平成23年11月20日
平成23年11月20日「新ハプロタイプを発見」~繁殖能力に影響~ | |
平成23年8月のカナディアン・デーリィ・ネットワーク(CDN)のトピックス記事で紹介された「新たに発見された5つのハプロタイプ」について、日ホ協北海道支局で和訳された内容の一部を掲載する。 | |
遺伝子型解析の最も新しい副産物 | |
遺伝子型解析の価値とその利益は増大し続けており、それは無限と言っても良いほどです。DNAバンキングや遺伝子型解析を行う本来の理由は遺伝評価値の精度の向上です。 Paul VanRaden博士が率いるアメリカ合衆国農務省 (USDA‐AIPL)の研究者らにより、遺伝子型解析の副産物として繁殖能力に影響を与える5つの新たなハプロタイプが発見されました。そのうち3つがホルスタイン種、1つがジャージー種、1つがブラウンスイス種のハプロタイプでした。 ホルスタイン種の3つのハプロタイプに対して産出された母集団に対する発現率は4~5%でしたが、ジャージー種とブラウンスイス種ではそれぞれ23.4%及び14.0%と、高い発現率となりました。母集団における発現率は2頭のキャリア個体による組み合わせが出来やすいか出来にくいかを反映しています。 表1はUSDAの研究者が受胎率とノンリターン率について測定した結果を示しており、それらのハプロタイプが繁殖能力に負の影響を与えることが発見されました。また、それぞれの品種の遺伝子型解析された集団の中でハプロタイプを遡ったところ、知りうる最古の祖先が特定されました。 遺伝子型解析の偶然の副産物であるこれらの負のハプロタイプの識別のため、現在それぞれの品種で存在する数万頭分の遺伝子型が使用されています。 この追加情報が産業団体や酪農生産者によって利用されることで、同じ負のハプロタイプのキャリアである個体同士が交配される頻度を最小限にし、繁殖能力における減退傾向を未然に防ぐ助けになります。 アメリカでは既に結果が公表されましたが、カナダへの発表手段と拡張計画は2011年11月と予定されます。 | |
平成23年11月20日「生涯乳量」~都府県23年9月-10月~ | |
23年9~10月に都府県で検定成績証明されたものの中から、下表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛40頭を示した。 今回は眞嶋大輔さん(栃木県)所有のマーシヤル号が成績を追加し14万㌔の大台に乗せ、木村睦美さん(愛知県)所有牛が総乳量10万㌔を突破した。 今回の生涯乳量トップは眞嶋大輔さん(栃木県)所有の「スノーライトフローリーマーシヤル」(平7・3・29生)、9回の検定で検定日数4,734日、総乳量14万2,417㌔、乳脂量5,799㌔、平均乳脂率4.1%、乳蛋白質量4,522㌔を記録した。 本牛は1産次を除く8回の乳期で乳量1万㌔を超え、平均で1万6千㌔に迫った高泌乳能力の牛である。また、今回の記録達成で自身が持つ栃木県内の歴代記録をさらに更新し、地元栃木県では多くの優秀牛を抑え生涯で1番多くの乳量・乳脂量を生産した牛としての評価を確固たるものとした。なお、本牛は本年8月に亡くなっているが、後継牛は孫世代まで枝葉を伸ばしており、マーシヤルファミリーの更なる活躍を期待したい。 2位は木村睦美さん(愛知県)所有の「ダイアポリピーエルガール」(平7・11・21生)、9回の検定で検定日数3,149日、総乳量12万4,658㌔、乳脂量5,092㌔、平均乳脂率4.1%、乳蛋白質量4,090㌔を記録した。 本牛はこのたび全ての産次の検定証明を一括して行い、今回の記録達成となった。北海道・浜中町の坂本牧場からの導入牛であり、娘5頭、孫娘6頭、ひ孫5頭と子孫が繁栄している。愛知県内では乳量・乳脂量ともにアカツキ牧場所有のオングに続く2位の座を獲得した。 3位は僅かに10万㌔に届かなかったが鈴木正さん(新潟県)所有の「レコードリーレイダー」(平12・3・4生)、7回の検定で検定日数2,525日、総乳量9万8,063㌔、乳脂量3,036㌔、平均乳脂率3.1%、乳蛋白質量3,025㌔を記録した。 本牛は1産から7産までの全ての産次で1万4千㌔以上の乳量を記録し、現在も泌乳中であるので、生涯乳量10万㌔突破が目前である。また、乳量において新潟県歴代4位の記録となるとともに、所有者の鈴木牧場では歴代上位20傑中に4頭を所有することになった。 今回は福井邦仁さん(愛知県)が8位の「エーテリーフタゴ」をはじめ5頭もの所有牛が5万㌔以上を記録した。同牧場は前回のとりまとめ(7~8月)においても9頭が5万㌔以上を記録しており、水準の高さと層の厚さが伺える。 他には、高田茂さん(埼玉県)が11位の「ビーリーダー」他2頭が5万㌔を突破した。 また、23位の植木靖さん(栃木県)、36位の福井邦仁さん(愛知県)所有牛は審査得点EX(90点以上)を獲得し、体型においても優れた成績を残している。 | |
平成23年11月20日「今後の審査日程と行事」 | |
今後の審査日程 | |
牛群審査では、泌乳生産に最も重要な乳房と長持ちに関連深い肢蹄などの良否を明示して、飼養管理や選抜淘汰、交配種雄牛の選定のための資料を提供します。体型特徴をきちんと把握するためには牛群審査を受けることをお勧めします。審査に関する問合せは各都府県の登録取扱団体まで。
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今後の行事 | |
◇ジャジング・スクール 11月21~22日静岡県、東部畜産センター ◇第3回全共企画委員会 11月25日東京都中野区、日ホ協会議室◇事務担当者・社員会議 ▽西日本ブロック 1月26~27日福岡県、中小企業振興センター ▽東日本ブロック 2月2~3日東京都中野区、中野サンプラザホテル ◇第260回理事会 3月16日東京都中野区、日ホ協会議室 | |
平成23年11月20日「検定成績優秀牛」~都府県23年10月証明分F偏差値~ | |
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