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平成28年03月20日


平成28年03月20日「全国1位ファンタジスタ」 〜27年次種雄牛登録娘牛頭数〜
血統登録された雌牛の父牛として、どのような種雄牛が多く利用されているかを調べてみた。
表1には、平成27年1〜12月に全国で血統登録された雌牛頭数等を示し、その頭数は19万8,934頭で、その父牛数は1,641頭を数える。地域別では、北海道が種雄牛1,174頭で登録娘牛15万4,296頭、都府県は1,374頭の種雄牛から4万4,638頭が登録された。
また、種雄牛1頭当たりの登録娘牛頭数は、全国で122頭であるが、北海道の131頭に対して、都府県は僅か32頭に留まった。
国内種雄牛割合は57%
国内海外の繋留別では、国内種雄牛897頭による登録娘牛11万3,245頭で登録全体の57%、輸入精液などの海外繋留種雄牛は744頭による登録娘牛8万5,689頭で登録全体の43%を占めその割合は昨年より1%増加した。
27年次に全国で5,000頭以上の登録娘牛をもつ種雄牛は3頭、3,000〜5,000頭未満が6頭、1,000〜3,000頭未満が40頭、100〜1,000頭未満が182頭、99頭未満が1,410頭であり、その上位45頭の種雄牛で登録娘牛全体の50%を占めた。
県別の国内と海外種雄牛の登録娘牛頭数を表2に示し、登録に占める海外種雄牛の割合を図に表した。
地域別に海外種雄牛の割合を見ると、北海道が43%と全国平均と同じ割合である。東北地区では宮城県と青森県が57%、54%と高く、その他の県では全国平均を下回る。特に秋田県は29%と全国平均を大きく下回る。逆に関東地区では、神奈川県66%をはじめ、4都県で50%を上回っており、群馬県のみが33%と全国平均を下回っている。続いて中部・北陸地区では石川県の79%が一番高く、静岡県、山梨県、新潟県と50%を超えた。他県は平均以下で特に福井県は15%と国内種雄牛の利用率が非常に高い。近畿地区では京都府が58%と非常に高く、大阪府が11%と非常に低い。中国・四国地区では高知県、鳥取県の割合が高く、香川県、広島県の割合が低い。九州地区では大分県の68%をはじめ都府県平均を上回る県多い。


最多登録娘牛頭数はファンタジスタ
表3には27年次の登録娘牛を多く持つ種雄牛を北海道と都府県に分けて示した。北海道ではファンタジスタが、登録娘牛5,815頭で前年実績583頭から大きく伸ばしトップとなった。2位はストーン、3位プレジャー、4位ソクラテス、5位シルキアの順。
都府県ではトップガンが登録娘牛1,043頭で2年連続1位、2位スパークリング、3位スプラッシュ、4位ダース、5位スパイラルであった。
因みに、全国集計では1位ファンタジスタ、2位プレジャー、3位ストーンの順。

平成28年03月20日「自動登録を始めよう!」 〜日本ホル協登録部より〜
北海道に比べ普及が遅れていた都府県の自動登録も従来の申込用紙を必要とする個別登録の件数を上回りました。これも日頃より会員の皆様をはじめ関係各位ご理解とご協力の賜物であります。
しかしながら、増加する普及率に対して自動登録の実施内容の理解が追い付いていないケースが見受けられます。自動登録は早期の出生届出と正確な授精報告さえ守れば非常にシンプルでメリットの多い登録様式ですが、一旦崩れるとトラブルの元になりかねません。そこで今回は基本に立ち返りQ&A方式で自動登録について解説を行います。
Q1自動登録って何?
自動登録とは、農家が家畜改良センターへ報告した個体情報(10桁番号等)と、あらかじめデータベースに報告された授精記録を基に、乳用牛として出生届出が出されたことで登録申込みが完了し、血統登録するシステムです。
Q2自動登録のメリットは?
自動登録のメリットとしては、
  1. 血統登録申込用紙を記入する手間が省けること。
  2. 導入牛などの移動証明申込みが不要であること。
  3. 登録料金が安くなること。
  4. 血統登録証明書の発行が早くなることが挙げられます。
Q3自動登録はどうすれば始められるの?
自動登録を開始するために必要な条件は2点あります。
  1. 出生したすべての雌牛を登録すること。登録する牛を選ぶことは出来ません。
  2. 交配の都度、電子データによる授精報告を行うこと。
これらを守ることを条件に自動登録申込書を提出することで開始出来ます。
Q4電子データによる授精報告はどうやるの?
授精報告の方法は主に以下の3つが挙げられます。
  1. 牛群検定の繁殖データを利用する方法。ただし、牛群検定には未経産を含む全飼養牛の加入が必要。
  2. 家畜改良データバンクを利用したインターネットで報告する。
  3. 繁殖管理ソフトなどでデータ管理している授精記録で報告する。
都府県の自動登録実施農家のほとんどの皆様が牛群検定の繁殖データの利用を選択しておりますが、牛群検定を実施していなくてもインターネット等の報告方法がありますので、ご自身に合った報告方法を選択してください。
Q5希望名号は付けられるの?
1頭ごとの申込用紙が不要な自動登録では一見希望名号は付けられないと思われがちですが、自動登録でも希望する名号を命名することが出来ます。次の2通りの方法があります。
  1. 自動登録実施農家連絡書でFAXまたはメールにて報告する方法。
  2. インターネットによる出生届出に併せて報告する方法。
2は補足情報報告システムと呼ばれ、WEBで出生届出と同時に命名可能なため、年々取扱件数が増えています。
Q6希望名号は付けられるの?
生産された雌牛の全頭登録が原則ですが、虚弱体質等の場合はQ5で紹介した連絡書や補足情報報告システムを利用して登録申込を保留(破棄)することが可能です。証明書発行後のキャンセルは出来ませんが、次の場合に限り自動登録の普及推進を図るために登録料金を返金しています。
  1. 血統登録直後に死亡した牛
  2. 出生届出の性別錯誤で雌牛として登録された雄牛
  3. 耳標装着前に死亡した雄牛がいる異性多子の雌牛を単子として登録した場合

平成28年03月20日「コレステロール欠乏に関連」 〜新たなハプロタイプ遺伝病〜
生後数カ月で死亡する
カナダ酪農ネットワーク(CDN)によるとホルスタイン種の繁殖性に悪影響を与える新しいハプロタイプ型遺伝病が発見されました。
すなわち、コレステロールの欠乏に関連するハプロタイプ(以下、HCD)です。キャリアの両親から遺伝した場合、HCDによって体組織に脂肪を正常に蓄積できず治療の余地の無い長引く下痢を患い、他の病気も頻発してしまいます。これらは生後数か月で体内の蓄えを使い果たし死亡します。これまで発見されてきたものは流産や死産に影響する胎児性致死を引き起こすハプロタイプでありましたが、HCDは発育に影響するという点が特徴です。
ところで、ハプロタイプ型遺伝病とは、従来のBLADやCVMなどの奇形や死産等の観察から発見された遺伝病とは異なり、SNP検査での遺伝情報と繁殖性に関する情報を照合し分析から発見された比較的新しい遺伝病を指します。
これまで流産や胚死に起因するハプロタイプはホルスタイン種5種、その他の乳用種で5種が公表されています。
ストームに起因
ドイツの科学者たちはHCDキャリアの血統をさかのぼり分析したところ、その全てが1991年生まれのカナダの種雄牛モーリンストームETに辿り着くことを発見しました。高能力・好体型を誇ったストームは日本国内でも4,000頭を超す娘牛を残しています。残念なことに、このストームの人気ゆえに関連遺伝子が世界中のホルスタインに広まってしまいました。
カナダでは減少傾向
しかし、カナダのホルスタイン集団でのキャリア頻度は2012年生まれの17%をピークに減少し2016年生まれでは12%を下回ってきました。それに伴いHCDで死亡したと考察される子牛も2,000頭から900頭以下に減少しました。
HCDは両親がキャリアだった場合、後代は25%の確率で発病し生後半年以内に死に至ります。
CDNやUSDA等の海外WEBサイトでは種雄牛毎のHCDキャリア率を検索可能ですので、交配種雄牛選定の際に参考にしていただきたい。

平成28年03月20日「第37回全国ホルスタイン改良協議会総会」 〜新会長に岡嶋建一郎氏(大分)〜
27年度事業等報告
全国ホルスタイン改良協議会(木田有会長)は2月19日、家畜改良事業団会議室において第37回通常総会を開き、前年度事業報告並びに収支決算報告、平成28年度事業計画案並びに収支予算案、会費徴収規定の改定案、協議会規約の改定案、認定ジャッジマン規程の改正案について協議し、全て原案どおり可決承認された。
事業報告では、沖縄県で初のジャジング・スクールを開催し、総勢46名の参加報告があった。
本年度事業計画では、ジャジング・スクール(中部・北陸・近畿地区内)の開催準備を進めていること、セミナー・酪農講演会については、時々刻々と変わる世界・国内情勢について研修会を開催し、また、国内優良遺伝子の有効活用が図れるよう情報発信を行っていくことが報告された。会費徴収規定・協議会規約・認定ジャッジマン規程それぞれの改定・改正についても協議し、すべて原案どおり可決承認された。
新会長に岡嶋建一郎氏
役員の任期満了に伴う改選が行われた。1期3年間に渡り会長を務めた木田有氏(兵庫)が退任し、岡島建一郎氏(大分・前副会長)が新たに会長に就任した。
【新役員】(敬称略)
会 長
岡嶋建一郎
副会長
福屋栄人(新・北海道)、妹尾 始(新・岡山)
理 事
中六角保広(新・岩手)、木塚陽一(新・茨城)、高橋直人(静岡)、木田有(兵庫)、
石川拓(新・香川)
代表監事
佐藤俊彦(鳥取)
監事
大瀧信夫(新・栃木)、土屋敦敬(新・愛知)
新たに4名を認定
全国ホルスタイン改良協議会の認定ジャッジマンは、上野元一氏(北海道)、北島隆氏(東京)、村岡俊英氏(熊本)、石濱賢氏(家畜改良事業団)の4名を加え、103名となった。全国のショウリングで活躍の場が広げられるよう、共進会・B&Wショウでの活躍に期待したい。
第9回全日本B&Wショウ
総会に先駆け開催された第79回理事会では、第9回全日本B&Wショウを平成29年11月23日〜24日・御殿場馬術スポーツセンター開催をめざし、調整に入ることが決定された。
酪農講演会
通常総会の記念講演として、(一社)家畜改良事業団の高橋勉事業部長を講師に招き「わが国初の試み〜J‐Sireプロジェクト」と題し、我が国の国際競争力を強化するため、酪農家と関係者による「検討委員会」が設立され、そこで選畜された種雄牛が2月に新規選抜される。我が国の種雄牛作りの新たな時代を迎えるとの講演内容であった。

平成28年03月20日「今後の行事」 〜日本ホル協〜
  • 第279回理事会
    • 日程:3月25日(金)
    • 会場:日ホ協会議室
  • WHFF総会・評議員会
    • 日程:3月30日(水)〜4月1日(金)
    • 会場:アルゼンチン
  • 日本ジャージー登録協会理事会・総会
    • 日程:5月13日(金)
    • 会場:日ホ協会議室
  • 全国ジャージー酪農振興協議会委員会・総会
    • 日程:5月13日(金)
    • 会場:日ホ協会議室
  • 決算監査会
    • 日程:5月20日(金)
    • 会場:日ホ協会議室
  • 社員補欠選挙
    • 日程:5月31日(火)
  • 第280回理事会
    • 日程:6月2日(木)
    • 会場:日ホ協会議室
  • 第66回通常総会、第281回理事会
    • 日程:6月17日(金)
    • 会場:東京都中野区、中野サンプラザホテル
  • 地区別登録委員研修会並びに夏期登録事務担当者会議
    • 日程:7月下旬から8月上旬
    • 会場:東北地区=山形県
    • 中部北陸地区=長野県
    • 近畿地区=滋賀県
    • 中国四国地区=山口県
    • 九州地区=長崎県
  • 中央審査研究会
    • 日程:9月21日(水)〜23日(金)
    • 会場:北海道江別市・酪農学園フィールド教育センター
  • 支部承認団体登録事務取扱研修会
    • 日程:9月(予定)
    • 会場:日ホ協会議室


平成28年03月20日「登録の現況」 ~血統登録8.3%増日本ホル協登録部~
都府県の平成27年度中間(平成27年4月から28年1月末日現在)の血統登録雌牛申込み頭数は、3万3,799頭となり、前年同期に比べて2,595頭、8.3%の増加となっています。
昨年度は26年4月の消費税増税の影響で3月までの駆け込み申込みが相次ぎ、前年比86.6%と大幅に減少したものが、本年度は4月からほぼ平年ベースで推移しており、前年度と比較すれば数字上では増加となったものと考えられます。
26年度の反動
すなわち、25年度は「個別申込み」、「自動登録申込み」とも例年ならば3月末日で締めるところを各県からのご要望もあり、年度を超えて処理したこともあって、前年に比べて大幅な増加に繋がったものですが、26年度の集計は要するに1か月分が最初からなかったものとして始めるほかありませんでした。
27年度は当然のことこのような措置をしませんでしたので、ほぼ平年ベースで推移しておりますが、このまま年度末まで行ってくれるのかどうか、特に最近はF1価格並びにET和牛価格が高騰していることから、乳牛の腹にまともな後継牛すら入ってない状況を見聞きしますと、将来を憂慮せざるを得ないのかと不安になります。
そのうえ、数十年前なら考えられなかったような地球温暖化による世界的な天候異変、わが国にあっても夏から秋にかけての猛暑続き、それに加えて受胎の遅れ、さらに、配合飼料・輸入乾牧草が為替レートの関係で大きく高騰しており、加えてTPP交渉の妥結でわが国の農業の将来性を危ぶんでか、酪農家の廃業が相次いでおり、今後の予断を許さない状況と考えられます。
さて、表には県別の血統登録をはじめ各種申込み頭数並びに会費納入件数をお示ししました。
前述のとおり前年同期比で血統登録申込み頭数が大幅に増加した県が目立ち、3桁以上増加した県を挙げると、岩手県、茨城県、栃木県、静岡県、愛知県、鳥取県、岡山県、徳島県、熊本県の9県となっています。逆に、青森県、山形県、群馬県の3県は3桁以上減少していますが、これらの県にあっては登録推進月間等で当協会への申込期日がずれてくるためと考えております。
自動が過半数
一方、登録申込みに占める自動登録のシェアは表の中ほどにお示ししました。同時期における申込み頭数は1万9,595頭で全体の58.0%となり、昨年に比べて7.1ポイントの増加となりました。また、表にはお示ししておりませんが、本年度に登録申込のあった自動登録農家戸数は1,617戸となり、前年に比べて約70戸増となりました。
影響少ない会員数
表には移動証明申込み件数の状況もお示ししましたが、前年同期比ではプラス7.2%とやや増加しました。中でも福島県では震災からの復興牧場が多頭数を導入し、これらを一括移動証明していただいたことから大きく増えました。
ご承知のとおり、自動登録農家にあっては家畜改良センター個体識別部に所定の異動報告を済ませれば、当協会では該当牛の登録原簿上の移動を完了させており、あえて料金が必要な移動証明は推進していません。自動登録が90数%になる北海道では特にその傾向が顕著です。
さらに、都府県にあっては酪農の先行きが不透明なこと並びに道内の乳用牛市場価格が大きく高騰していることから導入を躊躇している方も多いと仄聞します。
最後になりましたが、会費納入件数を表の一番右側にお示ししました。1月末までに5,323戸の方から納入いただいており、前年同期比でプラス2.9%とやや増加で推移していますが、血統登録頭数ほどの伸び率はありません。県によっては年度末に一括納入というケースもみられるため今後に期待したいと考えております。

平成28年03月20日「自動登録同時SNP検査はじまる」 ~28年4月より~
日本ホル協は、平成28年4月より、自動登録同時SNP検査を開始する。これは、SNP検査の理解醸成・普及啓発のため、自動登録農家で、SNP検査を申込んだ場合、一定の条件をクリアすれば自動登録料を半額割引するものである。
SNP検査の普及・推進
日本ホル協では、SNP検査及びゲノミック(G)評価の普及・推進によって、
  1. 世代間隔の短縮により遺伝的改良のスピードアップを図れる
  2. 育成牛での早期選抜が可能になり、優良な育成牛や受精卵の確保・販売が有利になる
  3. 後代検定事業へのG評価結果の有効活用
  4. 遺伝病の発見
  5. 血縁関係の確認等が期待できる
G評価が、主要国では既に酪農産業の中で非常に有効かつ有望な成長分野と考えられ、今後の日本の乳牛改良においても重要な手法となる。
自動登録料金料優遇
しかしながら、SNP検査料金は、LDでも1万1,215円と高額なため、自動登録農家でその年度内に登録史、かつSNP検査を実施した場合には、自動登録料金の半額を還元することにした。
自動登録農家で牛群検定実施農家が条件
農家の条件として、
  1. 自動登録を実施していること
  2. 牛群検定実施農家
  3. 情報開示の同意(SNP申込書にチェック)をすること
が条件となる。
ETもOK
また、雌牛の条件としては、
  1. ホルスタイン種雌牛であること
  2. 生後1年以内の未経産牛(ET産子や導入牛も含む)
  3. 登録日から3か月以内にSNP検査を申込むこと
などが条件となる。
但し、補助事業でSNP検査を実施したものは対象外とする。
毛根等の送付は従来どおり
SNP検査の申込みは従来どおり、各都府県支部・承認団体宛てにまず申込む。毛根採取キットを入手後、尾房部の毛根(100本程度)と遺伝子型検査申込書を整備して、申込書を支部・承認団体へ、試料と試料送付書を家畜改良事業団遺伝検査部へそれぞれ送付する。申込書は先に日本ホル協へFAXすると、その日がSNP申込受付日となる。
年度末に半額を還元
自動登録料やSNP検査料は、都府県分については従来どおり規定料金を納付後、年度末に対象頭数を確認して返金する。
生後10か月以内であれば、1頭当たり916円が、ET産子であれば、1,024円が返金される。
もし、登録後30日以内に死亡(かつ登録後2か月以内に日本ホル協へ報告)した場合は登録料を全額返金するが、SNP検査料については、検査進度状況により、返金できない場合がある。

平成28年03月20日「品川牧場6年間で2,000頭超」 ~27年次都府県登録状況~
都府県で昨年1年間に血統登録された雌牛は4万4,638頭で前年より2,368頭減少した。また、血統登録を行った酪農家戸数は、4,078戸で前年より346戸減少し、酪農家1戸あたりの血統登録頭数は前年よりも0.3頭増加し10.9頭となり、年々増加している。
27年次都府県登録頭数は減少
表1には最近6年間の登録頭数と登録実施農家戸数の推移を示した。
登録件数の推移を見ると、東日本大震災の影響で平成23年は4万3,465頭と減少したが、24年は増加に転じ25・26年は約4万7,000頭を超え平年並みであった。登録実施戸数は歯止めがかからず減少の一途を辿っている。
最多登録頭数は(有)品川牧場の512頭
表2に昨年1年間に50頭以上の血統登録を実施した会員を示した。集計では親子などは1つにまとめて登録頭数の多い会員名で表示した。
登録頭数の最も多かった会員は6年連続品川牧場(群馬県)で512頭であった。品川牧場は前年より登録頭数を53頭増加し、この6年間では2,000頭を超えている。2位は(有)PIONEERFARM(茨城県)の307頭。3位は(有)ロマンチックデーリィファーム(群馬県)が253頭、4位は小岩井農場(岩手県)が246頭、5位は(有)古川牧場(群馬県)が242頭であった。
以下、野村栄一さん(茨城県)、中上秀夫さん(岩手県)が200頭以上を登録し、(独)家畜改良センター(福島県)、(有)安曇野牧場(長野県)、伊藤髙行さん(栃木県)、山中誠さん(岡山県)、(有)ツバヌキ牧場(鳥取県)、(一社)宮崎県酪農公社、(有)幸鷹牧場(熊本県)、足立松吾さん(岐阜県)、伊藤一実さん(愛知県)、(有)阿部牧場(熊本県)、(株)竹信牧場(岡山県)、木戸卓仁さん(兵庫県)、(株)赤羽根PVファーム(愛知県)、(有)鈴木牧場(愛知県)が年間100頭以上を登録した。年間100頭以上登録した農家は21戸で前年より2戸減少、50頭以上では8戸増加となった。
今回とりまとめた年間50頭以上の登録を行った85農家の内、65農家が自動登録を実施しており(表中、*を表示)、多頭数飼養農家では申込書不要、料金割引、登録洩れの防止、移動料無料など自動登録のメリットが大きい。

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平成28年03月20日「社員補欠選挙のお知らせ」 ~日本ホル協~
当協会では、北海道並びに新潟県選挙区において、社員補欠選挙を実施いたします。なお、この選挙実施に伴う詳細につきましては、来る5月11日、当協会ホームページで公示するとともに、当該選挙区の選挙管理事務所において掲示いたします。

平成28年03月20日「検定成績優秀牛」 ~都府県、平成28年1-2月証明分F偏差値~


平成28年03月20日「エモーションが連続トップ」 ~2016-2月国内種雄牛評価~
家畜改良センターは2月23日、乳用種雄牛評価成績2016-2月を公表した。今回の評価成績では精液供給可能種雄牛は76頭で、新規種雄牛は総合指数(NTP)上位40頭に9頭が入った。ここでは、国内のホルスタイン雌牛集団を効率良く遺伝的改良するための指標であるNTPトップ40について、その概要を紹介する。なお、今回の遺伝評価公表では、5年ごとの基準となる年(ベース年)の変更があり、2010年生まれの検定牛(または審査牛)の平均がゼロとなるように変更を行った。NTPでみると、前回より644ポイント下がり、前回の評価値とは単純に比較出来なくなった。
NTP1位は連続エモーション
NTPトップは連続してサンワードスーパーエモーションETで、父スーパーと母方祖父(MGS)バクスターから生産された。改良にはオールマイティな種雄牛で、表より産乳成分4位、耐久性成分7位、疾病繁殖成分8位と、どの成分も10位以内に入っている。また、特に長命連産効果(1位)の改良効果が高い。産乳能力では、乳脂量3位、乳代効果4位、乳量・乳蛋白質量・無脂固形分量が5位で高い収益性がある。また、体型形質でも肢蹄1位、乳器9位で、特に乳房のけん垂が極めて強く、長命連産効果が高いことに納得がいく。
2位のケネカランドプラットユップETは前回3位から順位を1つ上げた。プラネットとショッテルとの交配で誕生し、母系にはマッセイを産出したマンフレッドヤツダがいる。産乳成分と乳蛋白質量は1位、乳量2位、無脂固形分量4位、乳代効果5位と産乳能力の改良には期待が持てる。
3位のSPブランディバクスターETはバクスター×オーマンの交配からで、13年8月に4位初登場してから常に上位をキープしている。乳脂量1位は3期連続5回目の1位で産乳成分3位、乳蛋白質量6位、長命連産効果7位で、乳成分率も全てプラスと優れた泌乳能力を備えた種雄牛である。
長命連産効果も連続エモーション
形質別では、エモーションが長命連産効果で2期連続トップとなった。2位には新規牛のモーニングビューオーマンシュールET(NTP38位)、3位にWHGオーシャニックジョビアンET(同22位)が入った。
ユップ(NEW)が産乳1位
産乳成分を見ると、ユップが1位(同2位)となった。2位には新規のモンマブリスクET(同4位)が入った。
耐久性成分を見ると、上位3頭は全て新規牛で、1位JCレジェンドバンビ(同11位)、2位シュール(同38位)、3位リバーサイドグレイブET(同36位)となった。
疾病繁殖成分は4期連続クロケットエーカースFVエレベーションETがトップを獲った。
9頭の新規選抜牛
今回は、NTPトップ40に新規種雄牛が9頭選抜された。その中で最高位は4位のブリスクで、父は産乳能力の高いプラネット。産乳成分・乳代効果・乳蛋白質量が2位、乳量・無脂固形分量3位、乳脂量6位と泌乳能力に長けた種雄牛である。
6位にはリリーヒルプラネットシュークリンETが入りプラネット×ランスロットからの交配で、産乳能力の改良に効果を発揮する。産乳成分9位で、特に乳蛋白質量3位、無脂固形分量8位、乳代効果10位。
11位のレジェンドは体型の改良、長命性に優れている。耐久性成分・決定得点が1位で、前乳房の付着、後乳房の高さと幅、そして乳房の深さに特に優れ、乳器も2位、長命連産効果は4位。
13位のNLBC ブロードリーリノスはJ-Sireプロジェクトで作出された初の種雄牛。
その他は、23位NLBC オーテイス ビアリー ET(J-サイア)、31位ケネカランドテンプトレスブラックブレインET、35位グリーデイミルスーパーゴールドデンジャラス、36位リバーサイドグレイブET、38位シュールである。
父はプラネット
NTP40を父牛別に見ると、プラネットが7頭(うち新規2頭)、MRバーンズとマンオーマンが4頭、そしてバクスターが3頭と続く。プラネットは、特に泌乳能力に優れ、米国ではTPI1位を1回、カナダではLPI1位を2回獲得している。
近親交配に気を付けて
交配に当たってはNTP40までの中から、特に改良したい形質の遺伝評価値が高い種雄牛を選定するとともに、交配する雌牛との間に近親交配が高くならないようにする必要がある。
近交のチェックは日本ホル協HPの「近交回避情報」で、確認ができる。最近は近交係数も高くなり、近交退化やハプロタイプの遺伝疾患に配慮するためにも、交配時には特に近交係数や血縁に注意が必要である。

平成28年03月20日「2頭・3記録で日本記録!」 ~27年次年型別高記録牛~
平成27年1~12月末までに日本ホル協で検定成績証明された中から、各年型別に乳量・乳脂量(2回搾乳)の全国トップ牛をとりまとめた。
27年次には、永峰勝利さん(北海道紋別市)所有牛が2部門、永峰拓人さん(北海道紋別市)所有牛が1部門が歴代記録を更新する素晴らしい成績となった(表の名号の前に*印で表示)。
6部門で都府県牛がトップ
牧場別では、奥孝さん(北海道富良野市)が最多の6部門でトップの成績を挙げている。
北海道勢が各部門で高記録を残す中、今回は6部門で都府県牛が部門トップとなった。乳量では、5年型で田村和人さん(群馬県)所有の「ロックマンファームトレビノジュラーン」が305日乳量1万9,085㎏を記録した。また、同年型の365日乳量では(株)ミルクファクトリーキシモト(岡山県)所有の「シーバードデニスツネ」が2万1,097㎏と好記録であった。
乳脂量では、3.5年型305日で五味英介さん(長野県)所有の「エリックファームMノマドリヴェレストメイベル」が乳脂量912㎏を記録し、同部門の歴代記録5位となる素晴らしい記録となった。また、成年型305日で石川和博さん(静岡県)所有の「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」が932㎏を記録した。
この他、2年型305日乳量トップの家畜改良センター所有牛などが各部門で上位となる好成績を残している。

平成28年03月20日「生涯乳量」 ~都府県28年1-2月~
28年1~2月に都府県で検定成績証明されたものの中から、表には生涯乳量5万㎏以上の高記録牛49頭を示した。今回は7頭の牛が総乳量(M)10万㎏を突破した。
トップ・石川和博さん(静岡県)所有
「プーリーブリッジスカイチーフエレガンスET」
生涯乳量トップは、石川和博さん(静岡県)所有の「プーリーブリッジスカイチーフエレガンス5ET」(平15.9.7生)の検定回数6回で検定日数3,236日、M15万1,617㎏、総乳脂量(F)8,520㎏、平均乳脂率(F%)5.6%、総乳蛋白質量(P)6,194㎏であった。今回の記録は、都府県歴代記録3位、県内歴代記録1位、都府県でのM15万㎏突破牛4頭目となる素晴らしい記録となった。また、本牛は審査得点でEX(90点以上)を獲得しており、泌乳能力・体型能力ともに優れた牛である。
2位は、中島康森さん(福岡県)所有の「ミドルランドルーベンスシーク」(平15.3.13生)の検定回数8回で検定日数3,462日、M12万3,443㎏、F4,632㎏、F%3.8%、P4,263㎏であった。本牛は県内歴代2位の記録を持っており、今回の検定成績証明により更に記録を伸ばした。
3位は、渡辺征央さん(静岡県)所有の「セジスビューティカウンテスタイタニア」(平17.1.13生)の検定回数6回でM11万4,784㎏であった。今回の記録は、6産目までの検定成績証明を一括申込みしたことによるもの。母牛もM10万㎏超えを達成している。
4位は、黒岩敏夫さん(群馬県)所有の「エクセルシアルドルフジニア」(平16.9.10生)の検定回数9回でM10万6,172㎏であった。本牛の記録も、検定成績証明を一括申込みしたことによるものである。また本牛は、審査得点EXを獲得している。
5位は、渡部英彦さん(広島県)所有の「THリードリボンヤマカイ」(平16.5.28生)の検定回数9回で10万5,887㎏であった。また、6位・小針勤さん(栃木県)、7位・山口貴士さん(兵庫県)所有牛もM10万㎏超えの高記録を達成した。特に、山口貴士さん所有牛の「レデイスマナーエスカレードET」は審査得点93点の高得点も獲得している。
前述の他、10位・31位石川和博さん(静岡県)、15位古川豪樹さん、18位中島康森さん(福岡県)、36位真鍋正隆さん(熊本県)、45位松島太一さん(熊本県)所有牛は、審査得点EXを獲得しており、体型においても優れた成績を残している。

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平成28年03月20日「EX頭数3年連続更新」 〜過去最高292頭誕生〜
審査648頭増調査2,035頭減
平成27年度の都府県におけるホルスタイン種の牛群審査(奨励含む)は43都府県で9,916頭を実施し、前年より648頭と大幅に増加した。やはり、10年ぶりに開催された第14回全日本ホルスタイン共進会の影響が好転につながった。一方、家畜改良推進事業に係わる体型調査は、前年度より事業予算が20%減少したことを受け、45都府県で9,259頭と昨年より2,035頭減少した。
ジャージー種の審査は101頭(前年89頭)で、ブラウンスイス種は6頭(前年3頭)と、ともに昨年度より増加した。
また、審査得点90点以上(EX=エクセレント)に評価された雌牛はホル種雌292頭、雄1頭、ジャ種3頭で前年度より38頭増加。
審査受検頭数1位岩手県2位熊本県
都府県別審査頭数では、岩手県が1,093頭と唯一1,000頭を超えた。次いで熊本県999頭、栃木県743頭、群馬県646頭、千葉県550頭が追随している。審査頭数も上位5県で都府県の41%を占める。
一方、後代検定に係る体型調査では、事業費並びに調査頭数枠が削減される中、各都府県の協力により1,538戸を巡回し、後代検定材料娘牛2,743頭、同期牛6,516頭、合計9,259頭の体型調査データを収集した。
牛群審査と体型調査の合計では、熊本県2,054頭のほか、岩手県1,731頭、群馬県1,313頭、栃木県1,264頭が1,000頭を超えた(表1)。
最多受検頭数「小岩井農場」
審査頭数の最多は、小岩井農場の250頭で平成23年度から5連覇を果たした。次いで家畜改良センター186頭、愛知県・福井牧場116頭、宮城県・半澤牧場111頭、愛知県・森牧場96頭と続いた(表2)。
後期EX頭数ホルスタイン146頭・ジャ−ジー2頭
平成27年度後期の都府県における審査でEXに評価された雌牛一覧を示した。なお、前期・後期を合わせた県別では、群馬県が30頭と最も多く、次いで栃木県29頭、岩手県26頭(ジャ種1頭含む)、福岡県22頭、熊本県21頭と続き、過去最多の292頭となった。
27年度は93点4頭、92点10頭、91点54頭、90点224頭であった。
93点は岩手県・中村優氏「モージャス・メイリング・スター」(7産)、宮崎県・川野大輔氏「DKF・ショイドレーガン・ダーハム」(5産)、熊本県・石井宏典氏「SF・ゴールドウィン・ストーン」(6産)、愛知県・神田峰男氏「オネスト・メリージェーン・ジョーダンET」(4産)と続く。
また、後期で初EXが誕生した牧場は、ホル種は岩手県・清水繁明氏、栃木県・羽石智昭氏、石川謙一氏、菊地俊成氏、群馬県・茂木貴浩氏、東京都・小俣行弘氏、長野県・藤原和弘氏、愛媛県・楠智幸氏、福岡県・松永慎也氏、本山匡浩氏、大分県・首藤牧場、沖縄県・具志堅忍氏、ジャ種は秋田県・鳥海高原花立牧場、岡山県・丸山昭博氏。長年に渡り続けてきた努力が改良の成果として現れたもので、今後の更なる活躍を期待する。


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平成28年03月20日「審査日程」 〜平成28年4月〜8月〜