2022年07月20日号「日本ホル協特集号」
4面
コロナ禍でも登録伸びる 日本ホル協第72回総会 役員改選、前田会長を再選
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一般社団法人日本ホルスタイン登録協会(前田勉会長)は6月24日、第72回通常総会を3年ぶりに対面方式で開催し、令和3年度事業報告・収支決算、令和4年度事業計画・同収支予算、会費徴収方法等について原案のとおり可決承認した。任期満了に伴う役員改選では、新任6名を含む19名の役員選任が承認され、総会後の第313回理事会で前田会長、山口副会長、長恒副会長、栗田専務理事が再選された。
血統登録は5%増 審査検定も伸びる
令和3年度事業報告では、昨年6月25日に第71回通常総会を書面で開催したほか、臨時総会1回、理事会5回、監査会2回をWeb等で開催した。また、5月には社員選挙を実施、本年2月には社員会議を書面で開催した。
3年度の会員申込数は全国で1万178名、前年度対比95・3%であった。また、登録実施事業では、コロナ禍の影響が大きかった中で血統登録が22万8546頭、前年度に比べて約5%伸びた原因は、性選別精液の普及が大きい。一方、移動証明は4650件で約10%減少した。
体型審査では、特に都府県で前々年度がコロナ禍による中止県が多数あったが、3年度はその多くで実施できたことから、全国計で2万2701頭、前年度より13%増加した。検定成績証明は7万5692件で2%の増となった。総合指数見直しとハプロタイプ還元
情報提供では、日本ホル協Webサイトで血統検索や高能力、高得点牛等を公開したほか、スマートフォンで検索できる近交回避や登録情報活用システム(RIUS)の内容充実と利用拡大を図った。
調査研究では、総合指数の見直し(在群能力の追加)やSNP検査申込牛に対して胚致死性遺伝病(ハプロタイプ)の保因推定結果をWeb上で還元した。また、JRA畜産振興事業として耐病性指数開発の検討を行ったほか、後代検定娘牛の体型データ収集、遺伝評価用の血縁構築、搾乳ロボット適合性指数の検討、SNPデータによる血縁矛盾調査等を実施した。
研修会では、地区別登録委員研修会や登録事務担当者会議等をWebで開催、県単位の共進会の審査や登録・審査講習会の講師を担当した。このほか、機関誌として「全酪新報日本ホル協特集号」を年4回発行、各種表彰、ジャージー登録事務受託等を行った。登録事業は赤字会館会計で補填
別表の令和3年度の正味財産増減計算書では、登録事業からなる実施事業会計の経常収益合計は12億2572万円で、経常費用合計を差し引いた正味財産増減額は1501万円の赤字決算となったが、その他会計(ホルスタイン会館賃貸事業)と法人会計を合わせた総合計では、税引後正味財産増減額は6331万円の黒字を維持した。
また、令和4年度収支予算書内訳では、実施事業会計の正味財産増減額は1億119万円の赤字を見込んでおり、これらの赤字をその他会計で補填していく等、厳しい財務状況が続くことが予想される。4年度血統は21万8千頭見込む
令和4年度もコロナ禍3年目の中で登録推進に苦慮することが予想される。事業計画では、昨年度に引き続き、自動登録の推進と登録の精度向上に努めるほか、牛群審査や検定成績証明、自動登録同時SNP検査の普及拡大を図る。
4年度の血統登録計画頭数は全国で、21万8035頭、移動証明4510件、審査成績証明2万4040頭、検定成績証明7万425件を見込む。
調査研究では、ホルスタイン種の耐病性指数の開発と、令和元年度に開発した体のサイズ指数や肢蹄指数等を組み入れた総合指数や長命連産効果の見直しを進める。また、ロボット適合性指数の開発、後代検定体型調査の実施、Webサイトやスマートフォンによる情報提供の充実を図る。
第16回全共については、令和7年秋の開催を目指して、早急に開催地調査と要請を行い、開催方法や出品規則の検討を進める。日本ホル協役員改選 新役員6名が就任
今回総会では任期満了に伴う役員改選が行われ、引き続き開催された第313回理事会で、前田勉会長、山口哲朗副会長、長恒泰治副会長、栗田純専務理事を再任した。
選任された役員は次のとおり(敬称略)。
◇会長
前田 勉(長野県・再)
◇副会長
山口哲朗(北海道・再)
長恒泰治(岡山県・再)
◇専務理事
栗田 純(学識経験者・再)
◇理事
松原秀雄(北海道・新)
中六角保広(岩手県・新)
円谷勝幸(福島県・新)
臼井 勉(栃木県・再)
遠坂和仁(群馬県・再)
杉原由剛(福井県・新)
鈴木康弘(愛知県・再)
栗山勝行(兵庫県・再)
谷永英樹(鳥取県・新)
三瀬寿登(愛媛県・再)
中島 清(福岡県・再)
松島喜一(熊本県・再)
◇監事
半澤善幸(宮城県・新)
髙橋秀行(千葉県・再)
轟木孝一(鹿児島県・再)
高得点牛紹介「ドアマン」93点3E獲得
群馬県(株)長坂牧場
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令和4年5月の群馬県前期体型審査において、高崎市の(株)長坂牧場所有の「ラブリーフアーム SAB ドアマン エー フタゴ(平28.1.6生、6歳4月、父:ドアマン)」が、93点3Eに評価された。
本牛はこれまでに、3歳5月2産で88点、4歳6月3産で91点、5歳5月4産で92点を獲得しており、今回6歳で5産目を分娩し、93点の快挙となった。
体型審査での各部の配点は、体貌と骨格95点、肢蹄91点、乳用強健性92点、乳器92点(6月9日確認審査において認定)。審査得点から分かるように、極めて正確な骨格構造を備え、背線は強く長く・胸幅は広く充実し・肋腹の開張に富み・尻の構造は極めて正確である。また、乳器においては特に後乳房の高さと幅に優れ乳頭の配置は理想的で、乳房底面は飛節より上に位置し、極めて機能的な構造を備えている。なお、全体に活力があり乳用牛としての強さと生産性の高さを示す経済性に優れた成牛である。泌乳能力と繁殖性にも優れる
一方、これまでの牛群検定の泌乳成績をみると、2産から300日で乳量1万1859キロと高泌乳を示し、3産304日1万1552キロ、4産281日1万1409キロと続き、5産目も分娩後90日までの平均乳量50キロ/日で泌乳中である。泌乳能力の高さに加え繁殖性にも優れ、長坂牧場の管理技術の高さがうかがえる。
今後も産次を重ねるとともに好体型を維持し、更なるE更新に期待したい。
自動登録で優良な牛群づくりを
一般社団法人日本ホルスタイン登録協会 会長 前田勉
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一般社団法人日本ホルスタイン登録協会会員の皆様には、日頃よりホルスタイン種の登録推進に対して多大のご協力をいただき、心より感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が長期化する中、当協会では6月24日に、ようやく3年ぶりに従来の対面方式によって通常総会を開催することができました。今期は役員改選があり、総会後の理事会では三役の再任が決まり、引き続き会長の職を仰せつかりました。新役員一同、乳牛登録事業を通じて会員酪農家各位の経営向上のために一層努力していく所存ですので、今後ともご指導ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
今春以降、海外での政情不安と輸入原材料の品不足、円安による物価の高騰が重層化し、酪農関係では配合飼料や燃油、肥料ほか関係資材の価格高騰により、これまでにない厳しい局面を迎えております。この苦境に対して、乳業メーカーをはじめ政府、地方自治体、酪農関係団体等にはより大きな支援と協力を切望するところです。
さて、当協会の昨年度事業は、会員の皆様をはじめ登録委員、関係団体等のご協力のお陰で、血統登録・審査成績証明・検定成績証明等が、前々年度には及ばないものの、前年度を上回る実績を残すことができました。
令和4年度も引き続き、申込書不要で料金割安、登録書が早期発行できる「自動登録」を推進してまいります。血統登録全体に占める自動登録頭数の割合は、北海道で98%、都府県でも70%まで伸びてきています。自動登録によって、ホルスタイン後継牛の確保と、健康で長命連産し、より高い生涯生産能力を発揮できるような優良な牛群づくりをアシストしていく所存です。
また、自動登録同時SNP検査申込による登録料の優遇、ゲノミック評価値や遺伝病ハプロタイプ等情報還元のWebサービスの充実、「耐病性指数」や「搾乳ロボット適合性指数」の開発、NTPや長命連産効果の見直しを実施します。
最後に、今夏も厳しい暑さが予想されます。熱中症と新型コロナウイルス感染症の「第7波」による急激な感染が増大していますので、くれぐれも十分なる予防対策を実施されますよう祈念いたします。
職員募集
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5面
自動登録同時SNP農家還元情報Web
8月評価に合わせてリニューアル ~多様な操作が可能に~
都府県の会員を対象に、今年度から自動登録同時SNP検査の運用変更によって利用可能となった自動登録同時SNP農家還元情報Webが2022年8月評価の公表に合わせてリニューアルを予定している。今回は農家還元情報Webのおさらいとリニューアル情報を紹介したい。自動登録同時SNP農家還元情報Webとは日本ホル恊の事業である自動登録同時SNP検査を実施している会員を対象としたWebサービスである。
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自動登録同時SNP検査とは
自動登録同時SNP検査とは、SNP検査およびゲノミック情報の普及・推進のために平成28年度から日本ホル協が取り組んでいる事業で、血統登録料金の優遇措置を行い、独自のゲノミック情報を提供している。自動登録を実施し、牛群検定に加入している会員が自動登録同時SNP検査申込書を提出することで開始できる。
開始後は自動登録した牛の血統登録証明書と一緒に申込みに必要な事項が全て記載されたSNP検査の試料送付書が送付され、血統登録日から3か月以内にSNP検査を申込むことで血統登録料金の優遇が受けられる。なお、ET生産牛も自動登録同時SNP検査の対象となるが、親子判定と同時にSNP検査の申込みを行う必要がある。リニューアル内容の紹介
雌牛リスト
雌牛リストでは在籍牛の遺伝評価値の一覧が表示され、登録番号や各評価値で並べ替えができる。従来は表示項目が固定されていたが、今回からは編集可能となり、ユーザーが知りたい情報で並べ変えが可能となった。また、形質ごとに重みをつけて独自の指数を設定出来るようになった。
雌牛情報
レイアウトを改修し、より見やすいものになった。このページでは本牛の血統、遺伝評価値、遺伝子保有情報や自身の近交係数などの情報がまとめられている。また交配予定種雄牛との両親平均を計算することもできる。
在籍牛の平均遺伝能力
このページでは乳量などの主要な形質の育種価がレーダーチャートで表示されている。在籍する経産牛、未経産牛と全国の平均値と比較することができ、面積が大きい牛群ほど牛群レベルが高い。また、経産より未経産が大きいならば順調に遺伝的改良が進んでいると言える。今回の改修により、今まで固定されていたレーダーチャートの表示項目をユーザーが選択できるようになった。
遺伝的トレンド
このページでは雌牛誕生年ごとの遺伝評価値の推移を全国平均と比較しながら見ることができる。リニューアル後は表示する遺伝評価値をSBVからEBVへ変更し形質ごとに選択して表示するようにした。
在籍牛情報
このページでは在籍牛の遺伝的能力の分布と父牛別雌牛頭数を表示している。変更点は遺伝的能力の分布図で、表からグラフに変更し視覚的により分かり易くした。
以上で8月のリニューアル内容の紹介を終えるが、他にも今回紹介出来なかった雌牛分布図など有益なページがある。都府県では岩手県の会員を中心に36農家が自動登録同時SNP検査を実施している。未経産の若い時期にSNP検査をして個体・牛群の遺伝的能力を把握することは牛群改良にとって大切である。
酪農業界を取り巻く環境は未だ厳しいが、自動登録同時SNP検査事業を通じて血統登録料金の優遇、SNP検査申込みの簡素化とSNP検査によって得られたゲノミック情報をグラフなどにビジュアル化する自動登録同時SNP農家還元情報Webを活用してはいかがだろうか。
1位 ウインチエスター 岩手県 川村竜太さん
生涯乳量 都府県 令和4年5-6月
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令和4年5月から6月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量5万キロ以上を示した。今回は6頭が総乳量(M)10万キロを突破した。
1位 川村竜太さん(岩手県)
今回の1位は川村竜太さん(岩手県)の「アマリア ビシヤモン ウインチエスター」の検定回数14回で検定日数4869日、M15万4929キロ、総乳脂量(F)5036キロ、平均乳脂率(F%)3.3%、総乳蛋白質量(P)4341キロであった。この成績は岩手県内歴代1位かつ都府県歴代9位、乳脂量は県内歴代5位の結果。令和3年9月20日特集号にて岩手県の記録更新を期待されていたが、今回それを実現した形になった。16歳で14産を果たし、長命性、繁殖性ともに非常に優れている。
2位 眞嶋大輔さん(栃木県)
2位は眞嶋大輔さん(栃木県)の「スノーライト アイス モニター」の検定回数10回で検定日数4107日、M13万2823キロ、F4913キロ、F%3.7%、P4505キロ。これは栃木県内で乳量・乳脂量ともに歴代3位の記録となる。現在、5頭の娘牛と7頭の孫牛、2頭のひ孫牛がおり、今後も同牧場を支えていくことがうかがえる。
3位 妹尾優佳さん(岡山県)
3位は妹尾優佳さん(岡山県)の「ヒールクレスト バクスター デリア」の検定回数10回で検定日数3343日、M13万23キロ、F4583キロ、F%3.5%、P4131キロだった。県内歴代2位、乳脂量は4位の成績となる。母牛の代に北海道札幌市の横田牧場から導入されており、6世代続いて決定得点85点以上を獲得した、優秀な血統である。
4位は(株)長田牧場(茨城県)の「ローズフアーム ゴールド マウスー」の検定回数11回で検定日数3533日、M11万6842キロ、F3773キロ、F%3.2%、P3938キロとなり、この成績は県内歴代4位、乳脂量は歴代15位となる。この牛は母牛が北海道川上郡の富田牧場から導入されており、同牧場内では6頭目となる10万㌔突破牛となった。
5位は亀田康好さん(埼玉県)の「シンボライズ ロメオ クラウン」の検定回数8回で検定日数3490日、M10万8018キロ、F3886キロ、F%3.6%、P3454キロであった。これは埼玉県内で1位、乳脂量は5位の記録となる。7世代前から本牧場を支え続けている血統であり、祖母牛は2005年に開催された第12回全共で1等賞を獲得している。
6位は古川豪樹さん(佐賀県)の「オールドリバー ゴールデン フアーストレデイ」の検定回数10回で検定日数3424日、M10万3500キロ、F4104キロ、F%4.0%、P3351キロ。佐賀県内で乳量2位、乳脂量1位の成績となった。この牛は11歳で10産、かつ90―4Eを獲得するなど、繁殖面、体型面で非常に優れた牛である。
また3位の妹尾優佳さんをはじめ、6位の古川豪樹さん、佐藤範之さん(茨城県)、(有)グツドリバー(神奈川県)、小針勤さん(栃木県)、岩泉篤さん(岩手県)、山崎敏さん(岩手県)、千葉準一さん(青森県)、小林篤史さん(栃木県)、藤原和弘さん(長野県)は90点以上を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。
6面
審査頭数V字回復 血統登録頭数も微増
令和3年度各種申込状況
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令和3年度における都府県別登録等申込状況を表1に、また平成24年度から直近10年間の各種申込件数の推移を表2に示しました。昨年度、都府県における血統登録頭数は4万5386頭で、前年度比101.6%と新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け減少に転じた前年度から回復しました。これはひとえに会員をはじめ登録委員、各都府県支部・承認団体等のご協力のお陰であり、感謝申し上げます。その中で人の移動を介さない自動登録による登録頭数は3万1196頭と順調に増加しており、行動が制限されたコロナ禍にあっても有効な登録方法と言えるでしょう。
酪農を取り巻く情勢は変わらず厳しいものがありますが、これからも性選別精液の利用やゲノミック評価の活用等により、効率的な乳用雌牛の生産を続けてほしいと思います。
会員数は4516名、前年度比93.9%と減少しています。また、移動証明は自動登録の普及拡大に伴い、減少傾向が続いており、前年度比93.4%でした。現在、自動登録は血統登録全体の68.7%となり、前年度よりもシェアが増加しています。
表1の右列、都府県の自動登録実施状況では、昨年度都府県で自動登録を実施している農家は1945戸でわずかに減少しましたが、新規に65戸が自動登録を開始しています。自動登録を実施する農家の割合が毎年増えている一方で、何らかの理由で自動登録を中止する農家も少なくありません。日本ホル協ではこれからも申込書不要で料金割安、血統書の早期発行等のメリットの多い自動登録の普及推進に努めてまいります。また、各県では自動登録の普及推進のための研修会等が開催されていますが、ご希望があれば日本ホル協からも担当職員を派遣して説明をさせていただきますし、新型コロナウイルス感染症対策としてWebでも対応させていただきます。EX牛は446頭
審査成績証明は9000件で、前年度より2983頭の大幅な増加となりました。前年度はコロナ禍の緊急事態宣言等の影響で都府県の審査頭数が激減し、昨年度も引き続き8県で感染防止対策等を理由に審査が中止となりましたが、受検農家並びに支部・承認団体等関係各位のご理解ご協力により、審査頭数は前年対比で149.6%となりました。エクセレント(EX、審査得点90点以上)に評価された牛は前年度より136頭多い446頭でした。そのうち、EX―E制度により、分娩更新して審査を受検し、複数回EXに評価された2E以上の牛は前年度よりも16頭多い138頭でした。体型に優れた牛が増えてきたのは、酪農家各位のこれまでの遺伝的改良と優れた飼養管理の賜物と言えましょう。昨年度のEX獲得牛を都府県別に見ると岩手県が63頭で最も多く、次に群馬県42頭、千葉県33頭、福岡県と熊本県30頭など。また、複数回EX牛は岩手県が21頭と多く、次に群馬県15頭、千葉県13頭、福岡県と熊本県11頭などでした。
検定成績証明は4186件で前年度比99.8%でした。令和元年度から開始した登録情報活用システム(通称RIUS、ライアス)では、血統能力証明書では表示しきれなかった血統情報や歴代の審査成績などをパソコンやスマートフォンで閲覧できます。既に使われている方もいると思いますが、RIUSの対象は検定成績証明書の自動継続申込農家であり、すべての酪農家が閲覧することはできません。都府県では89戸の申込農家が利用可能となっています。検定成績証明の自動継続申込によって、様々な情報を提供する本システムを有効に活用されることを是非お勧めします。改良で酪農を支える
厳しい酪農情勢の中ですが、日本ホル協においても牛群改良の基礎となる血統登録を推進し、遺伝病予防や近親交配を回避するための情報提供、また体型審査や検定成績、さらにはゲノミック評価値を活用して、より高い生産能力と長命連産に富んだ牛群づくりに貢献できるよう、今後とも酪農経営の基盤を支えるような取組みを進めてまいります。
(事業部 岡)
遺伝的能力確認してみませんか? ゲノミック評価スケジュール(案)
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独立行政法人家畜改良センターから2023年8月公式評価までの公表スケジュール(案)が示されました。下表にはゲノミック(以下、G)評価に係る毛根到着日と公表日(リリース日)をまとめました。G評価は8月、12月、2月に行われる公式評価と公式評価から次の公式評価の間に新たにSNP検査を行った未経産と若雄牛を対象とした毎月評価があります。表のうち、色のついている欄が公式評価、ついていない欄が毎月評価を表しています。なお、公式評価のうち、12月は雌牛のみの公表となります。毛根到着日の欄に記載されている期日までにSNP検査機関に毛根が届けられた牛は、G評価公表日に1頭ごとの情報がG評価速報Webに記載されるほか、日本ホル協より結果を郵送いたします。さらに公表日の3営業日後には牛群遺伝情報Webに記載され、牛群をまとめて調べることが可能になります。なお、スケジュールは7月22日に開催される令和4年度乳用牛改良手法の高度化事業に係る乳用牛改良推進会議で正式決定されますので、ご注意ください。最新のスケジュールは日本ホル協もしくは改良センターのWebサイトで確認できます。
そもそもG評価とは乳牛の遺伝的能力を評価する方法の1つです。従来の乳量や決定得点などの表形値と血統情報から推定される遺伝評価に加えて、SNP(DNAの塩基配列上にある標識で、DNAのいたるところに存在し、個体間で塩基の配列が1塩基だけ異なっている部分)というDNA情報を用いた評価法で、このSNPを毛根や血液から採取する検査のことをSNP検査といいます。
G評価には未経産の段階で遺伝的能力が優れているかを判断できるという利点があります。これにより、G評価値が高かった牛は採卵することで優れた後継牛の確保を可能にし、一方で評価値が低かった牛は受卵牛とすることで副産物による収入の増加を見込むことができるなど、以前より効率的な経営を実現することが可能になります。その他にも、遺伝病の発見、血縁関係の確認など、数多くの利点があります。
前記の通り、G評価は今後の日本の乳牛改良においても重要な手法です。そのため、日本ホル協でもG評価並びにSNP検査の普及・推進に努めています。その一環として行っているのが自動登録同時SNP検査です。情報開示に同意しており、自動登録及び牛群検定を実施している農家の方が申請できます。生後1年以内のホルスタイン種雌牛(ET産子、導入牛も含む)のSNP検査を登録日から3か月以内に申し込むと、その雌牛の血統登録料金の半額が年度末に返金されます。ただし、alic補助事業によりSNP検査したものは対象外となるのでご注意ください。
自動登録同時SNP検査、及びそれに伴うWebサービスの詳細につきましては5面をご覧ください。
(事業部調査課)
今後の行事 日本ホル協
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◇第314回理事会
7月27日、Web開催
◇第16回全共企画委員会
7月27日、Web開催
◇令和4年度地区別登録委員研修会
8月25日、9月2日、Web開催
◇支部・承認団体夏期登録事務担当者会議
9月7日、Web開催
◇中央審査研究会
中止
◇中間監査会
10月21日、日ホ会議室
◇第315回理事会
11月18日、中野サンプラザ
◇令和4年度社員会議
◎東日本地区、令和5年2月10日、中野サンプラザ
◎西日本地区、令和5年2月3日、場所未定
◇令和4年度冬期登録事務担当者会議
令和5年2月上旬~中旬、Web開催
人事異動 日本ホル協
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(7月1日付)
◇稲沢かがり
事業部調査課普及係長(同調査課普及係主任)
7面
令和3年度 都府県 年型別検定成績優秀牛 2部門で記録更新
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令和3年度都府県での検定成績優秀牛として、表に延べ32頭をまとめた。昨年度は乳量の2部門で都府県記録が更新された。
都府県記録を更新したのは、池島和博さん(宮崎県)所有の「アミスター ピユア ブルネツト BRC RED」、2.5年型305日で1万7107キロと、(独)家畜改良センター(福島県)所有の「RE フアツジ マントル メリデイアン ET」、3.5年型305日で1万8954キロであった。
また表中で最大の乳量及び乳脂量となったのも(独)家畜改良センターの所有牛「WHG ブリズ マスクル スーパーパワー ET」で、どちらも4.5年型365日で乳量2万162キロ、乳脂量958キロ、乳脂率は4.8%であった。優秀牛最多所有者は改良センター
優秀牛の所有者に目を向けると、(独)家畜改良センター所有牛が16部門、次いで小針勤さんと山下和成さん所有牛が3部門、遠坂和仁さんと矢内孝久さん、(株)荒木牧場所有牛が2部門でトップとなる優秀な成績を収めている。
25都県61名を表彰 登録推進に尽力
登録委員表彰
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日本ホル協は、登録委員に対する表彰要領に基づき、各県支部・承認団体から推薦のあった25都県61名の登録委員の方々を表彰した。
登録委員は、酪農組合などの技術職員で、日本ホル協が委嘱し、酪農家に最も身近な立場で登録申込書の作成や改良指導などに日頃から活動されており、登録推進には不可欠な存在である。常々のご尽力に対して心から感謝の意を表する次第である。
令和3年度の表彰登録委員は次のとおり(敬称略)で、感謝状と記念品が贈られた。
(青森県)北山秀一
(岩手県)今松祐一、佐藤駿介、千葉和成、大森萌香
(宮城県)半田好昭、高橋将之、大宮勝廣
(福島県)甲斐響、武田佳樹
(茨城県)青木祐哉、小泉由紀子、渡辺和弘、藤田和樹
(栃木県)岡信也、坂本佑介、潮田美佐枝
(群馬県)宮崎智裕、岡部貴大、中島康伸
(千葉県)水野好幸、冨山洋、鈴木文雄、上田千世
(東京都)古田土学
(新潟県)池田将大
(長野県)長谷部光咲、伊藤大器、木嵜章夫
(岐阜県)廣瀬太一、林慎一郎、長瀬和仁
(静岡県)勝又保彦、奥村雄希、近藤宏子
(兵庫県)道満文貴、二星隆太
(鳥取県)前田拓也
(岡山県)遠藤健嗣、難波正憲
(愛媛県)能田竜、大塚政彦
(高知県)織田聡美
(福岡県)小河武洋、津留崎孝嘉、梶嶋茜、梶原隆幹
(佐賀県)木下浩輔
(熊本県)黒田公浩、矢川貴之、小田幸二、福田一美、島田大輔
(大分県)恒藤幸伸
(宮崎県)松葉和成、安藤龍貴
(鹿児島県)藤田周平、長野昭紀、池平悠理、泊秀一
(沖縄県)荻堂義光
令和3年度 検定成績優秀牛群
首位・矢内孝久さん(群馬県)
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日本ホル協では、表彰要領に基づき毎年度検定成績優秀牛群を表彰している。令和3年度のとりまとめでは、矢内孝久さん(群馬県)の牛群が牛群検定加入頭数22頭のうち39件証明から平均乳脂肪量(F)偏差値198.1で1位となった。
2位は昨年度3位だった吉田仁治さん(新潟県)が、34件証明、F偏差値194.8と昨年度を超える成績を収めている。3位は(株)荒木牧場(熊本県)が31件証明のF偏差値192.6、4位は鈴木正さん(新潟県)が18件証明のF偏差値189.0、5位は昨年度1位だった小林正春さん(長野県)が21件証明のF偏差値184.1と続いた。
拡大・普及推進に貢献 宮崎県など表彰 令和3年度 都府県 支部・承認団体表彰
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日本ホル協では毎年度、会員拡大や血統登録の推進、自動登録の普及や審査の普及推進に貢献している各都府県支部・承認団体を表彰している。
会員拡大推進団体
【優秀賞】宮崎県経済農業協同組合連合会
【優良賞】熊本県酪農業協同組合連合会、鹿児島県酪農業協同組合
【努力賞】全国農業協同組合連合会青森県本部、日本ホルスタイン登録協会岩手県支部、福島県酪農業協同組合、大山乳業農業協同組合、愛知県酪農農業協同組合自動登録普及推進団体
①増加指数によるもの
【殊勲賞】神奈川県酪農業協同組合連合会
【敢闘賞】佐賀県農業協同組合、東京都酪農業協同組合
【努力賞】広島県酪農業協同組合、(一社)滋賀県畜産振興協会、日本ホルスタイン登録協会岩手県支部、日本ホルスタイン登録協会秋田県支部、(一社)高知県畜産会①普及指数によるもの
【殊勲賞】大山乳業農業協同組合
【敢闘賞】大阪畜産農業協同組合、鹿児島県酪農業協同組合
【努力賞】日本ホルスタイン登録協会秋田県支部、おかやま酪農業協同組合、(一社)福井県畜産協会、(公社)山口県畜産振興協会、愛知県酪農農業協同組合血統登録普及推進団体
【殊勲賞】神奈川県酪農業協同組合連合会
【敢闘賞】山梨県家畜改良協会、日本ホルスタイン登録協会岩手県支部
【努力賞】広島県酪農業協同組合、静岡県ホルスタイン協会 、宮崎県経済農業協同組合連合会、(一社)埼玉県畜産会、日本ホルスタイン登録協会秋田県支部審査普及推進団体
①増減率によるもの
【優秀賞】日本ホルスタイン登録協会岩手県支部
【優良賞】ふくおか県酪農業協同組合、酪農とちぎ農業協同組合
【努力賞】山梨県家畜改良協会、愛知県酪農農業協同組合、大分県酪農業協同組合、おかやま酪農業協同組合、福島県酪農業協同組合①審査頭数によるもの
【優秀賞】日本ホルスタイン登録協会岩手県支部
【優良賞】熊本県酪農業協同組合連合会、(公社)群馬県畜産協会
【努力賞】千葉県酪農農業協同組合連合会、酪農とちぎ農業協同組合、ふくおか県酪農業協同組合、宮崎県経済農業協同組合連合会、愛知県酪農農業協同組合
令和3年度 審査成績優秀牛群
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日本ホル協では、審査頭数によって10~29頭、30~49頭、50頭以上の3クラスに分け、それぞれ平均体型偏差値の上位10牛群計30農家を表彰した。表彰にあたり50頭以上クラスを除き、受検率70%以上が表彰条件となっている。
審査頭数10~29頭クラスでは28戸が対象となり、その中で昨年度1位であった佐野茂樹さん(岩手県)が審査頭数12頭(受検率70.5%)、平均得点88.3点、平均体型偏差値168.4で2年連続1位を獲得した。
審査頭数30~49頭クラスでは27戸が対象となり、その中で1位だったのはこちらも昨年度と同じく古川豪樹さん(佐賀県)で、審査頭数38頭(受検率79.1%)、平均得点87.6点、平均体型偏差値165.9であった。古川豪樹さんはこの部門では平成24年度から10年連続してのトップ獲得となった。
審査頭数50頭以上クラスでは39戸が対象となり、その中で(農)ウイス牧場(愛知県)が審査頭数53頭(受検率88.3%)、平均得点86.4点、平均体型偏差値159.2で第1位に輝いた。
令和3年度の審査成績優秀牛群表彰農家を紹介したが、表彰者個々の改良意欲の高さと、日々の管理技術の向上に取り組む姿勢に敬意を表するとともに、今後のさらなる発展に期待したい。
検定成績優秀牛 -都府県 令和4年06月証明分F偏差値-
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