平成28年02月20日
平成28年02月20日「28年度重点事業報告」 ~東西2地区で開催日本ホル協社員会議~ | |
日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)は、平成27年度社員会議を東日本と西日本の2地区で開催し、今年度の中間事業概況、28年度事業計画骨子(案)などの報告を行った。この中で、昨年の12月末での都府県登録申込みは前年対比112.9%と増加を示した。28年度事業計画骨子(案)では、登録や審査の推進を図ることで引き続き協力をお願いするとともに、昨年10月開催した第14回全日本ホルスタイン共進会の報告、第15回全日本ホルスタイン共進会については平成32年度の開催に向け、準備努力する。また、会議に併せて、(公社)北海道酪農検定検査協会参与の田中義春氏を講師に招き、「酪農現場における飼養管理指導の実際」と題して講演が行われた。 | |
東西2地区で開催 | |
日本ホル協では、会員酪農家から選出された社員を対象に、登録事業の概況や次年度の実施計画を伝達するとともに、会員からの意見要望を聞いて登録の普及拡大や会員相互の連携強化を図るため、都府県の東西2ブロックで社員会議を開催している。東日本地区は2月5日、東京都内に56名、西日本地区は1月29日に福岡市内に49名の社員と関係者が出席して行われた。 会議では冒頭、東日本は杉浦副会長、西日本は三浦副会長から、酪農経営の根幹となる登録やSNP検査の推進、第14回全共の報告をし、協会運営について社員各位から忌憚のない意見を聞きたい旨の挨拶があった。 | |
27年度中間事業概況 | |
昨年12月末の血統登録は全国で14万7,242頭、前年対比102.2%と増加に転じた。地域別では、北海道が11万7,286頭で同99.7%と微減、都府県は2万9,956頭で同112.9%と増加した。 また、現在の都府県の自動登録普及率は57.5%で、昨年より7ポイント余の増加であるが、より一層の推進をお願いした。 | |
28年度事業骨子(案) | |
主な重点事業骨子(案)について
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任期満了に伴う役員改選(案) | |
役員の定数は、役員候補者選出内規に基づき算定し、北海道2、東北3、関東3、北陸1、中部2、近畿1、中国2、四国1、九州3となり、現行定数と同数。この定数は、3月25日開催の理事会で正式に決定する。 | |
自動登録同時SNP検査申込 | |
牛群検定を実施している自動登録農家に対して、SNP検査の普及奨励を図るため、「自動登録同時SNP検査申込」により登録料金の還元を行う。但し、登録日から3か月以内にSNP検査を申込む牛が対象となる。平成28年4月1日から実施予定。なお、alic補助事業のSNP検査牛は対象外。 | |
第15回全共について | |
開催方式を見直し、初のブロック開催方式を採用。開催時期は、平成32年秋、開催場所は、九州ブロックの宮崎県都城地域家畜市場を予定。平成27年12月22日宮崎県で「準備委員会」幹事会を開催し、「共進会開催事務局」の早期立ち上げなどを検討した。 | |
「飼養管理指導」講演 | |
酪農現場では、牛のBCSの見方が大事であり、そのうち死産などの原因は概ね遺伝病や近親交配ではなく、農家の牛の管理が大きく関わっているとのデータがあり、生まれたばかりの子牛の扱いや乾乳期のエサの配合などの指導をされ、農家の経営向上に繋げていると講話された。 | |
平成28年02月20日「長命連産の証し」 ~生涯乳量全国トップ40~ | |
日本ホル協では毎年、検定成績証明された累計記録について、生涯検定選奨および生涯乳量・乳脂量高記録牛の公表を行っている。今回は平成27年12月末現在の全国における生涯乳量高記録牛をとりまとめた。 別表には生涯乳量全国トップ40と都府県上位牛を示した。 | |
27年次記録更新牛は9頭 | |
生涯乳量のトップは、平成17年に記録更新した杉浦尚さん(北海道帯広市)所有の「ワイケーティーテッチェアマンダ」(審査得点93点)で検定回数8回、検定日数4,080日、生涯乳量(M)21万5,218㎏、総乳脂量(F)7,946㎏、平均乳脂率3.7%。本牛は8乳期中6乳期で乳量2万㎏超え、検定1日あたり平均乳量も優に50㎏を超える高能力ぶりを発揮し、国内で唯一、M20万㎏突破牛であり、Fは全国3位。また、産子から3頭の後代検定候補種雄牛(うち1頭が選抜)や多くの優秀な雌牛が輩出している。 2位は橋田和幸さん(北海道恵庭市)所有の「エンゼルプリンセステルスター」でM18万6,748㎏を記録している。なお、本牛の検定回数16回は生涯乳量記録牛の中では最多回数である。 3位には村崎喜一さん(北海道大樹町)所有「オームスビーコロンバスアンナ」のM17万7,241㎏。4位は中川尚人さん(北海道恵庭市)所有「クレマチスジョセフィンリードキャロル」のM17万5,210㎏。5位は27年次に記録更新した穀内英雄さん(北海道大樹町)所有の「サイテーションマークウェイメイアー」のM17万2,981㎏。 9位には都府県1位の田中泰彦さん(鳥取県)所有の「ロイブルックハイアーエレン」がM16万6,278㎏で、F8,978㎏は平成8年以来19年間にわたって日本一の座を堅持している。 その他に都府県牛では、13位の糟谷英文さん(千葉県)所有の「カスヤファームダブリューエルフレーランド」が検定回数13回でM16万2,021㎏、25位には27年次に記録更新をした板持悦夫さん(鳥取県)所有の「ヘリオムスタングリートン」が検定回数12回でM15万1,145㎏、29位に27年次に記録更新した池松和幸さん(福岡県)所有の「アイハッピーフォーメーションクリスター」が検定回数10回でM14万9,354㎏等北海道の強豪が上位を占める全国トップ40傑に8頭が登場した。 生涯乳量の上位牛で27年次に記録更新(表中、名号の前に*印)したのは9頭であり、前述の牛の他、8位・久保田明さん(北海道幕別町)所有「ノースジェラルディンアストロセレミイ」がM16万7,053㎏、14位・細野輝行さん(北海道清水町)所有「ネロフィールドビールーテル」がM15万9,072㎏、16位・橋本卓雄さん(北海道清水町)所有「フェイアークアントーンメリット」がM15万7,650㎏、35位・(有)西村牧場(熊本県)所有「スターライトサブラテリス」がM14万6,318㎏、38位・瀬能剛さん(北海道岩見沢市)所有「ビッグウエストフランサーコンビンサー」がM14万5,195㎏、39位・星野和司さん(群馬県)所有「キャプテンオプションロジック2393」がM14万5,171㎏を記録した。 表の下方には、都府県牛での生涯乳量上位牛を列記した。この中で27年次に記録更新したのは、41位・石川和博さん(静岡県)所有「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」が、検定回数6回、M14万4,810㎏であった。本牛の乳脂量8,220㎏は生涯乳脂量で全国歴代2位となる記録である。なお本牛は、平成28年に入ってからも記録を更新しており、現在はM15万1,617㎏となり全国歴代記録25位となっている。49位には眞嶋大輔さん(栃木県)所有「スノーライトフローリーマーシャル」が検定回数9回、M14万2,417㎏となるなど好成績を達成している。 生涯検定乳量等の記録は、家畜改良データバンクの「雌牛成績情報」で誰でも閲覧可能なのでぜひ活用していただきたい。 | |
PDF版 | |
平成28年02月20日「2月評価から遺伝ベースを変更します」 ~(独)家畜改良センター~ | |
個体の遺伝的能力は、基準となる年(ベース年)に生まれた検定牛(または審査牛)の平均値をゼロ等とし、そこからの差として表示されます。遺伝評価値は、平均的な乳用牛に交配した時に期待される遺伝的改良量を表すことが望ましいことから、定期的にベース年を変更する必要があります。 現在の主要な評価形質の遺伝ベースは、2005年生まれの検定牛(または審査牛)の平均がゼロとなるように2010年に変更が行われ、前回の変更から5年以上経過しました。そこで、2016-2月評価において、表1の通りに遺伝ベースの変更を行います。ベースの変更は見かけ上の大きさだけに関係したものですが、遺伝的改良量が年々進んでいるため、ベース年が変更された前後の遺伝評価値の数値が大きく異なり、単純に比較することができなくなります。表2には2015-8月評価時での主要評価形質における2005年生まれと2010年生まれの娘牛の能力差を示しました。ベース変更後の評価値は、ベース変更前の数値から表2に示された数値を全個体一律に差し引いた程度の大きさになると予想できます。例えばベース変更前のNTPが1,000であれば、1000-644=356となります。 | |