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機関誌

機関誌内容一覧

平成27年03月20日


平成27年03月20日「審査頭数微減で終了」 ~都府県、26年度審査・調査実施状況~
審査35頭減、調査766頭減
平成26年度の都府県におけるホルスタイン種の審査は42都府県で9,268頭を実施し、前年より35頭の減少。一方、家畜改良推進事業に係わる体型調査は、前年度より事業予算が6%減少したことを受け、45都府県で1万1,294頭と昨年より766頭減少した。
ジャージー種の審査は89頭(前年比14頭増)で、ブラウンスイス種3頭(前年と同じ)であった。
また、審査得点90点以上(EX=エクセレント)に評価された雌牛はホルスタイン種256頭、ジャージー種1頭で前年度より4頭減少したが、これで都府県では95点3頭、94点8頭、93点33頭が誕生した。
円安を主因とする生産コスト増の厳しい酪農情勢の中で審査頭数が微減となったのは、酪農家並びに関係者の努力の賜物。
受検頭数1位熊本・2位岩手
都府県別審査頭数では、熊本県が1,105頭で最も多く、次いで岩手県1,015頭と2県が1,000頭を超え、群馬県、栃木県、愛知県、千葉県、宮城県が追随している。前年と比較すると、熊本県が岩手県を抜いて1位となり、愛知県が千葉県を抜き第5位となった。審査頭数も上位6県で都府県の46%を占める。
一方、体型調査では、各県計画頭数に基づき、1,716戸を巡回し、後代検定材料娘牛3,108頭、同期牛8,186頭、計1万1,294頭の体型データを収集した。
調査頭数では熊本県が1,292頭を実施し、他県を大きく引き離し、15年連続のトップとなった。次いで岩手県、鹿児島県、福岡県、群馬県の順。
牛群審査と体型調査の合計では、熊本県2,397頭のほか、岩手県1,791頭、群馬県1,336頭、栃木県1,276頭、愛知県で1,032頭と1,000頭を超えた(表1)。

最多頭数・改良センター
審査頭数が最も多かった牧場は、(独)家畜改良センターの203頭、次いで宮城県(有)半澤牧場の114頭、埼玉県の(有)加藤牧場の104頭、岩手県の小岩井農場の102頭と、4農場が100頭を超えた(表2)。
審査・調査の得点分布
ホルスタイン種雌牛2万558頭の平均得点は81.6点であり、昨年と同点。また、初産における審査・調査1万4,388頭の平均得点は79.7点でこれも昨年と同点であった。なお、体型調査1万1,294頭の平均得点は79.2点であり、昨年より0.1ポイント低下した(図)。


後期EX124頭
平成26年度後期の都府県における、審査得点EXに評価された雌牛を表3に示した。
前期・後期を合わせた県別では、熊本県が35頭と最も多く、次いで岩手県24頭、栃木県、岡山県(ジャージー1頭含む)の21頭、群馬県の20頭、長野県の11頭、鳥取県の10頭と続き、過去最多の昨年に次ぐ256頭となった。
本年度、93点以上獲得した雌牛は、岡山県・吉原直樹さんの「グランデイール スター PTギン」の95点、岩手県・鈴木文雄さんの「セブンスヘイブン BJ ダーハム」、栃木県・和田泰さんの「リージャント ダンデイー ライラック ET」、鳥取県・佐藤俊彦さんの「シュガー セルマ ストーマテイック ローチ ナカヤマ」の93点の4頭であった。
また、後期でホルスタイン種において次の牧場で初のEXが誕生した。宮城県・菊池武士氏、茨城県・荻野広司氏、群馬県・(有)KC牧場、阿部秀章氏、愛知県・山田良治氏、熊本県(株)荒木牧場、(有)大城戸牧場、斉藤和彦氏、宮崎県・浜崎太一氏、ジャージー種において、岡山県・万庭佳明氏でした。長年に渡り続けてきた努力が改良の成果として現れたもので、今後の更なる活躍を期待する。
なお、ホルスタイン雌牛の審査で初めてEXに評価する場合は次の条件を全て満たすことが必要。
  1. 3産以上で正常分娩している。
  2. 305日検定の実乳量が9,000㎏以上である。
  3. 泌乳中である。
  4. けいれん肢がない。
  5. 融合乳頭がない。


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平成27年03月20日「審査日程」 ~都府県平成27年4月~8月~


平成27年03月20日「登録の現況」 ~消費税増税の反動から13.4%の減日本ホル協登録部~
都府県の平成26年度中間(平成26年4月から27年1月末日現在)の血統登録雌牛申込み頭数は、3万1,204頭となり、前年同期と比較して頭数で4,808頭、率にして13.4%の減少となっています。
東日本大震災や原発事故に伴う災害に端を発して大きく落ち込んだ登録頭数がここ2年間で少しずつ持ち直し、ようやく平年並みで推移していたものが、昨年4月の消費税増税の影響で3月までの駆け込み申込みが相次ぎ、25年度は前年比114.8%と大幅増からの反動がきたものと考えられます。
25年度の反動
すなわち、25年度は「個別申込み」にあっては例年ならば3月末日で締めるところを各県からの要望もあり、年度を越えて25年度分として処理したこと。また、「自動登録」にあっても当初は3月半ばに締める予定と発表しましたが、当協会社員並びに支部・承認団体の強い要請を受けて3月末日出生報告分まで遅らせてデータを4月半ばに取り込んだこと。
以上の様な対応をしたことで25年度は前年に比べて大幅な増加に繋がったものですが、26年度は1か月分が最初からなかったものとして始めるほかありませんでした。
但し、最近3か月はほぼ前年並みで推移しているところで、少しでも挽回できるよう関係各位のご支援をお願いしたいと考えております。
一方、例年のことですが猛暑による受胎の遅れや配合飼料・輸入乾牧草が為替レートの関係で大きく高騰しており、加えてTPP交渉での先行き不透明感が影響してか酪農家の廃業が相次いでおり、今後も予断を許さない状況と考えらます。
さて、表には県別の血統登録をはじめ各種申込み頭数並びに会費納入件数をお示ししました。
前年同期比で血統登録申込み頭数が大幅に増加した県はほとんどなく、僅かに群馬県だけが303頭の増加となっています。逆に3桁以上の減少となっているのが北は岩手県から南は鹿児島県に至る17県と多くなっています。
自動が過半数
一方、登録申込みに占める自動登録のシェアは徐々にではありますが増えています。同時期における申込み頭数は1万5,893頭で全体の50.9%となり、昨年に続いて過半数を超えました。
しかしながら、前年同期に比べて2,191頭、率にして12.1%の減少となっていて、その理由は前述のとおりです。
影響少ない会員数
表には移動証明申込み件数の状況もお示ししましたが、前年同期比では減少傾向です。
ご承知のとおり、自動登録農家にあっては家畜改良センター個体識別部に所定の異動報告を済ませれば、当協会では該当牛の登録原簿上の移動を完了させ、あえて料金が必要な移動証明は推進していません。自動登録が90数%になる北海道では特にその傾向が顕著です。
さらに、都府県にあっては酪農の先行きが不透明なため導入を躊躇している方も多いと推測されます。
最後になりましたが、会費納入件数を表の一番右側にお示ししました。1月末までに5,173戸の方から会費をいただいていて、前年同期比94.8%とやや減少で推移していますが、血統登録頭数ほどの減少ではありません。県によっては年度末に一括納入というケースもみられるため、今後に期待したいと考えています。

平成27年03月20日「『品川牧場』5年間で1,000頭超え」 ~26年次都府県登録状況~
都府県で昨年1年間に血統登録された雌牛は4万7,006頭、登録実施戸数で4,424戸、前年より頭数で340頭、戸数で158戸減少した。また、酪農家1戸あたりの血統登録頭数は前年よりも0.3頭増加し10.6頭で、年々増加している。
26年次都府県登録頭数は平年並み
表1には最近6年間の都府県登録頭数と実施農家戸数の推移を示した。
登録件数の推移を見ると、年間4万7,000頭で推移していたが、東日本大震災の影響で平成23年は4万3,465頭と減少した。24年は増加に転じ25・26年は4万7,000頭と平年並みとなった。登録実施戸数は歯止めがかからず減少の一途を辿っている。
最多登録頭数は(有)品川牧場459
表2に昨年1年間に血統登録を実施した上位会員を示した。集計では親子などは1つにまとめて登録頭数の多い会員名で表示した。
登録頭数の最も多かった会員は5年連続品川牧場(群馬)で459頭であった。当牧場は前年より登録頭数を91頭増加し、過去5年間では1,000頭を優に超えている。2位は家畜改良センター(福島)の278頭。3位は野村栄一さん(茨城)が276頭、4位はロマンチックデーリィファーム(群馬)が261頭、5位はPIONEERFARM(茨城)が238頭であった。
以下、小岩井農場(岩手)、古川牧場(群馬)、霧島第一牧場(鹿児島)、渡邊里志さん(熊本)、箸荷牧場(兵庫)、足立松吾さん(岐阜)、柴田平さん(茨城)、中上秀夫さん(岩手)、赤羽根PVファーム(愛知)、小島興人さん(福岡)、KC牧場(群馬)、小柳吉成さん(新潟)、木戸卓仁さん(兵庫)、竹信牧場(岡山)、伊藤髙行さん(栃木)、ツバヌキ牧場(鳥取)、洞田貫牧場(熊本)、幸鷹牧場(熊本)の23戸が100頭以上を登録し、5戸増加で、55頭以上では4戸増加となった。
この55頭以上の登録を行った65農家には自動登録農家(会員名前に*印)が46農家(71%)で、多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など自動登録のメリットが大きい。

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平成27年03月20日「全国ホルスタイン改良協議会」 ~ジャッジマン・11名認定~
全国ホルスタイン改良協議会(木田有会長)は平成27年2月20日、家畜改良事業団会議室において第36回通常総会を開き、平成26年度事業報告並びに収支決算報告、平成27年度事業計画案並びに収支予算案、認定ジャッジマン規程の改訂案について協議し、全て原案どおり可決承認された。
26年度事業等報告
事業報告では、栃木県でジャジング・スクールを開催し、一般参加者・ジャッジマン候補者・認定ジャッジマン・農業高校2校並びに地元関係者を含め、総勢127名が参加したことが報告された。
27年度事業計画では、沖縄県では初となるジャジング・スクールを3月5日から6日までの2日間にわたり開催すること、セミナー・酪農講演会については、時々刻々と変わる世界情勢、或いは国内の情勢について研修会を開催し、国内優良遺伝子の有効活用が図れるよう情報発信を行っていくことが報告された。
また、認定ジャッジマン規程の改訂では、これまで5ヶ年間に3回以上の受講(目合せ)を義務付けていたが、毎年開催地を移動して実施しているため、遠方からの参加が難しい状況を踏まえ、その受講回数を2回に改定することが可決承認された。
新たに11名を認定
全国ホルスタイン改良協議会の認定ジャッジマンは平成26年度の認定11名を加え、99名となった。全国のショウリングで活躍の場が広げられるよう、共進会・ブラックアンドホワイトショウでの活躍に期待したい。
平成26年度認定ジャッジマン
(敬称省略)
  • 遠藤保(岩手県)
  • 深瀬幸二(山形県)
  • 足利秀忠(福島県)
  • 伊藤宏(神奈川県)
  • 仲川和寛(静岡県)
  • 中原仁(岡山県)
  • 辻賀裕(岡山県)
  • 小原浩充(長崎県)
  • 松島太一(熊本県)
  • 岡島建一郎(大分県)
  • 高橋裕(ABS(株))

平成27年03月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成27年2月証明分F偏差値~

平成27年03月20日「人事異動」 ~日本ホル協~
(3月19日付)
◇定年(登録部長)
大西信雄
(3月20日付)
◇参与兼登録部長
大西信雄

平成27年03月20日「今後の行事」 ~日本ホル協~
  • 第274回理事会
    • 開催日:3月27日(金)
    • 会 場:日ホ協会議室
  • 決算監査会
    • 開催日:5月15日(金)
    • 会 場:日ホ協会議室
  • 日本ジャージー登録協会理事会・総会
    • 開催日:5月22日(金)
    • 会 場:北海道札幌市・ホル農協会議室
  • 全国ジャージー振興協議会委員会・総会
    • 開催日:5月22日(金)
    • 会 場:北海道札幌市・ホル農協会議室
  • 第275回理事会
    • 開催日:5月24日(日)
    • 会 場:北海道安平町・共進会場内会議室
  • 第276回理事会、第65回通常総会
    • 開催日:6月19日(金)
    • 会 場:東京都中野区・中野サンプラザホテル
  • 地区別登録委員研修会
    • 会場:東北地区=秋田県
    • 中部北陸地区=新潟県
    • 近畿地区=大阪府
    • 中国四国地区=愛媛県
    • 九州地区=熊本県


平成27年03月20日「計画中付帯行事・会場等」 ~第14回北海道全共~
第14回全日本ホルスタイン共進会まで、残すところ217日と迫った。少しずつであるが、付帯行事等の内容が示されてきたので紹介する。
都道府県出品割当
今大会に残念ながら出品を断念したところが、石川県、滋賀県、和歌山県、大阪府の4府県となり、全国43都道府県387頭の出品予定となった(ホル一般枠251頭、後代検定枠81頭、高校特別枠21頭、ジャージー一般枠34頭)。なお、計画頭数の400頭未達の為、増頭は可能であり、変更は7月31日まで。
出品申込締切日
第2期出品申込締切日を9月28日から20日に変更依頼をしたが、既に最終選考日を決定し(会場の都合等)、変更できない県等があることから、極力9月20日までに申込書類の提出を願う。
シンジケート名義の出品
一般枠は「1シンジケート2頭まで」。飼養条件の関係で、出品はその牛を管理しているシンジケート構成員とする。また、その構成員が一般枠に出品するときは、シンジケート牛を含めて「1戸2頭まで」とする。
出品牛の搬入・搬出
搬入は10月17日~21日、6時~17時までとするが、時間延滞を希望する場合は事前に連絡する。
搬出は10月26日の13時からとするが、時間延長は可能。ただし27日は家畜市場の開設準備(牛舎の清掃・消毒)のため、搬出は午前中(12時)までに完了すること。
会場の防疫体制
共進会場内に一次及び二次消毒エリアを設定し、次のとおり家畜衛生対策の徹底を図る。
①一次消毒エリア
共進会場全体を一次消毒エリアと設定し、消毒ゲートにおいて全ての車両へ消毒液の噴霧を行うとともに、会場内への車両進入を制限する。
出入口に消毒用ミスト散布用テントを設置して、全ての入場者を対象に消毒を実施する。
手順は、消毒用マットによる靴底の消毒→薬液による手指の消毒→薬液のミスト散布による衣類・バック等所持品の消毒した後、入場できる。
②二次消毒エリア
審査会場、出品牛舎及びその周辺区域を二次消毒エリアと設定し、踏込消毒槽及び手指消毒薬液等を設置する。また、出品牛舎内については、入場者証を交付し、その立入を出品者、事務局及び出品委員等大会関係者に制限する。
休憩・仮眠用ハウス
既に出品頭数7頭に対し1棟を無料貸出として割当てを決定しているが、有料ハウスを希望した25棟分(15府県)は全て確保できる見込み。ハウスの設置は会場西側。
協賛催事等の概要(予定)
Ⅰ酪農資材器具展等
23日(金)9時45分~26日(月)12時【屋内及び屋外展示場】
Ⅱ高校生等後継者育成行事
①毛刈り講習会及びジャジング・スクール☆22日(木)午前【共進会場】
②高校生交流パーティー☆22日(木)12時~14時【第4牛舎】
③リードマン・スクール☆22日(木)午後【共進会場】
④高校生リードマン・コンテスト☆23日(金)13時~15時【共進会場】
Ⅲリードマン・コンテストの模擬開催等
☆24日(土)午前及び午後【札幌市の道庁赤レンガ前広場】
Ⅳその他
飲食・物販ブースの設営、ゴールデン・セールの開催、出品者親睦ゴルフ大会及びカラオケ大会等の開催を計画中。



平成27年03月20日「2連覇『オーソン』・新規7頭」 ~2015-2月国内種雄牛評価~
表には2月24日評価成績が公表された精液供給可能な国内種雄牛72頭のうち、NTPトップ30の種雄牛を示している。今評価モデルが変更となり、順位の動きがどうなるか注目された。
そんな状況で、NTPトップ40には、新規選抜牛が7頭登場した。
1位・「オーソン」
トップを飾ったのは、前回8月評価で新規選抜された『オーソン』が2連覇を果たした。多くのショウカウを輩出している「ゴールドウィン」と異父兄弟の「ページワイアー」と「シャーキー」の交配で誕生。母系は、米国TPIで2回連続1位に輝いたオメガファミリー。Fat(乳脂)率10位、SNF(無脂乳固形分)率5位、P(乳蛋白質)量10位、同率6位と乳成分全般の改良に優れ、体型面でも決定得点3位、体貌と骨格5位、乳用強健性7位、乳器7位と、正確な骨格を持ち、坐骨の角度も低く理想的。前乳器の付着は強く、後乳房の付着は高く幅広い。
2位・「レガリア」
2位には『レガリア』がジャンプアップした。13年8月10位で新規選抜され、その後13位→11位→2位となった。「Tバクスター」と「ゴールドウィン」との交配。母系は8代連続エクセレントを獲得しているサタディファミリー。娘牛は乳用強健性に極めて富み、尻の角度は斜尻傾向。乳器の前後の付着は強く幅広く、乳房底面も極めて高い。Fat量4位、決定得点7位、乳用強健性10位、乳器4位、長命連産効果9位。
3位・「ストーン」
3位には前々回新規で首位を飾り、前回3位であった『ストーン』。「バーンズ」と「フインリー」との交配でレッドキャリア。乳量2位、SNF量2位、P量1位、決定得点5位、体貌と骨格4位、肢蹄6位、乳用強健性9位、乳代効果2位と高い産乳能力と体型改良効果が期待できる。
4位・「ギャラクシー」
4位は前回2位で新規選抜された『ギャラクシー』。父は生産能力と乳器の優れた「プラネット」、母は世界を代表する「コスモポリタン」。鋭角性に富み産子難産率6位の安産タイプ。乳量1位、Fat量2位、SNF量1位、P量1位、乳代効果1位と断トツの乳量改良を誇る。
5位・「SP」
5位には、13年8月新規選抜され4位→11位→8位→5位となった『SP』で「Tバクスター」と「オーマン」の交配。母系は世界に広く知られている「サウスウインド・ケイ」の血筋を引き、雌牛NTPでも上位に数頭選抜されるブランディファミリーから生産された種雄牛。娘牛は、中程度のサイズで尻の角度良く坐骨幅に富み、蹄の角度も大きい。前乳房の付着は強く、懸垂も強い。Fat量1位、同率5位、SNF量10位、同率7位、P量3位、同率9位、乳代効果7位。
新規選抜牛は7頭
新規牛では、13位『ハスキー』は、乳量5位、SNF量6位、決定得点2位、体貌と骨格10位、乳器2位と体型、特に乳器の改良と乳量に期待される。18位『エグザイル』は、決定得点8位、肢蹄1位と肢蹄の改良に優れている。26位『ニホロ』Fat率6位、SNF率6位、P率6位で成分率の向上に優れている。29位『ラストショー』SNF率9位、長命連産効果6位。31位『シグナル』SNF率9位、P量7位、P率10位。高い成分量と率でオールプラス。32位『ロンリー』乳量7位、SNF量5位、乳代効果5位。39位『エトロ』は、乳量8位、肢蹄10位、乳代効果6位であった。


平成27年03月20日「全国1位スプラッシュ」 ~26年次種雄牛登録娘牛頭数~
日本ホル協では、平成26年に血統登録された雌牛の父牛(種雄牛)について調べてみた。
表1には、全国で血統登録された雌牛頭数等を示し、その頭数は20万1,694頭で、その父牛数は1,654頭を数える。地域別では、北海道が種雄牛1,155頭で登録娘牛15万4,688頭、都府県は1,404頭の種雄牛から4万7,006頭が登録された。
また、種雄牛1頭当たりの登録娘牛頭数は、全国で122頭であるが、北海道の134頭に対して、都府県は僅か33頭に留まった。
国内種雄牛割合は58%
国内並びに海外の繋留別では、国内種雄牛949頭による登録娘牛11万7,210頭で登録全体の58%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は705頭による登録娘牛8万4,484頭で登録全体の42%を占め、その割合は昨年と同じであった。
次に全国で5,000頭以上の登録娘牛をもつ種雄牛は4頭、3,000~4,999頭が5頭、1,000~2,999頭が38頭、100~999頭が179頭、99頭未満が1,428頭であり、その上位39頭の種雄牛で登録娘牛全体の50%を占めた。
県別の国内と海外種雄牛の登録娘牛頭数を表2に示し、登録に占める海外種雄牛の割合を地図に落とした。
地域別に海外種雄牛の割合を見ると、北海道が41%と全国平均の42%を僅かに下回った。都府県では、東北地区の宮城県が57%と一番高く、青森県47%、福島県45%と続いた。その他は全国平均を大きく下回り、山形県29%、岩手県、秋田県は30%台で3割程度しか利用していない。
関東地区では埼玉県、群馬県が3割と低いが、神奈川県73%を筆頭に茨城県、栃木県、千葉県、東京都と全国平均を上回るところが多かった。
中部・北陸地区では静岡県66%、山梨県55%、新潟県47%と利用率が高く、他県は平均以下。特に福井県は7%と国内種雄牛の利用率が非常に高い。
近畿地区では京都府が61%と突出しているが、他は低く、滋賀県では6%であった。
中国・四国地区では徳島県、高知県が60%、鳥取県54%と割合が高く、広島県、香川県が低い。
九州地区では大分県が60%と高く、他は50%前後。宮崎県が35%と一番低かった。


最多登録娘牛頭数はスプラッシュ
表3には26年次の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。
北海道ではスプラッシュが、登録娘牛9,807頭で前年実績8,942頭から大きく伸ばしトップとなった。2位はスパークリング、3位ドリーム、4位ジアンビ、5位アイオーンの順。
都府県ではトップガンが登録娘牛1,379頭で1位、2位スプラッシュ、3位スパイラル、4位ジアンビ、5位スパークリングであった。
因みに、全国集計では北海道の順位と同じく1位スプラッシュ、2位スパークリング、3位ドリームの順。

平成27年03月20日「遺伝的能力評価モデルが変更」 ~2015-2月評価から~
先月の2月24日発表の評価から泌乳形質及び泌乳持続性の遺伝的能力評価(遺伝評価)モデルが多産次変量回帰検定日モデルに変更された。
これまでの泌乳形質の遺伝評価モデルは、各産次の遺伝的能力(推定育種価や遺伝能力曲線)が同じであると仮定した変量回帰検定日モデル(従来モデル)であった。これでは、産次毎に遺伝的能力に違いがある種雄牛や雌牛の場合、遺伝的能力が過大もしくは過小評価される場合があった。
そこで、新たに採用された遺伝評価モデルでは、各産次(初産から3産)で遺伝的能力が異なると仮定した多産次変量回帰検定日モデル(新モデル)に変更された。
新モデルでは、産次毎の遺伝能力曲線や遺伝的能力の違いを考慮して評価することが可能になり、より細密な遺伝評価が期待される。また、産次別に遺伝的能力が分かることで任意の産次の遺伝的改良を行うことも可能になる。
多産次変量回帰検定日モデルとは?
①産次毎の推定育種価と総合育種価
下の図に示した通り、従来モデルでは1つの遺伝的能力が計算されたが、新モデルでは初産から3産の遺伝的能力が計算される。各産次の遺伝的能力は必ずしも等しくない。
また、各産次の遺伝的能力を1つにまとめた全産次を通じた総合的な遺伝的能力を表した「総合育種価」が計算される。
総合育種価は、各産次の重みを基に個体毎に各産次の検定日記録数を考慮した重み(係数)を各産次の推定育種価にそれぞれ掛け合わして求められる。
総合育種価は遺伝的能力の違いを比較できる。また、各産次の推定育種価は、牛群において改良を望む産次を絞って種雄牛を選択できる。なお、乳用種雄牛評価成績(赤本)には、総合育種価のみを掲載し、各産次の推定育種価及び総合育種価は、(独)家畜改良センターWebサイト等に掲載される。
②各形質の遺伝率及び遺伝相関
遺伝相関とは2つの形質間の遺伝的な関連性がどの程度あるかを表す。
全形質とも産次毎の遺伝相関が低く、産次毎に種雄牛や雌牛を序列した場合に、順位が各産次で同じ結果にはならない。また、初産の遺伝的能力と2産以降の遺伝的能力に違いが出る傾向にあり、初産の遺伝的能力が高くても2産以降の遺伝的能力が必ずしも高くはないことを示唆している。
遺伝ベースの変更の延期
個体の遺伝的能力は、基準となる年(ベース年)に生まれた検定牛(または審査牛)の平均値をゼロとして、そこからの差として表示される。遺伝評価値は、平均的な乳牛に交配した場合に期待される遺伝的改良量を表すことが望ましいため、定期的にベース年を変更する必要がある。現在は、2010-I評価(2010年2月)においてベース年を2005年に変更された。前回の変更から5年が経過する2015-2月評価においてベース年を2010年に変更予定であったが、形質によって評価値の変動幅が大きい場合があることから、遺伝ベースの設定方法(ステップワイズ方式やローリング方式)について検討することとし、遺伝ベースの変更を延期する。
総合指数の見直し宮崎県前原牧場が6位
2015-8月評価において総合指数の見直しを行う予定。新しい総合指数では、疾病繁殖成分に空胎日数と泌乳持続性が追加される。
【(独)家畜改良センターHP「2015-2月以降の評価に係る変更点」より抜粋】

平成27年03月20日「前原牧場(2.0年型)と 改良センター(3.5年型)がトップ」 ~26年次・年型別乳量と乳脂量~
平成26年1~12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
表中、全年型を通じての最高乳量は、鈴木進さん(北海道芽室町)所有の「スミーデールマリルイブリンゼイ」で、成年型365日で乳量2万5,852㎏、乳脂量995㎏、乳脂率3.8%であった。
牧場別では、奥孝さん(北海道富良野市)が最多の5部門でトップの成績を挙げている。
4部門で都府県牛がトップ
北海道勢が各部門で高記録を残す中、今回は4部門で都府県牛が部門トップとなった。
乳量では、2年型で前原直希さん(宮崎県)所有の「JリードマウイオーマンET」が305日乳量1万5,389㎏を記録し、同部門の都府県歴代記録1位を更新する素晴らしい記録となった。また、同牛は2年型の365日乳脂量の部門でも727㎏を記録し都府県歴代記録3位を獲得した。
(独)家畜改良センター(福島県)所有の「ロックイーグルスポッティルルプラネットET」が、365日乳量1万8,501㎏。また、同牛は3.5年型の305日乳量1万7,953㎏を記録した。この記録はセンター所有牛の同部門歴代記録1位であり、都府県歴代記録3位となる高記録であった。
この他にも都府県牛が各部門で上位となる好成績を残している。

平成27年03月20日「生涯乳量」 ~都府県27年1~2月~
27年1~2月に都府県で検定成績証明されたものの中から、表には生涯乳量5万㎏以上の高記録牛47頭を示した。今回、総乳量(M)10万㎏突破牛は誕生しなかった。
トップ・小針勤さん(栃木県)所有
「コバリクロシルドトリニティ」
生涯乳量トップは、小針勤さん(栃木県)の「トリニティ」の検定回数7回で2,053日検定、M8万4,642㎏、総乳脂量(F)3,528㎏、平均乳脂率(F%)4.2%、総乳蛋白質量(P)2,723㎏。
また、同牧場の「アーリー」が、M8万1,811㎏で3位に食い込んだ。本牛の最高乳量は2万721㎏で、平均でも1万6,000㎏を超える高泌乳牛である。この他に22位と27位にも同牧場所有牛が好記録を残している。
2位は、青木洋介さん(埼玉県)所有の「チャンス」の検定回数7回で2,383日検定、M8万3,532㎏、F3,009㎏、F%3.6%であった。本牛は、審査得点でEX(90点以上)も獲得しており、泌乳能力・体型能力ともに優れた牛である。
また、同所有の「コリン」がM7万146㎏で5位に入った。本牛もまた審査得点89点と高得点を獲得している。
4位は、佐藤範之さん(茨城県)所有の「スープ」の検定回数8回で2,373日検定、M7万8,400㎏、F3,155㎏、F%4.0%、P2,439㎏であった。
前述の牛を始め、8位・川田佳男さん(栃木県)、14位・新海益二郎さん(長野県)、20位、21位、36位・植木靖さん(栃木県)、24位、31位・石川和博さん(静岡県)、35位・藤岡俊策さん(岩手県)所有牛は、審査得点EXを獲得しており、体型においても優れた成績を残している。

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