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機関誌

機関誌内容一覧

平成26年01月20日


平成26年01月20日「ゲノミック情報を発行」 〜(社)日本ホルスタイン登録協会〜
日本ホルスタイン登録協会では、昨年8月9日からSNP検査の申込みの受付がはじまったが、今年の1月15日現在で約5か月が経過した。その申込みの総数は、3,135件(表1)となった。内訳をみると、経産申込み(HCAJ事業)が1,131件、未経産申込み(ALIC事業)が1,629件、一般申込みでは若雄牛145件、未経産牛375件であった。
また、独立行政法人家畜改良センター(佐藤英明理事長)は昨年11月26日、日本ではじめてゲノミック評価値を公表した。それによると、若雄牛458件、未経産牛481件が計算され、同センターHPに未経産牛GNTP50位までが掲載され、うち10位までを表2に示した。


情報発行
ゲノミック評価値は、SNP検査牛の申込者に当協会から、検査牛が若雄牛の場合は「雄牛ゲノミック情報」、未経産牛の場合は「牛群遺伝情報」(図1)として発行した。また、(一社)家畜改良事業団では
、「ゲノミック評価情報」を発行した。
雄牛ゲノミック情報は、1頭1枚の用紙にゲノミック評価成績を掲載している。
牛群遺伝情報は、牛群単位で掲載し、牛群内で経産牛のNTPを持つ遺伝評価値(NTP順)、未経産牛のゲノミック評価値(GNTP順)、経産牛でNTPを持たない遺伝評価値の順に掲載している。
なお、牛群内でゲノミック評価値を利用する場合は、従来の遺伝評価値と遺伝的能力の良しあしを判断できないことに注意が必要である(図2)。


PDF版

参照集団
SNP検査牛のうち、経産申込み(HCAJ事業)のものは、参照集団として利用する。今回の公表でセンターではゲノミック評価に参照集団種雄牛を3,534頭利用した。
この参照集団種雄牛はSNP検査(50K)済みで、過去に後代検定が行われ、遺伝評価値を持った種雄牛である。これらの情報とその血縁情報を基にして、SNP検査をした個体のゲノミック評価値を求めることができる。これらの個体も遺伝評価値を持つようになると、参照集団に含まれることになる。これら参照集団が多くなればなるほどゲノミック評価の精度も上がることになる。そのため、日本の種雄牛は概ね検査終了していることから、雌牛のSNP検査の拡大を推し進めているところである。
なお、アメリカの参照集団の状況は、種雄牛2万2,000頭、雌牛3万8,000頭の規模になっている。また、未経産牛SNP検査済みが約30万頭いて、これらが分娩後、泌乳と体型の遺伝評価値を持つと、これらも参照集団に組み込まれる。

平成26年01月20日「新年ご挨拶」 〜(社)日本ホルスタイン登録協会長北良治〜
平成26年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
当協会の登録事業の普及・発展につきまして、日頃より会員の皆様をはじめ関係各位におかれまして、ご理解とご協力を賜り誠に有難う御座います。
ゲノミック評価と遺伝評価値で改良
振り返りますと昨年は、梅雨明け以降、途切れることのない猛烈な暑さや、かつて経験がないような集中豪雨による被害に見舞われる等、自然災害が多発し、酪農にも被害が及んだ年でした。また、酪農経営においては、昨年10月に飲用向け乳価が5円値上げされたものの、財政・金融の規制緩和政策を敢行したアベノミクスは、急激な円安誘導となり、飼料原料や燃料の多くを輸入に頼る国内酪農において、生産コストの大幅な上昇をもたらしました。さらに、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉についても、国益確保の見通しが立たないまま3月には参加表明され、年内妥結は断念されましたが、今後の交渉の推移等先行き不安が深まる年でもありました。
こうした厳しい社会・経済情勢の下、当協会の登録事業は、会員数や登録件数等が漸次減少の傾向を示しておりますが、このような時期であればこそ、近年、似通った系統から作出される傾向にある種雄牛によって近交係数が急激に上昇し、近交退化という弊害を回避するための血統登録の励行と、飼養管理や搾乳作業面でも有効であり、故障や疾病に対する抵抗性が増し、維持管理費の縮減にもつながる牛群検定や牛群審査を一体的に取り組むことは、酪農経営の基盤の安定強化を図るために一層重要になると考えております。
当協会としては、利便性と経済性を兼ね備えた自動登録の推奨を図り、登録や体型審査、牛群検定成績等によって計算される種雄牛評価成績に基づいて泌乳能力や長命連産効果の改良を働きかけていく一方、時代の要請として、昨今、主要国において急速に発展・普及しているゲノミック評価についても、従来からの遺伝評価値と組み合わせることによって、さらに信頼度の高い遺伝評価値を得られることや、世代間隔の短縮化、遺伝的改良量の増大等が期待されることから、日本国内においてもその普及・推進を図るべく努めてまいります。
登録事業が乳牛改良の基礎として、皆様方にとって使いやすく、高い信頼性を持つものであることが重要であり、その実現に向け、本年も当協会事業に対しまして引き続き皆様の特段のご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
最後に、本年の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念して、年頭のご挨拶と致します。

平成26年01月20日「消費税引上げ移行期について」 〜日ホ協総務部〜
本年4月1日からの消費税引上げに伴って、登録・証明料金についても増税分を改定することになりましたので何卒ご了承願います。
そこで、本年3〜4月の消費税引上げの移行期間について、登録・証明料金を次のとおり取扱いますのでよろしくお願いします(北海道内の登録・証明に係る料金取扱いは北海道支局までお問合わせください)。
血統登録
  1. 個別登録申込(申込書によるもの:雄牛、輸入牛、ET生産牛含む)
    1. 支部・承認団体が本年3月31日までに申込受付したものは現行料金(消費税5%)で、4月1日以降受付分は新料金(同8%)扱いとします。
    2. 本年3月までに、人工授精による生産子牛として血統登録申込みしたが、4月以降にET生産牛であったことが判明したものは、登録料は現行料金扱いですが、ET手数料は新料金扱いになります。
  2. 自動登録申込
    1. 当協会事務処理の関係で、本年3月15日までに家畜個体識別センターに出生報告したものについては現行料金とし、3月16日以降に出生報告したものは26年度登録分として新料金で取扱います。
    2. 自動登録に係る事故照会分については、3月31日(当協会必着、FAX可)までに事故回答があり登録証明できるものは現行料金で、事故解決できないもの及び4月1日以降に回答のあったものは新料金扱いとします。
検定成績証明
  1. 個体申込、生涯検定申込、牛群一括申込は、支部・承認団体が3月31日まで申込受付したものは現行料金とします。
  2. 検定成績証明自動継続申込は、本年3月末証明分までの件数料は現行料金とし、4月1日以降証明分は新料金とします。26年度分の基本料は新料金扱いになります。
その他証明等申込
支部・承認団体が本年3月31日までに申込受付したものは現行料金とし、4月1日以降受付分は新料金で取扱います。
なお、遺伝子型検査とSNP検査申込については現在、検査委託先に改定料金及び移行期間の料金取扱いを照会中ですので、追ってご連絡します。

平成26年01月20日「今後の行事」 〜日本ホル協〜
  • 25年度社員会議並びに支部・承認団体登録事務担当者会議
    [東日本地区]
    日時:2月5日(水)、6日(木)
    会場:東京都中野区、中野サンプラザホテル
    [西日本地区]
    日時:1月30日(木)、31日(金)
    会場:岡山市、メルパルク岡山
  • 全国ホルスタイン改良協議会第35回通常総会・理事会・監査会
    • 日時:2月20日(木)
    • 会場:日ホ協会議室
  • 第269回理事会
    • 日時:3月20日(木)
    • 会場:日ホ協会議室

平成26年01月20日「人事異動」 〜日本ホル協〜
(1月1日付け)
◇総務部総務課庶務係主任兼経理課経理係主任(総務部経理課経理係主任)立間小百合
◇登録部付嘱託(総務部付嘱託)俣野映子

平成26年01月20日「ホルスタイン手帳好評発売中」 〜2014年版〜


平成26年01月20日「正確な記録と収集が一番」 〜日ホ協登録部〜
牛群改良の第一歩は正確な記録をとることから始まります。記録が正確でなければ、いかに優れた交配や選抜淘汰を行ったつもりでも、改良の効果は上がりません。
その中で個体記録の根幹をなすのが血統登録です。いつ、どこで、どういう父母から生まれたかという血統情報があって始めて、近親交配や遺伝的不良形質の発現を防ぐことができます。また、血統の特徴は泌乳能力や体型面によく現れます。血統の記録を牛群検定や体型審査成績と結び付けることによって、血統の特徴を生かした改良を的確に行うことが可能になります。
すなわち、登録というシステムがあってこそ、酪農家の交配計画が有効に働くといっても過言ではありません。
このような観点から、当協会では如何に正確なデータを収集するか、そして如何に早期に登録証明書を酪農家の手元にお返しするか、各都府県支部・承認団体の方々とともに種々対策を講じてまいりました。そこで、今回は年度末に向けて酪農家並びに登録委員の方々へのお願いとお知らせを記しました。
事故解消のお願い
まず第一に登録申込みの事故を今まで以上に減らすようお願いしたいことです。これは従来からの申込用紙と授精証明書による個別申込み、個体識別センターへの出生報告と事前の授精データをドッキングさせた自動登録に拘わらず、登録証明書の発行を遅らせる原因となっております。
特に、個別申込みにあっては料金を添えて申し込まれる方が多いだけに、事故で証明書が発行されないと信用問題となるばかりでなく、子孫に至るまで無登録となってしまう悪循環となり、その解消に向けて関係各位のご理解を頂きたいと存じます。例えば、母牛の移動未了(個別申込みの事故の23%)は申込みに当たって母牛の証明書の所有者欄を確認すれば事故を防ぐことができます。個体識別センターや牛群検定との生年月日不備に拘わるもの(同13.7%)は関連報告と予め照らし合わすことをお奨めしたいと思います。さらに、授精証明書の不備(同10.6%)についても母牛の証明書と照合する習慣を付けていただければかなりの割合で解消できると考えられます。
返金対象を拡大
ところで、自動登録では従来から血統登録直後に死亡した牛に対して血統登録の取り消しと登録料金の返金を行っておりましたが、より一層の普及推進を図るために、
  1. 出生報告時の性別錯誤で雌牛として登録された雄牛
  2. 耳標装着前に死亡した雄牛がいる異性多子の雌牛を単子として登録した場合
以上の2項目でも返金の対象とすることにしましたのでご承知置き願います。
シンジケート名義でも
自動登録では母牛の所有者、又は予め申請のあった方の名義で子牛の血統登録を行ってます。母牛の所有者がシンジケートや管理委託牛については対象外とし、個別申込をお願いしていましたが、この度、自動登録の対象と改め、料金も自動登録料金を適用することになりました。既に昨年10月から実施しているもので、シンジケートが所有名義である牛から出生した子牛は、そのシンジケート名義で登録します。自動登録の申請者名義で登録されたい場合は、所有者変更をしますので当協会へご連絡下さい。また、管理委託牛から生まれた子牛は、管理者が自動登録実施農家である場合は、その母牛の所有者名義で登録します。
照会回答システム(新規)
冒頭では申込みの事故解消に向けてのお願いを記しましたが、関連して本年3月より当協会支部・承認団体向けの照会回答システムの運用を開始することになりました(予定)。
詳しくは本年1月末から2月上旬の東西の登録事務担当者会議でご説明しますが、本システムでは各都府県団体に設置されている登録用端末から直接、事故回答用紙を印刷できるほか、添付書類を必要としない事故照会をオンラインで回答することが可能になります。また、農家別に事故照会中の申込牛の件数や一覧表の作成もでき、事故の解消に繋がると考えております。
最後になりますが、登録証明書がお手元に届いたら、ケースに仕舞う前にまずはお目通しをしていただき、万が一でも誤りがないかどうかをチェックしていただければと思います。

平成26年01月20日「基本計画承認決定」 〜第14回全日本ホルスタイン共進会〜
昨年11月21日開催の日ホ協理事会で「第14回全共」の基本計画が承認決定されたので、その概要をお知らせする。
名称
第14回全日本ホルスタイン共進会北海道大会
(サブタイトル:全日本ホルスタイングランプリ2015)
主催
  1. 共進会
    • 社団法人日本ホルスタイン登録協会
    • 実行主体:第14回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会
  2. 協賛催事
    • 第14回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会
開催期間
平成27年10月23日(金)から26日(月)まで
  • 平成27年10月23日(金):開会式、測定、写真撮影
  • 平成27年10月24日(土):審査・講評
  • 平成27年10月25日(日):審査・講評、チャンピオン決定審査
  • 平成27年10月26日(月):上位入賞牛パレード、閉会式
開催場所
  1. 安平(あびら)会場(仮称)
    • 北海道ホルスタイン共進会場【北海道ホルスタインエキシビションホール】
  2. 札幌会場(仮称)
    • 札幌市内
出品区分等
出品区分及び出品予定頭数は次のとおりとし、具体的な出品区分及び条件、出品牛の資格等については、日ホ協が別途「第14回全日本ホルスタイン共進会規則」において定める。
  1. 出品区分:ホルスタイン種14部門及びジャージー種4部門の計18部門とする。
    1. ホルスタイン種
      • 未経産:第1〜55部(うち後代検定娘牛2部門)
      • 経産:第6〜14部(うち後代検定娘牛2部門)
    2. ジャージー種
      • 未経産:第15・16部
      • 経産:第17・18部
  2. 出品予定頭数:400頭
    1. ホルスタイン種
      • 一般:10部260頭
      • 後検娘牛:4部80頭
      • 高校生特別枠:20頭
    2. ジャージー種
      • 一般:4部40頭


協賛催事の開催
共進会に併せて、以下の協賛催事を開催する。
  1. 酪農資材器具展・技術交流会
  2. 北海道の「食」及び「物産」ブース
  3. 牛乳・乳製品消費拡大イベント
会場施設等整備計画
  1. 共進会施設の整備
  2. 基本インフラ設備等の整備
  3. 仮設構築物等の整備
  4. 協賛催事開催施設の整備
家畜衛生対策
  1. 共進会会場における防疫体制
    • 会場内に一次〜三次エリアを設け、各エリアで消毒を徹底実施する。
  2. 出品牛の衛生要件の確認
    • 出品予定牛については、衛生対策要領の規定に則して、必要な衛生検査を実施し陰性を確認するとともに、適切な予防注射を実施する。
  3. 共進会会場搬入時の衛生対策の実施
  4. 共進会開催期間中の衛生対策の実施
広報計画
  1. シンボルマーク等の決定
  2. 広報宣伝用ポスター等の作成
  3. 大会公式ホームページの開設
  4. マスコミによる広報・宣伝の実施
  5. その他広報・宣伝用ツールの作成・配布
交通輸送計画
  1. 共進会会場駐車場の利用
    • 会場内に大会関係者用並びに出品・出展者等大会参加者の連絡用車両のための駐車場を設置する。
  2. 臨時駐車場の設置及び会場アクセスの確保
    • 共進会会場の近隣に家畜運搬車両や業務用車両及び一般来場者向け駐車場を確保する。また、一般来場者等の共進会会場への移動の利便性、安全性確保のため、臨時駐車場と共進会会場間にシャトルバスを運行する。
  3. 公共交通機関の活用促進
    • 会場周辺の混雑防止等から公共交通機関の利用を呼びかけるとともに、利便性確保のために、新千歳空港及び最寄りのJR駅と共進会会場の間にシャトルバスを運行する。
警備計画
  1. 共進会会場内の警備
  2. 臨時駐車場及び周辺区域の警備
  3. 警察官の巡回等
防火・救護等計画
  1. 防火対策の徹底
  2. 救護所の設置
  3. 環境・衛生対策の実施
以上の内容で基本計画が承認された。

平成26年01月20日「検定成績優秀牛」 〜都府県、25年12月証明分F偏差値〜


平成26年01月20日「鳥取県初のジャジング開催」 ~19都府県から93名参加~
全国ホルスタイン改良協議会(木田有会長)は11月28日から2日間、鳥取県において地元同志会(佐藤俊彦会長)並びに大山乳業農業協同組合(幅田信一郎代表理事組合長)の協力のもと平成25年度ジャジング・スクールを開催した。
このスクールは、酪農家の「牛を見る目」を養成し、酪農や乳牛改良への意欲高揚と、後継者の育成、牛飼い仲間の親睦交流を目的として昭和57年から毎年開催されており、今回で35回目を数える。
全国から同志が集う
今回は、初回受講の「一般」36名、2回以上受講の「ジャジマン候補」30名に加え、認定ジャジマン7名が参加したほか、地元の県立倉吉農高の学生3名を含め、19道府県から受講生や関係者など総勢93名が参加して「牛の見方」について2日間の熱心な研修が行われた。
初日の開講式では、木田会長から主催者を代表して感謝の意が述べられた。次に、パネラーのTOMMY-HILLINTERNATIONAL代表取締役の荒木敏彦氏から乳牛のジャッジについての講義が行われた後、一般クラスとジャジマン候補クラスに分かれ研修が行われた。
序列付と審査講評技術の研修
一般クラスは講義室でホルスタインの審査標準をはじめ乳牛審査の優先順位や好ましい審査手順、審査好評のポイントについて講習を行った。
ジャジマン候補クラスは家畜市場に移動して、ホルスタイン種未経産1クラス・経産2クラスの計3クラス(4頭1組)について、それぞれが序列づけを行い、答案提出後には指名された受講生が審査講評した後に、パネラーの荒木氏による模範解答に基づき、全員で熱心なディスカッションが行われた。
酪農講演会の開催
また、特別講演として大山乳業農業協同組合の今吉正登課長代理を講師に招き、「鳥取県における暑熱対策事例」と題し、換気扇を使った直接換気や屋根散水・石灰散布による輻射熱の軽減、遮光ネット設置等による牛舎対策など、鳥取県内での取り組み事例とその効果について講演が行われた。
序列付にチャレンジ
翌日、受講生全員が家畜市場に移動し、鳥取県内から集められたホルスタイン種未経産2クラス・経産2クラスの計4クラスについて、初日と同様の研修が行われた。
最後に、木田会長からパネラーを3年務めた荒木敏彦氏に謝辞が述べられ、スクールは閉会した。
ジャジマンの認定
なお、今回優秀な成績を収めたジャジマン候補者は、全国ホルスタイン改良協議会のジャジマンとして認定される予定。


平成26年01月20日「カナダ酪農視察研修」 ~日本ホル協審査委員國行将敏~
2013年11月5日から11日までの7日間、カナダ・ホルスタイン酪農視察研修として、カナダの酪農家とロイヤル・ウインター・フェアを視察してきました。そこで、印象に残ったことや思い出を紹介いたします。
酪農家4戸を視察
カナダ到着後、まずカナダ五大湖付近のオンタリオ州の酪農家4戸を視察しました。370haという広大な耕地を所有している農家や、体型の整った牛群を所有している農家など様々でしたが、初めて海外の酪農を見る私にとっては、いずれも新鮮でした。フリーストールで敷料に砂を用いている牛舎では、梁に鳥がとまらないよう、梁を無くした構造であり、強度を確保するためか、柱が多くあるのが印象的でした。また、クオリティ牧場では97点のPamやFrantiscoの娘牛など高得点の牛が多く、非常に体のサイズのある素晴らしい牛たちを多く見ることができました。高さもそうですが、幅広い胸とよく開帳した肋骨、中躯が充実している牛が多数見られ、前乳房はしっかりと腹壁に付着し、後乳房の付着は高く幅があり、多くのミルクを作り出すことが容易に想像できました。骨格の構造や乳房の良さが高得点を多く輩出している証拠であると感じました。
次いで、ロイヤル・ウインター・フェアについて紹介いたします。フェア自体は11月1~10日と長期間にわたり、オンタリオ州トロントのエキシビションプレイスで開催されました。牛だけでなく、馬や羊、豚などの家畜のショウの開催とともに、農業に関する分野の展示や畜産加工品の販売など大きな農業祭で、会場には子供や学生が多く訪れ、農業に関する学習する場でもありました。
成年級でも底面高い!
今回2日間の共進会視察では、ホルスタイン種のレッド&ホワイト(R&W)とブラック&ホワイト(B&W)のショウを見ることができました。
R&Wショウは、15部81頭の出品。頭数も少ないので、メイン会場のリコーコロシアム(アイスホッケー場)と隣接する施設で行われ、近くに設置された仮設スタンドからは、出品牛の優美な体型を目近に見ることができました。未経産では10ヵ月未満とは思えない体格の素晴らしい牛が出品され、歩様も正確で、よく調教されていることが窺えました。経産牛は鋭角的で肋の開張もよく、乳房の付着が強く底面の高い牛が揃っていました。
R&Wショウ終了後のB&Wショウは、未経産8部163頭、経産8部148頭、合計16部311頭の見応えのあるものでした。ショウは1部からが同じ会場で始まりました。このクラスも、R&Wショウと同様に、サイズのある子牛ばかりが出品されていました。中には、6ヶ月齢といっても体高は9ヶ月齢の子牛と変わらないくらいのサイズのある牛も出品されていました。
翌日はメイン会場であるリコーコロシアムでB&Wショウが3部シニアカーフ(12~14ヶ月齢)から再開されました。アイスホッケーの会場とあって観客席が高く作られていて、見下ろすようになるため、できるだけ低いところに席を陣取りました。前日に見たショウの距離感ではないので、小さく見えてしまうのですが、それでも12ヶ月クラスの牛で体高が140~150㎝くらいあるのではと思うような、サイズのある牛が多く見られました。経産牛は全体的にバランスのとれた体型で、肋の開張が良く、乳房も特に後乳房の付着の高い牛ばかりが多く、また5才クラスの上位3頭は、乳房底面が非常に高いことが印象的でした。


まさかのプレゼンター
ところで、ショウの副賞である楯を当協会では毎年出していますが、今回、協会代表として私がプレゼンターをすることになり、会場に下りて牛を同じ目線で見る機会がありました。近くで見ると、骨格構造が正確で、特に体高に見合った幅があり、胸の幅は広く肋の方向は後方に伸び、よく開張して鋭角的。乳房は付着が強く後乳房の高さや幅があり、しかも底面が高い。観客席からではよくわかりませんでしたが、こんなに素晴らしい牛を間近で見ることができたことに感激しました。
フィナーレとなるグランドチャンピオン決定戦では、会場の照明を落としてスポットライトで照らされながら会場に入場してくる演出は、日本の共進会にはないものであり、感動させられました。
今回、初めてカナダの酪農およびショウを見ることができ、充実した視察研修となりました。

平成26年01月20日「効率的乳牛改良へ」 ~日ホ協審査部~
酪農経営を行う上で、乳牛に求められる究極のものは泌乳能力であり、乳牛の本当の価値はその牛が一生涯にどのくらいの乳量を生産したかによって決まる。言い換えるならば、生涯生産能力をより一層高めていくことが生産コストの低減と収益性の向上につながる。
審査の意義
長い期間に渡って高い泌乳能力を維持するには、健康で骨格のしっかりした体型と付着・形状のよい乳房、丈夫な肢蹄等が必要であり、これらは飼養管理や搾乳管理の作業効率を高める上でも重要な役割を担っている。
体型は生産性や強健性などの機能を伴うものであり、外見上に表れるそれらの機能を早期に的確に見定めることが体型審査であり、その牛が生涯に渡って高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する重要な手法となる。
審査受検方法
ホル雌牛が審査を受ける方法としては2つのプログラムがあり、まず、牛群審査では飼養する牛群内の登録経産牛全頭を対象とし、申込みによって行う。
また、体型調査事業では後代検定材料娘牛(初産検定中)を飼養している牛群検定農家の登録初産牛を対象に行うもので、都府県では毎年前期・後期の2回、日ホ協の審査委員が現地の担当者とともに県内を巡回し、審査を行っている。
実際の審査では、ハンディパソコンを用いて、各個体の体型について得点評価と線形評価を行い、審査直後にその場で審査結果を打ち出し、受検農家における直近の遺伝情報や種雄牛情報と合わせて審査結果の説明や交配、管理等のアドバイスも行っている。
審査結果は審査成績証明されるとともに種雄牛および雌牛の遺伝評価にも利用され、遺伝情報として酪農家にフィードバックされている。
最後に
牛群検定の実施と共に牛群審査を定期的に受検することは、牛群水準の向上には勿論、飼養管理や個体販売、さらには遺伝的改良を有利に進めることができ極めて有効である。
乳牛改良をより効率的に進め、収益性の高い酪農経営を確立するため、是非とも受検をご検討願いたい。
審査日程
  • 茨城県・・2月12~22日
  • 東京都・・1月21~22日
  • 新潟県・・1月27~31日
  • 長野県・・2月4~14日.
  • 福岡県・・1月29~2月7日
  • 佐賀県・・2月3~4日
  • 長崎県・・2月5~7日


平成26年01月20日「生涯乳量」 ~都府県25年11~12月~
25年11~12月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㌔以上の高記録牛112頭を示した。今回は上位10頭が総乳量10万㌔を突破した。
1位・金井真一さん(長野県)所有「ジーエスハリエットカビーET」
生涯乳量トップは、金井真一さん(長野県)所有の「ジーエスハリエットカビーET」(平12.10.14生、父マンフレッド)の検定回数9回で検定日数3,417日、総乳量13万2,401㌔、総乳脂量4,635㌔、平均乳脂率3.5%、総乳蛋白質量4,347㌔であった。今回9産目の検定成績証明を申請したことにより総乳量13万㌔超えを達成し、自身の持つ県内の歴代1位の記録を更新した。また、都府県の歴代記録では、第9位を獲得しており素晴らしい記録である。体型面においては、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、泌乳・体型ともに秀でた牛である。
2位・谷口学さん(京都府)所有「ラーンデールジャスティンアンナ」
2位は、谷口学さん(京都府)所有の「ラーンデールジャスティンアンナ」(平7.9.11生、父リンカーン)の検定回数11回で検定日数4,227日、総乳量11万9,204㌔、総乳脂量5,035㌔、平均乳脂率4.2%、総乳蛋白質量4,042㌔であった。本牛も、今回の検定成績証明により、自身の持つ府内の歴代1位の記録を更新した。また審査得点90点も獲得しており、泌乳・体型ともにバランスの良い牛である。
また、今回9位で同所有の「ラーンデールエースジュラーセカンド」(平13.2.19生、父ジュラー)も検定回数8回で検定日数3,407日、総乳量10万1,943㌔、総乳脂量4,013㌔、平均乳脂率3.9%、総蛋白質量3,332㌔で、今回の検定成績証明により総乳量10万㌔を突破した。これにより、府内の総乳量10万㌔突破牛は2頭となった。
3位・鈴木正さん(新潟県)所有「レコードリーレイダー」
3位は、鈴木正さん(新潟県)所有の「レコードリーレイダー」(平12.3.4生、父リー)の検定回数8回で検定日数3,178日、総乳量11万5,266㌔、総乳脂量3,537㌔、平均乳脂率3.1%、総乳蛋白質量3,559㌔であった。今回の検定成績証明により、県内の歴代2位の記録を獲得した。
4位・中六角保広さん(岩手県)所有「リバティファーム プレステージ アウトサイドマスター」
4位は、中六角保広さん(岩手県)所有の「リバティーファームプレステージアウトサイドマスター」(平12.2.19生、父アウトサイド)の検定回数11回で検定日数3,436日、総乳量11万3,586㌔、総乳脂量4,539㌔、平均乳脂率4.0%、総乳蛋白質量3,427㌔であった。本牛は、平均乳量が1万㌔を超える高泌乳牛であり、今回の証明で県内の歴代9位を獲得した。
また、5位鈴木篤さん(埼玉県)、6位新海益二郎さん(長野県)、7位石川昭さん(栃木県)、8位原忠雄さん(兵庫県)、10位鈴木洋一さん(千葉県)所有牛も総乳量10万㌔を突破し素晴らしい成績を残している。
前述の牛を始め、13位新海益二郎さん(長野県)、17位駒場靖史さん(栃木県)、24位(有)加藤牧場(埼玉県)、41位青木洋介さん(埼玉県)、45位佐藤信彦さん(茨城県)、55位川田佳男さん(栃木県)、64位小針勤さん(栃木県)、77位、105位小林正春さん(長野県)、81位植木靖さん(栃木県)、89位佐藤栄さん(岩手県)所有牛は、審査得点EXを獲得している。最近は乳量・乳脂成分の好成績プラス体型の良い高得点牛が多くなってきている。やはり、体型の良い牛は長持ちし、長命連産牛が多い証であろう。


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平成26年01月20日「海外種雄牛評価成績」 ~2013-12月公表~
家畜改良センターから12月3日、海外種雄牛2013-12月評価が公表された。
1位・ルーブル
昨年12月、新規選抜から丸一年トップを堅守4連覇となった。母系は5代続けて種雄牛の母牛となるなど、能力の高いファミリー。
NTPで今回唯一4,000台を突破し+4,075。後乳房は高く幅があり、前乳房の付着並びに靭帯も強い。肢蹄も良好で、厚い蹄をもつ。
2位・クレイマー
前回公表で95位から2位にジャンプアップし、そのまま同順となった。牛舎に長く生存する耐久性成分が高い。
3位・カンクン
前回6位からアップ。父の「プラネット」は今回19位であるが、長きに渡り上位に君臨し、海外でもTPI並びにLPIでもトップになった実績を持つ、世界でも認められている種雄牛。体型改良に期待がもてる。
4位・オーソリティ
新規選抜。乳房の形状と強い中央靭帯が乳器全体の改良に期待。アウトクロス安産型として未経産牛への交配に推奨。


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