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機関誌

機関誌内容一覧

平成23年09月20日


平成23年09月20日「登録件数96%(前年同期比)」~北海道総合共進会を視察(日ホ協理事会)~
(社)日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)は9月4日、北海道安平町の北海道ホルスタイン共進会場会議室で第259回理事会を開き、平成23年度中間事業概況、第2回全共企画委員会、平成23年度登録委員研修会の概要などを報告した。協議事項では役員改選並びに血統能力証明書交付要綱の改正案について原案どおり了承された。
会場施設並びに検定娘牛視察
今回の理事会は、北海道畜産総合共進会・乳用牛部門の視察を兼ねて開催された。これは、第13回全共の開催予定地であった審査会場、新築された繋留場並びに出品された後代検定娘牛の現況について視察された。この内容を踏まえ、第14回の開催地並びに出品区分等を検討することとなる。
昨年の猛暑で出生に遅れ(登録数微減)
第259回理事会(北海道畜産総合共進会場)(平成23年9月4日 北海道安平町)北会長から、東日本大震災並びに原発事故では依然として深刻な事態が続いており、事態の正常化、被災地の早期復興を心からお祈りするとお見舞いの挨拶があった。
報告事項では、平成23年度中間事業概況で血統登録申込みが都府県1万6043頭(前年同期比92.2%)、北海道6万2814頭(同97.4%)で合計7万8857頭(同96.3%)となり、減少傾向を示している。これは、昨年の猛暑で種付が遅れ、出生が少ないためと思われる。県別で見ると、前年同期差が大きく増加している県は、鹿児島県が198頭、続いて宮崎県139頭、群馬県138頭、茨城県99頭であった。
移動証明申込みは都府県2355頭(前年同期比98.7%)、北海道1198頭(同80.0%)、合計3553頭(同91.5%)。自動登録加入農家は移動料金が無料を考慮するとまずまずの数値と思える。県別で前年同期差の増加が多い県は、宮崎県67頭、熊本県65頭、岩手県48頭、沖縄県35頭、栃木県31頭、となり、宮崎県は血統、移動ともに大幅な増加を示し、復興が窺える。
第2回全共企画委員会内容を報告
次の全共について考える全共企画委員会の第2回が先月22日、日本ホル協会議室で全委員(北海道:角倉理事、東北・関東:臼井理事、中部・北陸・近畿:杉浦副会長、中国・四国:三浦理事、九州:石山監事)出席のもと開催され、協議結果内容について報告された。
  1. 開催方法については、全国を5ブロックに分け巡回開催方式とし、第14回開催地決定と合わせて以降の順番を決定する。
    また、日本ホル協並びに当該ブロック役員が主体となり、開催県の調整に当たる。常設会場を調査しておく。口蹄疫等の法定伝染病や、自然災害について開催判断を文章化しておく。
  2. 開催経費の負担については、日本ホル協が参加県出品負担金(施設整備)や自らの特別会計積立協賛金の確保に努め、県費を軽減する。開催実行主体は、ブロック内の各県協力の下、催事や付帯行事を執り行う。
  3. 出品規模等については、開催地の収容規模により頭数は増減する。後代検定娘牛や学校出品の奨励、ジャージー種部門を設置。将来的にホル出品牛全頭を国内生産種雄牛からの娘牛(後代検定娘牛)を目指すが、第14回の経産の部では第13回同様に2、3歳級とし、未経産の部では全てを後代検定娘牛の出品条件で検討する。
  4. 農林水産祭へは、今後とも参加希望していく。
これらについては、平成24年1月開催予定の日本ホル協社員会議並びに第3回全共企画委員会、3月の理事会等で内容を十分に検討することとした。
地区別登録委員研修会開催
7月21日から8月5日の期間に平成23年度地区別登録委員研修会(5地区で204名参加)並びに登録事務担当者会議(6地区で76名参加)を開催した。
協議事項では、役員改選手続きとそのスケジュールや、血統能力証明書交付要綱の改正案では、4代血統能力証明をパソコンで入力し、自宅のFAXで証明書の印刷が出来るシステムの料金1,055円を分かりやすく表示するとともに、新たな血統能力証明書(系統譜)5,250円について原案どおり了承された。

平成23年09月20日「登録の推進に向け」~5地区で登録委員研修会~
日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)は7月下旬、都府県5地区で平成23年度地区別登録委員研修会を開催した。
研修会では、登録頭数等の申込状況や表彰要領に基づき登録委員・支部承認団体の表彰等の報告、登録推進に向けた各種連絡事項等について研修を行った。また、乳用牛放牧実態調査から、放牧酪農の可能性と放牧に向けた改良方向についての報告が行われた。
2日目は教材牛を用いての審査研修を実施した。
5地区で204名出席
この研修会は、日頃酪農現場の第一線で活躍している登録委員を対象として毎年夏期に開催している。昨年は口蹄疫の発生に伴い開催が取り止めになったが、今年度は、東北地区(青森県)、中部・北陸地区(愛知県)、近畿地区(京都府)、中国・四国地区(広島県)、九州地区(鹿児島県)の5地区で開催し、登録委員や支部承認団体並びに酪農関係者204名が出席した。1日目の事務研修では、主催者から、昨年は口蹄疫が発生し深刻な被害を生み、今年3月に起きた東北地方太平洋沖地震と大津波、さらに福島第一原子力発電所事故による放射性物質の被害は酪農業界にも大きな爪痕を残し、第13回全共開催の中止を決定。
地区別登録委員研修会(中国・四国地区)(平成23年7月28~29日 広島県三次市)このような情勢の中にあって、当協会も登録頭数の減少は避けられないと危惧したが、検定成績証明を除く主な登録種別全体では計画頭数に対し2.7%の減少で終了したことは、会員及び登録委員をはじめ関係者の多大なる協力によるものと感謝申し上げたい旨の挨拶後、当協会表彰要領にもとづく22年度の登録委員及び支部承認団体の表彰、審査・検定における成績優秀牛群農家など挙げ、登録推進に協力いただいた方々に感謝と称賛の意を表した。
登録推進として連絡事項として、新たな遺伝的不良形質ブラキスパイナにおけるアメリカでの調査結果を基に、日本における供用状況を説明し注意を促した。また、血統登録証明書の表示変更等を来年4月より実施したい旨を説明。
なお、酪農家から希望のあった、ある雌牛からの子孫牛の繁栄を見た、血統能力証明書(系統譜)の発行については、本年12月を目処に発行を予定している。
そのほか、日頃より登録申込みの指導に携われる登録委員及び関係者に重点を置く趣旨で、ホルスタイン登録の手引きを用い、登録制度・申込書の記入方法等の事務研修を行った。
放牧酪農の可能性を報告
大規模な舎飼が主流の現代にあって、いま再び放牧酪農が注目される中、当協会がJRAより委託実施している乳用牛粗飼料利用性調査研究事業で行った放牧実態調査より得られたデータをもとに、放牧酪農の可能性及び放牧に向けた改良方向等が紹介された。
2日目は、厳しい暑さ中のであったが、畜産研究所や畜産技術センターをお借りして、教材牛を用い審査研修を行った。出席者は線形評価法を用い、ホルスタインの見方のポイント、得点評価などについて3時間にわたり熱心な研修を行った。また、教材牛の準備が困難な地区においては、「ホルスタインの見方と線形評価法」の視聴覚研修を実施した。
なお、来年度は、東北地区(宮城県)、中部・北陸地区(静岡県)、近畿地区(和歌山県)、中国・四国地区(香川県)、九州地区(佐賀県)を予定。

平成23年09月20日「放牧への招待」~日ホ協がパネル展示~
北海道畜産総合共進会場内でパネル展示(平成23年9月3~4日 北海道安平町)日本ホル協では、先般開催の北海道畜産総合共進会・乳用牛部門会場内において、「放牧酪農への招待」と題する展示をおこなった。
これは、同協会が実施しているJRA特別振興事業の中のひとつとして実施したもの。
事業で調査した結果から放牧のメリットをパネルで紹介すると共に、放牧に向いた牛づくりのために開発した「乳用牛群改良交配システム」を紹介した。また、放牧普及用のDVDも繰り返し放映した。
さらに、4日には、酪農学園大学の酪農公開講座に会場を提供し、安宅教授による「良質な餌の見分け方」=再び注目される放牧酪農を踏まえて=と題する講義などを行って放牧への関心を喚起した。

平成23年09月20日「第15回北海道共進会・グランドC」~Jシドニー号(ローヤルC.P.出品)~
第15回北海道畜産総合共進会・乳用牛部門は、9月3~4日、北海道勇払郡安平町の北海道ホルスタイン共進会場で開かれた。グランド・チャンピオンには置戸町・ローヤルチャンピオンプロジェクト出品のRCPチャンピオンJシドニーET(父チャンピオン)に輝いた。
リザーブ・グランド・チャンピオンには上士幌町・熊谷肇さん出品のハッピーグローリーダンディエターナルET(父ダンディー)が選ばれた。両牛ともに数々の共進会で上位入賞をはたしており、体型を崩さず、益々円熟を増した優美な姿を披露した。ジュニア・チャンピオンには広尾町・佐藤孝一さん出品のTMFブレークウイルディビスタ(父ブレークアウト)に輝いた。
北海道畜産総合共進会・乳用牛審査風景(平成23年9月3~4日 北海道安平町)また、釧路市・㈱敬和ファーム出品のダーハム号には、多回出品表彰が授与された。
今回の北海道総合畜産共進会・乳用牛部門は、未経産6クラス、経産9クラスにジャージー4クラスを加えた19クラス。その中には後代検定娘牛の1部(12~15ヶ月)、6部(2才)、7部(3才)の3クラスが設けられ、道内各地区の予選を突破した優良牛427頭(ホルスタイン396頭、ジャージー31頭)が出品され盛大に開催された。
オフィシャル・ジャッジには、世界27カ国で審査経験のあるカナダの酪農家、カラム・マッキンベンさんが務め、アソシエート・ジャッジには北海道ホル農協の千葉義博さんが担当した。

平成23年09月20日「新任ご挨拶」~(社)日本ホルスタイン登録協会専務理事大友裕典~
(社)日本ホルスタイン登録協会専務理事大友裕典先般6月開催の第61回通常総会において、藤村忠彦専務理事の辞任に伴い、専務理事に就任いたしました。よろしくお願いいたします。
被災地の早期復興を祈念
東日本大震災の発生から、すでに6ケ月が過ぎましたが、当協会においても、一部の役員、会員の方々も被災され、とりわけ、原発事故に伴う放射能汚染による影響は長期化が見込まれ、なお深刻な事態となっています。事態の正常化、被災地の早期復興を心からお祈りいたします。
ご承知のように、第13回全日本ホルスタイン共進会は、昨春、宮崎において発生した口蹄疫により開催が延期されましたが、3月の東日本大震災の発生により、本年4月の理事会において、開催を望む多くのご意見もいただきましたが、開催の中止を決定いたしました。なお、第14回全日本ホルスタイン共進会につきましては、2015年(平成27年)に開催いたします。会員各位のご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。
さて、トウモロコシの価格上昇による配合飼料価格の値上げが見込まれ、酪農経営にとってマイナスの要因となることが危惧される一方、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)等の海外交渉の動向にあっても、酪農のみならず農業全般に影響を及ぼすものとして懸念されているところです。
着実な登録事業推進に努力
こうした情勢にあって、当協会としては、登録事業の着実な推進により、乳牛改良による個体の生産性向上を図り、国際競争力に対応できる酪農経営のコスト低減改善に向け貢献できるよう努力してまいる所存です。つきましては、当協会に対し、会員各位のさらなるご支援をお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせていただきます。


平成23年09月20日「EX牛過去最多93頭」~23年度前期(4-8月)・都府県~
23年度前期の都府県における体型審査は、3月に発生した東日本大震災と福島第一原発の放射能漏れ事故により、東北地方を中心に実施が危ぶまれましたが、関係各位のご尽力により予定都府県全て実施できました。昨年度は口蹄疫の影響で前期は大きく減少しましたが、本年度は牛群審査、体型調査とも大幅に増加し、一昨年度並みに回復しました。審査得点90点以上(EX)の雌牛頭数は93頭とほぼ倍増となりました。(審査部)
審査頭数~1位岩手・2位熊本
平成23年度前期における審査・調査の概況を紹介するにあたり、まず東日本大震災で被災された酪農家の方々には心からお見舞い申し上げます。また、福島第一原発の放射能漏れ事故でも数多くの酪農家が避難を余儀なくされ、心痛む毎日を過ごされていること併せてお見舞い申し上げます。
このような状況の下、都府県の牛群審査・体型調査は4月中旬から始まり、7月下旬で前期の日程を終えることができました。集計では43都府県で実施され、牛群審査を受けた戸数は331戸で3,468頭、牛群奨励・個体審査は112戸で350頭、雄牛1頭で、審査合計頭数は3819頭となり、前年同期比では牛群審査戸数が43戸、審査頭数367頭それぞれ増加となりました。
また、本年度の後代検定材料娘牛とその同期牛の体型調査については、前年度と同様、事業主体が各都道府県の畜産団体となり、調査頭数も各県ごとの割り当てとなっていますが、1,050戸の牛群検定農家を訪問し、初産泌乳中の後代検定材料娘牛1,912頭と同期牛5,076頭の合計6,988頭の体型データを収集しました。前年同期比で125%牛群審査と同じく大幅増で推移しており、157戸、1411頭の増加となりました。
下表には都府県別に牛群審査・体型調査実施状況をとりまとめましたが、審査頭数では岩手県が405頭で最も多く、以下、熊本県294頭、栃木県275頭、群馬県236頭、千葉県224頭、愛知県209頭と続いています。この6県は昨年度も上位グループでありました。対前年比で頭数が大きく伸びた県が数件ありますが、昨年度未実施県もあるため一概に増えたかどうか説明できず、そのような中で、岩手県は91頭の増加となっています。震災で被災された酪農家もいたことを考えると酪農家・関係者のご尽力に感謝します。逆に2桁単位で減少している県もみられますがこれは大震災の影響と考えられます。
体型調査頭数は審査と同様の傾向がみられますが、頭数の多い県としては熊本県676頭、岩手県564頭、群馬県457頭、愛知県397頭、鹿児島県389頭、栃木県378頭と続いています。
なお、本年度は震災と放射能漏れの影響で日程が延期又は短縮されことにより、夏場に入ってから実施した箇所もあります。福島県では県内3地区のうち浜通りは避難指示・避難準備で牛が飼えなくなってしまった訳でありますが、このような状況下5日間の審査・調査を実施したが、「待つ人がいる」という言葉通り受検していただいたことに改めて感謝します。

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改良の成果★~初EX10牧場で誕生~
さて、前期都府県で審査得点90点以上(エクセレント=EX)に評価された雌牛を下表に示しました。前年同期より36頭増え93頭となりました。県別では岩手県が10頭で最も多く、次いで群馬県と岡山県が9頭で並び、さらに千葉県と静岡県が7頭、愛知県6頭、栃木県5頭、福島県と神奈川県が4頭と続き、計23県でのEX誕生となりました。
今回の最高得点は、福島県本宮市・今野剛さん生産・所有のユニオンデールダンディーガール(父ダンディー)で6歳4月齢、5産で94点を獲得した。極めて正確な骨格構造と年齢を感じさせない素晴らしい乳器が評価され、今回の快挙となりました。
さらに、今回は次の方々で初のEXが誕生しました。表2の上から兵庫県・戸田恒美さん、岩手県・田野訓さん、宮城県・山本正道さん、栃木県・室井忠則之さん、群馬県・三輪圭吾さん、東京都・増田光紀さん、岡山県・長恒充さん、広島県・㈲檜高牧場、香川県・石川俊彦さん、熊本県・免田潤一郎さんの10名。長年に亘り続けてきた努力がこの成果として現れたものと考えられます。
EX牛の条件
ホルスタイン雌牛の審査で初めてEXに評価する場合は次の条件を全て満たすことが必要である。
  1. 3産以上で正常分娩していること
  2. 305日検定の実乳量が9千㌔以上
  3. 泌乳中であること
  4. けいれん肢がないこと
  5. 融合乳頭がないこと

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平成23年09月20日「ユニオンデール・ダンディー・ガール」福島県・今野剛さん~都府県で7頭目の94点誕生~
さる7月に実施された福島県の前期審査において94点という高得点が出た。現在本宮市に住む今野剛さんが生産・所有する「ユニオンデールダンディーガール」(平成17年3月15日生まれ、父ダンディー)は7月23日の通常審査において、5産目で見事94点を得た。分娩してあまり月日が経っていなかったが、正確な骨格構造と肢蹄の鮮明さ、素晴らしい乳用強健性と、5産をしても全く崩れのない乳器が評価された結果、前回の93点から加点されたもの。
ユニオンデールダンディーガール (1)ところで、今野剛さんは先祖の代から浪江町で酪農を営んできた県内でも信望の厚い中堅酪農家であったが、不幸にも3月の東日本大震災に伴う福島第一原発の放射能漏れ事故により移転か廃業かを迫られ、姉さんの嫁ぎ先で近隣の酪農家・三瓶利仙さんとともに移転先を探してきた。自家生産のロールヘイは充分に確保していたが、事故発生とともに配合飼料の輸送が完全にストップし、乳が出盛りの牛までも乾乳にしなくてはならず、大変な苦労をされたと聞いた。
ダンディー号は運良く乾乳間近かであったため、事故発生とともに石川町の小豆畑正一さんに預け、数日間は浪江町から通ったそうだが、まもなく乾乳し、このたびの分娩に備えたという。
ユニオンデールダンディーガール (2)幸いにして現在は本宮市で廃業した酪農家の繋ぎ牛舎をお借りすることができたそうであり、ベッドのゴムマットとパイプライン、バルククーラーを新調し、今野さん・三瓶さんの共同牛舎の形で搾乳を始めることができた。住まいはご両親、三瓶さん、今野さんとそれぞれが避難先の仮設住宅であったり、アパートであったりと別々であるが、日中は牛舎にみんなが集まり、それは賑やかな様子である。


平成23年09月20日「血統書の表示変更」~来年4月から~
平成24年4月から、血統登録証明書やホームページの血統検索等に表示している外国牛の登録番号中の国記号や遺伝的劣性形質等の記号、外国繁殖者表示について表示方法を変更するとともに、アメリカやカナダにおけるゲノム評価成績を掲載する。この変更は、ホルスタイン種は勿論その他の乳用種登録牛にも準用する。
【1】外国記号を英字3桁表示に
現行の外国牛登録番号末尾の国記号(A、Cなど)の英字1桁を、ISO認定国記号の英字3桁表示(USA、CANなど)に変更し、外国登録番号の先頭に表示する。例:USA 123456789
なお、登録申込の際の外国番号記入については、表示変更後も当分の間は、現行表記のままでも対応可能する。
【2】遺伝的劣性形質など英字3桁表示に
指定遺伝性疾患であるBLAD(牛白血球粘着不全症)、CVM(牛複合脊椎形成不全症)の2桁表示(TL、BL、TV、CV)を、世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)が推奨する表示法に基づき、形質英字2桁に正常はF、キャリアにはCを付加する。
例:BLAD正常→BLF、同キャリア→BLC、CVM正常→CVF、同キャリア→CVC
また、単蹄(MF)、赤毛因子(RD)、さらに近年明らかになったブラキスパイナ(BY)を新たに表示する。
【3】外国繁殖者を英字表示
最近は、輸入牛や輸入受精卵による生産牛の血統登録証明書の外国繁殖者氏名が、略称やスペルの省略、記号等が多く、カタカナ表示の困難なものが多いため、国記号3桁と繁殖者名を英字のまま表示する。
【4】海外ゲノム評価成績の掲載
近年では、欧米の遺伝評価値がゲノム評価値で表示されているため、血統能力証明書等の外国牛については、米加で公表されている直近のゲノム評価成績を掲載します。表示する成績は、泌乳で65%以上、かつ体型で60%以上の信頼度を持つものとし、PA評価値は表示しない。

血統登録証明書案

血統能力証明書案

平成23年09月20日「生涯乳量」~都府県23年7月-8月~
23年7~8月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛57頭を示した。
今回は糟谷英文さん(千葉県)所有牛をはじめ、上位6頭が総乳量10万㌔を突破し、これで都府県の生涯乳量10万㌔達成牛は計100頭になった。
今回の生涯乳量トップは糟谷英文さん(千葉県)所有の「カスヤファームダブリューエルフレーランド」(平8・2・13生)で12回の検定で検定日数4270日、総乳量14万4666㌔、乳脂量5,185㌔、平均乳脂率3.6%、乳蛋白質量4,746㌔を記録した。
本牛は2産次を除く11回もの乳期で乳量1万㌔を超え、平均で1万2千㌔を超える高泌乳能力の牛である。また、今回の記録達成で自身が持つ千葉県内の歴代記録を更新し、都府県記録では「エレン」、「トング」に次ぐ第3位、現存する牛では都府県の最高乳量記録を誇っている。
2位は高田茂さん(埼玉県)所有の「タカダファームエムビーリンカーン」(平7・11・7生)で、11回の検定で検定日数3,569日、総乳量12万2194㌔、乳脂量5,517㌔、平均乳脂率4.5%、乳蛋白質量4,061㌔を記録。
本牛は今回12産次の乳期記録を追加し、乳脂量の都府県歴代記録では6位と好記録を達成。また、埼玉県内では乳量2位、乳脂量1位と地元を代表する名牛となった。
3位は同じく埼玉県の青木雄治さん所有の「ブルーバンブージグスター」(平10・5・26生)で、8回の検定で検定日3,465数日、総乳量11万2997㌔、乳脂量4,425㌔、平均乳脂率3.9%、乳蛋白質量3,601㌔を記録し、7歳10月齢、6産時の体型審査で91点と高得点を獲得している。
本牛は初産305日検定で乳量1万㌔にわずかに届かなかったが、2産以降は7産連続で1万4千㌔以上を記録した。
4位は大嶋宏和さん(群馬県)所有の「ビックヒルマブリックマスター」(平12・9・1生)で、6回の検定で検定日数2,547日、総乳量10万5954㌔、乳脂量3,163㌔、平均乳脂率3.0%、乳蛋白質量3,261㌔を記録した。
本牛は4、5産で2万㌔を突破し、平均で1万7千㌔を超える非常に泌乳能力に秀でた名牛である。
5位は金井真一さん(長野県)所有の「ジーエスハリエットカビーET」(平12・10・14生)で、7回の検定で総乳量10万5774㌔を達成した。6位も同牧場所有の「1ジーエスパインメーカーフタゴ」(平9・3・21生)で、8回の検定で総乳量10万3978㌔を達成。
今回は福井邦仁さん(愛知県)が15位の「マダワスカ」をはじめ9頭もの所有牛が5万㌔以上を記録し、同牧場の高い水準を全国の酪農家に示した。
また、3位の青木雄治さん(埼玉県)、5位の金井真一さん(長野県)、7位の佐野茂樹さん(岩手県)、20、35位の岡嶋健一郎さん(大分県)、26位の植木靖さん(栃木県)、27位の佐藤浩通さん(福島県)、52位の福井邦仁さん(愛知県)所有牛は審査得点EX(90点以上)を獲得するなど、体型においても優れた成績を残し、長命連産性に優れた名牛となっている。


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平成23年09月20日「検定成績優秀牛偏差値上位牛」~都府県23年08月証明分~


平成23年09月20日「過去最高平均乳量9,286kg ・1戸当り検定牛57.2頭」~22年度乳用牛群能力検定成績速報~
このほど、家畜改良事業団から平成22年度乳用牛群能力検定成績速報が発表された。今年から速報媒体が小冊子からインターネットで情報を取得する方法に変わり、パソコンがあれば情報を直ぐに誰でも見ることが出来る。また、送り手は発送の手間が減り、経費節減にもなり、利用者にとっては到着の遅れを気にすることなく活用できる。これも時代の流れか。
検定牛1万以上の減
表1には牛群検定農家戸数・頭数の推移と22年度の実施概況を示した。これによれば、平成23年3月末現在、全国では271組合、牛群検定農家戸数は前年より225戸減少し9,707戸となり、昨年に引き続き1万戸を割っている。検定牛頭数は55万5521頭で2年連続減少を示し、今年は昨年より1万951頭減の大幅な減少となった。昨年との増減率を見ると1.9%の減少は、個体識別センター・ホルスタイン種雌牛(未経産も含む)の1.5%減と比較してもそれ以上の減少となった。
地域の内訳では、北海道が4,983戸で35万7796頭(1戸あたり検定牛頭数71.8頭)、都府県は4,724戸、19万7725頭(同41.9頭)であり、北海道は昨年より70戸、3,791頭の減少に留まったが、都府県は155戸、7,160頭減少し、北海道は4年ぶりの減少、都府県は5年連続の減少となった。1戸あたり検定牛頭数は概ね増加をした。
鳥取県11年連続1位
次に、検定普及率を見ると、22年2月1日付け畜産統計の成畜飼養農家戸数に対する検定農家普及率では、北海道が67.8%、都府県は34.2%、全国平均では45.8%であり、いずれも前年を若干上回る普及率となった。また、都府県で50%を上回る県は昨年の9県から10県に増えた。
また、経産牛頭数に対する検定牛比率では北海道が73.1%、都府県41.7%、全国平均は57.6%であり、北海道が3年連続で前年を下回る中、都府県での上昇によって全国平均は前年より0.1ポイント上昇した。また、都府県で50%を上回る県は昨年の15県から16県に増えた。
表2には、検定牛比率が50%以上の高い都府県を示した。普及率が最も高かったのは鳥取県で、検定農家比率と検定牛比率はそれぞれ73.4%、88.8%という高い値だった。特に、検定牛比率は都府県で11年連続1位となった。前年と比べると検定農家比率は変わらなかったが、検定牛比率は大きく3ポイント上昇した。
このほか、検定牛普及率の高い都府県は福岡県(73.9%)、鹿児島県(73.2%)、で、福岡県はワンランク上昇した。以下、岡山県、熊本県、宮崎県、愛媛県、岩手県、広島県までが60%以上で、西日本に高比率の県が集中している。特筆されるのが岡山県の3ランクアップと沖縄県の5ランクアップ10位となったことである。一方、検定牛普及率20%未満が6府県から7府県となった。今回普及率が20%未満となった三重県では、大規模牧場が検定を止めたことで20%を割ってしまった。
検定牛頭数、戸数ともに増加は3県
検定牛普及率からみたときに、増加した場合でも、検定牛頭数の増加ではなく、実は分母の経産牛頭数が大幅に減ったことによる普及率の増加という現象が散見される。表3は農家戸数と検定牛頭数が実際に増えた都府県を示した。その対象となる都府県は今回3県あり、昨年の8県から大幅に減ってしまった。対象県のうち最も農家戸数が増えた県は、山形県(増加した検定牛頭数は137頭)の4戸で、検定牛比率では都府県の43位であった。山形県は唯一2年連続の増加県となった。それから、沖縄県、山梨県がともに1戸増加した。戸数、頭数ともに増えた県においては、関係団体が連携して普及推進をした成果が出たと考えられる。このような時期、経営に直結する牛群検定の勧誘に、酪農家が真摯に受け止めたことで、このような結果に繋がったと思われる。
平均乳量過去最高9,286㎏
表4には牛群検定成績(ホルスタイン種立会、305日、2回搾乳)の最近6年間と5年ごとの推移の実績を示している。22年度の全国平均乳量は9,286㎏で、昨年より69 ㎏増加し、牛群検定開始以来最高の乳量を示した。全国平均乳脂量も365㎏で過去最大の値を示した。都府県平均乳量は9,479㎏(前年より110㎏増)と、これも過去最大の値であった。北海道は9,192㎏(同58㎏増)で、都府県が6年連続で北海道を乳量で上回った。
高い海外の普及率
牛群検定事業は酪農家における泌乳能力の向上や飼養管理面、経営面において非常に重要な役割を果たしているが、検定の中止や脱退する農家も少なくない。諸外国の牛群検定普及率(表5)をみると、酪農規模が日本と同等または大きい主な国では、オランダが87.6%(経産牛頭数が約146万頭)と最も高い。続いてドイツ83.6%(同約422万頭)、イタリア73.1%(同約183万頭)、カナダ71.5%(同約98万頭)、ニュージーランド71.5%(同約425万頭)、フランス71.0%(同約375万頭)となって、多くの国々で高い数値を示している。

平成23年09月20日「1位新規「スリーマン」(父スリーマン)」~海外種雄牛評価2011-8月~
家畜改良センターから8月9日、海外種雄牛2011-8月評価が公表された。
今回は「マリオン」×「フリーランス」の交配による新規種雄牛「ビオリススリーマン」がトップを飾った。乳量と乳脂肪量、乳蛋白質量ともに高く、NTP+3,359。2位との差を+268と大きく引き離している。また、母国カナダでも4月発表ではLPI+2,098、乳量+2,657で18位にランクされるなど高い評価を受けている。日本でも期待される種雄牛の1頭。
2位には、前回トップであった「プラネット」(「タブー」×「アメル」)がNTP+3,091、乳量と乳蛋白質量に優れている。TPIでも+2,189、乳量では断トツの+979と素晴らしい遺伝能力を持ち、順位も12位から3位(4月発表)にアップされている。
3位は前回2位の「ジェラード」(「オーマン」×「BWマーシャル」)がNTP+3,043、2位の「プラネット」と48の僅差であった。肢蹄、乳器、決定得点など体型面の改良に優れている上に、NTPトップ40内で最も高い耐久性成分値を誇っている。
4位には新規の「アルタグラティス」(「ショトル」×「ベスト」)、5位には前回12位から順位を上げた「マッチェス」(「エムトト」×「ハンター」)が入った。
今回トップ40位には新規が8頭入り、父牛別ではオーマンの息牛が7頭、オーマン自身も37位に入り、息が長い。2位にはショトルの息牛で4頭であった。


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平成23年09月20日「「お試し検定」募集中」~最大6ヶ月間助成~
今年もお試し検定がスタートしている。お試し検定の要件は表6のとおりである。これに加入すると、来年3月まで牛群検定にかかる経費の助成を、家畜改良事業団から受けることが出来る。お試し検定の詳細は、近くの牛群検定組合、農協や家畜改良事業団に問い合わせいただきたい。 お試し検定の条件
  1. 家畜個体識別全国データベースのイントラネットによる情報利用にかかる同意を得られること。
  2. 既存の検定組合の理解と協力が得られること(実施体制)。
  3. 試行期間終了後、検定組合への加入が見込まれ、継続して実施が可能であること。
  4. 平成23年度については、平成23年4月から平成24年2月の間に牛群検定の試行を開始できる農家であること。

問合わせ先はこちら!

平成23年09月20日「ジャジング・スクール募集」~全国ホルスタイン改良協議会~
全国ホルスタイン改良協議会(松島喜一会長)は、来る11月21、22日の両日、静岡県駿東郡長泉町「静岡県経済連東部畜産センター」並びに「御殿場高原ホテル」において、静岡県ホルスタイン改良同志会(国京政孝会長)、静岡県経済連の協力の下、平成23年度ジャジング・スクールを開催する。
このスクールは、酪農家の「牛を見る目」を養成し、酪農経営の健全な発展と次代を担う後継者の育成を期することを目的に、同協議会が毎年開催している。
スクールに参加できる対象者は、同協議会の会員(酪農家)並びにショウの審査に従事する技術者としているが、特に参加を希望する高校生・大学校生も対象となる。
また、初めての参加者は一般受講者として、2回目以降の方はジャジマン候補者として区分され、講義の内容が異なる。☆募集人員
80名程度。
☆研修日程
1日目は東部畜産センターで13時開講式。一般は審査標準等の講習。候補者は序列付け3セットの研修。また、2日目は全員が序列付け4セットの研修を行う予定。
☆会費(現地で徴収)
教材費等で1万2千円
☆宿泊
静岡県御殿場市神山
御殿場高原ホテル
1泊3食1万5千円
☆申込み
申込み締切日は平成23年11月2日。同協議会の各県会員団体を通じて協議会事務局に申込む。詳しくは事務局である日ホ協(℡03-3383-2501)まで。