2021年02月20日号
日ホ協 3年度事業骨子案を伝達 社員会議を書面で開催
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日本ホルスタイン登録協会は、本年1~2月に東西2地区で開催予定だった令和2年度社員会議を書面決議に変更し、令和2年度中間事業概況と前期決算、令和3年度事業計画骨子案、全共関係、任期満了に伴う社員選挙等について伝達し、了承を得た。 日本ホル協では、各都道府県の会員酪農家から選出された社員を対象に、登録事業の概況や次年度の実施計画を伝達し、会員からの意見要望を聞いて登録の普及拡大や会員相互の連携強化を図るため、年度末のこの時期に都府県を東西ブロックに分けて社員会議を開催している。しかしながら、今年度は、今般の新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言下のため、現地での集合開催を諦め、書面決議に変更した。併せて、都府県支部・承認団体登録事務担当者会議も書面での通知に留めた。
コロナ禍で登録審査は前年より減
令和2年度は、コロナ禍の影響で通常総会を1か月延期した後に書面決議に変更して開催し、すべての議案について原案どおり承認を得た。また、任期満了に伴う役員改選を行い、前田勉会長と山口哲朗副会長が再選、長恒泰治副会長が新たに選任された。
昨年12月末現在の会員数は本局4684名(前年度同期比96.3%)、血統登録申込が北海道13万281頭(同95.0%)、都府県3万1471頭(同92.4%)の合計16万1752頭(94.5%)で前年度同期に比べて9417頭の減になった。また、コロナ禍の大きな影響を受けたのが都府県の体型審査であり、前期に25都府県で審査巡回を中止したことで、12月末現在で牛群審査頭数は5215頭、前年度同期比64.0%と大幅な減少となった。
また、令和2年度前期決算では、収入の部で血統登録料が前年度同期比80.8%、審査成績証明料は同29.1%と厳しい状況。一方、支出の部では審査や夏期登録委員研修会等の中止に伴う旅費や開催費を節減したことと、ホルスタイン会館会計からの繰入金等によって何とか黒字決算とした。新事業で疾病のゲノミック評価
2年度の調査研究関連では、新規事業として(公財)全国競馬・畜産振興会の助成による「乳用牛生産性長命連産性の遺伝改良研究事業」を実施し、生産性や長命連産性に関係した耐病性のゲノミック評価法の開発と疾病データ及びSNP情報の収集を行った。そのほか後代検定体型調査や搾乳ロボット適合性調査等の委託事業を実施した。
第15回全共九州沖縄大会はコロナ禍の収束が見えないことから開催を中止したほか、夏期の地区別登録委員研修会等も中止した。新年度も自動登録推進主軸に
来年度の主な事業計画骨子案では、①血統登録では引き続き、自動登録の普及定着を図る。また、牛群審査の普及拡大と牛群検定データの登録への活用、SNP検査によるゲノミック評価の普及推進を図る、②「乳用牛生産性長命連産性の遺伝改良研究事業」を実施し、疾病データ及び関連牛のSNP情報を活用して耐病性指数の開発を行う。さらに耐病性や体のサイズ、肢蹄指数等を組み入れた総合指数(NTP)や長命連産効果の見直しを検討する、③後代検定に必要な初産牛の体型データ収集と調査農家への情報還元、遺伝評価値に必要な血縁ファイルの提供、搾乳ロボット適合性に関連した体型形質データの収集と適合性指数等の開発、SNP検査実施牛の血縁矛盾調査とゲノミック評価手法の検証、後代検定候補種雄牛の近交回避資料の作成提供等、④世界ホルスタイン・フリージアン連盟の評議員会議に参加し、加盟国との情報交換に努める、⑤登録委員研修会、中央審査研究会の開催等。
5月に社員選挙、次回全共協議も
本年5月に任期満了に伴う社員選挙を実施することで、選挙期日の公示、立候補者届出と締切、選挙投票日、当選者の公示等の日程案と、社員定数58名の都道府県地域別定数配分の考え方を報告した。これらは3月開催の理事会に上程され、承認を得ることになる。
全共関係では、第15回全共の中止決定と実行委員会解散の報告、第16回全共開催に向けてブロック開催の困難性や今後の対策案を検討していくことを伝達した。
高得点牛紹介
神奈川県(有)グッドリバー 「シーバー」93-5E獲得
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昨年12月の神奈川県後期審査において、相模原市の有限会社グッドリバー(代表、吉川一郎さん)の「グツドリバー ローヤル リステル シーバー(平23・9・9生、7産、父:REW シーバー)」が、93点5Eに評価された。
シーバー号は過去、4歳2月3産で90点、5歳3月4産で91点、6歳2月5産で92点、7歳8月6産で93点を獲得しており、昨年2月に8歳5月で7産目を分娩し、前産と同点ながら9歳3月で93点5Eを獲得した。
本年は新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐため、神奈川では前期審査が中止され、後期のみ実施となったが、このシーバー号は分娩後10か月を経っていたものの、満を持しての対応があり、今回の快挙となった。
一方、本牛は同牧場で長く続く自家生産牛の一頭で、遡ること7代で北海道千歳市の伊藤寅雄さんに辿り着く。父方はアグロ、クリスタン、Mアーリンダチーフ、Dクリエーション、チャールズ、ラデユック、ロイで一見ショウタイプと思われるが、泌乳能力も優れており、牛群検定の305日乳量では初産の7163㌔に始まり、2産9822㌔、3産9474㌔、4産1万19㌔、5産1万1691㌔、6産1万2339㌔と順調に伸びている。
先般の体型審査での各部の配点は、体貌と骨格94点、肢蹄92点、乳用強健性95点、乳器93点。特に体型的特徴を挙げるならば、極めて正確なフレームを持ち、尻の構造に優れ、体長があり、姿勢は優美で頸は薄く長く、肋腹の開張に富み、乳房においては特に前乳房の付着が強く、後乳房は高さと幅が抜群という点であろう。7産目にして乳房底面が飛節端から5㌢以上も上に位置することから、今後の益々の活躍が期待される。
なお、掲載写真は前産のもので、ホルスタイン・マガジン社より提供を受けた。グツドリバー ローヤル リステル シーバー(父:シーバー)平23.09.09生
神奈川県(有)グッドリバー(平31.04月撮影)都府県5Eは4頭
EX―E制度とは、審査得点90点以上の牛が分娩更新等の条件を満たし、再度90点以上に評価された時に、長期間にわたり優れた体型を維持している証として「2E」「3E」等と表記されていく制度である。
表には都府県におけるEX―4E以上の牛をまとめた。5E獲得牛は一昨年12月の群馬県・遠坂和仁さんのリコダツチ号を皮切りに、昨年9月には長野県・新海益二郎さんのチルダ号が続き、今回のシーバー号は3頭目の5E牛となる。さらに本年1月には茨城県・荒井裕一郎さんのメイジ号が4頭目の5E牛となっている。
なお全国で見ると、北海道・大久保大輔さんのライオネル号の6Eが最高記録となっている。
乳用雌牛評価2020-12月
北海道・(株)稲川牧場 「ボヤンカ」連続首位
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1月8日に2020‐12月国内雌牛遺伝評価成績が公表された。そのうち、全国15位以内及び都府県で飼養されている上位牛の一覧を表に示した。
1位「ボヤンカ」 北海道・稲川牧場
トップを飾ったのは「デイベロツプ バトルクライ ボヤンカ 8405 ET」(北海道・(株)稲川牧場)であった。前回の8月公表時に初登場で1位となり、2期連続のトップである。産乳成分、乳量が特に優れている。また同牧場は4位「プリン」、5位「リーデイア」、14位「リデイア」と、トップ15位以内に4頭もの牛を輩出している。
2位「アニー」 群馬県・神澤牧場
2位は都府県牛で、「シヤングリラ ドアマン アニー ET」(群馬県・(有)神澤牧場)が前回の4位よりランクアップ。耐久性成分が高く、決定得点、乳器や肢蹄など体型面に秀でている。また本牛は2019-2月評価以降6期連続で都府県のトップを維持している。
3位「レブン」 北海道・SEA-LAKE
3位は「SEA―LAKE デユーク レブン」(北海道・(株)SEA―LAKE)であった。乳量が高く、特に産乳成分は表中トップである。
都府県においては前述の2位「アニー」に続いて、福島県・(独)家畜改良センターの7位「パワーボール」、同36位「ノーバート」、静岡県・石川和博さんの16位「エレガンス」、同32位「メイビー」、岩手県・小岩井農場の「パリス」の姉妹牛が47位と50位にランクインし、トップ50の中に7頭が含まれる優秀な結果となった。
検定成績優秀牛 -都府県令和3年1月証明分F偏差値-
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