平成28年01月20日
平成28年01月20日「新年ご挨拶」 ~(一社)日本ホルスタイン登録協会会長北良治~ | |
平成28年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 当協会の登録事業の普及・発展に対しまして、日頃より会員の皆様をはじめ関係各位には多大なご理解とご協力を賜り誠に有難うございます。 まず、昨年10年ぶりに開催しました第14回全日本ホルスタイン共進会が成功裏に終了することができました。これも偏に、10年間待ち望んだ会員の皆様方、酪農関係者、そして北海道の高橋はるみ知事をはじめとする道庁や北海道実行委員会とその参加団体等の方々のご尽力のお蔭で開催できたことを深く感謝申し上げます。 もう既に4年半後となりましたが第15回九州全共につきましても、準備委員会の発足などの立上げが始まっております。 | |
SNP記録で改良推進へ | |
さて、昨年10月にTPP交渉が5年半の末に大筋合意に達しました。重要5品目の聖域は必ず守るという国会決議は破られ、TPPが発効すれば段階的な関税撤廃の措置が進みます。 この他にも、日本の酪農を取り巻く環境は厳しく、東京電力福島原発事故の影響によるエネルギー政策への不安や、少子高齢化による後継者不足等々、先行きに対する問題が山積した中にあります。 政府には農業、畜産、酪農業の生産者が安心・納得して今後の日本の食糧生産供給を行えるような生産基盤強化の政策を展開していただくことを切望しております。 こうした厳しい社会・経済情勢の下で、当協会の登録事業は、会員数や登録件数等が漸減傾向を示しておりますが、このような時期であればこそ、酪農経営の基盤となる泌乳能力や繁殖性の向上、疾病予防、飼料効率改善への取組みが極めて重要になってきます。 当協会としては、自動登録を主体とした登録戸数・頭数の拡大を図るとともに、登録証を活用した遺伝病や近親交配の回避、体型審査による乳房や肢蹄等の改良を推進しています。また、登録や審査、牛群検定成績等によって推定される種雄牛評価成績に基づいて泌乳能力や長命連産効果の改良を働きかけております。 また、平成27年度からは、国の家畜改良推進事業に係る体型調査を受諾し実施して参りました。平成28年度には、自動登録同時SNP検査の実施を推進し、雌牛SNPデータを少しでも増やすことに努めます。それによりSNPデータと従来の後代検定による評価値を組み合わせることで参照集団が増え、さらに信頼度の高い遺伝評価値を得ることができ、世代間隔の短縮や遺伝的改良量の増大等、今後のわが国乳牛改良にとって大きな推進力になると考えます。 登録事業は乳牛改良・遺伝評価やゲノミック評価の基礎として、高い信頼性を持つものであり、利用しやすい情報の発信の実現に向け、本年も当協会事業に対しまして引き続き皆様方の特段のご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。 最後に、本年の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念して、年頭のご挨拶と致します。 | |
平成28年01月20日「確実に耳標付け出生届出を」 ~日本ホル協登録部より~ | |
全国の酪農家の方々に尋ねたいことがあります。それは、子牛が生まれて何日以内に耳標を付けていますか?また、その報告は何時行っているかということです。 仕事上、全国の酪農家にお伺いすると、しばしば見られるのが、既に数カ月は経っていると思しき牛にまだ耳標が付けられていないケースです。個人の習慣もあるので、あまり追求できませんが、当方として怖いのは牛の取り違えです。 | |
生後1週間以内に出生報告を | |
牛トレーサビリティ法では、「牛の管理者は、牛が出生したときは、遅滞なく、出生の年月日を農林水産大臣に届け出ることと、牛の両耳に国から通知を受けた個体識別番号を表示した耳標を装着すること」を義務づけています。 具体的には、子牛が生まれたら、1週間以内に個体識別耳標を子牛の両耳に装着し、出生報告カードに所定の事項を記入し、FAX、電話又はパソコンなどを用いて家畜改良センターに届け出ることになっています。 一方、当協会の通常血統登録業務では、申込用紙に記入する個別登録では申込内容と家畜改良センターへの届出内容を照合するほか、申込用紙の記入不要な自動登録では家畜改良センターに出生届けがあったものだけを登録できるかどうかチェックします。 特に、後者の自動登録では、出生届出データを週2回受け取り、この中から乳用種雌牛分を抽出し、所定のチェックを行い、血統登録証明書の発行につなげています。従って、通常であれば酪農家は子牛が生まれたときに耳標を付け、届出を行い、一方、子牛の出生に係わる授精データは別途事前に蓄積されているので、それらを突き合わせてチェックすれば、概ね2週間以内で登録証明書が発行され、酪農家の手元に届く仕組みとなっています。 ところが、しばしば見られるのが出生届出の遅れです。 当協会の登録規程では、血統登録料の月齢区分に「10カ月以内」と「10カ月超過」を設け、そこには2倍程度の料金の格差を設けています。これは個別登録でも自動登録でも同様の措置で、きちんと出生届が出されておれば「10カ月超過」は考えられません。 耳標の装着と届出。日本ホル協登録部から年頭に当たり、改めてお願い申し上げます。 | |
登録料金の査定基準 | |
血統登録申込は生後10カ月を超えると超過料金となり、負担が増すとともに登録の信憑性の低下が懸念されます。 日本ホル協では血統申込みに当たっては申込日が、個別登録では支部承認団体へ申込を行った日となり、自動登録では個体識別センターへの出生届出日となりますのでご承知おき願います。 また、登録料金の支払いは個別登録では申込みと同時にお支払いいただきますが、自動登録では証明書の発行の都度、登録料金の請求を行いますので後日支払うことになります。 ところで、しばしば見られる事例として自動登録で授精内容等に不備があり、事故照会となり登録までの時間が掛かった場合は超過料金になるのかという質問があります。自動登録ではいつ登録出来たかではなく、いつ出生届出を行ったかで登録料金は決定します。事故解決に時間を要しても出生報告に漏れがなければ登録料金は高くなりませんので、早期の出生届出をお願いいたします。 | |
平成28年01月20日「生涯乳量」 ~都府県27年12月~ | |
27年12月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万㎏以上の高記録牛38頭を示した。今回はトップの牛が総乳量(M)10万㎏を突破した。 | |
1位・池松和幸さん(福岡県)所有 「アイハッピートリプルダーハムクリスター」 | |
生涯乳量トップは、池松和幸さん(福岡県)所有のクリスター号(平14.6.12生)の検定回数10回で検定日数3,540日、M11万8,700㎏、総乳脂量(F)4,260㎏、平均乳脂率(F%)3.6%、総乳蛋白質量(P)3,929㎏であった。本牛は今回の記録により県内歴代記録2位となった。 | |
2位・渡部英彦さん(広島県)所有 「THリードリボンヤマカイ」 | |
2位は、渡部英彦さん(広島県)所有のヤマカイ号(平16.5.28生)の検定回数8回で検定日数2,640日、M9万2,270㎏、F3,558㎏、F%3.9%、P2,942㎏であった。 | |
3位・小針勤さん(栃木県)所有 「コバリセジスオーシャン」 | |
3位は、小針勤さん(栃木県)所有のオーシャン号(平18.2.3生)の検定回数7回で検定日数2,083日、M8万4,729㎏、F3,426㎏、F%4.0%、P2,566㎏であった。本牛は平均乳量が1万2,000㎏を超える高泌乳牛である。 13位池松和幸さん(福岡県)、30位佐野栄さん(岩手県)、32位松村文継さん(岩手県)、38位五味英介さん(長野県)所有牛は、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。 | |
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平成28年01月20日「国内雌牛評価成績」 ~2015-11月~ | |
平成28年01月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成27年12月証明分F偏差値~ | |
平成28年01月20日「人事異動」 ~日本ホル協~ | |
(12月21日付) ◇定年(総務部長兼調査部長)渥美正 (12月22日付) ◇参与兼総務部長兼調査部長渥美正 | |
平成28年01月20日「最高位賞・名誉賞を見る」 〜第14回全日本ホルスタイン共進会審査報告から〜 | |
第14回全日本ホルスタイン共進会では18部374頭すべてに序列づけがされた。佐藤英明審査委員長(家畜改良センター理事長)からは、未経産では総体的にきわめて発育がよく、品位と資質に優れ、活力に富むものが多くみられた。また、経産では総じて大型化して、乳用強健性に富んだものが多く乳房の質では満足のいくものが多数出品されていた旨、審査報告があった。ここで各部の講評を紹介する。 | |
第1部未経産後代検定(12〜13月) | |
未経産後代検定部門名誉賞(優等賞1席)120号は、体各部のバランスに優れ、肋の構造、歩様に優れていた。また、尻の構造においても腰角・坐骨・寛の位置に優れていた。 未経産後代検定部門準名誉賞(優等賞2席)126号は、体全体の輪郭が鮮明であり、前肋の構造と肋間の広さ、肋の方向も優れていた。 | |
第2部未経産後代検定(14〜15月) | |
優等賞1席204号は、乳用牛の特質に優れ、胸底が広く、中躯は充実し、肋の開帳に優れたものであり、正確な骨格構造を備え、特に尻の構造においても腰角・坐骨・寛の位置に優れていた。また、歩様も正確であった。 | |
第3部未経産(16〜17月) | |
未経産一般部門名誉賞(優等賞1席)321号は、骨格構造に優れ、体各部の移行が滑らかで、き甲部は高く、肩の付着に優れ、肋の方向及び肋の長さも良好であり、鋭角性に優れた美しい牛であった。また、歩様においても後肢の運びが非常に正確であった。 | |
第4部未経産(18〜19月) | |
未経産一般部門準名誉賞(優等賞1席)418号は、素晴らしい体高と体長を備え、バランスに優れ、品位資質に富み、輪郭鮮明で、肋の開張、方向において優れていた。 | |
第5部未経産(20〜21月) | |
優等賞1席502号は、十分な体高と体長を備え、体各部のバランスに優れ、肋の長さと開張に優れた乳用強健性を備え、尻の構造は正確で、極めて素晴らしい肢蹄と歩様に優れていた。 | |
第6部経産後代検定(36月未満) | |
優等賞1席624号は、優れた骨格構造を備え、体各部のバランスに優れ、肋の方向・開張に優れ、乳用強健性に富んでいた。乳器においても、前乳房の付着の強さ・長さ、後乳房の高さ・幅に優れていたことから、この部のベストアダーとした。 優等賞2席617号は、2歳級らしい骨格構造を備え、各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的であった。また、乳器においても、前乳房の付着の強さ、後乳房の高さ、幅に優れていたことから、この部のセカンドベストアダーとした。 | |
第7部経産(30月未満) | |
優等賞1席718号は、2歳ジュニアらしい骨格構造を備え、中躯における肋の構造に優れ、体全体が鋭角的で、乳用強健性に富んだ牛であった。 また、乳器においても、前乳房の付着の強さ・形状、後乳房の高さ・幅に優れていたので、この部のベストアダーとした。 優等賞2席723号は、極めて鋭角的で、乳用強健性に優れたものであった。また、前乳房の付着の強さ・スムーズさ、後乳房の高さに優れていたので、この部のセカンドベストアダーとした。 | |
第8部経産(30〜35月) | |
経産2〜3歳一般部門名誉賞(優等賞1席)817号は、2歳シニアクラスとして極めて強い骨格構造と中躯における肋の構造に優れ、体各部への移行も滑らかで、歩様も確実であった。また、乳器については、前乳房は付着が強く、前に長く伸び、後乳房は高さと幅に優れ、乳房底面の高さもあり、乳頭の配置と長さも適正であったので、この部のベストアダーとした。 優等賞2席821号は、体全体が鮮明であり、骨格構造に優れ、乳用強健性に富んだ牛であった。また、乳器構造において素晴らしい後乳房の高さと幅を備えていたので、セカンドベストアダーとした。 | |
第9部経産後代検定(36〜47月) | |
経産2〜3歳後代検定部門名誉賞(優等賞1席)913号は、前躯の高さと移行の滑らかさに優れており、鋭角的で、体長もあり、各部のバランス及び移行に優れ、乳用強健性に富んだ牛であった。また、非常に素晴らしい乳器構造を備えており、後乳房の高さと幅に優れ、乳房底面の高さにおいても優れていたことから、この部のベストアダーとした。 経産2〜3歳後代検定部門準名誉賞(優等賞2席)915号は、体長があり、体各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的であり、乳用強健性に優れた牛であった。また、後乳房の高さ、乳房の幅に優れたものであったので、この部のセカンドベストアダー並びにベストプロダクションとした。 | |
第10部経産(36〜41月) | |
優等賞1席1023号は、2産を分娩した牛であり、体全体が極めて鋭角的であり、前躯から中躯への移行に優れ、肋はよく開張し、バランスに優れた乳用強健性に富んだ牛であった。また、乳器については、前乳房の付着の強さ、後乳房の付着と形状並びに高さと幅に優れていたことから、この部のベストアダーとした。 優等賞2席1004号は、1産を分娩した牛であり、骨格構造に優れ、体全体が鋭角的で力強く、乳用強健性に優れたものであった。また、乳器については、前乳房の付着の強さ、後乳房の高さと幅に優れていたことから、セカンドベストアダーとした。 | |
第11部経産(42〜47月) | |
経産2〜3歳一般部門準名誉賞(優等賞1席)1118号は、2産を分娩した牛であり、素晴らしい骨格構造を備え、鋭角的で、各部のバランス及び移行に優れた、乳用強健性に富んだ牛であった。乳器についても、前乳房の付着の強さ、後乳房の高さ・幅に優れていたので、この部のベストアダーとした。 優等賞2席1110号は、優れた骨格構造を備え、体各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的であり、乳用強健性に優れた牛であった。また、乳器は特に乳房底面が高く、前乳房の付着も強く優れたものであった。なお、僅差ではあったが、1席の牛が乳房底面の高さに優れていたので、セカンドベストアダーとした。 | |
第12部経産(4歳) | |
経産4歳級名誉賞(優等賞1席)1214号は、極めて優れた理想的な骨格構造を持ち、体全体に伸びと幅があり、乳用強健性に優れ、歩様も良好な牛であった。また、乳器構造においても前乳房の付着の強さ、後乳房の高さ・幅に優れていたので、この部のベストアダーとした。 経産4歳級準名誉賞(優等賞2席)1206号は、理想的な骨格構造を備え、品位に富み、体各部のバランス及び移行に優れ、乳用強健性に富んだ牛であった。また、乳器についても、前乳 房の付着の強さ、形状において優れていたので、セカンドベストアダーとした。 | |
第13部経産(5歳) | |
経産5歳級名誉賞(優等賞1席)1315号は、極めて鋭角的な牛で、正確な骨格構造を備え、特に中躯における肋の構造、合わせて後躯における尻の構造においても理想的であった。また、体各部のバランス及び移行に優れ、乳用強健性に富んだ牛であった。乳器についても、後乳房の高さと幅並びに質において優れていたので、セカンドベストアダーとした。 経産5歳級準名誉賞(優等賞2席)1320号は、正確な骨格構造を備え、体各部のバランスに優れ、体全体が鋭角的であり、乳用強健性に優れた牛であった。乳器については、後乳房の高さと幅・質において優れ、また、前乳房付着の強さと形状に優れていたので、この部のベストアダーとした。 | |
第14部経産(6歳以上) | |
共進会全体の最高位賞並びに経産6歳以上名誉賞(優等賞1席)1410号は5産を分娩した牛であり、成牛として極めて理想的な骨格構造を備えており、前躯から中躯への移行に優れ、肋はよく開張し、尻幅広く、体各部のバランスに優れ、飛節は鮮明で歩様の良好な、乳用強健性に富んだ牛であった。 また、乳器も前乳房の付着は良好で、後乳房は高く、幅広く容積があり、質に富み、形状も優れていので、この部のベストアダーとした。 経産6歳以上準名誉賞(優等賞2席)1418号は、14歳で8産を分娩した牛であり、骨格構造は正確であり、体全体が鋭角的で力強く、乳用強健性に優れたものであった。また、後乳房の高さ並びに幅に優れ、付着もよく、正中提靱帯は強く、乳頭配置も正確であったので、この部のセカンドベストアダーとした。 | |
第15部ジャージー種未経産(12〜16月) | |
未経産準名誉賞(優等賞1席)1503号は、体各部のバランスに優れ、肋腹も充実し、品位・資質ともに良好で、乳用強健性に富み、尻の構造にも優れた牛であった。また、歩様も確実であった。 | |
第16部ジャージー種未経産(17〜21月) | |
未経産名誉賞(優等賞1席)1603号は、品位に富み、体全体の輪郭が鮮明で、乳用強健性に富み、中躯の力強さを備えていた。また、尻の構造においても腰角・坐骨・寛の位置も正確であり、尻幅においても優れていた。 | |
第17部ジャージー種経産(36月未満) | |
経産名誉賞(優等賞1席)1705号は、体各部が充実し、移行が極めて滑らかで、肋の開張がよく、後肢の骨質がよく、歩様も確実であった。さらに、乳房に関しては、前乳房は伸びがあり、付着が強く、後乳房も付着が高く、幅があり、正中提靱帯が強いことから、この部のベストアダーとした。 優等賞2席1701号は、前躯から中躯における移行が滑らかで、品位と資質が優れた乳用強健性に富んだ牛であった。また、後乳房の付着が高く、質のよい乳房を備えていた。 | |
第18部ジャージー種経産(36月以上) | |
経産準名誉賞(優等賞1席)1806号は、2産を分娩した牛であり、体全体の輪郭が鮮明で移行は極めて滑らかで、体各部が充実し、体各部のバランスがよく、肋張りがよく、長く、極めて乳用強健性に富んでいた。 また、乳器においては、前乳房付着の強さ、後乳房の高さと幅に優れており、懸垂も明瞭であったので、この部のベストアダーとした。 優等賞2席1809号は、3産を分娩した牛であり、体全体が充実し、各部の移行が滑らかで、品位と資質が優れ、乳用強健性に富んでいた。乳器も、前乳房の付着が強く、後乳房も高く、幅のある乳房を備えていたことから、セカンドベストアダー並びにベストプロダクションとした。 | |
最高位賞 「レディスマナーMBセレブリティ」 北海道・天野洋一さん出品 | |
名誉賞(未経産12〜15月後代検定娘牛クラス) 「TLMアジービスタオアET」 北海道・佐藤孝一さん出品 | |
名誉賞(未経産16〜21月クラス) 「DHチャンスメイクET」 北海道・山内誠さん出品 | |
名誉賞(2〜3歳後代検定娘牛クラス) 「クリアデールチュンキーマーシャルアイオーン」 北海道・白崎紘希さん出品 | |
名誉賞(2〜3歳クラス) 「TMFナディルアットアンナエコー」 北海道・(有)田中牧場出品 | |
名誉賞(4歳クラス) 「エッセンスゴールドアポロエルダーハムET」 北海道・栗城一貴さん出品 | |
名誉賞(5歳クラス) 「KWFサンチェリアダーハムビュー」 北海道・(株)敬和ファーム出品 | |
名誉賞(ジャージー種未経産クラス) 「クローバークリストファーロビン」 北海道・(株)松本牧場出品 | |
名誉賞(ジャージー種経産クラス) 「アサナベITフォングブリトニー」 岡山県・筒井大悟さん出品 | |
平成28年01月20日「北の大地北海道で盛大に」 〜第14回全日本ホルスタイン共進会〜 | |
第14回全日本ホルスタイン共進会が10月23日から4日間にわたり北海道勇払郡安平町の北海道ホルスタイン共進会場で開催された。大会では北海道から沖縄まで42都道府県からホルスタイン種344頭、6道県からジャージー種30頭の出品があり、合計374頭が集まった。そして、10年ぶりの全共を出品者、関係者、来場者皆が満喫した。今回は数々のイベントも催され、写真を見ながら振り返って見た。 今回の大会は、全天候型屋根付きの共進会専用会場で催された。屋根付きは第8回全共(岩手県)の岩手産業文化センター以来30年ぶり2回目となった。屋根が功を奏し、開催25日には突然の雪と暴風雨となったが、全共会場はびくともしなかった。ただ、会場内のテントが一部飛ばされ災難似合われた方もいた。 | |
出品牛の写真撮影 | |
牛の(横見)写真撮影は会期前の20日から始まり、開会式の日まで4日間撮影した。場所は室内撮影所(馬セリ場)を2か所用意し、デーリィマン社とホルスタイン・マガジン社に依頼した。この写真は全酪新報をはじめ全共アルバムや雑誌などに利用し、購入希望者にも廉価で販売し、四つ切以上はアルミの額入りである。 | |
出品牛の測定審査 | |
第1回全共から行っている出品牛の測定審査は、21日から2日間に渡り全牛の測定を行った。体高、尻長、腰角幅、胸囲の4か所を牛舎から引出して測った。 その成長の度合いは、14回までの測定記録の推移を見たり、標準発育値と比較をしている。このとりまとめは本紙27年12月20日号や当協会HP(機関紙)に掲載している。 | |
ジャージー種部門 | |
今回は新たな試みとして、まずジャージー種部門を設置した。これは、前回まで併催していた全日本ジャージー共進会と統一を図り一本化し、簡素化に努めたものである。部の数は未経産、経産2部ずつで前回と同じとした。 | |
後代検定娘牛の枠 | |
後代検定事業推進の一環として、その参加種雄牛の娘牛の部を設置した。4歳未満の出品牛は自県産で6か月以上所有し、飼養していることが条件であるが後検娘牛の部は飼養期間を特に定めない。 未経産1部(12〜13か月)に32頭、2部(14〜15か月)に24頭、経産6部(3歳未満)に25頭、9部(3歳)に15頭の出品があった。 | |
高校特別枠 | |
高校特別枠は一般割当枠に出品しない高校に割り当て、1校1頭とし、一般割当枠なども含め18道府県26校32頭が出品した。その中から優等賞に京都府立農芸高校(2部)、北海道帯広農高(3部)、鹿児島県立鹿屋農高(5部)の3頭が、1等賞には16頭が入賞した。 | |
ジャジングスクール・リードマンスクール・毛刈り講習会 | |
高校生には酪農後継者の育成のため、その他にも様々な充実した付帯事業が図られた。 大会の前日22日、酪農学園大学、全共北海道実行委員会の共催等により、カナダの酪農家ブロイス・トンプソン氏を講師として招き、ジャッジングスクール、リードマンスクール、毛刈り講習会を開催し、昼には全共北海道実行委員会主催の高校生交流パーティで焼肉を堪能しながら交流を深めた。 | |
リードマンコンテスト | |
翌23日の大会初日には高校生リードマンコンテストを開催し、審査委員はアメリカ・カリフォルニア工科大学のスタン・ヘンダーソン教授が務め、18都府県、25校、57名で優劣を競った。 | |
札幌会場 | |
安平本会場のほか、札幌会場を設け、23、24日には札幌市内の道庁赤れんが前広場で「学生リードマンコンテスト」のデモンストレーションや、大画面による共進会が放映された。また、道庁赤れんが庁舎内展示室やその前に広がる北3条(アカプラ)広場、それに繋がる地下街北3条交差点広場では一般消費者向けに牛乳・乳製品の消費拡大や北海道の農産物の宣伝PR、そしてトラクター、牧草ロールの展示が行われた。 | |
親睦ゴルフ大会・親睦カラオケ大会 | |
出品関係者の親睦と交流を図る目的で、親睦ゴルフ大会、親睦カラオケ大会を開催した。ゴルフ大会は20日に安平町クラシック・ゴルフクラブで開催した。午前中、あいにくの雨となったが、出場した93名の方々は、優勝を目指している方もそうでない方も皆熱心にボールを追いかけた。 また、21日のカラオケ大会はまさしく皆プロのようで、参加した精鋭17名は共進会場内に美声を轟かせていた。 | |
前夜祭 | |
翌22日の夜は共進会場で出品者や関係者が集まり、前夜祭を開催した。牛乳で乾杯の後、安平町追分いぶき太鼓などのアトラクションが場を盛り上げた。 | |
オープニングセレモニー | |
23日9時、晴天の中、会場のメインゲート前において北海道知事、日ホ会長、安平町長等がファンファーレとともにテープカットを行い、参観者達の入場が始まった。 | |
開会式 | |
10時からは共進会場で開会式が始まった。北海道警察音楽隊の皆さんによる演奏で出品者達の入場行進が始まり、殺風景であったリングが一気ににぎやかになった。先頭は地元北海道の「とわの森三愛高校」の女生徒の方々が掲げるプラカードに続き青森県から始まった。行進も九州地区になると佳境に入る。九州最南端の沖縄県からは具志堅忍さん一人の行進となった。沖縄から11日に出発し、2回船に乗り17日に到着していた。入場の最後は開催県の北海道であった。80名の入場が終わると、開会宣言で10年間待ちに待った4日間の全共が始まる。 | |
バーン・デコンペ | |
新しい試みとして、バーン・デコンペを行った。これは、全共開催期間中の23〜25日に出品牛の管理牛舎の装飾ディスプレイを通して牛に対する愛情、酪農に対する想い・努力をされている団体を評価するものである。52チーム(北海道は地区単位)が参加し、競い合った。 しかし、残念なことに今回は牛舎内に一般の方の入場は制限を設けた。会場内の防疫対策は主催者として最も配慮しなければならないことで、会場に入るすべての車両の消毒に加え、入場者に靴底やミストシャワーによる消毒などの励行をお願いし、防疫の徹底を図った。 | |
多回出品者表彰 | |
25日の朝9時から、全共に今回出場で5回以上の出品者を対象に表彰式を行った。最多出場は(有)福屋牧場(北海道)と小岩井農場(岩手県)の10回であった。 また、9回出場の高橋実徳さん(静岡県)の牧場は、第4回大会から11回大会まで祖父定男さんー父康明さんで8回連続出場を果たしている。 | |
ジャージー交流会 | |
23日にノーザンホースパークでジャージー関係者の交流会が日本ジャージー登録協会主催で開かれ56名が参加された。カナダ・ブライドン牧場主のブライアン・セイルス氏に基調講演をしていただいた。同氏からの講演ではカナダにおけるジャージー種の有利性と全国的にも増加している状況が報告された。 なお、ブライドン牧場ではホルスタイン種とジャージー種を飼養していて、またブリーダーとしても知られ、生産した著名牛でホルスタイン種ではブライドン アストロ ジェット、ジャージー種では最近ブライドン リメイク コメリカが有名である。 | |
ゲノミックゴールデンセール | |
23日に市場セリ場において、北海道ホルスタイン農業協同組合では「ゲノミック・ゴールデンセール」を開催した。セール牛はゲノミック評価値を有し、かつ高能力・好体型の娘牛25頭を揃えた。最高価格は育成牛の362万円。平均価格は1978年の落成記念セール以来2番目の高値173万円であった。 | |
チャリティオークション | |
25日に市場セリ場において、北海道ホルスタイン農業協同組合が主催で開催された。オークションでは受精卵を主体に酪農関係品が協賛・会社団体から提供された。集まった益金と会場募金290万円は北海道新聞社・社会福祉振興基金に寄付をさせていただいた。 | |
来賓祝賀パーティー | |
25日夜には共進会場の近くにあるノーザンホースパークで来賓祝賀パーティーを開催した。激しく雪が降りしきる中、230余名が参加して和やかに歓談された。 | |
閉会式 | |
26日、全共の最終日は、閉会式が共進会場で10時から始まった。上位入賞牛パレードは圧巻であった。その後、最高位賞、名誉賞、準名誉賞の授与が始まり、最後は次回開催ブロックの九州地区から九州・沖縄地区酪農団体協議会・尾形文清会長から「次回2020年は九州・宮崎県都城で会いましょう」と挨拶があった。 | |
花摘み隊 | |
共進会場内の糞尿の世話を、酪農学園大学の学生さん達「花摘み隊」のボランティアにより、審査がスムーズに進んだことに対し、ここでお礼をさせていただく。また、アメリカのホルスタイン・ワールド誌のウェブでは「フラワー・ピッカーズ」として紹介されている。 | |
平成28年01月20日「効率的乳牛改良へ」 〜体型審査を定期的に〜 | |
酪農経営を行う上で、乳牛に求められる究極のものは泌乳能力であり、乳牛の本当の価値はその牛が一生涯にどのくらいの乳量を生産したかによって決まる。言い換えるならば、生涯生産能力をより一層高めていくことが生産コストの低減と収益性の向上につながる。 | |
審査の意義 | |
長い期間に渡って高い泌乳能力を維持するには、健康で骨格のしっかりした体型と付着・形状のよい乳房、丈夫な肢蹄等が必要であり、これらは飼養・搾乳管理の作業効率を高める上でも重要な役割を担っている。 体型は生産性や強健性などの機能を伴うものであり、外見上に表れるそれらの機能を早期に的確に見定めることが体型審査である。また、その牛が生涯に渡って高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する重要な手法となる。 | |
審査受検方法 | |
ホル雌牛が審査を受ける方法としては2つのプログラムがあり、まず、牛群審査では飼養する牛群内の登録経産牛全頭を対象とし、申込みによって行う。また、体型調査事業では後代検定材料娘牛(初産検定中)を飼養している牛群検定農家の登録初産牛を対象に行うもので、都府県では毎年前期・後期の2回、日ホ協の審査委員が現地の担当者とともに県内を巡回し、審査を行っている。 実際の審査では、ハンディパソコンを用いて、各個体の体型について得点評価と線形評価を行い、審査直後に受検農家の庭先で審査結果を打ち出し、受検農家における直近の遺伝情報や種雄牛情報と合わせて審査結果の説明や交配、管理等のアドバイスも行っている。 また、審査結果は審査成績証明されるとともに種雄牛および雌牛の遺伝評価にも利用され、遺伝情報として酪農家にフィードバックされている。 | |
最後に | |
牛群検定の実施と共に牛群審査を定期的に受検することは、牛群水準の向上には勿論、飼養管理や個体販売、さらには遺伝的改良を有利に進めることができ極めて有効である。乳牛改良をより効率的に進め、収益性の高い酪農経営を確立するため、是非とも受検をご検討願いたい。 | |
審査日程 | |
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平成28年01月20日「今後の行事」 〜日本ホル協〜 | |
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