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平成28年07月20日


平成28年07月20日「血統前年度比102.4%」 引き続きゲノミック評価の普及推進に努める ~第66回総会~
一般社団法人日本ホルスタイン登録協会(北良治会長)の第66回通常総会が、6月17日、東京都中野区の中野サンプラザで開催され、報告事項の平成27年度事業、平成28年度事業計画並びに収支予算、公益目的支出計画について確認され、提出議案の平成27年度決算報告、任期満了に伴う役員改選などの議案すべてが原案通り可決承認された。

会長挨拶
議事に先立ち、北会長が開会挨拶を行い、農林水産省をはじめ、日頃からご指導、ご支援をいただいている関係団体・機関、そして社員各位の多数の出席を賜り、盛会に開催できることに対し謝辞を述べた。
はじめに、去る4月14・16日の両日、熊本地方を震源とする大地震が発生し、酪農家をはじめ多くの方々が被災されたことに、心からお見舞いを申し上げ、災害対策酪農団体協議会を酪農関連4団体で設立し、多くの方々から暖かいご支援を賜り、心からの感謝を申し上げた。
次に、酪農をめぐる情勢について「5月に公表された生乳の需給動向では、全国の生乳生産量が3年ぶりに前年を上回り、国の対策や生産者の増産努力が表れてきたと期待する。一方、酪農家戸数、乳牛飼養頭数は依然として減少傾向で、乳牛資源の高騰・TPP対応・飼料価格の高止まり等の問題も山積している中にあり、規制改革会議ワーキンググループで【指定団体制度廃止】の提言が出され、当初の廃止案は撤回されたが、秋までには結論を出すこととなっており、憂慮すべき事態で、先行きが不透明な情勢下にあるが、国においては新しい家畜改良増殖目標を策定し、酪農生産基盤確保のため、泌乳持続性・長命連産性の向上などに重点をおいて改良を進められている。当協会としても、目標に示された改良方針に即し、協会の諸事業を推進し、もって、酪農生産基盤強化のための一助となるよう、引き続き努力したいので、皆様のご指導ご支援を賜るよう、お願い申し上げます。」と述べた。
また、「平成32年の秋には第15回全共が、宮崎県の[都城地域家畜市場]において、九州ブロックにより開催、実行委員会を立ち上げ、諸般の準備を進める所存なので、ご支援を賜るよう、重ねてお願い申し上げたい。」と述べた。
最後に、任期満了に伴う役員改選が上程され、「本日をもって身を引くこととなり、昭和60年に理事就任以来、通算31年もの永きにわたり、大過なくその任を果たすことが出来ましたことは、ひとえに皆様からのご支援の賜物であり、心からお礼を申し上げます。」と述べた。

SNP検査前年度対比115.7%
平成27年度事業実績では、会員数が都府県5,991名、全国1万3,024名で前年度から594名減少した。一方、血統登録申込は、全国20万782頭の前年度対比102.4%と増加し、特に都府県では前年度対比106.3%と増加したが、昨年は減少していたので、例年並み若しくは少し減少をしていると見られる。しかし、後継牛確保対策や、性判別精液の利用などの要因である事も否めない。
審査成績証明が都府県で1万9,181頭、全国では5万1,934頭(前年度対比91.3%)で体型調査の減少によるもの。検定成績証明が都府県で5,209件(同137.4%)、全国では7万6,723件(同101.0%)、都府県で証明件数の伸びをみせたのは、昨年北海道全共が開催された事が要因である。また、SNP検査は昨年度から(独)農畜産業振興機構と(一社)家畜改良事業団直接事業となったため、一般の申込で都府県371件、全国では1,644件(前年度対比115.7%)となった。
平成27年度収支決算では、実施事業等会計(登録事業)、その他会計(ホルスタイン会館賃貸事業・第14回全日本ホルスタイン共進会事業)、法人会計を合わせた経常収益額は13億357万5,382円で、税引き後の正味財産増減額は1460万2,216円(前年より933万円減)の黒字となる旨上程され、原案どおり可決承認された。

自動登録同時SNP検査開始
平成28年度事業計画では、乳牛頭数、酪農家戸数の減少傾向に伴い、牛乳乳製品の安定供給の観点から喫緊の対応が必要となっている中、国は畜産クラスター事業等を核に生産基盤強化のための諸作を展開するとともに、昨年3月に策定した「家畜改良増殖目標」で、乳牛の改良方針として、泌乳持続性、飼料利用性、長命連産性、国産種雄牛の活用等に重点を置いた目標を示している。日本ホル協では、こうした目標の実現に向け、血統登録を基礎に改良を進め、乳量と生涯生産性の向上に寄与していく方針であり、以下のことに継続的に取り組むとした。
血統登録、審査・検定等で収集した情報を適正に維持・管理するとともに、近親交配を避ける近交係数の算出や系統譜の利用、遺伝評価値の活用等を目的に、Webサイトや機関紙を通じて、これを提供していく。
後代検定に必要な初産検定中の材料娘牛及び同期牛の体型データの収集を行う。また、これらデータや登録情報を基に、国等から受託を受けて、泌乳能力及び体型の遺伝評価に必要な血縁ファイルの作成等を行う。
主要国で急速に普及進展している乳用牛のゲノミック評価について(独)農畜産業振興機構補助事業で評価値の還元が行われているところだが、牛群検定を実施している自動登録農家に対し、自動登録同時SNP検査申込による血統登録料金の優遇を行い、SNP検査の普及に努め遺伝的に優位な乳用後継牛の早期確保による遺伝的改良の推進を図る。
世界ホルスタイン・フリージアン連盟に加盟し、登録に係るゲノミック技術、近親交配による弊害、繁殖障害などの共通課題について情報交換を行う。
ホルスタイン会館の運営を通じ、登録事業の安定的な運営を図り事業の継続性を高めていく。
平成28年度収支予算は、血統登録申込が都府県で4万2,800頭(前年度予算対比99.9%)、全国でも19万3,800頭(同99.9%)、審査4万6,745頭、検定7万4,230件、移動6,800件を計画、ホルスタイン会館賃貸事業は前年度並みの収益を予想し、これら関連収入等と合わせると経常収益は11億6855万6,500円を見込む。経常費用は11億4807万1,500円とし、税引き後の正味財産増減額は268万5,000円を見込む。

「来 賓 祝 辞」
「畜産クラスター事業等の推進」
農林水産省畜産振興課松本隆志課長補佐
北会長におかれては、北海道における全日本ホルスタイン共進会を盛会に開催いただき、農林水産省行政についても様々なご助言・ご協力をいただいた事にこの場をお借りして感謝申し上げる。
熊本地震について農林水産省でも様々な対応をしている所だが、畜産関係団体においても被災された方に対する義援金や現地へタンクローリーを乗り入れ生乳の廃棄量を軽減しようと活動された事、物心共に協力頂きとても感謝をしている。
会長挨拶にもあったが、現在、指定生乳団体の事に関しての議論は、廃止に向けたものでは無く、安定的に生乳生産をしていく事であり、震災時に廃棄しないように出来たのはこの制度があったからで、その指定生乳団体の持っている機能は壊さず、時代に沿わない部分を見直す会議を行っている。
また、新聞で乳房炎ワクチンが認可され、新しい選択肢が出来たのは生産者にとって良い事であるが、そのワクチンを使わず、予防するのが、本来の酪農経営の姿であるべき。また、初妊牛価格が下がった事がニュースになったが、一般消費者に、初妊牛や後継牛が足らない事を説明するのは難しく、理解されにくい事である。おかしいと思われる状況が現在の酪農にあるので、それを認識した上で、後継牛を確保していくのが大事。性判別精液の事業やクラスター事業を実施し、わが国の酪農発展につなげていきたい、旨の挨拶が行われた。
「私の心配事」
一般社団法人家畜改良事業団守部公博専務理事
牛群検定の普及率が6割程度になったが、酪農家戸数は減って、普及率だけが上がっても喜べない状況にある。昨年は北海道全共が成功裏に開催されたことは、ご尽力の賜物であり、日頃の取組の成果。
牛群検定事業は昨年に40年の節目を迎えたが、平成27年度は平均乳量が9,450㌔(北海道9,417㌔、都府県9,516㌔)で最高の数字となった。生乳不足の中で生産者の努力の結果だが、気がかりな点があり、過去平均乳量が伸びた時は初産牛の能力が上がった事によるが、ここ数年は2産目以降の成績だけで、初産牛は停滞し横這いの状況。昨今の平均乳量の伸びは遺伝的能力によるものではなく、濃厚飼料の多給によって伸びている可能性が極めて高い。そんな濃厚飼料多給管理のなか、初産牛が反応を示さないのは遺伝的改良が初産牛に機能してこないのが一番の心配。
酪農の原点である、与えたエサを効率よく乳に換える牛作りを忘れることなく乳牛改良を推進したいので引き続き、ご支援・ご協力をお願いしたい、旨の挨拶が行われた。
「指定団体制度存続に粘り強く要請」
一般社団法人全国酪農協会三国貢常務理事
続いて、全国酪農協会三国貢常務より、最近の酪農情勢では指定団体の規制改革会議の提言については、酪農政治連盟や指定団体等と共に、政府国会に指定団体制度の存続を粘り強く要請していきたい。
平成27年度の生乳生産が3年ぶりに前年度を上回り喜ばしい事だが、平成28年度は依然として都府県の生乳生産量が減少する見通し。特に都府県の生乳生産基盤の弱体化が著しく、家族経営が将来にわたって持続できる様にさらなる生産基盤強化対策、具体的には後継牛の確保・家族経営の労働費が確保される経営・所得安定対策・自給飼料対策等について引き続き検討並びに要請していきたいと考えている。
また、先の熊本地震に際しては日本ホル協をはじめ、酪農4団体で災害対策酪農団体協議会を設置し、義援金活動と施策支援活動を発動。義援金は6月末を目途に取り纏め、被災された酪農家に届ける事としている。
また、日本ホル協からは、機関誌「全酪新報」での改良情報の提供や、地域酪農活性化支援対策事業、全国の酪農後継者などの育成のための「酪農未来塾」の運営にも参画指導など、一層の提携強化と友好を深めていきたいとした。

平成28年07月20日「新役員4名が就任」
任期満了に伴う役員改選を行い、理事16名、監事3名の役員候補者が原案通り可決承認され、北良治氏(北海道)、田嶋敏氏(福井県)、大友裕典氏(学識経験者)の3名が理事を、弓家善一氏(茨城県)の1名が監事を退任し、新たに山口哲朗氏(北海道)、柴野立太氏(石川県)、栗田純氏(学識経験者)が理事に、朝倉実行氏(茨城県)が監事に選ばれた。役員の任期は2年間。
総会後、開催された理事会において、役員による三役の互選が行われ、会長には前田勉氏(長野県)、副会長には山口哲朗氏(北海道)、清末健一氏(大分県)、専務理事には栗田純氏(学識経験者)がそれぞれ新しく選ばれた。


山口哲朗理事 柴野立太理事 栗田 純理事朝倉実行監事

平成28年07月20日「人 事 異 動」
(7月1日付)
◇大西信雄事務局長兼登録部長(登録部長)

平成28年07月20日「今後の行事」
◇地区別登録委員研修会・夏期登録事務担当者会議
◎東北地区=7月28~29=山形県
◎関東地区=8月8日=東京都、日ホ会議室(事務担当者会議のみ)
◎中部・北陸地区=8月1~2日=長野県
◎近畿地区=7月21~22日=滋賀県
◎中国・四国地区=8月4~5日=山口県
◎九州地区=7月27~28日=長崎県 ◇支部・承認団体登録事務取扱者研修会9月1~2日日ホ会議室 ◇第15全共企画委員会
9月12~13日宮崎県、都城地域家畜市場 ◇中央審査研究会
9月21~23日北海道江別市、酪農学園大学 ◇中間監査会
10月21日日ホ会議室 ◇ジャジング・スクール
10月28~29日長野県小諸家畜市場(主催・全国ホルスタイン改良協議会) ◇第283回理事会11月18日日ホ会議室


平成28年07月20日「スマホから命名」 〜自動登録補足情報報告システム〜
補足情報報告システム(以下、システム)は平成25年7月から運用開始し、自動登録実施農家の血統登録に関わる負担軽減の一翼を担っております。
このシステムは、インターネットでの出生届出と同時に希望名号等の報告を行うことが出来るサービスです。
これまではパソコンでの利用に限定しておりましたが、(独)家畜改良センター個体識別部(以下、家畜改良センター)のご協力でスマートフォンやタブレットからも出生届出が行える「届出Webシステム」からの利用が可能になりました。 そこで本システムの概要をご説明致します。
1.パソコンまたは届出Webシステムから出生届出を行います。

2.その中に自動登録の対象雌牛が存在した場合、「報告対象牛一覧」ボタンを押すと、ホル協報告対象牛一覧が表示されます。

3.「日本ホル協自動登録補足情報入力」ボタンを押すと、日本ホル協のWebページに接続され、希望名号等申請画面へ移動します。

4.「入力する」ボタンを押すと、図の希望名号等の入力画面に移動します。

5.画面で希望名号、毛色、品種、産子数や死亡・虚弱体質などの登録破棄・延期の申請が出来ます。なお、母牛が登録牛の場合は名号が表示されます。そして、確認ボタンを押すと「報告内容確認画面」が表示されます。

6.報告内容に誤りがあった場合は表示されません。そこで報告ボタンを押すと報告が完了します。

7.画面は「報告対象牛一覧」に戻り、次の牛の報告が可能になります。 なお、本システムに関するお問い合わせは家畜改良センターではなく、都府県内の方は当協会登録部、北海道内の方は同北海道支局登録部までお願いします。 次にシステムの詳細をQ&A方式で説明します。
Q1:出生届出と同時でないと希望名号は報告できないの?
A1:出生届出を行った当日6時から23時の間ならば、家畜改良センターの「本日の報告済出生データ一覧」のページから報告が可能です。また希望名号を修正したい場合も同様です。ただし、翌日になると希望名号等の報告は出来ません。 Q2:携帯電話やスマートフォンで使えるの?
A2:「届出Webシステム」から出生届出を行った場合は、スマートフォンやタブレットから利用できます。携帯から出生届出をされている方は、出生届出後、改めてパソコンからの入力をお願いします。 Q3:自動登録を実施していない会員は利用できないの?また、利用にあたり申込は必要なの?
A3:申込は不要ですが、自動登録を実施されている方のみが利用できます。 Q4:一日に最大何頭まで報告できるの?
A4:一日に希望名号等を報告できるのは最大50頭までとなります。 Q5:当日中の報告漏れや51頭以上は希望名号を付けられないの?
A5:自動登録実施農家連絡書にて報告をお願いします。 Q6:農協等で代行報告している場合は、希望名号を付けられないの?
A6:インターネットで代行報告をしている場合のみ可能です。詳しくはこちらをクリック



平成28年07月20日「ゲノミック評価雌牛成績2016-5月」 〜1位 GNTP 2,822〜
5月31日に(独)家畜改良センターにおいて2016-5月ゲノミック評価雌牛成績が公表された。そのうち、上位牛15頭を表に示した。今回評価の概要によると、若雄牛956頭、未経産牛1万7,574頭のゲノミック評価値が計算された。
ゲノミック評価では、総合指数、産乳成分、耐久性成分、疾病繁殖成分、泌乳能力3形質(乳量、乳脂量、乳蛋白質量)、体型3形質(決定得点、肢蹄、乳器)のほか線形17形質に加え、泌乳持続性、空胎日数、疾病関係の体細胞スコアの合計26形質が計算され、従来の遺伝評価と同じく2月、5月、8月、11月の年4回公表されている。
ゲノミック評価のメリットは記録を持っていない未経産牛の遺伝的能力が推定できるということ。この評価値を利用することで、選抜時期の早期化による世代間隔の短縮が可能になり、結果として大きな改良効果が見込まれる。後継牛生産のための交配を行うか、肉用牛の交配や付加価値の高い受精卵を利用するか、生後きわめて早い時期に選択することが可能になる。さらに後継牛生産では性判別精液を利用することで、より高い改良効果を得ることができる。
また、公表に際し、ゲノミック評価の正確性の指標として「実現信頼度」が採用されていて、この信頼度(形質すべての平均値約40%)は両親の育種価平均値(PA=信頼度約30%)よりも高いものの、従来の遺伝評価値(EBV=信頼度約50〜60%)よりは低いと言われている。


平成28年07月20日「登録推進に尽力」
登録委員62名を表彰
日本ホル協は、登録委員に対する表彰要領に基づき、各都府県支部・承認団体から推薦のあった28県62名の登録委員の方々を表彰した。
登録委員は、酪農組合などの技術職員で、日本ホル協が委嘱し、酪農家に最も身近な立場で登録申込書の作成や改良指導などに日頃から活動されており、登録推進には不可欠な存在である。常々のご尽力に対して心から感謝の意を表する次第である。 27年度の表彰登録委員は次のとおり(敬称略)で、後日感謝状と記念品が贈られる。
・青森県藤谷龍
・岩手県今松祐一、久保翔、石川久雄
・宮城県高橋清治、今野忠雄
・茨城県野村英貴、佐藤大地
・栃木県岡信也、林田奈美子、鈴木寿一
・群馬県宮崎智裕、田村弘幸、鮎貝哲成、武士世理子、海沢勝利
・千葉県水野好幸、高橋幸一、森清之、冨山洋
・新潟県石田崇
・長野県有賀靖浩、山下秋広、裏見尚、山口嘉重
・岐阜県伊藤淳、長瀬和仁、澤村正次
・静岡県吉岡武志、岩田宏三、尾川淳
・滋賀県中村健一
・兵庫県藤野幸一
・奈良県小渡陽子
・鳥取県今吉正登
・島根県若槻素直
・岡山県森中友美、大西克巳、奥山康恵
・香川県池添智
・愛媛県岡山圭太、有友文昭
・高知県夕部尚彦、市川恭子
・福岡県林国男
・佐賀県木下浩輔
・長崎県宮下武士
・熊本県谷田将人、矢川貴之、池田直樹、齋藤伸二、高橋佑弥
・大分県日隈界治
・宮崎県山縣裕二、黒木信宏、去川貴弘
・鹿児島県米田秀一、泊秀一、大重泰慎、坂口登嗣、比良章
・沖縄県湧川重智

平成28年07月20日「検定成績優秀牛群」

五味牧場が2年ぶりトップ
27年度都府県の検定成績優秀牛群表彰では、五味英介さん(長野県)の牛群が牛群検定加入頭数42頭のうち63件証明から平均乳脂肪量(F)偏差値182.8でトップに輝いた。この表彰は、検定成績証明を当年度に10頭以上受け、検定を終了した頭数を分母とした証明率が60%以上の農家を対象としている。
トップの五味英介さんは、25年度の表彰でも1位を獲得している。同所有牛は、27年度の年型別検定成績優秀牛においても、3年半型305日乳脂量の部門でトップを獲得するなど好成績を残している。
2位は、岡本雄司さん(群馬県)の55件証明のF偏差値179.1、3位は(株)荒木牧場(熊本県)の28件証明のF偏差値172.7であった。
なお、トップ10の牛群のうち7牛群では検定成績証明の自動継続申込みを実施している。検定成績証明の自動継続申込みとは、年に一度申込むとその牛群の全牛について、検定成績証明を1年間にわたって希望する検定期間(305日、365日、1乳期)が終了するごとに自動的に取得できるものである。


平成28年07月20日「審査成績優秀牛群」 −島原農高・古川牧場・渡辺牧場−
日本ホル協は、27年度に牛群審査を受検した612戸のなかで、審査頭数によって10〜29頭、30〜49頭、50頭以上の3クラスに分け、それぞれ平均体型偏差値の上位10牛群計31農家を表彰した。
表彰にあたり50頭以上クラスを除き、受検率70%以上が表彰条件となっている。
審査頭数10〜29頭長崎県立島原農業高等学校
審査頭数10〜29頭クラスでは344戸が対象となり、受検率70%以上は37戸、その中で長崎県立島原農業高等学校が審査頭数13頭(受検率72.2%)、平均審査得点87.4点、平均体型偏差値161.9で第1位を獲得した。
第2位は京都府立農芸高等学校が審査頭数15頭、平均審査得点86.0点、平均体型偏差値157.2の成績を挙げた。
第3位は(公財)郡山市観光交流振興公社(福島県)であった。トップテンのうち農業高校5校が上位にランクインする結果となった。
同30〜49頭佐賀県古川豪樹さん
審査頭数30〜49頭クラスでは75戸が対象となり、受検率70%以上は19戸、その中で佐賀県の古川豪樹さんが、審査頭数40頭(受検率81.6%)、平均審査得点86.7点、平均体型偏差値157.6であった。古川豪樹さんはこの部門では平成24年度から4年連続してトップ獲得となった。
第2位には昨年度に引き続き、小林正春さん(長野県)がランクイン。審査頭数37頭、平均審査得点85.8点、平均体型偏差値147.5であった。
第3位には陰山光彦さん(鳥取県)、第4位には長恒泰治さん(岡山県)、第5位には池松和幸さん(福岡県)が上位ランクインを果たした。
同50頭以上岐阜県渡辺修一郎さん
審査頭数50頭以上クラスでは34戸が対象となり、その中で渡辺修一郎さん(岐阜県)が審査頭数51頭、平均審査得点85.6点、平均体型偏差値150.7で第1位に輝いた。
第2位は松島太一さん(熊本県)で、審査頭数57頭、平均審査得点85.3点、平均体型偏差値147.9の成績を上げた。
第3位は弓家直人さん(茨城県)、第4位には重見宝弘さん(大分県)、第5位には三浦幹雄さん(鳥取県)が上位ランクインを果たした。
以上、表彰農家を紹介したが、表彰者個々の改良意欲の高さと、日々の管理技術の向上に取り組む姿勢に敬意を表するとともに、今後のさらなる発展に期待したい。



平成28年07月20日 「前年比やや増加27年度血統登録申込消費税増税前のベースに戻る」 - 登 録 部 -
最近の酪農情勢を垣間見ると、平成27年は依然として国内の乳牛飼養戸数・頭数が減少傾向にあり、特に都府県の都市近郊地域にあっては廃業が相次ぎ、仲間が減ってしまうという危機的な状況に置かれております。これは、乳牛資源の高騰やTPP対応で将来の展望が開けないこと、さらに人間の食糧と競合する配合飼料価格の高騰が続き、今が止めどきと判断する方が多いからかもしれません。このような状況下、国においては各種の施策を通じて酪農生産基盤の強化を図り、中でも泌乳持続性と長命連産性の向上に重点をおいて改良を進めるということで着々と事業が進められております。
ここで、都府県の平成27年度の各種登録等申込状況を表1に示しました。会員数においては前年比95.6%とやや減少したものの、血統登録においては106.3%とやや増加。移動証明においては99.7%と前年並みとなっております。審査成績においては107.0%と増加したほか、検定成績証明においては130.7%と大幅に増加しております。
昨年度登録頭数が増加した要因は、前年度が26年4月からの消費税増税により3月までの駆け込み申込みが相次いだ結果25年度の頭数が増え、逆に26年度は申込み頭数が大幅に減ったことによります。この26年度の数字と比較したので27年度は見かけ上、若干の増加となったと考えられますが、何はともあれ登録頭数の減少に歯止めが掛かっていること自体は嬉しい限りです。改良事業に寄与する登録頭数に大きな波があるのかどうかという点では年度での多寡ではなく数年単位での増減をみなくてはなりません。表2には都府県における登録頭数の推移をお示ししました。暦年ベースで比較していることと、申込み頭数と登録頭数という点で完全な比較にはなりませんが、乳牛飼養頭数に比べて登録頭数はそれほど減っていないことがお分かりになると思います。
ところで、平成22年度以降は審査成績の数字には後代検定材料娘牛と同期牛の体型調査頭数も加えており、これを除いた有料の審査頭数は、平成21年度が8千106頭、22年度7千418頭、23年度8千258頭、24年度9千225頭、25年度9千303頭、26年度9千268頭、27年度9千922頭となり、最近4年間は9千頭のオーバーを維持しております。まだ年による増減があるものの、一定レベルの頭数を受検していただいていることに対して、関係各位の改良事業に対する意識の高さを感じる次第であります。なお、検定成績証明頭数が大幅に伸びた要因は、第14回全日本ホルスタイン共進会の出品資格条件に「本牛又は母牛が当協会の検定成績証明を有していること」とあったためと推測されます。
最後になりますが、平成28年度に入ってからまだ3か月しか経っておりませんが、いまのところ登録等の申込みはあまり芳しくありません。牛群審査で各地を巡回しておりますと、「黒毛の市場が高騰しており、F1も高止まり」との声が聞こえてきます。どうかすると目先の事にとらわれて「ではF1だ」と考える方がおられるかもしれませんが、酪農に将来の展望を託している方々は一定数の後継牛を確保されており、改良事業の一環である登録と牛群検定に関してはしっかりと推進されているようですので、今後とも、関係登録委員並びに支部・承認団体のご指導をいただきますようよろしくお願いいたします。

平成28年07月20日「普及推進に貢献 熊本県酪連など表彰」 -27年度団体表彰-
日本ホル協では毎年度、会員拡大や血統登録の推進、自動登録の普及や審査の普及推進に貢献している各都府県支部・承認団体を表彰している。27年度の表彰団体は次のとおり。
◇会員拡大推進団体
  • 【優秀賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会
  • 【優良賞】
    • 鹿児島県酪農業協同組合、宮崎県経済農業協同組合連合会
  • 【努力賞】
    • 全国農業協同組合連合会青森県本部、福島県酪農業協同組合、岩手県支部、
    • 大山乳業農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合
◇自動登録普及推進団体
①増加指数によるもの
  • 【殊勲賞】
    • 石川県酪農業協同組合
  • 【敢闘賞】
    • (公社)富山県畜産振興協会、山梨県家畜改良協会
  • 【努力賞】
    • 宮崎県経済農業協同組合連合会、おかやま酪農業協同組合、酪農とちぎ農業協同組合、
    • 大分県酪農業協同組合、(一社)滋賀県畜産振興協会
②普及指数によるもの
  • 【殊勲賞】
    • 大山乳業農業協同組合
  • 【敢闘賞】
    • 大阪府総合畜産農業協同組合連合会、鹿児島県酪農業協同組合
  • 【努力賞】
    • (公社)山口県畜産振興協会、おかやま酪農業協同組合、秋田県支部、
    • 愛知県酪農農業協同組合、(公社)富山県畜産振興協会
◇血統登録普及推進団体
  • 【殊勲賞】
    • 静岡県ホルスタイン協会
  • 【敢闘賞】
    • 茨城県酪農業協同組合連合会、神奈川県酪農業協同組合連合会
  • 【努力賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会、岩手県支部、大分県酪農業協同組合、
    • おかやま酪農業協同組合
◇審査普及推進団体
①増減率によるもの
  • 【優秀賞】
    • 岩手県支部
  • 【優良賞】
    • (公社)群馬県畜産協会、酪農とちぎ農業協同組合
  • 【努力賞】
    • ふくおか県酪農業協同組合、千葉県酪農農業協同組合連合会、
    • 愛媛県酪農業協同組合連合会、宮城県ホルスタイン協会、
    • 全国農業協同組合連合会 長野県本部
②審査頭数によるもの
  • 【優秀賞】
    • 熊本県酪農業協同組合連合会
  • 【優良賞】
    • 岩手県支部、(公社)群馬県畜産協会
  • 【努力賞】
    • 酪農とちぎ農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合、ふくおか県酪農業協同組合、
    • 千葉県酪農農業協同組合連合会、大山乳業農業協同組合

平成28年07月20日「乳用雌牛評価成績2016-5月」
5月31日に2016-5月国内雌牛遺伝評価成績が公表された。そのうち、全国15位までと都府県で飼養されている上位牛10頭の一覧を示した。
今回トップを飾ったのは、前回に引き続き「ピュアソウルビジョンSヘンリーET」(北海道・丹治智寛さん所有)であった。特に産乳成分に優れており、総合指数(NTP)も唯一4,000を超えている。
2位も前回同様で同所有の「ピュアソウルビジョンBヘネシー」となった。また、今回8位の「ピュアソウルビジョンSヘレンET」は本牛の母牛であり、親子ともに高能力を示し特に産乳成分が高く、特に肢蹄が優れている。
3位も前回同様北海道・平野正志さん所有「ミッチーボルトン」となった。本牛は耐久性成分が非常に高い。
都府県では、5位に宮崎県・前原直希さん所有の「JリードマウイオーマンET」が入った。前原牧場所有牛は、ベスト100に33位、47位、89位、95位にそれぞれ入っている。前述の牛を含め、トップ100の中に都府県牛が12頭入る優秀な成績を収めた。


平成28年07月20日「平成27年度検定成績優秀牛」

- 305日検定 ・ 365日検定 -
田村和人さんほか記録を更新
27年度都府県での検定成績優秀牛として、表に示した延べ32頭をまとめた。昨年度は日本記録の更新は無かったものの田村和人さん(群馬県)、吉原直樹さん(岡山県)、(株)ミルクファクトリーキシモト(岡山県)所有牛が都府県記録(表中、名号前の * 印)を更新した。
都府県記録を更新したのは、田村和人さん所有の「ロックマンファームトレビノジュラーン」(父トレビノ)で、5年型305日乳量で1万9085㌔を記録した。この記録は、平成27年度における同部門の全国記録でも1位を獲得する素晴らしい記録であった。また、吉原直樹さん所有の「グランディールスーパーピノチャントET」(父スーパー)が、3年半型365日乳量2万1346㌔、(株)ミルクファクトリーキシモト所有の「シーバートデニスツネ」(父デニス)が5年型365日乳量2万1097㌔で都府県記録を更新する優秀な成績を記録した。なお、渡辺征央さん(静岡県)所有牛は、4年半型の部門において305日及び365日の乳量・乳脂量ともに平成27年度はトップとなった。
優秀牛の所有者に目を向けると、(独)家畜改良センター所有牛が7部門、次いで、渡辺征央さん(静岡県)所有牛が4部門でトップとなるなど優秀な成績を収めている。



平成28年07月20日「WHFF 世界の近親交配の動向2015」
世界ホルスタイン・フリージアン連盟(WHFF)の第14回世界会議が2016年3月28日~4月3日の7日間、南半球アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催された。今回テーマは「未来を想像してみてください」のテーマで行われ、総会をはじめ評議員会、世界審査委員ワークショップ、世界連盟ユース交流会、シンポジウムなどが催された。シンポジウムは2日間5つのセッション、22題の話題などが発表された。その中でドイツ・ホルスタイン協会(DHV)のエグバート・フェダーセン氏が「世界の近親交配の動向2015」と題して特別講演を行ったので紹介する。

フェダーセン氏は世界のホルスタイン種における近交係数の動向を分析するため、WHFF加盟各国から近交係数のデータを収集した。同氏は各国へ、近交係数の計算手法、血統濃度は87%以上の雌牛、1980年以降の生年別近交係数を電子データで送るようお願いをした。そして、集まった18か国からの近交係数データで分析を行った。
これらのデータの注意すべき点は、国により血縁データの集積の違いがあるということ。また、その集積されている血縁データを近交係数の計算にどこまで遡って計算をしているかにより、それが近交係数の値に表れる。1980年の近交係数が小さい国は、実際にそれ以前の登録データが乏しいためか、古い血縁データを遡らなかったために計算できず、近交係数が小さい可能性がある。1960年代の古いデータが正確に蓄積され利用している国では、近交係数が高くなる可能性が高い。それは、この年代まで遡ると、著名な種雄牛であるラウンドオークラグアツプルエレベーシヨン(1965年生)やポーニーフアームアーリンダチーフ(1962年生)が血縁上にあちこち登場してくるからである。参考までに日本の蓄積されている血統マスタは1969年(昭和44年)9月までは全て入っているが、それ以前のものは、審査や検定の記録を持っている牛か、血縁上に著名牛がいる場合である。
さて、図1をみると、カナダが2015年に唯一近交係数7%を超えていることが分かる。確かに高い近交には間違いはないが、登録データの集積の違いや、古いデータをどこまで含めて計算しているかにより、近交係数の値は異なるため、この図1は各国ごとの傾向として見ていただきたい。
また、この中で目を引くのがチェコ(CZE)で、2006年を境に近交係数が下降している。チェコの情報は乏しいため下降の原因について、現在調査中である。
さて、17か国のうち、全データが揃っている12か国について、1980年からの近交係数を10年ごとに区切り、その年当たりの平均増減量を出したものが表である。多くの国で90年代で高い増加傾向を示している。00年代では一時低い増加傾向を示す。そして、10年代でも低い増加傾向を示しているのが、スペイン、ドイツ、イタリア、日本の4か国である。しかし、10年代に平均値が再び増加傾向を示している国が6か国ある。ベルギー、カナダ、スイス、フランス、オランダ、アメリカである。図2の12か国で集計した年当たり近交係数平均増減量では90年代と10年代が高くなっている。10年代の高まりはゲノミック評価を利用しヤングブルを多用して世代間隔が狭まったことが原因と考えられる。特にヤングブルを利用しているアメリカやカナダの近交が高くなっている事が窺える。
これらの近交を抑えるためにはAI体がアウトクロスを受け入れるチャレンジが必要である。また、SNPデータを利用した近交を抑える交配ソフトが開発されるだろう。そして、WHFFでは、さらに加盟国の近交について監視するとした。



平成28年07月20日「生涯乳量」 -都府県28年4~6月-
28年4月~6月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量6万㌔以上の高記録牛29頭を示した。今回は7頭の牛が総乳量(M)10万㌔を突破した。
生涯乳量トップは、(有)西村牧場(熊本県)所有の「スターライトサブラテリス」(平12.8.23生)の検定回数11回で検定日数3,908日、M15万728㌔、総乳脂量(F)5,143㌔、平均乳脂率(F%)3.4%、総乳蛋白質量(P)4,423㌔であった。今回の記録は、都府県歴代記録6位となり、県内歴代記録でもトップとなった。また、都府県でのM15万㌔突破牛6頭目となる素晴らしい記録となり、今回、11産目検定成績証明により更に記録を伸ばした。
2位は、和田正さん(新潟県)所有の「MFリードマスターシルビア」(平12.10.9生)の検定回数11回で検定日数4,107日、M13万3202㌔、F5,631㌔、F%4.2%、P4,525㌔であった。本牛は県内歴代記録1位で、今回の記録は11産目までの検定成績証明を一括申請したことによるもの。
3位は2位同様、和田正さん(新潟県)所有の「ワーダスターダムテル」(平11.6.10生)の検定回数12回で検定日数4,671日、M13万2149㌔、F5,117㌔、F%3.9%、P4,414㌔であった。本牛は県内歴代記録2位で、今回の記録は12産目までの検定成績証明を一括申請したことによるもの。
4位は、妹尾優佳さん(岡山県)所有の「ヒールクレストドミノブリジツト」(平15.12.20生)の検定回数8回で検定日数3,099日、M12万5399㌔、F3,937㌔、F%3.1%、P3,935㌔、今回、8産目の検定成績証明により更に記録を伸ばした。
前述牛をはじめ、5位八木沢直人さん(栃木県)、6位京都府立農芸高校(京都府)、7位(有)萩原牧場(群馬県)所有牛も総乳量10万㌔を超えており、素晴らしい成績を残している。
また、体型においても優秀牛が多く、9位の「ウイステリアハーゲンルビ」(茨城県・佐藤信彦さん)、16位「セストームサンタルルオブナリタランド」(愛知県・成田博さん)、22位「ハツピーランドダーハムアイリン」(栃木県・植木靖さん)は、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。


平成28年07月20日「中央審査研究会参加者募集中」 -9月21~23日・北海道「酪農学園大学」で開催-
日本ホル協は、審査業務に従事する登録協会の支部・承認団体、行政機関のほか審査技術の向上を目指す指導者・技術者を対象として、9月21日から23日までの3日間、2年振りとなる中央審査研究会を開催する。(全共開催年は実施しない)
研修内容は、審査標準研修の後、模範審査に始まり8頭の牛を使って、班毎に日本ホル協審査委員と研究。その後、研修成果を確認するため、4頭1組2セット、計8頭の牛について22の線形主要形質と13の線形調査形質の評価、4大区分の得率、決定得点の答案を提出し、結果を審査委員とともに研修する。 ☆日時:9月21日(水)13時~23日(金)12時
☆場所:北海道江別市文京緑町「酪農学園大学」
☆会費:1万円
☆申込締切:8月19日(金)

平成28年07月20日「検定成績優秀牛」

- 都府県平成28年6月証明分F偏差値 -