自動登録実施農家戸数は1457戸で24・6%となっています。自動登録実施率では、秋田の97・6%、鳥取91・4%、京都84・0%の順となり、いずれも高い実施率となっています。
その他、平成21年度は新たに173戸が自動登録を開始し、前年度まで1戸も実施していなかった埼玉、神奈川、石川、山口及び香川の5県が自動登録をスタートさせ、これで40県が実施しています。
自動登録は、登録料金が安いこと(通常の登録料金より1頭525円安い)、申込書による移動証明手続きが不要等のメリットが大きいことから、徐々にではあるが実施農家が増えてきています。自動登録を実施していない6県を始め、実施県であっても、全戸実施に向け、今後も引き続き普及推進に努めます。
授精報告の6割は牛検繁殖記録
表2には、自動登録実施農家戸数の年度別推移です。自動登録は平成12年にスタートしましたが、平成17年以降急激に伸びています。これは牛群検定の繁殖情報の利用が可能となったことの影響が大きいと思われます。
表3には、人工授精情報の報告状況です。授精報告の1位は、牛群検定の繁殖成績を利用する方法で、自動登録実施農家中906戸、全体の62・2%を占めています。2位は、家畜改良事業団が実施している事業からの授精報告データで、8県235戸で16・1%。3位は、インターネットでの授精報告農家が17県182戸で12・5%を占める順となっています。自動登録は、家畜個体識別センターに報告された出生報告と事前に報告した人工授精情報を用いて雌子牛全頭を自動的に登録するシステム。都府県の牛群検定の実施農家戸数は約5千戸となっていることから、今後も繁殖記録が使える牛群検定実施農家を中心に自動登録を推進します。
自動登録を始めましょう!
コスト低減の一手段として自動登録を検討してみませんか。登録料金が若干安くなり、申込書による移動手続きが不要な上に無料となります(登録証に印字する場合は有料)。
自動登録を希望される場合は、①自動登録申込書を提出します。(当協会のホームページに申込書を載せています。)②繁殖情報の報告方法、即ち、牛群検定に加入の方ならば、牛群検定の繁殖記録を使うかどうか。また、インターネットで報告を行うかどうかを決めます。③自動登録開始後、希望名号等を希望される場合や生まれてきた雌牛が虚弱体質等で登録を延期する場合は専用用紙で提出します。
当協会では、自動登録を円滑に実施するために詳しく取りまとめた自動登録実施農家向けマニュアルを用意しています。自動登録に関心のある方は、当協会又は支部に問い合わせ願います。さあ、あなたも自動登録を始めてみませんか?

平成22年03月20日
「今後の行事」

~日本ホル協~
◇21年度決算監査
5月20日(木)東京都中野区、当協会会議室
◇第54回日本ジャージー登録協会通常総会
5月21日(金)東京都中野区、当協会会議室
◇第252・253回理事会
6月18日(金)東京都、中野区、中野サンプラザ
◇第60回通常総会
6月18日(金)東京都中野区、中野サンプラザ

平成22年03月20日
「4.5型乳脂量で日本新記録更新」

~平成21年高能力牛とりまとめから~
平成21年1~12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
21年は昨年よりも7部門多い8部門の日本記録が誕生し、記録更新が相次いだ。
中でも静岡県函南町・石川和博さん所有の「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」(体型得点90点、父スカイチーフ)は4・5年型305日検定で乳量(M)2万0272㌔、乳脂量(F)1320㌔、平均乳脂率6・5%、365日検定でもM2万3365㌔、F1532㌔を記録し、4・5年型305日および365日乳脂量の日本最高記録を塗り替えるとともに、これらの乳脂量は全年型でトップであり、これまで「ビクトリアルメイドーンET」(北海道紋別市・永峰勝利さん)が持つ乳脂量日本記録を6年ぶりに更新した。エレガンス号は20年に3・5年型305日並びに365日乳脂量の日本最高記録を塗り替えており、これで4つの日本最高記録を達成したことになる。
ルメイ・ドーン号を輩出した永峰牧場の「ビクトリアパラダイスディアナET」(91点、父ギブソン)は305日でM2万1038㌔、F1280㌔、平均乳脂率6・1%、365日でもM2万4842㌔、F1502㌔を記録し、5年型305日および365日乳脂量の日本最高記録を塗り替え、乳量でも歴代2位に入っている。
このほか、4年型で北海道幕別町・遠藤好克さん所有の「ルンドロードビュービスタ」(父スクリーチ)が305日でM2万2652㌔、365日でM2万6871㌔を記録し、4・5年型で北海道芽室町・鈴木進さん所有の「スミーデールベッチーフィンリー06」(84点、父フィンリー)が305日でM2万1765㌔、365日でM2万6323㌔を記録し、乳量の日本記録を更新した。
表中、全年型を通じて最高乳量を記録した牛は、成年型乳量トップの北海道帯広市・杉浦尚さん所有の「YKTテッチェスクロールET」(86点、父スクリーチ)で、365日でM2万7266㌔、F773㌔、F2・8%を、また、305日でもM2万3520㌔で唯一、乳量2万3000㌔を突破した。
牧場別では、3年連続の永峰牧場と石崎直さんが最多の5部門でトップ成績を挙げている。
北海道勢が各部門で高記録を残す中、今回は都府県牛が6部門入っている。前記のエレガンス号の2部門をはじめ、乳量は2年型で福島県・家畜改良センター所有牛、「ロックイーグルアニーマーシュモーティー」が365日でM1万8147㌔、3年型では同所有牛、「WHGジエゼベルアディーアリーET」が305日でM1万7403㌔を記録した。
乳脂量では2・5年型で福島県・佐藤浩通さん所有牛、「クリークファームダーハムツルマツ」が305日でF663㌔、3年型で栃木県・生田目孝夫さん所有牛、「シャインビックレベニューガバネスローンW8」が365日でF908㌔を記録し全国トップとなった。

平成22年03月20日
「新評価で順位変動」

~2010-Ⅰ乳用種雄牛評価成績~
2月23日に発表された2010年の1回目評価(以下、2010―Ⅰと呼ぶ)では、評価方法やNTP(総合指数)が変更され、より精度が向上し、新しい種雄牛の早期発表が可能となった。そんな新評価でトップになったのは新規選抜牛の「オーケーファームハートランカスターET」だった。2位には前回トップだった「スミックランドフリートレジャー」が入った。このほか、新規選抜牛には4位「ジャスティス」、7位「パフォーマンス」など、トップ40に10頭が登場した。また、乳用雌牛評価では「エンドレスジュディオング」北海道天塩町の石崎牧場が前回7位からトップにランクアップした。都府県最高は33位に入った兵庫県の小谷牧場の「レディスマナーセクシーパラダイスET」だった。
遺伝能力曲線の公示
全酪新報1月20日の特集号でも紹介したが、今回の2010-Ⅰから遺伝能力評価が変わった。今回の変更では、NTPの改定、ベース年並びに泌乳評価方法の変更等大きな変化であった。
家畜改良センターの「2010-Ⅰ評価トピックス」を含めてその概要を紹介する。
今回から検定日モデルという評価方法が採用された。検定日モデルでは、搾乳日毎の遺伝的能力を計算することができ、これをグラフで表したものを遺伝能力曲線と呼ぶこととし、種雄牛毎に公表することになった。
左図が公表例。種雄牛の遺伝能力曲線を実線で示し、比較の対象として、北海道・初産・26ヵ月齢・4月分娩の雌牛の平均的な泌乳曲線(ベース曲線)を、乳期全体の平均が±0(ゼロ)となるような破線で示す。遺伝能力曲線とベース曲線に挟まれた部分の面積が、乳期当たりの遺伝的能力(ここでは+2534㎏)に相当する。
遺伝能力曲線の形状によって、泌乳持続性が視覚的に表現されるようになる。
新規種雄牛

今回、NTP40位以内に新規種雄牛が10頭登場した。
トップに輝いた新規の「ランカスター」は、「サーベージリー」の代表牛「リンダ」を母に持つ「アーロンリニー」から作出された。父は「タイタニック」。乳脂量4位、SNF量6位、蛋白質量1位、乳代効果7位、肢蹄9位、乳器9位と優れた産乳能力と体型改良力を持つ。特に乳器と肢蹄の改良力に期待される。
2位には前回・前々回1位に君臨していた「トレジャー」で、「フリーランス」×「BWマーシャル」で誕生。群を抜く乳房の改良力に富み、バランスのとれた能力と体型が魅力的。
3位には、前回54位から大幅にジャンプアップした「オーシャン」で、「マーシャル」×「マンフレット」の交配で誕生。優れた長命連産性、前乳房の付着と乳房底面の高さに優れている。
この他、新規種雄牛では4位の「ミラクル」は「オーマン」の№1息牛で「マウイ」ファミリー、乳蛋白の改良に力を発揮、優れた体細胞スコア、尻は坐骨が低く幅広い、理想的な構造。
7位「パフォーマンス」は、乳用強健性と後乳房の改良に優れ、高い泌乳持続性を備えている。
9位「ハヤマダー」は、能力と体型のバランスに優れ、特に乳房の付着は強く、後乳房の付着は極めて高い。
「オング」がトップ

雌牛評価では、北海道天塩町の石崎直さん所有の「オング」がトップを飾った。祖母「マンフレットジュディ」と父「ガーター」との受精卵で「ジュディ」が生産され、そこに「ローレックス」を掛け合わせて「オング」が誕生した。5位の「Lフロスティン」は姪、6位の「バーサ」は叔母、7位の「オードリー」は妹にあたり、一族の強さを物語っている。
「ジュディ」一族は常に「ヒラリー」一族とトップを争っている。

平成22年3月20日
「検定成績優秀記録牛F偏差値上位牛」

~都府県、平成22年度2月~3月8日証明分~

平成22年03月20日
「審査は今年も増加」

〜平成21年度審査・調査実施状況(都府県)〜
平成21年度の都府県牛群審査と後代検定体型調査は44都府県で実施され、審査頭数は8106頭で前年度より471頭多く昨年に続き増加となった。一方、体型調査は1万2573頭となっているが、現在も実施中であり、ほぼ計画どおりの頭数となる見込み。牛群審査の最多受検は家畜改良センター岩手牧場で177頭。次いで愛知県の鈴木基夫さんの137頭。埼玉県の加藤忠司さんの104頭が続く。21年度の審査・調査牛の平均得点は80・92点だった。また、審査得点90点以上(EX)に評価された雌牛はホルスタイン種144頭、ジャージー種2頭、合計146頭で前年度より16頭増加。前期では栃木県・和田泰さんの「リーダーキム」、後期では栃木県・梶村健介さんの「ロイアーロン」並びに長野県・新海益二郎さんの「ダーハムビグ」がそれぞれ93点を獲得し、今年度の最高得点となった。これで都府県では95点2頭、94点6頭、93点20頭が誕生した。
審査頭数1位岩手・2位熊本

21年度都府県の体型審査実施状況は、牛群審査が761戸で7521頭、牛群奨励審査が184戸で561頭、個体審査が雌16頭、雄8頭で審査合計頭数は8106頭を数え、前年を471頭上回った。19年度は8年ぶりの減少となったが、20、21年度と順調に増加回復してきた。
都府県別では岩手が742頭でトップとなった。次いで前年より155頭伸ばした熊本の688頭。3位には群馬の613頭。以下、栃木522、愛知462、千葉443、茨城434、鳥取315、福島310、兵庫299がベスト10となった。前年度対比で増頭したのは熊本(+155)、愛知(+153)、埼玉(+87)、鳥取(+77)、反対に減少したのは岩手(△338)、秋田(△29)、群馬(△28)、大分(△23)、山梨(△20)となった。大幅減少となった岩手では300頭前後受検する小岩井農場が今年度受検しなかった為であり、他の前年割れした都府県でも僅かな減少に留まった。
一方、酪農生産基盤改善支援対策事業で実施している体型調査は、1966戸を巡回し、後代検定材料牛と同期牛1万2573頭の体型データを収集した。これは前年度を1246頭下回っているが、3月に入り実施もれの牧場での調査を行っており、ほぼ計画どおりの頭数は確保される見込みである。
体型調査では、唯一1千頭を越えた熊本が10年連続トップとなった。次いで岩手、福岡、群馬、鹿児島、栃木の順。
なお、牛群審査と体型調査の合計では、熊本2017頭のほか、岩手、群馬、栃木、愛知で1000頭を超えた。都府県合計2万0679頭の平均審査得点は80・92点で前年に比べて0・31点上回った。
審査最多頭数は岩手牧場
表2には21年度の牛群審査受検農家のうち、年間審査総頭数が多かった農家を示した。
審査頭数が最も多かったのは家畜改良センター岩手牧場で前期84頭、後期93頭計177頭、2位は昨年度より約3倍受検し21位から大幅アップした鈴木基夫さん(愛知)の137頭。3位には、やはり昨年度より約2倍受検し20位からアップした加藤忠司さん(埼玉)の104頭でした。以下、毎年上位に入る半澤牧場(宮城)の95頭、森富夫さん(愛知)の80頭が続いた。
146頭のEX牛誕生
21年度都府県で審査得点90点以上(EX)を獲得した雌牛は146頭で前年よりも17頭増加し、年間認定頭数では過去最多となった。都府県別では熊本が17頭で最も多く、次いで岩手と栃木が16頭、群馬が14頭、福島が11頭、静岡が8頭、愛知と兵庫が6頭、山形が5頭であった。
今年度の最高得点牛は、93点で3頭誕生した。栃木県・梶村健介さん所有の「コージロングロイアーロン」(父ジョーダン)が6歳9月齢5産。長野県・新海益二郎さん所有の「ラッキマーシュダーハムビグ」(父ダーハム)が7歳10月齢6産。栃木県・和田泰さん所有の「リージェントリーダーキム」(父リーダー)が9歳1月齢6産で獲得した。以下、91点28頭、90点が115頭(ジャージー2頭を含む)となった。
表3には21年度後期のEX雌牛を得点、県順に掲載した。最高得点は93点で、前述した梶村健介さんと新海益二郎さんの2頭、次いで91点を岩手の千葉修幸さん(リーダー)、外谷辰也さん(ダーハム)、山形の深瀬幸二さん(ジューディ)、福島の添田勉さん(ティーエム)、佐藤浩通さん(ツルマツ)、群馬の荻原雄三さん(ジェスロ)、静岡の岩崎藤和さん(リーベ)、矢田修さん(アディダス)、広島の前谷重夫さん(ロンシャン)、熊本の中原達哉さん(スターバック)、大分の岡島建一郎さん(ドラ)の11頭が獲得した。



平成22年03月20日
「新会長松島喜一氏(熊本)」

〜全国ホル協議会総会〜
全国ホルスタイン改良協議会は2月18日、日ホ協会議室において第31回通常総会を開き、前年度事業報告・収支決算報告と22年度事業計画案・収支予算案並びに役員の改選について協議し、全て原案どおり可決承認された。事業報告では、認定ジャジマン研修会を3月に静岡県で開催し認定者25名の参加があったことや、9月に長崎県で初めてジャジング・スクールを開催し、農業高等学校3校を含めて96名の参加があったことなどが報告された。
本年度事業計画では、岩手県葛巻町においてジャジング・スクールを開催することが決定された。
また、役員の任期満了に伴う改選が行われ、3期9年間に渡り会長を務めた森田一文氏(岡山県)が退任し、松島喜一氏(熊本県)が新たに会長に就任した。松島新会長からは「多くの諸先輩方の中、若輩者ではありますが会長としての責務を精一杯務めて参りたい。皆様方のより一層のご協力をお願いしたい。」と挨拶を述べた。 <選任された役員は次のとおり(敬称略)> 会長松島喜一(新・熊本県)、副会長小椋茂敏(新・北海道)、青木雄治(新・埼玉県)、理事半澤善幸(再・宮城県)、國京政孝(再・静岡県)、木田有(再・兵庫県)、長恒泰治氏(新・岡山県)、中島俊二(新・高知県)、監事真下豊(再・群馬県)、江野澤伸一(新・山梨県)、佐藤俊彦(新・鳥取県)。

平成22年3月20日
「牛群審査で乳器、肢蹄の改良を」

〜平成21年度審査日程(都府県)〜