平成23年01月20日
平成23年01月20日 ~09年生まれ5.39%~ 「近親交配を避けよう」 ~近交回避情報活用のススメ~ | |
交配をするときに、血統の確認は大丈夫だろうか。血統登録証明書で交配する種雄牛の血縁を目で確認することをおろそかにすると、思いもかけない大きな損失を招くことがある。しかし、最近は血統登録証明書も4代表示され、近交回避が徹底されているためか、高い近親交配の組み合わせの出現率は減少傾向にある。しかし、近交係数自体は特に高い水準に達して、近親交配の弊害も心配するところまで来ている。今回、わが国のホルスタイン種における近交係数の状況と、ホームページ(HP)や農家ごとの近交回避情報リストの活用を紹介する。 | |
2009年生まれの近交係数5.39% | |
日本ホルスタイン登録協会ではこのほど、全国の血統登録データを用いて登録雌牛の近親交配の度合いを示す近交係数をまとめた。この結果、2009年生まれの血統登録雌牛の近交係数の平均は5.39%となり、この値は年々上昇する傾向にある。 図1に主要国の生年別平均近交係数を示した。これをみると、カナダが常にほかの国々より高い値を示している。次いで日本が06年まで急上昇し、06年にアメリカと肩を並べたことが分かる。その後、日本は少し緩やかな上昇になった。 ドイツやイタリアもおよそ10年遅れているが増加傾向にある。ただし、オランダは少し違う様相を示している。03年までは日本と同じような上昇だったが、04年からやや減少傾向を示しはじめた。オランダCRV(登録団体)に尋ねると、下がる理由はよく分からないとの回答であった。 オランダでは、ミューズ・ライン・イーセル(MY)種やまれにモンベリエール(MO)種(どちらも赤白斑)などの他品種との交配が盛んなため、これが最近になって近交係数が下がってきた原因の1つと疑っている。 | |
登録牛の2割が強度の近交に | |
図2に、1999年、2004年、2009年に生まれた登録雌牛の5年おきの近交係数分布を示した。頭数はどの年も20万頭前後である。各年の平均は3.98%、4.81%、5.39%。 グラフは最近になればなるほど釣鐘型が右に移動し、縦に少しずつ伸びている。特に、6.25%以上の高い近交係数 (危険域)を持つ割合は、8.8%、15.2%、19.3%となり、2009年では2割弱の牛が危険域に達してしまった。 | |
近年で近交係数MAXは40.79% | |
2000年から2009年までの10年間について、北海道と都府県の最高値を並べてみると(図3)、ほとんどが30%以上で推移し、特に2000年には三重県で近交係数40.79%が生まれていた。 | |
祖先の人気種雄牛が近交を高くしている | |
近交係数6.25%以上の近親交配の血縁(図4)の出現率は減少傾向にある。その中でも出現率の高い「おじ・めい交配」は1996年の1.7%から2010年では0.5%に減ってきているにもかかわらず、近交係数が高まっている。その要因は、60年代の人気種雄牛が集中的に祖先にいるからである。 現在も、高いインデックスの種雄牛や雌牛を選ぶため、特定の血統が利用される傾向はますます増大することが懸念される。これは世界中で起こっていることである。 飼養している雌牛を5代、6代さかのぼってみると、その祖先にポーニーファームアーリンダチーフやラウンドオークラグアップルエレベーション、オスボンデールアイバンホーなどの著名種雄牛にたどり着くはずである。 | |
近親交配の弊害・近交係数1%上昇で乳量28.5kg減 | |
近親交配は、望ましい形質を短期間に遺伝固定させることに優れた交配である。しかし、近親交配が高まると、さまざまな負の傾向を示し、近交退化を起こすことがわかっている。 近交退化とは、血縁が近いものとの交配で起こり、泌乳能力の低下や体格の矮小化、発育や繁殖性の低下、死亡率の増加を誘発する。雌牛の近交による退化量は表1のとおり。 乳量では近交係数が1%上昇すると1乳期あたり約28.5㌔減少する。したがって、近交係数6.25%の場合には1乳期あたり約178㌔の減、12.5%では約356㌔の乳量が減少する危険性がある。 特に、受胎率の低下は日本だけではなく国際的な問題であり、近親交配の影響は多分に憂慮される。体型面でも決定得点や肢蹄、乳器得率などの低下が見られる。 | |
近交係数の手計算はムリ | |
交配のときに当協会のHPで近交回避情報を活用しない場合、データバンクの血統情報で5代程度さかのぼり、血縁を抽出。1代さかのぼると両親の2頭が分かる。5代までさかのぼると4頭、8頭、16頭、32頭となり、これらを全て加えると62頭となる。その中から同じ雄牛、雌牛を探し、近交係数の計算をしなければならない。これはもう手作業で行うには煩雑すぎる。 そこで、当協会ではHP上であなたの飼養する雌牛の血統登録番号を入力することで、手軽に近交回避情報を入手できるようにした。 | |
HP『近交回避情報』を利用 | |
近交係数を選択 | |
対象となる雌牛は、10~60ヶ月(5歳)の登録牛が基本である。また、5歳以上の場合は牛群検定加入牛について対象に含める。 近交係数は、「全て」、「1%以上」、「1.56%以上」、「2%以上」、「3%以上」、「3.12%以上」、「6%以上」、「6.25%以上」の8種類から選ぶことができる。 | |
対象種雄牛を選択 | |
対象となる種雄牛は、以下の4つから選ぶ。 「日本の一般供用種雄牛」は赤本の“精液供給可能牛”の種雄牛82頭(2010-8月公表)をはじめ、過去数回の精液供給可能牛が対象である。 「候補種雄牛」はその年の100頭、85頭が対象となる。 「輸入精液」はSIC(日本家畜遺伝子輸入協議会)で輸入が確認されたものと、アメリカのTPI上位100頭程度が対象となる。 「全て」は以上のものを網羅したものになっている。更新は、遺伝評価値公表時と秋の候補種雄牛配布時を含め、年4回程度行っている。 近交回避情報の利用は、例えば、交配をしたくない種雄牛を表示するときは、6.25%以上を選ぶ。全ての種雄牛を選ぶと対象種雄牛全牛の近交係数が表示されるので、低い値のものから選ぶようにする。なお、12.5%以上は赤色で表示される。 | |
近交回避情報リスト | |
牛群審査や体型調査を実施するとき、農家に対し審査委員が最新の近交回避情報リストを持参して説明している。 このリストには2種類あり、1つは『近交回避対象種雄牛リスト』で、近交係数を計算する対象の種雄牛のリストである。種雄牛は3種類に分け、①国内精液供給可能牛で略号順に表示してある。項目では名号、NTPのほかに、NTPトップ40の中で、『F』は肢蹄が、『U』は乳器が各々10位以内であることを示している。②候補種雄牛は農家の住所からその県に配布している種雄牛のみを表示している。③輸入精液は、家畜改良センターで公表されているもののうち、計算されているNTPの上位40位を対象とする。 リストのもう1種類は、『近交回避リスト』である。審査の受検農家の雌牛に対して、近交係数5%未満になる種雄牛の略号、愛称、『F』、『U』をNTP順に表示している。ただし、候補種雄牛については略号順に表示している。このリストに掲載されている種雄牛は、近親交配の面からは安心して利用できる。 | |
生まれたら血統登録を忘れずに | |
近交係数の上昇、遺伝性疾患の発病を抑えるためには、血統登録証明書で確認することが大前提だが、近交回避情報で近交係数が低くノンキャリアーの種雄牛を選ぶことが重要である。そのためにも、生まれたら血統登録をすることが大事であり、自動登録を勧めたい。 | |
近親交配の弊害・BLAD、CVMや新しい遺伝病 | |
もうひとつの弊害は、遺伝性疾患であるBLAD(牛白血球粘着不全症)、CVM(牛複合脊椎形成不全症)、ダンプス等の発症がある。 BLADは生後数ヶ月で死亡がみられ、CVMでは流・死産による出生率の低下や新生子の奇形による死亡がみられる。両者とも発症はキャリア同士の交配により4頭に1頭の割合で起こる。 現在、血統登録証明書の種雄牛欄にキャリアでないものには『TL』、『TV』。キャリアの場合は『BL』、『CV』と記される。交配の時の検査結果に気をつけることで発症を防ぐことができる。 これらのキャリアの祖先をたどると、名牛「アイバンホーベル」とその父牛からで、40年以上昔に保有した遺伝病が、近親交配により現代になってその全貌が明らかになった。 また、2007年には新たにブラキスパイナ(牛短脊椎症(仮名))がオランダとデンマークで確認された。流産や死産により出生率が低下、または新生子が死亡するもので、発症牛は生存しない。発病牛の特徴は、脊椎骨の短縮と長い四肢、腎臓や睾丸、心臓の奇形など器官の異常が見られる。両親がキャリア牛の場合に限って25%の確率で発現する。由来は著名種雄牛「トラディション」で、オランダのホルスタイン集団の8%がキャリアである。 遺伝病についての関連情報(キャリア牛等) |
平成23年01月20日 「登録部からのお知らせ」 ~BLAD、CVMモニタリング調査(無料)の受付終了、登録の現況~ | ||
2月28日で受付終了~BLAD、CVMモニタリング調査(無料)~ | ||
ホルスタイン種の指定遺伝性疾患であるBLAD、CVM検査は、これまで優良後継牛確保・有効技術開発推進事業(実施主体:家畜改良事業団)の負担でモニタリング調査(検査結果の公表を承諾するものは検査料金が無料)を実施してきましたが、本年2月28日をもってモニタリング調査の受付(同団家畜改良技術研究所遺伝検査部での検査試料の最終受取期日)を終了します。 したがって、雄牛の血統登録申込みをはじめ、BLAD、CVM検査が必要なものは至急、当協会の「遺伝子型検査(親子判定)申込書」(4枚複写)を整備し、申込書の1~2枚目と検査結果の公表を承諾する「承諾書」を当協会支部・承認団体に申込むとともに、申込書の3~4枚目に検査試料を添えて家畜改良技術研究所遺伝検査部(〒371-0121前橋市金丸町316)あてに送付願います。 なお、3月1日以降は、当協会の「遺伝子型調査に関する取扱要項」によって有料での取扱いになります。 | ||
厳しい情勢のなか各種登録頭数 | ||
昨年4月から12月末までの都府県におけるホルスタイン種各種登録件数については、飼料穀物などの生産資材は一時より下がったものの高止まり状態にある一方、長引く経済不況により酪農・乳製品の需要が減少傾向にあり、依然として厳しい情勢であります。また昨年は、国内で10年ぶりに口蹄疫が発生し深刻な被害を生み、酪農畜産界を震撼させ、また夏には記録的な猛暑により愛牛の廃用等大きな被害を受けました。 このような畜産情勢の中にあって当協会も登録頭数の減少を危惧するも、会員及び関係者の協力により血統登録申込み頭数は、前年同期と比較して100.8%で推移しております。移動証明については、自動登録参加農家の増加等により557頭と減少。なお、牛群審査及び体型調査頭数は今後の状況次第ですが、やや減少傾向で推移すると思われます。 乳牛改良の土台である各種登録事業については、酪農経営の安定的発展に欠かせない改良の基本であり、当協会も更なる登録証明書の利活用に向けた推進を図ってまいりますので、会員の皆様には血統登録をはじめ牛群審査等により一層のご協力を賜りたく、また、自動登録の普及定着につきましても、会員並びに登録委員の方々をはじめ関係各位に特段のご協力をお願い致します。 | ||
平成23年01月20日 「自動登録のススメ」 ~登録部から~ | ||
メリットは申込不要・登録料金軽減 | ||
自動登録とは、当協会が家畜個体識別センターの出生報告と事前に受領した人工授精情報を利用することで、登録申込みをすることなしに雌牛の血統登録証明書を自動的に発行するものです。自動登録では、①1頭毎の血統登録申込書が不要、②登録料金の軽減、③母牛(導入牛など)の移動証明手続きが不要、④登録証明書の早期発行などの多くのメリットがあります。 | ||
授精報告は電子データで | ||
予め次の条件が必要となります。 ①自動登録申込書を提出する、②個体識別全国データベースの利用に係わる「同意書」を提出する、③人工授精データを定期的に報告できる、④出生報告された雌牛(ホルスタイン、ジャージー種)は全頭登録する。なお、自動登録対象牛にならないものは、受精卵移植生産牛、雄牛及び輸入牛。 | ||
授精報告は | ||
電子データ化したものが必要であり、報告方法には、①牛群検定の繁殖情報の利用、②インターネットから直接入力、③人工授精関連事業等による授精データの利用(この場合は当協会へ連絡)があります。 | ||
問合わせ先 | ||
当協会登録部または各都府県支部・承認団体まで。 | ||
関連資料 | ||
■自動登録マニュアル(インターネットで授精報告する皆様へ)■自動登録マニュアル(牛群検定繁殖情報を利用する皆様へ) | ||
平成23年01月20日 「いますぐ登録6%の壁」 ~近親交配を防ごう~ | ||
近年、わが国のホルスタイン集団は、近交係数が非常な勢いで上昇しています。1999年生まれの雌牛の平均近交係数は3.98%であったものが、2009年には平均5.39%と高まっています。このまま推移すると数年後には危険域といわれる6%台になることが危惧されています。特に近交退化に注意が必要な値である近交係数6.25以上の血統登録集団に占める割合は、1990年生まれでは、3.5%でしたが、2000年生まれでは10.9%、2005年生まれでは12.4%と8頭に1頭までになり、多くの牛において近交退化(産乳能力の低下・体型の矮小化・繁殖性、生存性の低下)による弊害が心配される状況になっています。現在、一般供用されている種雄牛は、後代検定によって選抜された遺伝的レベルの高い種雄牛であり、これらは極めて限られた系統から作出される傾向があります。 このような情況にあって、血統登録から構築された血縁情報は、選抜・淘汰に必要な育種価(遺伝評価)の推定に活用されるばかりでなく、計画交配に必要な近交係数の計算にはなくてはならない情報であります。 | ||
平成23年01月20日 「受けよう審査」 ~審査部より~ | ||
酪農経営を考えると、第一に求められるものは泌乳能力であり、乳牛の本当の価値はその牛が一生涯にどのくらいの乳量を生産したかによって決まります。言い換えるならば、生涯生産能力をより一層高めていくことが生産コストの低減と収益性の向上につながります。 長い期間にわたって高い泌乳能力を維持するには、当たり前のことではありますが、健康で骨格のしっかりした体型と付着・形状のよい乳房、丈夫な肢蹄等が必要であり、これらは飼養管理や搾乳管理の作業効率を高める上でも重要な役割を担っています。乳牛の審査は、体の各部位の機能性を評価することにより、その牛が生涯にわたって高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する唯一の手法となります。 カナダでも、「審査は、乳用牛の骨格構造の包括的な評価であり、牛群を機能的な体型に改良するのを手助けする重要な管理手法となる。良い体型の牛は、最適な作業性により日常の仕事が楽になり、故障や疾病に対する抵抗性が増し、トラブルが無く維持管理費用も低減される。」とアピールしています。 雌牛が審査を受ける方法としてはホルスタイン種では2つのプログラムがあり、まず、牛群審査では飼養する牛群内の登録経産牛全頭を対象とし、申込みによって行います。また、体型調査事業では後代検定材料娘牛(初産検定中)を飼養している牛群検定農家の登録初産牛を対象に行うもので、都府県では毎年春と秋の2回、日本ホル協の審査委員が現地の担当者とともに県内を巡回し、酪農家の牛舎すなわち普段牛が飼われているところで審査を行っています。 実際の審査では、ハンディパソコンを用いて、各個体の体型について得点評価と線形評価を行い、審査直後にその場で審査結果を打ち出し、受検農家における直近の遺伝情報や種雄牛情報と合わせて審査結果の説明や交配、管理等のアドバイスも行っています。当然のこと、審査結果は自動的に審査成績証明されるとともに、血統、能力のデータと合わせて種雄牛および雌牛の遺伝評価分析にも利用され、遺伝情報として酪農家にフィードバックされています。 牛群検定の実施と共に牛群審査を定期的に受検することは、牛群水準の向上には勿論、飼養管理や搾乳作業面でも極めて有効となります。牛群審査を受ける場合は、原則として飼養する登録経産牛全頭が対象となりますが、5歳以上や廃用予定、疾病牛等は除くことができます。是非とも来春からの受検をご検討願いします。 | ||
関連資料・HP | ||
審査に関するページ ■メインページ ■高得点牛 | 関連資料 ■ホルスタイン牛の見方 1冊315円(税込み) | ■線形評価法 1冊315円(税込み) |
平成23年01月20日 「新年ご挨拶」 ~日本ホルスタイン登録協会会長北良治~ | ||
全共開催の年~国内防疫対策の徹底~ | ||
新年あけましておめでとうございます。 平成23年の輝かしい新年を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。 さて昨年を振り返ってみますと口蹄疫の大惨事がありました。29万頭もの牛や豚が犠牲になり、そのうち被災を受けた酪農家は51戸、殺処分された乳牛は2,500頭に及びました。被害にあわれました農家の皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、8月27日に終息するまで、この間の酪農・畜産関係者のご苦労は計り知れないものがあったと思われますが、ようやく復興が図られ、当協会としても微力ではありますが再建のお手伝いをさせていただいております。 昨夏は全国的に大変な猛暑でもありました。その影響は、生乳生産の落ち込み、乳成分の低下、繁殖障害、死廃の増加が続きました。各地で連日猛暑日を記録し、牛乳の消費拡大が期待されましたが、相反して消費は低迷したままでした。 そのような中、日本農業界を揺るがすニュースがありました。それは、TPP(環太平洋経済連携協定)問題で、日本全体の構造を激変させる大きな問題です。今年6月末に日本は参加するかどうかの結論を出すことになっています。今後の政府方針や国際交渉の行方を十分注視しつつ、慎重な対応が必要ではないかと考えております。 さて、登録関連事業を見ますと、昨年2月には当協会で開発したNTP(総合指数)を7年ぶりに変更いたしました。NTPの中身としては、新たに疾病繁殖成分が追加され、産乳成分、耐久性成分(旧体型成分)とともに3つの成分から構築いたしました。これにより、生産寿命の改良量の向上がより期待できるものとなります。 また、8月には念願であった牛群審査の2産以降の審査記録から遺伝評価値が公表されました。新しいNTPとともにご活用していただきたいと考えております。 今年も基礎となる血統登録、特に個体識別情報や繁殖情報を活用した自動登録を推進いたします。酪農家の方々が常日頃、整理活用しているご自分の牛の繁殖情報を前もって提供することで自動登録が実施できます。自動登録は北海道では既に90%に達していますが、都府県は現在38%(昨年同時期34%)となっています。 また、1年延期となりました第13回全日本ホルスタイン共進会を、今年10月7日から4日間、北海道安平町「北海道ホルスタイン共進会場」で開催いたします。初の北海道全共の成功を期して、北海道の実行委員会でも全国の出品者・関係者を歓迎する準備を進めていただいているところです。 なお、年末からお隣の韓国で口蹄疫が再発し、この1月中旬までで216万頭を殺処分対象との状況になっています。そのような中で、国内の防疫対策の徹底をお願いする次第であります。 最後に、皆様ならびにご家族のご健勝とご発展をお祈り申し上げて、年頭のご挨拶といたします。 | ||
データ入力時に気を付けて~総務部から(支部・承認団体の登録担当の方へ)~ | ||
当協会では地方ターミナルで入力していただいている支部受付年月日をデータ抽出に利用しています。ところが、支部受付年月日が誤った日付のまま入力されていることがあり、データ抽出作業に時間を要する場合があります。 データ抽出が遅れますと、後の事務処理(請求書作成→登録→登録証明書発行)にも遅れが生じることになりますので、データ送信の前に支部受付年月日をご確認いただくようお願い致します。 | ||
平成23年01月20日 「今後の日程」 ~日本ホル協~ | ||
◇22年度社員会議並びに支部・承認団体登録事務担当者会議 [東日本地区] 2月4日(金)東京都中野区、中野サンプラザホテル [西日本地区] 1月28日(金)福岡市、県中小企業振興センター ◇全国ホルスタイン改良協議会第32回通常総会 2月24日(木)本会 ◇第256回理事会 3月22日(火)本会 ◇第257回理事会・第61回通常総会 6月17日(金)東京都中野区、中野サンプラザホテル ◇第258回理事会 8月25日(木)北海道 ◇第13回全共出品委員現地打合せ 8月25日(木)北海道 |
平成23年01月20日 「改めて第13回全共の詳細を」 〜10月7〜10日、北海道安平町で〜 | |
(社)日本ホルスタイン登録協会が主催する「第13回全日本ホルスタイン共進会」は、口蹄疫発生の影響で、今年10月7日(金)〜10日(月)の4日間、北海道勇払郡安平町(旧早来町)の北海道ホルスタイン共進会場で開催することになり、昨年11月19日開催の同協会理事会において、その日程詳細、部別出品内訳、衛生対策要綱などが決定された。今回の決定は、会期の変更に伴う日程と出品申込期限、出品区分における生年月日の範囲の変更にとどまり、出品区分や資格条件などの基本的な内容に変更はない。 | |
牛の搬入は10月1日から | |
第13回全日本ホルスタイン共進会は口蹄疫発生により1年延期となっていたが、会期は曜日や祝日の関係から、左上の表1に示したとおり平成23年10月7日(金)から10日(月、体育の日)までの4日間となった。 日程表に従って紹介すると、出品牛の搬入は10月1日(土)から開始する。なお、牛の受け入れ時間は6時から17時までとなっている。本州からのフェリー到着が早朝の場合が多いだけに、北海道実行委員会の早朝からの対応は有り難い。 また、出品牛の写真撮影は開会3日前の4日(火)から6日(木)まで3日間行う。旅のストレスが癒えて準備ができたところから開始される。 なお、出品牛の測定審査は5日(水)と6日(木)の2日間で行われる。 開会前の付帯行事としては、6日(木)の午後に高校生を対象としてリードマンスクールと毛刈り講習会が開かれた後、17時から前夜祭を開催し、出品者や関係者の交歓と共に共進会の成功を祈念する。 初日の7日(金)は、9時からのオープニングセレモニーの後、10時から開会式を行う。なお、開会式終了次第、都道府県別に出品者の記念撮影をする。そして、13時30分から高校生対象のリードマンコンテストを開き、前日スクールで学んだことの成果を発表していただく。また、15時から「ゴールデンナショナルセール」が行われる。 審査は、8日(土・2日目)、9日(日・3日目)の両日に行う。 ホルスタイン種15部、ジャージー種4部の審査が1部30〜40分間で行われる。計19部の審査終了後の9日15時20分から、各部の優等1席、2席牛を集めて、ホルスタイン種3部門とジャージー種1部門の計4部門の名誉賞と準名誉賞を決定し、最後に名誉賞の中から最高位賞を決定する。 最終日の10日(月・4日目)は10時10分から各部の優等賞牛のパレードを行い、終了後の10時40分から褒賞授与と閉会式を行い、4日間の第13回全共の幕を閉じる。 出品牛の搬出は閉会式終了後、13時から順次開始する。 | |
注射等は搬入日から起算 | |
第13回ホルスタイン共進会衛生対策要領は本頁左側に掲載した。 内容的には、平成22年開催を前提に定めたものと変更はないが、出品者には、特に「出品牛の衛生条件の確認」として定められている事項の遵守をお願いしたい。 なお、結核病、ブルセラ病、ヨーネ病の検査実施時期及び各種予防注射の実施時期がそれぞれ定められているが、その起算日は共進会の開催日ではなく、搬入日であることを銘記して欲しい。 次に、出品区分とその月(年)齢範囲、本牛又は母牛の検定条件や飼養期間、生年月日の範囲などを表2に示した。 年齢は平成23年9月30日をもって算定しており、変更前の生年月日の範囲と1年ずらした。なお、本牛又は母牛の検定・飼養条件などにも変更はない。 | |
■第13回ホルスタイン共進会衛生対策要領 | ■第13回全日本ホルスタイン共進会 部別出品内訳 |
全共出品に関するQ&A | |
出品に関する諸事項をより理解していただくため、出品する側からの疑問とそれに対する回答の形で取り上げてみる。【Q】1農家で何頭まで出品できるの? 【A】ホルスタイン種の部には1戸2頭まで。 (規則第5条)。 なお、シンジケート所有牛を出品する場合も、シンジケート所有牛を含めて1戸2頭までとなる。そして、産地や飼養期間の条件を満たしていることが必要となる。 また、第1、7、8部(後代検定娘牛の部)と第16〜19部(ジャージーの部)に出品する牛はこの制限の適用外となるので、1農家でホルスタイン一般の部2頭に加えて後代検定娘牛やジャージーの部に出品することも可能となる。 【Q】後代検定娘牛は、一般の部にも出品できるの? 【A】後代検定娘牛が一般の部で出品することはできるが、「後代検定娘牛の部」に出品する牛が、同時に一般の部に出品することはできない。 【Q】高校等の特別枠とは? 【A】ホルスタイン種に限り「高校等特別枠」として、高校や専門学校、大学で、一般や後代検定娘牛の部に出品しない高校等に割当てられ、1校1頭までとしている。出品する部は月齢区分が当てはまるところとなる。 なお、高校等がこの特別枠ではなく、一般の部や後代検定の部で出品することは可能である。 (規則第4条の3の2) 【Q】各都道府県出品牛の過半数は経産牛? 【A】高校等特別枠や後代検定娘牛を除くホルスタインの一般の部とジャージー出品牛の過半数が経産牛でなければならないと規則(第5条の2)に定められている。 【Q】産地や飼養期間の条件はあるの? 【A】品種、出品区分、年齢などによって異なるが条件が付いているので、確認する。 (規則第6条の1)、2)、3))。 【Q】飼養期間の算定方法は? 【A】飼養期間は登録協会の移動証明および個体識別全国データベース(出生または転入報告)によって確認する。 【Q】公共育成牧場への預託牛は出品可能? 【A】3歳未満(自県産)牛について、出品者が居住する都道府県の公共牧場へ育成を目的として預託する場合に限り、その預託期間を飼養期間に含めることができるので、出品は可能である。 【Q】出品牛や母牛の検定条件とは? 【A】表2の検定条件の欄に示してある。 まず、検定成績証明とは登録協会が行うもので、牛群検定を実施しているだけでは条件を満すことにならないので注意が必要(規則第6条の3)。 平成23年9月5日の出品申込みの締切前に「申込み」、「証明」を完了していることが条件となる。 全共出品に係わる検定成績証明の申込みは遅くても平成23年7月30日(厳守)までに窓口団体あてに申込むこと。 なお、牛群検定農家(立会)で検定を確実に実施していれば、過去の検定成績を申込むことで検定成績証明を取得することができる。 【Q】出品者の服装は? 【A】上下とも白色のもので、牧場名等の文字の入っていないものを着用と定められている。 | |
平成23年01月20日 「2産以降の体型も評価」 ~NTPの信頼度もUP~ | |
昨年の遺伝評価は多くの変更があった。2010‐Ⅰ評価では①遺伝ベースの変更、②遺伝評価方法を検定日モデルへと変更(泌乳形質)、③泌乳持続性評価法の変更、④遺伝的能力曲線の表記、⑤総合指数(NTP)の見直しが行われた。 次に2010‐8月評価では①公表回数及び評価時期・公表の方法の変更、②評価対象牛の拡充(分娩難易、体型形質)③雌牛の泌乳持続性評価公表が行われた。 ホルスタインの広場では過去数回に渡って遺伝評価に関する変更事項を紹介してきたが、今回は当協会が実施している体型審査に関連する変更点を紹介したい。 8月評価より評価対象牛の拡充を目的に雌牛評価に限り、2産以降の体型記録も評価の対象となった。種雄牛評価は従来通り初産記録のみを採用するが、この変更によって、雌牛は初産記録と2~5産の最も若い月齢の記録の2つの記録から初産の遺伝評価値を推定することになった。なお、初産のみ、2産以降のみでに両方の記録が揃わなくても片方の記録から計算が可能である。 次に記録の採用条件を表1に示した。 ここで③と⑥の条件は注意が必要である。③の条件で2産以降は最も若い月齢の記録が採用されるとあるために、過去に2産以降で審査を受けていた場合、その後の審査記録は現在の評価方法では採用されないことに注意したい。また、⑥の同一審査グループに同期牛がいるという条件は、初産と2産以降を分けて考える必要がある。初産は初産同士で同一審査グループに同期牛がいる必要があり、2産以降も2~5産の中で同期牛が必要である(図1)。 8月評価では初産記録が無かったために採用されていなかった24万6964頭が評価に新たに採用され、評価時点において牛群検定に加入中の9,681頭が2産以降での審査記録から推定され、NTPを持つこととなった。また、初産のみで推定されていた個体も2~5産の記録も用いて推定されるので信頼度が増し真の評価値により近づいた正確な値が得られるようになった。 詳細は、乳用牛評価報告または独立行政法人家畜改良センターHPを参照下さい。 | |
平成23年01月20日 「生涯乳量」 ~都府県22年9~12月~ | |
22年9~12月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量6万㌔以上の高記録牛41頭を示した。今回は眞嶋大輔さん(栃木県)所有牛をはじめ、上位6頭が総乳量10万㌔以上を記録した。 今回の生涯乳量トップは眞嶋大輔さん所有の「スノーライトフローリーマーシヤル」(平7・3・29生)、で9回の検定で検定日数4338日、総乳量13万7481㌔、乳脂量5604㌔、平均乳脂率4・1%、乳蛋白質量4360㌔を記録した。 本牛は8産時点で都府県歴代が乳量7位、乳脂量6位であった。今回の記録を追加し、乳量で4位、乳脂量では3位と躍進した。なお、地元栃木県では多くの優秀牛を抑え生涯で1番多くの乳量・乳脂量を生産した牛として証明された。 2位は糟谷英文さん(千葉県)所有の「カスヤフアームダブリユーエルフレーランド」(平8・2・13生)で、11回の検定で検定日数3965日、総乳量13万4647㌔、乳脂量4809㌔、平均乳脂率3・6%、乳蛋白質量4397㌔を記録した。 本牛は、今回全ての産次の検定証明を行い、都府県歴代で乳量は6位、乳脂量では14位と好成績を記録した。また、千葉県内の成績では、乳量、乳脂量ともに松本光正さん所有牛の記録を6年ぶりに更新し歴代1位の記録牛となった。 3位は小林正春さん(長野県)所有の「エムケーブルースボード」(平10・4・11生)で、9回の検定で検定日数2733日、総乳量11万5939㌔、乳脂量3848㌔、平均乳脂率3・3%、乳蛋白質量3352㌔を記録した。 本牛は初産305日検定で乳量1万㌔にわずかに届かなかったが、2産以降は8産連続して乳量1万㌔を突破し、平均で1万2千㌔を超える高泌乳能力の牛である。また、8歳10月齢、7産時の体型審査で89点を獲得している。 僅差の4位は谷口学さん(京都府)所有の「ラーンデールジヤステインアンナ」(平7・9・11生)で、11回の検定で検定日数3847日、総乳量11万5163㌔、乳脂量4832㌔、平均乳脂率4・2%、乳蛋白質量3891㌔を記録し、9歳1月齢、7産時の体型審査で90点を獲得している。 5位の亀田康好さん(埼玉県)の所有牛、6位の青木雄治さん(埼玉県)所有牛がそれぞれ10万㌔を突破した。 また、4位の谷口学(京都府)、6位の青木雄治さん(埼玉県)、7位、37位の藤岡俊策さん(岩手県)、15位の成田昌弘さん(福島県)所有牛はともに審査得点90点以上である。 なお、当協会HPでは、生涯乳量5万㌔以上の高記録牛を紹介している。 | |
平成23年01月20日 「検定成績優秀牛偏差値上位牛」 ~都府県22年12月証明分~ | |
平成23年01月20日 「審査日程」 ~都府県1~3月~ | |
牛群審査では、泌乳生産に最も重要な乳房と長持ちに関連深い肢蹄などの良否を明示して、飼養管理や選抜淘汰、交配種雄牛の選定のための資料を提供します。自分の牛群(経産牛)の体型特徴をきちんと把握するためには牛群審査を受けることをお勧めします。 本年1~3月に実施する都府県の審査日程は次のとおりです。審査に関する問合せは各都府県の登録取扱団体まで。 ◇ 山形県:2月21~23日 福島県:1月12~20日 茨城県:2月7~18日 東京都:1月24~25日 長野県:2月1~10日 大阪府:1月31日 兵庫県:1月31~2月10日 広島県:2月1~4日 福岡県:1月24~2月3日 佐賀県:1月24~25日 長崎県:1月26~28日 熊本県:1月24~2月2日 鹿児島県:1月18~26日 |